「中間貯蔵施設」設置に向けて中国電力と関西電力が共同開発

ブログ 原子力

7月28日に原子炉を起動、12年ぶりに稼働した関西電力高浜発電所1号機については、昨日15時に発電機と送電設備をつなぐ並列操作を行い、発電を開始しました。
 
工程通り進めば、5日には100%出力に到達するとのこと。
 
この暑さの中での点検作業など、現場の緊張感は続くことと思いますが、定格電気出力82.6万キロワットは、厳しい夏場の電力需給に大きく貢献することから、無事のフルパワー到達に向けて心からエールを送るところです。
 
さて、同じ原子力の話題で、昨日「注視」と書きました上関町(山口県)における使用済み燃料「中間貯蔵施設(以下、中間貯蔵施設)」設置検討の件について。
 
中国電力は、上関原子力発電所の建設に時間を要する中で、上関町長からあった地域振興策の検討要請に対し、上関町の同社所有地内において「中間貯蔵施設」の設置に係る検討を進めることとし、立地可能性を確認するとともに、計画の検討に必要なデータを取得するための調査を実施したい旨、昨日、町長に回答しました。
 
なお、中間貯蔵施設の検討にあたっては、施設規模や経済性等を勘案する中で、同社単独での建設・運営は難しいと判断し、同社と同様に中間貯蔵施設のニーズがある関西電力との共同開発を前提に、今後、調査・検討を進めていくことも公表しました。
 
 →中国電力のプレスリリースはこちら
 

【中国電力 上関原子力発電所の建設予定地(産経NEWSより引用)】
 
一方、関西電力はホームページで、「原子力発電所の将来の安定運転に必要な使用済燃料の搬出容量を確保するため、引き続き、あらゆる可能性を追求して最大限取り組んでまいります。」とのコメントを発表。
 
福井県においては、関電が示した「フランスへの使用済み燃料搬出」について、再度国に説明を求めている段階にありますが、この共同開発はあるにせよ、段階を経て明らかにするのでなく、この時点で公表することに大きな意味があるものと感じた次第です。
 
中国電力によれば、準備が整い次第、調査を開始するとあります。
 
現地調査には半年程度を要するとしていますが、発電所建設にあたっての評価等を踏まえれば、施設立地点として成立するのは間違いないと推察するところ。
 
このことが今度は、国を含めた、関電と福井県の間でどうなるのか。
 
福井県の原子力行政とも大きく関わるものであり、引き続き、動向に注視する所存です。
 
(投稿後、追記)
上関町長が、今後議会の判断を仰ぐと述べていらっしゃる通り、地元の同意、ご理解があって進められるものであり、現時点で実施が決定した訳ではございません。
私の投稿が「ありき」と誤解を招かぬよう補足、追記いたします。

高浜発電所1号機が「再稼働」

ブログ 原子力

昨日は、午前中、先の統一地方選挙等での改選を踏まえ開催された嶺南広域行政組合の臨時議会、夕刻は、北陸電力労働組合福井県支部の「ユニオン研修」に出席。
 
とりわけ、ユニオン研修では、県内各地から参集された労組役員の皆さんに対し、日頃のご支援への御礼、そしてこの猛暑のなかにおいても北陸エリアの電力安定供給を守っていただいていることへの感謝をお伝えしました。
 
「北陸エリアでんき予報」(北陸電力送配電HP)では、昨日の需要ピーク時の使用率は88パーセント。
 
「安定した状況」ではあったものの、こうした現場の方々の努力あって成り立っていることを忘れてはならないと、改めて感じた次第です。
 
さて、電力供給といえば、同じ福井県内で再稼働を果たした関西電力の高浜発電所1号機(以下、高浜1号)。
 
高浜1号は、1974年に運転を開始し、新規制基準に基づく原子力規制委員会の審査に合格した国内で最も古い原子力発電所。
 
「原則40年、最長60年」と定められた現行ルール下で、2016年に40年超運転の審査に国内で初めて合格したプラントですが、新規制基準で義務づけられたテロ対策の「特定重大事故等対処施設(特重施設)」の整備を終え、こうして再稼働を迎えたもの。
 
7月28日午後3時には、12年7ヶ月ぶりとなる原子炉起動となり、ここに至るまでの関係者の皆様のご努力に心より敬意を表する次第です。
 

【原子炉を起動した高浜1号(手前)奥は再稼働の準備が進む2号(福井新聞web版より引用)】
 
新規制基準下で運転開始から40年を超えた原子力発電所が稼働するのは、関電美浜発電所3号機に続き国内2基目ですが、高浜1号が稼働したことで、関電の稼働中原子力発電所は約12年ぶりに6基体制となり、9月15日に再稼働予定の高浜2号が続けば、福島第一原子力発電所事故後初めて、廃止措置に進んだ発電所を除く全7基が稼働する見通しであり、これを喜ぶところです。
 
