美浜発電所3号機が発送電を開始!

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6月定例会閉会から一夜明けた昨朝の福井新聞では、「議員定数削減に関する請願」の討論、採決の内容が大きく取り上げられていましたが、記者から見たコラムでは、市民の皆さんに賛成・反対双方の意見などが伝わったことからも請願が提出された意義はあったと記載。
 
こうした論評や一連の対応に対する評価に関しては、様々な受け止めがあろうかと思いますが、私に対しては多くの方から、励ましや労いの言葉、メールなど頂戴し、ありがたい限り。
 
また、この日は早速、議長より議会運営委員会に対し、議員定数について協議を行い、令和4年3月末までに結論を出していただきたい旨の諮問がされたとの連絡がありました。
 
協議すべき事項とは、
(1)敦賀市議会の議員定数を定める明確な基準
(2)削減人数について
であり、こちらについては、私も委員の一人として、議会運営委員会の委員の皆さんとともに進め方の協議、議論を深めていきたいと思うところです。
 
今後も、支えてくれる皆さんの意見を尊重しつつ、政治の信頼に不可欠な「信念を貫く」ことを忘るることなく、自身の活動にあたる所存です。
 
さて、話しは変わり、新規制基準下で全国初の40年超運転を開始した関西電力の美浜発電所3号機ですが、24日午前1時に核分裂反応が安定的に連続する「臨界」となって以降も順調に工程を進められ、昨29日午後3時に、発電機と送電設備をつなぐ並列操作を行い、約10年1ヶ月ぶりに発電、送電を開始しました。
 

【中央制御室で並列操作にあたる運転員の皆さん(関西電力原子力事業本部にて中継モニターを撮影した「福井新聞動画ニュース」より)】
 
私もタービン設備の担当をしていた経験から、この並列操作を行う際の何とも言えぬ独特の緊張感、中央制御室の出力表示に「◯◯kw」と数値が表示され、発電を開始した時の達成感、そして、それぞれの持ち場(設備)でメーカー、関係会社、協力企業の皆さんが丁寧な仕事をしていただいたことの積み上げ、成果がこの瞬間であると、感謝の念が沸き起こるなど、様々な思いが交錯しての感動を味わっていたことを思い出します。
 
定期検査の時でさえ、こうした感情が沸き起こるくらいなので、10年1ヶ月ぶり、しかも厳しい新規制基準審査や以前なら想像を絶するような大規模な安全性向上対策工事の完遂などを経ての並列となれば、関係者の皆さんの感情たるや、こちらも想像を絶することかと思います。
 
発電を開始した後には、関西電力の森本社長が、「40年超運転という新たな一歩を踏み出せたのは、立地地地域を始め、これまで一方ならぬご尽力を賜りました皆さまのおかげ」と深く謝意を表するとともに「今後は発電機出力を段階的に上昇させ、出力毎のプラント状況を確認してまいりますが、引き続き、国の検査に真摯かつ丁寧に対応するとともに、当社と協力会社社員一人ひとりが、原子力発電の安全性をたゆまず向上させていくとの強い意志と覚悟のもと、安全最優先で作業を進めてまいります。」とのコメントを発表されました。
 
今後、100%出力、定格熱出力一定運転へと工程を進め、最終的な総合負荷性能検査を経て、来月27日に営業運転を始める予定となっています。
 
残念ながら、原子力発電所に義務付けられたテロ対策施設が設置期限までに完成せず、10月25日に運転停止するとしていますが、稼働する4ヶ月間は夏場の電力ピーク。
 
関西電力の電力需給予備率は、美浜発電所3号機(定格出力:82.6万kw)の稼働により「6%」まで改善します。
 
まさに、安心でゆたかな国民生活と経済活動を支える「安定した電力供給」に寄与するものであり、4ヶ月間とはいえ戦線復帰されるであろう、この頼もしき存在に期待をし、しっかりと役割を果たしていただけるよう応援したいと思います。

美浜発電所3号機、本日原子炉起動

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話題が若干遅れますが、一昨日21日、資源エネルギー庁が主催する「福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議」の初会合が若狭湾エネルギー研究センター(敦賀市)で開催されました。
 
この会議は、福井県内において、原子力の長期的利用に向けて、運転終了後も見据えながら持続的な地域の発展を実現すべく、「立地地域の将来像」について議論する場として立ち上げられたもので、杉本県知事始め、原子力発電所を有する敦賀市、美浜町、おおい町、高浜町の各首長ら立地自治体代表の他、関係行政機関の幹部、関西電力、北陸電力、日本原子力発電の各社社長、および有識者で構成されたもの。
 
既に新聞報道もされておりますが、同会議では、各自治体の地域振興計画なども踏まえ、20~30年後を見据えた地域産業・くらしの「将来像」や、その実現に向けた国・事業者による対応のあり方を「将来像に関する基本方針」として、また、必要となる国の施策や事業者による地域共生の取組内容・スケジュールを工程表として、それぞれ取りまとめたうえで、毎年フォローアップを実施。
 
今後は、実務担当者レベルのワーキンググループも通じて検討を進め、今秋までを目途に具体的アウトプットを目指すとのこと。
 
 →→→「共創会議」資料はこちらから(経済産業省HPにて)
 
現在、エネルギー基本計画見直しに係る検討が佳境を迎えている総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会でも、「中長期的な立地地域の持続的発展」が原子力政策の課題の一つとして掲げられており、梶山経済産業相は、4月末に行われた杉本知事との会談の中で、地域振興の取組について次期基本計画にも着実に反映していく考えを示しており、共創会議開始に際し挨拶に立った保坂資源エネルギー庁長官の言葉にあったよう、「新たな『福井モデル』を創り全国に発信していく」との思いを真の目的として受け止めておきたいと思います。
 
また、この日も一部の首長さんが強く意見されたようですが、「国は、エネルギー政策における原子力の位置付けを明確にすべき」との主張は、従前から再三に亘り求めていることであり、「共創」の原点になければならないものと、私も認識するところであります。
 
