2025年4月24日
今国会初の「党首討論」が行われる
この時期に降る雨は「恵みの雨」。
二十四節気の「穀雨」の時期にあることは以前に申し上げたとおりですが、昨日はその言葉を表すかのように、終日雨が降り続いたところ。
気付けば、近所の田んぼには水が張られ、田植えの準備万端といったところであり、どこか生命力を感じる季節に元気をもらう次第です。
さて、そうしたなか、昨日は石破首相が野党党首と1対1形式で論戦する党首討論が、今国会(国家基本政策委員会にて)で初めて開かれました。
党首討論が開かれるのは6カ月ぶり、自民党が少数与党に転落してから初の開催ということになります。
立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の党首が登壇した党首討論を、ある新聞は、ー「提案」「持論」「対決」-と表現したよう、エール送る野田佳彦代表(立憲)、持論展開の前原誠司共同代表(維新)、玉木雄一郎代表(国民)は暫定税率巡り対決色と、3野党の戦略差が鮮明になったとありました。
立憲民主党の野田代表との討論では、まず首相は、トランプ米政権による高関税政策を巡り、日本が米国に多額の投資をしてきたと指摘して「その点ははっきりと数字にして、米国に対しても世界に対しても訴えていく」と強調したのに対し、野田代表は、交渉態勢について「弱すぎる」と批判。
これに首相は、「米国との協議で劣勢だったとは全く思っていない」と反論したものの、野田代表は、関税措置が世界貿易機関(WTO)のルールなどに違反すると重ねて主張しました。
続く日本維新の会は割愛し、国民民主党の玉木代表からは、「総理、国民は困っていますよ。物価高で本当に困っている。ガソリンの暫定税率、いつ廃止するんですか」と迫りましたが、首相は「それを目指して今、各党(自公国)の間において協議が行われている。そのことについて熱心な協議の末に結論が出ることを私どもとして心から期待をしている」と述べるに留まりました。
これに対し玉木代表は、与党と国民民主党の議論が進んでいない中で石破首相は補助金によるガソリン価格引き下げを表明したことを批判し、再度、暫定税率廃止をいつ実行するのかか迫ったものの、首相は「3党で真摯な協議が行われている時にいつということは申し上げられない。その協議が真摯で生産的で建設的なものであることに私自身は確信を持っている」。
加えて、「暫定税率廃止によって地方も含めて財源をどのようにして確保するかということが焦点だ。そこを目指して、3党の間で協議が行われていることであって、わが党がサボっているということではない」と述べました。
【党首討論で意見する国民民主党の玉木雄一郎代表(FNNプライムオンライン)】
なお、首相が述べた「協議が真摯で生産的で建設的」であるとの主張に対しては、「榛葉賀津也幹事長も『聞いていない』と言っている。真摯な議論は行われていない」と玉木代表が指摘したことを併せてお伝えいたします。
なお、玉木代表の持ち時間は「6分」。
暫定税率の後は、就職氷河期世代が受給する年金の水準が低くなることを問題視し、「政策の失敗もあって正社員になれなかった世代は、厚生年金の保険料が十分払えていない。政府の当初の案は、反対もあるかもしれないが、就職氷河期世代の最低限の年金を保障する意義があったのに、選挙が近づいて不利だからやめるのか」と訴えたところで時間一杯となりました。
見ている方も「もう少し時間があれば・・・」というのが正直なところですが、これは国会のルールで決められた時間で致し方なし。
いずれにしても、こうした見応えのある「党首討論」をもっと見たいと思うところ、先般、立憲側の提案を自民側が受け入れたとのことで、今国会の会期中(6月まで)は、毎月開くことで合意されています。
「国難ともいう重要テーマについて一致点を見い出す議論がしたい」
この日、立憲の野田代表が討論の冒頭で切り出した言葉どおりの論戦を、今後も大いに期待する次第です。