電力需要の厳しい、いわゆる「夏季ピーク」に、高浜1号の82.6万キロワット(定格出力で)が戦線復帰することの意味合いは大変大きく、さらなる安定供給に寄与することを忘れてはなりません。
 
こうして関電の若狭のプラントがほぼ再稼働を果たすことにより、ここ福井県嶺南地方が日本の電力安定供給を支えるうえで重要なエリアであることを改めて強く認識するところですが、これに何としてでも続かねばならないのが我が「敦賀2号」。
 
「原子の灯」をもって社会に貢献するとのマインドのもと、前進あるのみです。

三菱重工の革新軽水炉「SRZ-1200」を聞く

ブログ 原子力

昨晩は、福井県原子力平和利用協議会(以下、原平協)敦賀支部の令和5年度第1回研修セミナーに参加させていただきました。
 
この日のテーマは、「革新軽水炉 SRZ-1200をメインに次世代軽水炉について」。
 
しかも、実際に設計を担当する三菱重工業(株)の原子力セグメント SRZ推進室の西谷室長にお話しいただけるとあって、大いに興味をもって会場のあいあいプラザに向かった次第。
 
1992年に三菱重工に入社された西谷室長は、原子力畑を歩み、日本原電の敦賀2号にも来られたことがあるほか、美浜、大飯、高浜と主に若狭にある関西電力のプラントの保守管理に携わられてこられたとお聞きし、親近感が湧いたところですが、第1部では、三菱重工が開発を進める革新炉のうち、小型軽水炉、高温ガス炉、高速炉、マイクロ炉、第2部では本題の「SRZ-1200」について、大変丁寧に説明いただきました。
 
革新軽水炉「SRZ-1200」に関しては、これまで24基の加圧水型軽水炉の国内建設および保守に携わってきた三菱重工が、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、既設プラントの再稼働と安全安定運転に貢献するとともに、「SRZ-1200」の早期市場投入を目指すものであり、名称のSRZにはそれぞれ以下の意味を込めているとのこと。
 
S:Supreme Safety(超安全)、Sustainability(持続可能性)
R:Resilient(しなやかで強靭な)light water Reactor(軽水炉)
Z:Zero Carbon(CO2排出ゼロ)で社会に貢献する究極型(Z)
数字の“1200”は電気出力120万kW級を表す。
 

【革新軽水炉「SRZ-1200」(三菱重工ホームページより)】
 
 →三菱重工HP 革新軽水炉「SRZ-1200」のページはこちら
 
PWR4電力(北海道、関西、四国、九州)との共同研究による「SRZ-1200」の標準プラントの開発を進めており、2020年度末にプラント概念設計を完了。
 
2021年度より基本設計を開始し、現在は許認可向けのプラント設備使用検討を実施中であり、今後並行してプラント建設に向けた立地等の固有条件を考慮した個別プラントの基本設計、詳細設計を進め、2030年代半ばの実用化を目指すとありました。
 
国がGX実行会議の次世代革新炉ロードマップで、最も早く開発を進める「革新軽水炉」ですが、まさにこの「SRZ-1200」はこれにあたるものと認識した次第です。
 
開発経緯とコンセプトを伺った後は、「SRZ-1200」の設計目標とプランと仕様、主要機器の概要、安全性の向上、運用性・経済性の向上と、それぞれ現時点の設計の考えをお伺いすることができました。
 
なお、最後の運用性の向上の観点では、「再生可能エネルギーの発電電力量に合わせた大規模な出力調整能力を付加」したとありました。
 
つまりは、系統の負荷に追従した運転を可能にするということであり、これまでのベースロード電源(熱出力一定運転)と発送を変えるもの。
 
これは、19日のブログで紹介した「再循環流量により原子炉出力の調整を容易化することで再生可能エネルギーとの共存も図る」とする東芝ESSの革新軽水炉「iBR」の考えと同じであり、これが潮流であるとも認識した次第です。
 
これまでも「原子力か再エネか」ではなく、「原子力も再エネも」利用していくとの考えからすれば、この負荷追従運転の必要性も理解するところですが、これも時代の変化ということでしょうか。
 
こうして約1時間半のセミナーはあっという間に時間が過ぎてしまいましたが、最新の設計、しかもリアルに設計されている責任者からお話しを伺えたのは大変貴重なことであり、講義いただいた西谷室長はもとより、この場をセットいただいた原平協敦賀支部の皆さんに感謝申し上げます。
 