さて、共創会議では、関西電力の森本社長が、原子力発電所の40年超運転に向け「引き続き安全最優先で取り組んでいく」との決意を改めて表明のうえ、今後の同会議での議論に際し「地域の皆様の声をしっかりと聴き、持続的な地域の発展に向け主体的かつ積極的に取り組んでいく」と述べたとありましたが、いよいよ本日、その美浜発電所3号機(加圧水型、定格電気出力82万6千kw)が原子炉起動を迎えます。
 
明日には臨界、その後は諸試験を実施し、6月29日の定期検査の最終段階である調整運転に入り、7月27日には総合負荷性能検査の実施を経て、本格運転の再開を予定していますが、思い返せば、第25回定期検査のため発電所を停止したのが、東日本大震災、福島第一原子力発電所事故の約2ヶ月後の2011年5月14日。
 
ちょうど10年と1ヶ月が過ぎた訳ですが、この間、新規制基準の審査、数え切れないほどの設備保全や点検工事、さらには福島第一原子力発電所事故を踏まえた安全性向上対策工事などを完遂したことに加え、この起動にあたっては、トラブルの未然防止を目的として、再稼働経験のある大飯発電所の技術系社員を美浜発電所に派遣するなど、社員、協力企業、メーカー述べ約320名を擁しての、現場パトロール(総点検)を3回実施し、万難を拝したとのこと。
 
「新規制基準下における国内初の40年超運転※」という、只ならぬプレッシャーがあると思いますが、何をおいても「安全第一」で、五感を研ぎ澄ました運転操作、点検作業にあたっていただき、トラブル発生なき「一発起動」で計画通り工程が進むことを切に願うところです。
 ※国内原子力発電所の40年超運転は、日本原電敦賀発電所1号機で実績あり。
 
ここ美浜発電所は、既に1、2号機が運転停止したものの、とりわけ1号機は敦賀半島の反対側にある日本原子力発電敦賀発電所1号機とともに、先の1970大阪万博に「原子の灯」を届けた、言わば同志。
 
わが国の原子力黎明期からここまで、ともに原子力の平和利用、原子力発電で国民生活と産業を支え、国の発展に寄与するとの思い一筋で発電所運営にあたってきたもの同士であり、そうした特別な関係でもあることを思えば尚のこと、携わっておられる全ての関係者を応援する気持ちで一杯であります。
 
とかく、この再稼働に対しては否定的な意見があるのも事実でありますが、そうした声ももちろん大事であり、飽くなき安全を追求する精神のもと、今後も改善し続けることを前提としつつ、この美浜3号の再稼働により、今夏の関西圏の電力需給逼迫が改善される現実も捉えながら、この再稼働を冷静に見守っていただければ幸いに存じます。
 
今日の天気は晴れ予報。
 
10年ぶり戦線復帰に向かう美浜発電所3号機の門出を応援するかのような天気のもと、晴れやかな気持ちで、見通し明るく前に進むことを願い、私も3号機の起動過程を見守っていきたいと思います。
 

【以前に撮影した美浜町丹生から見た美浜発電所。一番右が再稼働に向かう3号機。】

「敦賀と原子力」について大学生と大いに語り合う

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県内の新型コロナウイルス感染について、杉本福井県知事は20日、当初5月28日までとしていた感染拡大に伴う独自の「特別警報」を、21日から「警報」に引き下げると発表。
 
ここ1週間の新規感染者数や病床使用率などを勘案しての判断ということですが、こうした数字をもとに適宜判断されることは、県民の皆さんの感染対策意識や安心といった面に対してもプラスになると考えるところです。
 
警報の期間は6月4日までとしておりますが、一段一段階段を降りていけるよう、引き続きご協力をお願いいたします。
 
さて、実は先日、私にとって大変嬉しいオファーがあり、昨日それが実現しましたので若干ご報告をさせていただきたく。
 
5月12日に、ホームページに掲載しているアドレスにメールが届き確認すると、首都圏にある某有名大学の学生さんより、私にお願いしたいことがあるとの切り出し。
 
その学生さんは、長女と同じ大学4年生で、「敦賀市の子どもたちは原子力発電とどう向き合い、考えながら成長していったのか」というテーマで卒業論文を執筆中ながら、敦賀市の子どもたちの原子力発電との向き合い方が分かる資料が少なく、執筆に困難を抱えているとのこと。
 
そうした矢先、インターネットにて題材を探していたところ、敦賀で育ち、地元の日本原電に就職をしたうえで市議会議員を努めている経歴の私がヒットし、敦賀市議会議員として、敦賀市民の代表として活動している立場から、敦賀市民の原子力発電との向き合い方についてインタビューをさせて欲しいとの趣旨でありました。
 
正直、この時点で彼が原子力推進の考えなのか、慎重な考えなのかまでは分かりませんでしたが、そうしたことは抜きにして、私を頼って依頼してきてくれた彼のためにと、即座にお引き受けする返信をしました。
 
とはいえ、いきなりインタビューという訳にもいきませんので、一度顔合わせ、ご挨拶代わりのZoomミーティングを開き、簡単な趣旨確認などをした後、私の方から、質問のやり取りだけでは限られた範囲となるため、敦賀のまちのことや原子力との関りについてバックボーンとなるようなパワーポイントを作成し、説明したうえでインタビューを行うことを提案。
 
彼からは「是非!」ということで、そうした資料準備を行ったうえで、昨日インタビュー本番を迎えました。
 
くれぐれも誤解なきよう申し上げておきますが、このテーマに真摯に向き合う彼のためにも、私が原子力産業に努めているからと無理やり知識を押し込むということは決してせず、公平且つ客観的視点、事実をお伝えすることに重きを置き、資料構成、そしてお話しをさせていただきました。
 

【Zoom会議のひとコマ。敦賀と原子力の半世紀の歴史もお話ししました。】
 
冒頭に私からプレゼンを行いましたが、敦賀が交通の要衝であることなどの歴史や文化といった部分にも大変興味を持っていただけたのか、彼からの積極的な質問などもあり、気づけばそこで1時間経過。
 
その後、彼からの質問にお答えしたり、発電所勤務時代の思い出、高いマイプラント意識、原子力発電で社会に貢献するという誇りを持って仕事をしていたことなど、少し横道議論などもしながらインタビューは進み、気づけば4時間、真剣にお話しをさせていただきました。
 
中身を詳細に述べることはすべきでないと思うので控えますが、なぜ原子力の分野に勤めようと考えたのか、もんじゅや美浜3号、福島第一原子力の事故のときにどんな感想を抱いたのか、また、敦賀の学校で行われている原子力教育の現状についてどのように考えているのか、さらには日本におけるエネルギー政策、「原子力」と「原発」の言葉の意味など、幅広い内容について話すことが出来、私にとっても大変有意義な時間となりました。
 
聞けば、彼のほうは、2年前に「青春18切符」で単独で敦賀を訪れ、もんじゅを見ておられることや、この論文執筆にあたっては、県内の自治体に情報開示請求をし、教育関係資料を取り寄せたり、慎重派の敦賀市議さんにも同じようにインタビューをしたりと丁寧にご自身の足で材料を積み上げきているとのことで敬意を表するところ。
 
Zoomミーティングの最後には、彼から過分なる感謝の言葉を頂戴しました。
 
私からは、逆にこうした機会をいただけたことへの感謝、そして卒業論文の無事の完成、さらには今後の就職活動へのエールを送らせていただきました。
 
こうして熱心に学び、自ら考える学生と直接接し、私自身大いに刺激とヒントをいただけたとともに、原子力発電を「賛成、反対」の二項対立ではなく、両者のメリット・デメリットを正確に捉えつつ、俯瞰的にフラットに考えることの出来る彼ら世代こそ、よほど成熟していると受け止めましたので、そうした彼らと一緒に、今後も大極的、俯瞰的視点のもと、わが国の国情に見合ったエネルギー・原子力を考えていきたいと思います。
 
貴重な機会をいただいたSさん、本当にありがとうございました。

夢ばかり語って現実がついてこないようではどうしようもない

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「こどもの日」に気を取られていましたが、昨日5月5日は、二十四節気の中の7つ目の節気「立夏」。
 
「夏の気配が立ち上がってきたような時期」という意味があるそうですが、この時期は花盛りでもあり、カーテンのように咲く薄紫の藤やつつじの色鮮やかな姿に、季節の移り変わりを感じるところ。
 
わが家はと言えば、大して手入れもしていないにも関わらず、スクスクと成長した薔薇が、今年も元気にピンクの花を咲かせ、心穏やかにその様子を眺める今日この頃です。
 

 
さて、暦の上でのゴールデンウィークが終わり、鋭気を養って今日からリスタート。
 
続くコロナ禍にあっても様々なことが動き出す訳ですが、国会の方では、本日行われる衆議院憲法審査会に向け、自民党の二階氏、公明党の石井氏の両幹事長が会談し、憲法改正手続きに関する国民投票法改正案について、立憲民主党から提示された修正案を受け入れる方針を確認したとの報道がされています。
 
8国会にわたって継続審議となっていた改正案が、ようやく今国会で成立する見通しとなったことは歓迎しつつも、立憲民主党の提示を受け入れることが、今後の足かせとなり、逆に禍根を残すことにならないか、議論を注視していきたいと思います。
 
また、ゴールデンウィーク明けにも骨子案が策定されると想定されている、次期「エネルギー基本計画」については、4月19日に開催された自民党有志による「脱炭素社会実現と国力維持・向上のための最新型原子力リプレース推進議員連盟」の会合において、「カーボンニュートラル(=2050年CO2排出実質ゼロ)を実現する上で、原子力発電所の新増設やリプレースは不可欠だ」と強調したほか、平成25年に発足した同じく自民党の「電力安定供給推進議連」もエネルギー基本計画に「原子力発電の有効利用」を反映することを目指し、今国会で5回勉強会を重ねたうえで、5月初旬にも政府への提言をまとめる方針とのこと。
 
再掲となりますが、現在のエネルギー基本計画では2030年(令和12年)の原子力発電比率を20~22%としていますが、平成23年の福島第一原子力発電所事故後に再稼働したのは、僅か9基。
 
電力供給量に占める原子力発電の割合は約6%(令和元年度値)に留まっています。
 
菅首相が表明した脱炭素社会の実現には、太陽光など再生可能エネルギーの大幅増だけでは賄えないという見方が大勢となっていることは周知の事実でもあります。
 
脱炭素社会に向けた産業構造の転換が見込まれる中、4月14日の電力安定供給推進議連の会合で、会長の細田博之元幹事長は「夢ばかり語って現実がついてこないようではどうしようもない」と述べ、地に足のついた政策の必要性を訴えたとあります。
 
こうして、与党内からも、原子力立地県を代表して杉本福井県知事からも、さらには全国の原子力立地市町村長で構成する全原協からも、国策であるエネルギー政策に対し、機を捉えた至極真っ当な意見提起がされており、策定にあたってのインプットになっていることは間違いないものと考えます。
 
改憲と同様、「国の覚悟」を持って進めねばならないエネルギー政策に関しては、このようなプロセスも経て骨子が示されるとあって、ここは最大の関心事として確認していく所存です。
 
尊敬する電力組織内国会議員である「小林正夫」参議院議員は常々、「電力は国家の血液である」と仰ってました。
 
血圧が高かったり低かったり、濃度が濃かったり薄かったりと不安定では、人間誰だって体調が悪くなります(国力の低下)。
 
安心して暮らし(生活)、働く(経済)ためには、安定した血圧(安定供給)と安定した濃度(周波数の安定した質の高い電気)が必要不可欠です。
 
食料が豊富でない(少資源国家)環境でも、元気で長生き(持続的な国家の繁栄)するために必要なものは何か。
 
答えは、季節や天候に左右されるような作物(再生可能エネルギー)に過度な期待をするのではなく、確実に採れるもの(原子力や火力)を主食として大事にしつつ、バランス良く食べること(エネルギーミックス)。
 