19日のブログと重複しますが、こうして国内のプラントメーカー(GE日立→BWRX-300、東芝→iBR、三菱重工→SRX-1200)が揃い踏みで「次世代革新炉」の開発を進め、日本の原子力技術が世界に誇るものであると証明することにつながればと切に願い、心より応援する次第です。

東芝ESSが革新軽水炉「iBR」を発表

ブログ 原子力

三連休明け、週始めの朝は街頭活動からスタート。
 
いつも通り、車を停めさせていただく「つるが薬局」さんにご挨拶した後、晴天のもと8時までの約30分間、マイクを握らせていただきました。
 
話しながら見ておりますと、ワチャワチャとじゃれあいながら登校する男子中学生の姿を微笑ましく感じたところですが、思えばもうすぐ「夏休み」。
 
梅雨が明けないまま夏本番を迎える勢いですが、暑さに負けず頑張りたいと思います。
 
さて、先の6月定例会の一般質問では「次世代革新炉」を現実的に進めるための施策のひとつとして、事業者が予見性を高めるため〝政府の直接投資”による事業環境整備の必要性を国に求めるべきと意見し、〝直接”か否かは置き、ファイナンスの面で重要であることは、米澤市長と意見が一致したところ。
 
その際、例として英政府がサイズウェルC号機建設に「直接投資」した約1100億円の話しをしましたが、英政府では「小型モジュール炉(SMR)」の導入に向け、開発技術を競うコンペを実施すると発表。
 
その中で、官民合わせ、関連事業に数十億ポンド(数千億~1兆数千億円)の投資が行われる可能性があることが明らかになりました。
 
もちろん、エネルギー安全保障の強化につなげるのが狙いでありますが、技術革新に向け、国が資金面でも前面に出て後押しする姿勢は、まさに「国策」として進める意思を表すものであり、日本においても是非、こうした形で国の意思を示して欲しいと考える次第です。
 
また、国内における次世代革新炉(とりわけ革新軽水炉)に関しては、三菱重工が「SRZ-1200」の開発を進め、一歩リードするところですが、7月11日には東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS)が、報道関係者らと意見交換を行う「東芝技術サロン」を開催する中で、革新軽水炉「iBR」のコンセプトを紹介したとのこと。
 

【革新軽水炉「iBR」のイメージ(東芝ESS提供)】
 
紹介されたコンセプトでは、堅牢な建屋、静的メカニズムを取り入れた安全システムを採用し、さらなる安全性向上と安全設備・建屋の合理化を同時に達成するほか、再循環流量により原子炉出力の調整を容易化することで再生可能エネルギーとの共存も図るとありました。
 
後段の部分はつまり、太陽光など再生可能エネルギーによる発電量に合わせて、原子力発電所側で負荷調整をするとの意味であり、これまでの発想とは異なるもの。
 
「再エネとの共存」の言葉がそのことを表していると解釈した次第ですが、この先、どういった炉に設計していくのか楽しみなところでもあります。
 
なお、敦賀発電所1号機では東芝、日立、敦賀発電所2号機では三菱重工の方とお仕事させていただいた私ですが、こうして国内のプラントメーカーが息を吹き返し、日本の原子力技術が世界に誇るものであることを証明することになればと強く願い、応援する次第です。
 
奇しくもウクライナ侵略により、世界のエネルギー事情が劇的に変わったことによって、欧米各国が原子力発電に再び舵を切ることになった訳ですが、これがなければ恐らく、世界の原子力は中露に席巻されていたことでしょう。
 
中露が原子力の技術も人材も握ってしまっていたと思うと恐ろしくてなりませんが、そう思えばやはり、今こうして欧米、そして日本が原子力を進めることは、世界の安全保障上のバランスを取る意味でも極めて重要です。
 
そうした意味も含め、既に開発を進めるGE日立とともに、東芝、三菱重工が揃い踏みで、「次世代」に向けた技術革新が進むことを切に期待する次第です。

文句や疑義があるのならば科学的に論理的に反論を

ブログ 原子力

中国が日本に対し、「核汚染水の海洋放出は人類の命と健康に関わる」と主張し、「独断専行してはならない」と牽制する東京電力福島第一原子力発電所「処理水」の海洋放出。
 
国内では、西村経済産業相が昨日、全国漁業協同組合連合会(全魚連)の会長らと面談し、「国際的な安全基準に合致している」と理解を求めたものの、全漁連側は「反対」の立場を崩さず、歩み寄りはみられなかったとのこと。
 
また、政治においては、立憲民主党の阿部知子衆議院議員らが処理水の放出計画中止を求める共同声明を発表したことに対し、国民民主党の榛葉賀津也幹事長は記者会見で、「(放出されるのは)汚染水ではなくて科学的に安全が証明された処理水だ。科学は嘘をつかない。文句や疑義があるのならば科学的に論理的に反論をしてほしい」と述べ、苦言を呈しました。
 
さらに、「こういう問題を政治利用して世論を煽ったり、ミスリードをするような言動を繰り返すのは極めて残念、遺憾だ」とも語ったとのこと。
 

【会見する国民民主党 榛葉賀津也幹事長】
 
榛葉幹事長には「良くぞ言ってくれた。その通り!」と深く相槌を打った次第ですが、難しい問題だからこそ、政治家が前面に出て、態度を明らかにすることが重要なことと認識するところです。
 
なお、そもそもの「ALPS処理水」は、建屋内に溜まった放射性物質を含む水を浄化処理した水で、増え続ける処理水の処分方法について、6年以上にわたる専門家らによる議論を経て、2021年4月に海洋放出する方針を決定したもの。
 
除去するのが困難な「トリチウム」は宇宙から降り注ぐ宇宙線によって生成され、自然界にも広く存在するほか、雨や飲料水にも含まれており、体内に入っても、蓄積されることはなく、水と一緒に排出され、人体への影響はほとんどないと考えられています。
 
また、国内外の原子力施設からも各国の規制基準を満たした上で、海洋や河川、大気中に放出されています。
 
さらに、放出するトリチウムについては、ALPS処理水を大量の海水で希釈することにより、濃度を国の規制基準値(60,000ベクレル/リットル)の40分の1、世界保健機関(WHO)が定める「飲料水基準」(10,000ベクレル/リットル)の約7分の1、1500ベクレル/リットル未満にまで薄めることとしています。
 
被災者であり、当事者である全漁連の皆さんが「反対」している部分が、こうした科学的な面でない「不安」から来るものであるとするならば、これを取り除くのは極めて難しい訳ですが、出来ることは、繰り返し丁寧に、あらゆる角度から説明を重ねることに尽きると考えるところ。
 
そこから生まれる、互いの「信頼関係」がまさに、「不安」に対する解決策であるとも考える次第です。
 

【放出を待つ、福島第一原子力発電所敷地内のタンク群(東京電力HDより)】

関西電力労働組合「第15回 若狭地区本部定時大会」にてご挨拶   

ブログ 働く仲間とともに 原子力

昨日のブログにて、日本原子力研究開発機構の「もんじゅ」で蓄積された知見が今後に生かされることを期待すると述べましたが、ちょうど視察をさせていただいた12日には、資源エネルギー庁の高速炉開発会議戦略ワーキンググループが開催され、その中で、高速炉実証炉の開発に向け、三菱FBRシステムズ(MFBR)が提案する「ナトリウム冷却タンク型高速炉」を概念設計対象に、将来的にその製造・建設を担う中核企業として三菱重工業を選定したとのこと。
 
今回、概念設計対象として選定された「ナトリウム冷却タンク型高速炉」は、同じナトリウム冷却型でもループ型の高速増殖原型炉「もんじゅ」とは異なる仕様ですが、フランス、中国、インドなど、海外では多く採用されているものであり、今後、資源エネルギー庁では、高速炉開発の司令塔となる組織のあり方について検討していくともありました。
 
2022年末の原子力関係閣僚会議にて、高速炉開発の戦略ロードマップを改訂し、「常陽」、「もんじゅ」を経て、民間企業による研究開発が進展し、国際的にも導入が進んでいることから、ナトリウム冷却型高速炉を「今後開発を進めるに当たって最有望」と評価して以降、2024年以降の概念設計を開始するに当たって最有望となるナトリウム冷却型高速炉について、その炉概念の仕様・中核企業選定のための公募を3月より行っていたものでありますが、こうして具体的な選定がされ、開発が前進することを歓迎するところ。
 
なお、これを受けて日本原子力産業協会の新井史朗理事長が発表したメッセージ、「今後の高速炉開発に伴う関係産業の全体の実力涵養とともに、若者の原子力技術への興味を高め、人材育成にも寄与するものとして大いに期待したい」には、私も全く同感。
 
日本の科学技術と原子力の将来に、夢を持って携わってくれる若者が一人でも増えることにつながればと思う次第です。
 
さて、こうして明るいニュースに触れた昨日は、関西電力労働組合「第15回 若狭地区本部定時大会」にて来賓としてお招きいただき、ご挨拶の機会を頂戴しました。
 
会場入りの前には、以前、私が労組本部役員を務めていた時にお世話になった、関西電労本部執行委員長の方とも久々に再会、お話しすることもでき、大変嬉しかった訳ですが、聞けば、大雨で特急が運休となり、この日は自家用車で大阪から来られたそう。
 