これに他なりません。
 
くどくどと恐縮ですが、人間の体に置き換えれば、わが国のエネルギー問題は簡単に分かることでもありますので、細田議員が言うように、「夢物語でなく現実的に」お考えいただける方が一人でも増えるよう、引き続き、私自身も理解活動に汗をかいていきたいと思います。

全国の同志に力を与える、福井県知事の「40年超運転」同意判断

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杉本福井県知事は28日、県庁で記者会見し、運転開始から40年を超える関西電力美浜発電所3号機と高浜発電所1、2号機の再稼働への同意を表明しました。
 
立地県の知事が、福島第一原子力発電所事故を受けて作られた、新規制基準に適合した運転40年を超える原子力発電所の再稼働に同意するのは全国初となります。
 
まずは、ここに至るまでご尽力いただいた全ての関係者の皆さまに対し、感謝と敬意の念を表したいと思います。
 
高浜発電所1、2号機は、テロ対策の「特定重大事故等対処施設(特重施設)」の整備が期限の6月9日に間に合わないため、再稼働したとしても同日までに運転停止する必要があることや10月25日が設置期限の美浜発電所3号機も同じく特重施設は完成していないなどの状況にはあるものの、とりわけ「原則40年、最長で延長20年」のルール下で初となる運転延長に向け、長期間に亘り、規制基準審査対応や安全性向上対策工事に懸命に取り組まれた、協力会社を含めた皆さんの努力と苦労が、こうしてひとつの判断につながったことを大変嬉しく思うものであります。
 
今後の運転再開に向けては、これまで同様、安全第一で工程を進めていただき、原子力発電で再び社会に貢献されることを、心より応援いたします。
 
なお、テレビ報道を始め、メディアは、このニュースを取り上げる際、敢えて「老朽」という言葉を使い、「古くて危険」という印象操作に躍起になっておられるように見受けられますが、正しくは「高経年化」。
 
同意を得た3基は、世界で最も厳しいと言われる、日本の原子力規制基準に適合したプラントであり、それを危険と煽る必要性と根拠はどこにあるのか。
 
少なくとも、こうした「風評を流布」する勢力がいることは間違いないところであり、こうした言葉ひとつにも惑わされないよう、客観的且つ科学的視点をもって、正しく対応していきたいと考えます。
 
加えて言えば、福島第一事故後に、民主党政権下で作られた「根拠なき40年運転制限ルール」自体に問題(停止している間も運転しているとカウントされることや発電所のどの機器を想定して40年と規定しているのかなど)があると私は考えており、このことはまた別の機会に記載できればと思います。
 
(参考)
商業用原子炉として国内初の日本原電敦賀発電所1号機の営業運転開始は1970年3月14日、運転停止は2015年4月27日。
上記のカウントでいけば、45年運転の実績がある。
 
さて、「おぼろげに浮かんだ」と言えど、2030年の温室効果ガス排出量を2013年度比46%削減、2050年では実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を掲げているところでありますが、これらを達成していくには、既存原子力発電所の活用を最大限進めなければ成り立たないことは周知の事実であり、そうした観点においても、今回の判断は大きな節目となると言えます。
 
このような中、九州電力の池辺社長は28日の記者会見で、川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)について、40年超運転の可否を判断するため特別点検を実施する検討に入ったことを明らかにしました。
 
川内原子力発電所は、1号機が36年、2号機が35年を迎えており、このタイミングで表明されたということはやはり、国が「46%減」という野心的目標を掲げる中において、低炭素電源の一つの柱である既存原子力発電の長期活用を目指すべきとの経営判断、国策への貢献という意思の表れではないかと、私は受け止めるところです。
 
かつて、54基あった国内の原子力発電所は福島第一の事故以降、33基にまで減少し、そのうち再稼働を果たした発電所は、わずか9基となっています。
 
「46%削減」を目指す2030年までには、10基の原子力発電所が運転から40年を迎えることになることから、安全性を向上させたプラントの運転延長はもとより、脱炭素社会の実現、安定した電力供給のためには、原子力発電所の新増設・リプレースなども必要不可欠であることを重ねて記しておきたいと思います。
 
そんな昨日、東京、茨城(東海村)、そして敦賀をオンラインでつないでの日本原子力発電関連企業労働組合(原電総連)の執行委員会にお時間を頂戴し、組織内議員である、大先輩であり同志の「寺門さだのり」東海村議会議員と私の活動報告をさせていただきました。
 
この中で、「40年超運転の知事同意判断」をお伝えし、東日本、沸騰水型炉(BWR)で初の40年超運転を目指す、日本原電の東海第二発電所で働く仲間の皆さんにもエールを送らせていただいた次第。
 

【画面を通しての活動報告。写真は東京の会場。】
 
先の関西電力同様、東海第二も現場では懸命な努力が続けられています。
 
先ほどの九州電力も然り、今回の同意判断は、福井県のみならず、全国の原子力発電所に勤める皆さんに対して、「愛するマイプラント」とこの先もまだまだ働ける、電力供給に貢献できるんだとの希望と強い思いを与えたことに違いありません。
 
「電力スピリット」でつながる全国の仲間は、皆「同志」。
 
こうしたひとつの判断も契機とし、より連携と絆を強めることにつながるのだと確信するところ。
 
原子力発電に対しては、まだまだ批判や反対の声が大半を占めていることを重々承知しつつも、「では何のためにやるんだ」ということに対して現場の皆は、「電力は国力の源泉である」との認識のもと、「国益に資する貢献を果たす」との思い一心で、日々取り組んでいるのだと思います。
 
そのことだけはご理解いただければと思います。
 
最後に、我が国のエネルギー構成に関しては、「賛成」と「反対」の二項対立構図ではなく、「国力を維持、発展させるため」という大きな視点でどうしていけば良いのか。
 
国はこうしたことを考えるための、判断材料を分かりやすく提示しつつ、国民の皆さんおひとりお一人が「自分ごと」として、そうした視点でお考えいただくことこそが、より一層必要な時期に来ていると考えるところであり、最後にそのことを皆さまにもお願いをし、本日のブログを閉じさせていただきます。