普通であれば、欠席としてもおかしくない状況であったかと思いますが、大会に参加される皆さんに何としてでも思いを伝えたいとの「気概」を大いに感じた次第であり、組織のリーダーのその姿勢に心打たれました。
 
私のほうは、連合福井の矢野会長に続きご挨拶をさせていただきました。
 
先の敦賀市議会議員選挙はもとより、日頃のご支援に対する感謝を述べた後、6月定例会の一般質問で取り上げた「次世代革新炉」を進めるに当たっての考えや国家的課題である「高レベル放射性廃棄物の地層処分」に関わる取り組みの重要性など、原子力に携わる立場として共有いただきたいことをお伝えしました。
 

【多くの代議員さんらを前にご挨拶。真剣に耳を傾けていただいたことに感謝。】
 
最後には、原子力職場に働く皆さんの思いを受け止め、今後も活動に邁進する旨、お約束申し上げるとともに関西電労若狭地区本部の益々のご発展をご祈念申し上げ、挨拶を閉じました。
 
なお、今大会をもって退任される若狭地区本部の藤本委員長におかれましては、委員長が大飯支部の時代からお付き合いさせていただいたこと、また何より、長きに亘り、この厳しい時代にあっても明るく、実直に組織を牽引されてこられたことに対し敬意を表するとともに感謝申し上げます。
 
今後は職場に戻られるとのことですが、藤本さんの新たなステージでのご活躍を心よりご祈念申し上げます。

「ふげん」「もんじゅ」の廃止措置、「新試験研究炉」候補地を視察

ブログ 原子力

福井地方気象台によれば、現在敦賀市には、大雨警報(土砂災害)及び雷、高潮注意報が発表されています。
 
また、天気予報ではちょうどこの後、通勤・通学時間帯に強い雨が降るようですので、車の運転などに十分注意して行動いただければと思います。
 
さて、天候不順が続く今日この頃ですが、昨日は、日本原子力研究開発機構さんよりお声掛けいただき、敦賀市議会議員7名にて、新型転換炉原型炉「ふげん」、高速増殖炉「もんじゅ」の廃止措置、「もんじゅ」敷地内に建設予定の「新試験研究炉」の候補地について視察させていただきました。
 
朝9時に敦賀市役所を出発し、「ふげん」では、概況説明の後、タービン建屋での廃止措置工事の様子やクリアランス物保管倉庫などを拝見。
 
25年に亘る運転を2003年3月に終え、2008年2月に廃止措置計画認可を受けた「ふげん」は、その後廃止措置を進め、現在は原子炉周辺設備の解体撤去を行なっており、併せて、発生する廃材に関しては、国のクリアランス制度に基づきながら、資源循環に向け、再利用に取り組んでいるとのことでした。
 
クリアランス金属再利用に関しては、福井県の嶺南Eコースト計画に基づき、車止めを製作し、同機構敦賀事業本部の駐車場に設置するほか、国のプロジェクトとして、若狭湾サイクルルート上の計10箇所にサイクルスタンド設置(2023年3月16日現在)、敦賀工業高校や福井南高校では照明灯を設置するなど、理解促進に向けて取り組んでおり、特にサイクルスタンドのニーズが増えていると伺いました。
 


【敦賀事業本部の駐車場に設置された、クリアランス金属再利用でできた「車止め」(2023年4月28日 やまたけ撮影)】
 
その後は、高速増殖炉「もんじゅ」へ。
 
概況説明いただいた後、まず始めに、つづら折りの取り付け道路をバスで上り、「新試験研究炉」の建設候補地に。
 
現候補地である山側盛土部(資材置場にしている更地)のボーリング調査地点を教えていただいたほか、追加候補地の2箇所についてもご教授いただきました。
 
「もんじゅ」に関しては、原子炉格納容器の原子炉上部にて、昨年終えた530体の燃料移動・燃料池貯蔵の流れと仕組み、タービン建屋オペレーションフロアでは、今年度から2026年度にかけて、タービン発電機や復水器、給水加熱器などについて解体撤去を予定している旨、説明を受けました。
 
事務所に戻ってからの質疑では、私を含め、全議員から関心高く質問があり、これに丁寧にお答えいただきました。
 
「百聞は一見に如かず」と言いますが、こうして貴重な機会を頂戴しましたこと、幹部の皆さん勢揃いで対応にあたっていただいたことに対しまして、日本原子力研究開発機構の皆様に心より感謝申し上げます。
 
7月18日には、同じく12名の市議が視察に参加されるとのことであり、議会全体で知見を高めることにつながればと思います。
 
最後になりますが、廃止措置やクリアランスに関しては、日本原電の敦賀発電所1号機とも連携のもと着実に進めていただくこと、また「もんじゅ」に関しては、今後、次世代革新炉のひとつとして、蓄積された知見が生かされることで、関係者の方々のマインドが継承されること、さらには新たな「試験研究炉」においては、世界に羽ばたく原子力人材をここ敦賀から輩出できますことを切に期待いたします。

「海洋放出」開始に向けた設備・保安上の準備が整う

ブログ 原子力 政治

安倍晋三元首相がテロリストの凶弾に倒れてから今日で1年。
 
志半ばでこの世を去った安倍氏を改めて追悼いたします。
 
また、暴力で命を奪い、言論を封じる行為は民主主義への挑戦であり、断じて容認できない旨、私たちが今一度思いを強めることが、安倍氏の死を無駄にしないことと認識するところ。
 
規模は違えど、私も同じ街頭に立つ者として、そのことを胸に置き、今後も言論を大事に活動していく所存です。
 
さて、話題を変え、7月4日に国際原子力機関(以下、IAEA)より日本政府に対し包括報告書が提出された福島第一原子力発電所※ALPS処理水の海洋放出について。
 
※ALPS処理水
トリチウム以外の放射性物質が、安全に関する規制基準値を確実に下回るまで、多核種除去設備(ALPS)等で浄化処理した水(トリチウムを除く告示濃度比総和1未満)のこと
 
今度は、原子力規制委員会(以下、規制委)が7日、東京電力に対し、同ALPS処理水の海洋放出に係る移送/希釈/放水の各設備について、使用前検査終了証を交付しました。
 
これにより、ALPS処理水の海洋放出設備について、規制委による使用前検査はすべて完了したこととなります。
 

【海洋放出を待つ、ALPS処理水を貯留するタンク群】
 
ALPS処理水の海洋放出設備は、2022年8月に設置工事が開始され、2023年4月26日には放水トンネル(長さ約1km)が完成。
 
6月26日にすべての施設の設置が終わり、同30日に最終の使用前検査が実施されていたところ。
 
なお、ALPS処理水の処分に関する関係閣僚会議は2023年1月に、「海洋放出設備工事の完了、工事後の規制委員会による使用前検査、IAEAの包括的報告書等を経て、具体的な海洋放出の時期は、本年春から夏頃を見込む」との見通しを示しています。
 
つまり、ALPS処理水の安全性レビューに関するこの包括的報告書は既に日本政府に提出されており、今回、使用前検査が終了したことから、海洋放出開始に向けた設備・保安上の準備は整ったこととなります。
 
後は政治判断のみ。
 
先般、公明党代表から「海水浴シーズンは避けるべき」との発言がありましたが、政府はいつ、どう判断するのか。
 
条件が整ったのに実行しないのでは、結果、言われもないデマを流して海洋放出を批判する中国の圧力に屈しているのと同意であり、今こそお墨付きをもらった「科学的根拠」をもって、然るべき判断を下していただくことを強く求める次第。
 
冒頭述べた民主主義とは、大衆迎合でもデマに怯むことでもなく、客観的事実をもってリーダーが判断し、国家的課題を解決することでもあると考えます。
 
それができるかどうか、国内はもとより、国際社会に対しても、毅然とした態度で日本が前に進めるか否かは、この海洋放出の判断に掛かっているといっても過言ではありません。
 
(参考)ALPS処理水のことを詳しく知りたい方は、以下、東京電力HPの「処理水ポータルサイト」をご覧ください。
 →「処理水ポータルサイト」はこちら

地層処分を考えるフォーラムin福井 〜私たちから考えよう、そして次世代へ〜

ブログ 原子力

これまでにも幾度かお話ししている「科学が風評に負けてはならない」との考え。
 
とりわけ原子力に関して言えば、福島第一原子力発電所ALPS処理水の海洋放出や発電所で発生した高レベル放射性廃棄物の地層処分がまさに、この考えに当てはまるもの。
 
「風評」を招かないためには、関係者のみならず、科学的知見に基づく国民理解が必要であることは言うに及ばすですが、昨日はそうしたスタンスに立ち、敦賀市民文化センターにて開催された「地層処分を考えるフォーラムin福井」に出席してまいりました。
 

【開催チラシとフォーラム会場の様子】
 
フォーラムは、主催者代表あいさつに始まり、前半は2つの講演。
 
政策アナリストの石川和男氏からは「地層処分 〜国策にどう向き合う〜」、次世代層の学習活動についての発表では福井南高校の浅井佑記範先生より、「教育における地層処分 〜生徒たちが自ら考えて実践する学習活動〜」を拝聴しました。
 