若き力とクリアランスベンチ

ブログ 原子力

連日、原子力の話題が続きますが、杉本福井県知事は梶山経済産業大臣との面談を終え、今日にも美浜発電所3号機並びに高浜発電所1、2号機の40年超運転の判断をする方向。
 
再稼働に同意すれば、福島第一原子力発電所の事故後に出来た「40年運転ルール」の下では国内初の判断になるということで全国的にも注目が集まるところですが、福井県議会2月定例会での議論から続き、十分な検討プロセスを経た結果として、冷静に見守りたいと思います。
 
これとは別に、昨日の福井新聞朝刊には、県内の原子力発電所4市町で構成する県原子力発電所所在市町協議会(立地協)及び全国の原子力発電が立地する市町村で構成する全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)が、経済産業省などに対し、国のエネルギー政策の指針となる次期「第6次エネルギー基本計画」の見直しに際し、原子力発電の将来のあり方を明確化することや新増設やリプレースを含め、国策としての原子力発電の必要性について、国が前面に立って国民に発信すべきなどを求めたとの記事が掲載されていました。
 
立地協、全原協ともに、要請された内容は、少資源国の我が国における現実的なエネルギーの選択という観点からも至極真っ当なものであり、私自身の考え方とも合致する大変心強いものであると受け止める次第であります。
 
全原協の会長は、敦賀市長が脈々と歴任されており、今回の梶山経産相に対する要請も渕上敦賀市長から力強く行われたことを誇らしくも思うところですが、今回特に感じたのは、国民理解の視点から「原子力を含めたエネルギー政策を学校教育の現場で取り上げるなど取り組みの強化」を項目の一つとして求めているところ。
 
まさに私も、議会での提言の機を伺っていたほど、全く同じ考えのものであり、大いに共感し賛同するものであります。
 
これらを含め、要請された内容はいずれも非常に重要な事項ばかりであることから、国は真摯に受け止め、それぞれ具体的に施策に盛り込み、実行に移していただきたいと強く思うところです。
 
さて、原子力発電と学校教育という切り口で言えば、最近ひとつ嬉しいニュースを耳にしたところ。
 
日本原子力発電株式会社(日本原電)東海発電所(1998年に運転を停止)の解体工事で発生した廃棄物のうち、放射性廃棄物として扱う必要がないものを再利用して作られた「クリアランスベンチ」を福井南高校(福井市)に貸与、設置したとのこと。
 

【日本原電から福井南高校に貸与された際の様子(2021年4月25日の日刊県民福井記事より引用)】
 
「クリアランス」といっても馴染みが薄いと思いますので、若干解説するところですが、端的に以下のパネルをご覧ください。
 

【日本原電作成の説明パネル】

【クリアランス制度の評価の流れ(原子力規制委員会ホームページより)】
 
要するに、廃止措置などに移行した原子力施設から出る金属製などの廃棄物のうち、極めて放射能レベルが低いものを、原子力規制委員会の厳格な確認を経たうえでリサイクルするというもので、貸与されたベンチは、そうして作成されたものということになります。
 
記事によると、福井南高校で原子力発電に関する学習に力を入れていることを知った日本原電が、ベンチを通し、学びを深めるきっかけにして欲しいとの思いを込めて貸与したとあり、貸与にあたっては日本原電の敦賀事業本部よりご挨拶と説明、生徒さんからは感謝の言葉が伝えられたとありました。
 
決して押し付けではなく、こうして自主的に学ぶところに事業者がサポートしていくという、まさに理想系がここにあると思うところであり、先の全原協の要請事項ではありませんが、こうした取り組みを仕組み化していければと考える次第。
 
福井南高校のホームページには、この事例を以下のように記事掲載しており、この言葉からも熱心に取り組まれている様子がヒシヒシと伝わってきますので、全文掲載させていただきます。
 
(以下、福井南高校ホームページより)
本校では高レベル放射性廃棄物の処理をめぐる問題を全校挙げて学習しています。今年2月には探究授業「今・未来・デザイン」を実施したほか,この企画に当初から関わっている今泉友里さん(2年)はその後も自主的に自治体や市民活動に携わる方々への取材・探究活動を行っています。これらの新聞記事がきっかけでこの度,日本原子力発電株式会社様よりクリアランス制度* を利用したリサイクルベンチの設置依頼をいただきました。
 
4月21日(水)には日本原子力発電株式会社 立地・地域共生部の中村又司様ら3名が来校。中村様より全校生徒,教職員へクリアランス制度やカーボンニュートラル,エネルギーミックスのあり方について説明をいただきました。この日より新型コロナウイルス感染拡大防止のため3年生は自宅からオンラインで参加,1年生は教室からの配信参加となりましたが,皆メモをとるなど熱心に聞いていました。説明後には,この問題に取り組んでいる今泉さんが日本原電の担当者らへ「ベンチ設置は,原子力にまつわる議論がより身近に感じられ,対話の輪が一層広がるきっかけになると思います」と生徒を代表してお礼を述べました。
 
このクリアランスベンチは経済産業省や文部科学省,原子力発電所内部や原子力に関わる学術機関を中心に設置されていますが,高校に設置されるのは全国初。日本原子力発電株式会社の担当者は,誰でも触れられるオープンな場所に設置することで今後は広くクリアランス制度について国民に周知,再考してもらうきっかけになればと話していました。
 
なお,このベンチは1階ロビーへ設置しています。来校の際にはぜひパネルとともにご覧になってください。
 
 →→→福井南高校ホームページはこちらから
 
40年超運転が国内初であれば、このクリアランスベンチが高校に設置されるのも全国初。
 
国内初の商業用原子力発電である日本原電の敦賀発電所1号機の運転開始から半世紀を経て、原子力発電の理解活動に対しても先進的に取り組む福井県を、これまた誇りに思うところであります。
 
いずれにしても、原子力発電に対しては、賛成か反対の二項対立構図をいつまでも続けていてはいけないと思うところであり、国際的なエネルギー獲得競争環境の中にあって、日本のエネルギー政策は、あらゆるエネルギー源をミックスしていかなければ立ち行かず、原子力発電はそのリソースのひとつであることを、少しでも多くの方にご理解いただく必要があるのだと思います。
 
そうした観点からも、クリアランスベンチを通じ、若い皆さんに原子力発電を身近に感じていただけたのであれば、大いに意義のあること。
 
私自身、こうした取り組みに汗をかいていきたいと思いますし、このブログをお読みいただいた方でもし、役所や学校など公的施設、会社などに置くことを検討したいというご意向がございましたら、ご遠慮なくお声掛けいただけますよう宜しくお願いいたします。

ALPS処理水について知ってほしい3つのこと

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新型コロナウイルスに関しては、昨日も福井県で12名の新規感染があったところですが、23日に同じく感染が確認された日本原電の敦賀発電所に勤務する社員1名に関係する方々のPCR検査結果については、全員陰性であったということで少し安堵。
 
日本原電においては、感染を受け、関係箇所の消毒作業を速やかに行なったほか、県独自の緊急事態宣言を踏まえ、運転直の発電長・副発電長クラスについて社内施設への隔離措置、発電所員は、従来の執務室のパーテーションや個々人のマスク着用に加え、フェイスシールド着用とするなど、徹底した感染拡大防止対策に取り組んでいること、この場をお借りしご紹介しておきたいと思います。
 
猛威を振るいつつある「第4波」。
 
特定の地域に対し発令された緊急事態宣言の効き具合も心配ですが、対象地域外も含め、特に飲食・宿泊業などへの打撃は一層深刻さを増しており、ここ敦賀でも追加の支援がいよいよ必要なのではないかと考えるところです。
 
さて、話しは変わり、福島第一原子力発電所の処理済水の件。
 
先般、アメリカ政府のケリー特使に相手にされなかった韓国が、手のひらを返したように「IAEAの基準に適合する手続きに従うなら、あえて反対するものではない」と述べ、一定の理解を示したことをお伝えしたところですが、今度は違う国にアプローチをしているようです。
 
韓国外務省は23日、中米コスタリカを訪問中の崔第1次官が、22日に中米諸国でつくる中米統合機構(SICA)と外務次官会議を開き、東京電力福島第一原子力発電所の処理済水について「海洋放出がもたらす深刻な状況への深い憂慮」を示す共同声明を採択したと発表しました。
 ※SICA加盟国は、コスタリカやグアテマラ、パナマなど8カ国。
 
声明は、「海洋生態系と安全に危険をもたらす行為に対する国際社会の共同対応の必要性」を強調したとしており、韓国側は「韓国主導で国際社会の憂慮を表明した」と説明しています。
 
この報道を聞いて、私は、憤りを通り越し、只々憐れみを感じるばかり。
 
国際基準にも照らして、福島での海洋放出による生態系への影響は無く、米ケリー特使もそうしたことを念頭に相手にしなかった訳ですが、こうしてコロコロと国の方針を変え、こっちがダメならあっちへと、科学的根拠も持たぬまま告げ口に回っていては、一国の信頼を無くすだけであり、何より先進国、国際社会からは相手にされないであろうと思うところ。
 
そうした思いが、先の「憐れみ」の感情となる訳ですが、こうした事実を把握した以上、日本政府はひとつ一つ「科学的証拠」を持って反論していかなくてはならないと考えます。
 
この「風評」の払拭に向けて国内では、福島をはじめとする被災地の復興の支障とならないようにすることが何よりも重要であり、政府としては、国民の皆様の不安を取り除くとともに、決して風評影響を生じさせないという強い決意の下、科学的な根拠に基づいた正確な情報を、分かりやすく、国内外の多くの方に届けて理解醸成に努める必要があるとし、復興大臣をトップに、関係府省庁からなる「原子力災害による風評被害を含む影響への対策タスクフォース」を開催しています。
 
同タスクフォースでは、復興大臣から、
①関係省庁が連携し、政府一丸となり総力を挙げて正確な情報を発信すること
②地元福島等の思いを受け止めながら、密に連携して発信すること
③海外に向けて関係省庁が連携し、戦略的に発信すること
④国内外の状況を継続的に把握し、臨機応変に発信すること
等を指示。
 
まさに、韓国の行動に対しても、上記に照らし戦略的に発信、対応が講じられることと受け止めます。
 
以前に「ゆるキャラとは不謹慎!」と批判を浴びた復興庁のチラシ・動画は修正され、トリチウムを表す「T」の文字でシンプルで表現されることとなりました。
 
さすがにこれにイチャモンをつけられることはないと思いますが、まずはこのチラシが広く国民の皆さんに伝わり、理解されることが、国内での風評を発生させないことに加え、問題にしたい勢力に屈しないことにつながると信じて止みません。
 
つきましては、皆さま方におかれましても、以下のチラシをご覧いただき、この問題を「科学的に」ご理解いただけますよう宜しくお願いいたします。
 

【ALPS処理水について知って欲しい3つのこと(復興庁ホームページより)】

放射線防護エアシェルターを前に、あくなき原子力安全の向上を思う

ブログ 原子力

アメリカに告げ口すれば、日本に忠告してくれるとでも本気で思っていたのでしょうか。
 
昨日も記載しました、福島第一原子力発電所に貯留されているトリチウムを含む処理済水を、国の基準を下回る濃度に薄めて海へ放出する方針を日本政府が決めたことを巡り、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相は17日、アメリカ政府のケリー特使に深刻な憂慮を伝えるとともに協力を求めたところ、ケリー特使は「日本とIAEA(国際原子力機関)は密に連携をとっている」、「介入するのは適切ではない」として同調しない姿勢を示していました。
 
日本政府の「海洋放出」決定以降、韓国政府は「絶対に受け入れられない」と反発し、日本の大使を呼び出して抗議するなどしてきましたが一転、19日には鄭外相は「IAEAの基準に適合する手続きに従うなら、あえて反対するものではない」と述べ、一定の理解を示しました。
 