浅井先生の紹介によると、実は不登校経験者が多い福井南高校では、
 
・教科横断型授業
・知識ではなく、思考法の伝授
・学問は楽しいを大切に
・教科の壁はつくらない
・余白のある授業(答えを言わない)
 
を教育方針とし、浅井ゼミでは、地層処分の探究授業を実施。
 
兵庫県の高校に原子力に関する意識調査をお願いしたら、「調査は繊細で政治的なので協力できない」との回答を受けるなど、リアルな意識ギャップを感じつつも、東京の4つの大学、4つの高校と交流しての意見交換、ATOMOΣ(原子力学会の雑誌)にゼミ生が隔月でコラムを連載するなど、様々な角度から学んでいることを知りました。
 
浅井先生曰く、地層処分に関しては、
 
・誰がアクセスし、情報提供するか
・地層処分は「学ぶ」のではなく、「知る」ことが重要
・世代間交流より、まずは同世代間交流
・この問題を社会教育のモデル形成ツールに
 
との考えのもと、学校だけでなく、社会や家庭での教育が不可欠との考えに、私も共感した次第です。
 
また、後半の<パネルディスカッション>では、「待ったなし!“高レベル放射性廃棄物の地層処分” いま私たちにできること」をテーマに福井大学の学生さんを含む5名がパネリストとして登壇(コメンテーターは石川和男氏)。
 
コーディネーターの仕切りのもと、次のような意見が挙げられました。
※以下、議事メモとして記載いたします。
 

【パネルディスカッションの様子】
 
Q:寿都町と神恵内村が文献調査を行う現場から思うこと
・寿都町や神恵内村の応援をしていかないといけない。最終処分は解決しないといけない問題との思いをあらゆる世代が持つべき。
・「自分ごと」と考えることになったのは、国民理解の第一歩。敦賀では、もんじゅの公開ヒヤリングの際に6000人もの反対派が押し寄せた経験があり、当該地域以外の人があたたかく見守ることも大事と思う。
・原子力発電は身近なものであったために、同世代で原子力の話題があまりなかった。であるから、最終処分のことも知らない訳だが、今回の寿都町、神恵内村の文献調査で関心を持つことができた。
 
Q:寿都町、神恵内村しか手を挙げてないことについて
(石川和男)政治プロセスが3つ(文献、概要、精密調査)もあると、候補地はリスク分散の意味で「10箇所」くらいは要るのではないか。3つ、4つと出るうちに、国民の関心も高まると思うし、それによって国策が進むこともあると考える。
 
Q:「GX基本方針」での原子力政策(政府の責任において今後も活用する)についての受け止めについて
・科学が著しく進歩している中で、最終処分問題が進まないと、若い学生さん達が「将来大丈夫なのか」との気持ちになるのでは。
・将来、原子力技術者に進む上での覚悟が強まった。最終処分のことは、開発した当初から課題としてあったのに、なぜこの世代が負担を負わないといけないのか。
 
Q:政府が原子力発電所の再稼働を急ぐ理由について
・日本の国情を考えた場合、原子力発電が国民生活や経済を向上させていく手段。
・原子力の人材確保・育成が大事であり、再稼働を進めることがそのことにつながる。
・太陽光パネルは、2012年のFIT導入時は国産メーカーだったが、今はほぼ中国製。国内で完結する産業を育てるという意味では原子力も再エネも同じ。
 
Q:将来世代にツケを回さないためにやるべきことは
・地層処分とは何か、どういうプロセスを経て決定するのか、どのような交付金があるのかなど、成功事例のある海外の有識者より示唆いただくような形が必要なのではないか。
・「知ること」が大事。まずは、発電所のあるまちに住む私たちが「学ぶべき」ではないかとの思いのもと取り組んでいる。学んだことを紙芝居にして地域の小学校や団体に貸出して知っていただく活動をしている。
・その地域が風評被害に遭わないことが大事。若狭地域も「原発銀座」と呼ばれていい気持ちはしなかった。地層処分地に選定されるまちが、「核のまち」出身というような偏見の目を持たれることのないよう、我々は正式な名称を使うことも大事。
・スウェーデンでは、誰もやっていない事業(地層処分)を自分たちが受け入れたことを誇りに思っていることを知り、そうしたマインドが必要なのではと感じた。
 
Q:中間貯蔵の問題について
・(石川和男)報道は煽るものが多い。結婚より離婚の話題の方が取り上げられる。フランスに持っていくことがそんなに紛糾することか。過去のしきたりにいつまでも拘っている場合ではない。地域においては、人口減少が深刻な問題であり、県外搬出を認めるか否かでなく、代わりに何を求めるかを議論した方が良い。後世に何を残すかだ。国と立地地域はWin-Winの関係であるべき。
 