なお、日本政府に対しては、科学的な根拠を共有することや、十分な事前協議、さらにIAEAが行う検証に韓国の専門家などが参加するという3点を求めていると説明したようですが、正直余計なお世話といったところ。
 
こうした韓国の態度急変の背景には、アメリカの姿勢が大きく影響していると見るのは自然なことであり、裏を返せば、無闇に騒ぎ立てて日本を貶めようといった感が見え透けする中、やはり「科学が風評に負けてはならない」との思いを持って対応することで、他国からの要らぬ批判を消すことができることを証明したものと考えます。
 
私は、「科学が風評に負ける国」は、決して一流国とは言えないのではと常々思っており、そうしたことからも、誇り高き我が国の名に恥じぬよう、国際社会に対しても毅然とした態度で考えを主張していくことが、極めて重要であることをくどいようですが記しておきたいと思います。
 
さて、原子力の話題が続きますが、昨日は敦賀市立体育館で行われた、「放射線防護対策施設(以下、エアシェルター)」の展開点検の様子に立ち合わせていただきました。
 
この市立体育館に整備されているエアシェルターは、原子力発電所から概ね10km圏内において、原子力災害時に早期の避難が困難である等の理由により、一定期間その場に留まらざるを得ない場合を想定し、気密性の確保、放射性物質の影響緩和等の対策を講じるのもので、現在までに西浦小中学校、常宮小学校、東浦小中学校に設置されているもの。
 
今回は、定期的な展開点検(実際にシェルターを広げた状態で点検する)を行うということで、市民生活部危機管理対策課さんより参観の機会を頂戴したものです。
 
市の担当や点検業者の方から説明をいただきながら順に工程を進めていきましたが、元々は用具室であったであろう場所が改造され、よう素フィルターを備えた給気フィルターユニットやエアーシェルター3張が格納される部屋となっていることに驚きつつ、その後も4人1組となって、シェルターの移動、給気ダクトの接続、ファンを起動しての送風で1時間もしないうちに、館内一杯に広がるシェルターが設置されました。
 
中々見ることのないものですので、以下に写真でもご紹介させていただきます。
 

【設置が完了したエアーシェルター】

【プレフィルター、よう素フィルターを備えた2段構造の給気ユニット】

【格納されている状態のエアーシェルター】

【展開作業の様子】

【給気ダクト接続。この後送風し、展張り】
 
展張り後、シェルター内部に実際に入ると、放射線防護措置(簡易除染など)を行う前室、簡易トイレを設置するためのスペースに加え、3つのシェルターは通路で接続され、開放感がありました。
 

【開放感あるシェルター内。屋根部に紐が垂れている箇所は給気孔。】

【男女に仕切られた簡易トイレスペース】

【放射線防護措置のための前室を備えた入口部】
 
屋根にあたる部分には、給気孔が複数設置されており、常時クリーンな空気を供給するシステムとなっているなど、あってはなりませんが、万が一の場合、介護を必要とされる方など避難行動要支援者を中心に、250人が3日間、ここで避難することを想定して設計されたとあって、随所に配慮がされた構造とお見受けしたところです。
 
そして何と、驚いたのはこのシェルターは手作りであるということ。
 
これだけ大きなものを機械で縫合する技術がないと言うことで、全てミシンの手縫いだそう。
 
これも日本の技術ということで、違う面でも感心した次第です。
 
貴重なこうした場を提供いただくとともに、丁寧にご説明いただいた敦賀市職員の皆さん、点検業者の皆さんには、この場を借りて感謝申し上げます。
 
最後になりますが、半世紀に亘る運転の幕を閉じ、現在は廃止措置を進める日本原電敦賀発電所1号機の営業運転開始は昭和45年ですが、このシェルターが設置されている市立体育館は、それより以前、2回前の福井国体を契機に昭和43年に建てられたもの。
 
耐震補強などを行いながら、運動施設としてのみならず、原子力災害への備えとして、今も現役で存在していることを何か感慨深く感じたところ。
 
改めて、そうした歴史に思いを寄せながら、当時、原子力発電黎明期にあって、この敦賀を牽引した矢部市長にも思いを辿らせれば一層のこと、原子力事業に携わる一員として、あくなき原子力安全の向上を目指すことが使命であり、役割であると強く考える次第です。
 

【体育館玄関に掲示されている建立時のプレート】
 
 
 →→→参考まで、敦賀市内全戸に配布されています「原子力防災パンフレット」はコチラからご覧ください

「科学が風評に負けてはならない」〜福島第一の処理済水問題を煽っているのは誰か〜

ブログ 原子力


 
写真は、復興庁が作成した「(福島第一原子力発電所の)ALPS処理水について知ってほしい3つのこと」の動画の一画面。
 
この動画は、ALPS処理水による風評影響を最大限抑制するには、ALPS処理水の安全性等について、科学的な根拠に基づく情報を分かりやすく発信することが重要であることや放射線というテーマは専門性が高く、分かりづらいことから、国民の皆さんに関心を持っていただき、科学的根拠に基づく正しい情報を知っていただくため、イラストを用いて分かりやすく解説したチラシ・動画を4月13日に公開したもの(復興庁HPより)。
 
しかしながら「トリチウムのキャラクター化(ゆるキャラ)はけしからん」などとSNSなどで批判の声が殺到したことを受け、復興庁はそれらを踏まえトリチウムのデザインを修正するとし、当該チラシ及び動画の公開を一旦休止する事態となっています。
 
私は当初、海洋放出に対する理解活動は必要とはいえ、政府判断の直後に、さも準備してましたかの如く進めるのかはどうかとも思ってましたが、複数の知人より、批判されたからといってすぐに引っ込めてしまうのでは、それこそ風評につながってしまうのではないか、そもそも何を言われても屈しないとの覚悟を持って取り組むべきではないかとの意見を頂戴し、確かにごもっともと思い直した次第です。
 
福島第一原子力発電所のタンクに溜められているトリチウムを大気や海に放出する場合の安全性については、処理水取り扱いに関する小委員会報告書で、仮にタンクに貯蔵中の全量相当のトリチウムを毎年放出し続けた場合でも、公衆の被ばくは日本人の自然界からの年間被ばく(2.1ミリシーベルト)の千分の一以下にしかならないとの試算結果が示されています。
 