Q:文献調査に手を挙げることについて
・消費地の皆さんにも「自分ごと」として考えて欲しい。
・これから先を見込んで、敦賀も文献調査をやっていってもいいのではないか。
・文献調査を行うというだけで、廃棄物を受け入れるのではないかと先読みする人もいるが、フラットに考えられる人を増やす意味でも、(文献調査に)手を挙げることは大歓迎である。
・最終処分場は「ごみ処理施設」ではなく、「科学の英知」が集まってくる場所のイメージになれば良いのではないか。全国の人に真剣に考えて欲しい。
・(石川和男)文献調査は、掘削して「良いかどうか」を評価するための調査なので、そのことに躊躇するのは滑稽。調査して「ダメ」という結論が出るだけでも調査した価値がある。
 
最後に石川和男氏からは、「原子力発電にしろ、地層処分の話しにしろ、考えや思想信条が違うのは当たり前。批判し合うのではなく、賛成・反対双方が尊重し合うことが大事。」との言葉がありました。
 
確かに、批判し合う姿勢から生まれるのは「分断」であり、そこから「風評」につながるのだとすれば、「負けてはならない科学」とはシンプルに、物事の真実を追究することにあると認識した次第です。
 
主催者発表によると、フォーラムに参加された方は、会場94名、YouTube51名の計145名。
 
聴講された145名とともに、このフォーラムのサブタイトル「〜私たちから考えよう、そして次世代へ〜」の思いのもと、私も引き続き、情報発信に努めていきたいと考えます。

「エネルギー危機」に迅速に対応できる体制とは

ブログ 原子力


 
何度もご紹介し恐縮ですが、写真は朝の散歩で出会う紫陽花。
 
梅雨入りしてからは一層、彩りが深く、鮮やかになっていることに加え、バックの野坂山を従えるように咲く姿は、まさにこの時期の主役。
 
梅雨時期の楽しみはこうした風景であり、暫し田舎の風情を味わいたいと思います。
 
さて、市議会議員と同じく、任期開始から約1ヶ月半が経過した米澤光治新市長。
 
日々の動静は朝刊のみならず、Facebookの「敦賀市長の活動日誌」にタイムリーに投稿されており、市民の皆さんから見ても、活動されている内容が良く分かるのではと思うところ。
 
そうしたなか、昨日は、日本原子力発電㈱敦賀発電所にて、敦賀発電所1号機のタービン建屋、D-1破砕帯現場、3・4号機建設予定地などを視察され、廃止措置作業の状況や安全対策の取り組みなどを確認するとともに、村松社長はじめ発電所の皆さんと意見交換を行ったとありました。
 
投稿は「今後も安全第一に廃止措置作業を進めていただくとともに、次世代革新炉への建て替えに向けた具体的な取り組みを進めていただきたいと思います。」と括られており、日本原電に対する大きな期待と受け止める次第です。
 
原子力発電を含む国のエネルギー政策に関しては、参議院の「資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会」が6月7日、「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和」をテーマに、今会期中7回に亘り調査した内容を中間報告書として取りまとめています。
 
2月8日に有識者として招かれた総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会会長を務める白石隆氏(熊本県立大学理事長)は、「エネルギー危機に迅速に対応できる体制ができていなかった」と指摘。
 
日本のエネルギー政策の問題として、
◉電力自由化のもとで事業環境整備が遅れた
◉再生可能エネルギー大量導入のための系統整備が遅れた
◉原子力発電所の再稼働が遅れた
ことを挙げており
、先日発行した「やまたけNEWS」の記載と類似するものとなっています。
 
また、政府の「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」に有識者委員として議論に参画した竹内純子氏(国際環境経済研究所理事)は、原子力発電について、「初期投資が巨大で、投資回収期間が長期にわたる。事故時の賠償やバックエンド事業などの不確実性もあり、資金調達コストの抑制や高い稼働率を維持すれば安価な電力を供給するポテンシャルを持つが、それらが十分でないと高コストになってしまう」と評価。
 
そのうえで、原子力事業の健全性確保に関し、「制度・政策、安全規制、社会・立地地域の理解が面的にそろっていないとどこかで行き詰まってしまう」と指摘しています。
 
いずれも至極ごもっともなご意見として、自らの考えを補強するところですが、調査会のタイトルにあるよう「資源エネルギー・持続可能社会」の実現に向けては、こうした指摘が確実に国の政策に反映されることを求めるところ。
 
私自身は、来週20日から始まる6月定例会の一般質問のテーマとして、「エネルギー政策」を項目のひとつに取り上げる予定ですが、とりわけ原子力発電の事業環境整備などについて、全原協会長でもある米澤市長と建設的に議論できればと考える次第です。

« 古い記事 新しい記事 »