塩分は取り過ぎれば人体に有害ですが、少なければ全く問題ありません。
 
これと同様に放射線も全く同じで、有害かどうかはその摂取量によって決まります。
 
世界保健機構(WHO)が定める飲料水中のトリチウム濃度は1万ベクレル/リットルとしています。
 
この水を1年間毎日2リットル飲んだ場合の被ばく線量は、0.13ミリシーベルト。
 
ちなみに、世界で最も高い基準はオーストラリアで、飲料水中のトリチウム濃度を7万6,103ベクレル/リットルとしています。
 
この水を同じように1年間毎日2リットル飲んだ場合の被ばく量は1ミリシーベルト。
 
日本はというと飲料水の基準はないものの、排水の基準は6万ベクレル/リットル。
 
1年間毎日2リットル飲んだとしても1ミリシーベルト以下であり、オーストラリアの飲料水基準にも満たないことが分かります。
 
そして、今回の福島第一原子力発電所の排水基準目標値は、1500ベクレル/リットル。
 
桁違いに低いことがお分かりいただけるかと思います。
 
また、以前もあったように、お隣の韓国からはこの海洋放出に対し、いわゆる「イチャモン」を付けられているところですが、韓国の月城(ウォルソン)原子力発電所では、軽水炉に比べてトリチウム放出量が一桁大きい4基のCANDU炉(重水炉)を運転しており、同発電所からのトリチウム年間放出は、4基体制に入った1999年10月以降だけで見ても、これまでに累積で6000テラベクレルを超えるトリチウムを放出しています。
 
これに対し、福島第一原子力発電所に貯留されているトリチウム総量は約1000テラベクレルであり、月城原子力発電所の累積放出量はその約6倍にあたることからすれば、「自分のことを棚に上げた」批判は、全くもって論外であり、日本政府は毅然と反論すべきと考えます。
 
また、本件に関しては悲しいかな、本来、無用の風評被害につながらぬよう報道すべきマスコミの一部が逆に、風評を煽っている感が大いにあることから、特にニュースや新聞記事のみを鵜呑みにし、真実を見誤ってはならないと肝に銘じるところであります。
 
このように、事実を科学的に証明、反証しつつ、その安全性が担保されていることを国民の皆さんに丁寧に説明するとともに、国際基準などにも照らし、福島の海からそれ以上検出されない濃度まで薄めて流せば何ら問題は無いと考えるところであり、この点しっかりと国を挙げて対応していくことこそ「風評被害」の防止につながるものと思います。
 
冒頭の復興庁動画に話しを戻しますと、言われたから中止するのでは不安が増すだけ。
 
自然界にも人間の体にも存在するトリチウム、「汚染水」ではなく「処理済水」であることを分かりやすく示した動画であったかと私は思うため、復興庁に置かれては可及的速やかに再掲いただき(トリチウムをどう表現するかはお任せしますので)、国民の皆さんへの更なるご理解と風評被害の防止に信念をもって取り組んでいただくことを求めるところであります。
 
つきましては、「科学が風評に負けてはならない」との思いのもと、一部風評を煽るマスコミ、新聞報道に惑わされないよう、このブログをお読み取りいただいている方には是非ともお願いを申し上げ、本日のブログを閉じさせていただきます。

福島第一原子力発電所の「処理済水」について「政府方針」が固まる

ブログ 原子力

日々の報道は様々あれど、昨日は何とも複雑な心境になるニュースが飛び込んできました。
 
13歳未満の少女3人に対しわいせつな行為をしたとして、敦賀署は強制わいせつの疑いで敦賀市職員の男性保育士を逮捕。
 
男性は若干23歳とのこと。
 
市からは、事実関係を確認のうえ厳正に対応していく旨を記した速報FAXが自宅に届きましたが、やはり園児並びに保護者の動揺や信頼関係への影響を最小限とするよう、関係者に丁寧な説明を行うとともに、他の保育士さんに対する心のケアも必要と考えるところ。
 
いずれにしても、敦賀市においては、子育て環境日本一を目指して取り組む中で起きたこの事件を重く受け止め、市には徹底した信頼回復に向けた対応を求めたいと思います。
 
さて、政治の面では、一昨日のブログでも書きました東京電力福島第一原子力発電所で保管され続けている処理済水の処分方法を巡り、政府は海洋放出の方針を固めたとのこと。
 
これで、課題だった処理済水の処分がようやく科学的判断をもって動き出すこととなります。
 
原子力規制委員会の更田委員長は、これまでも処理済水の処分方法を「実行可能な意味において、(海洋放出は)ほとんど唯一と言っていい処分方法」などと繰り返し妥当性を訴えつつ早急に決めるよう求めていましたが、7日の定例会見では不安の声も多いことを考慮し、「いずれにせよ、苦渋の決断になるので難しい問題」と述べるに留めていました。
 
原子力規制委員会は今後、東京電力がまとめる「海洋放出計画」を審査するほか、処理済水の放射性物質濃度の検査なども担うこととなります。
 
更田委員長は「どれだけ(社会の)理解を深められる情報発信をするかというのは大きな課題だ」と述べ、準備を進める考えも示しています。
 
海洋放出の決断は、原子力行政はもとより、日本が科学的判断のもと物事を進めるという意味において大変重要な一歩でありますが、海産物の風評被害に対する懸念は根強くあることから、そうした不安払拭のためにも作業の透明性確保、丁寧で分かりやすい説明と情報発信が求められるところ。
 
これに関しては、特にマスコミの影響が大きいこともある訳ですが、東京電力や原子力規制委員会任せにするのではなく、政府はこの点に関しても先頭に立って、責任ある対応を図って欲しいと重ね重ね思うところ。
 
これも繰り返しとなりますが、私自身も決断したら終わりではなく、これからが始まりとの意識を強く持って、この問題の真実や科学的視点に立った考え方を引き続き発信していく所存です。
 

【昨日の夕暮れ時は、大比田区内全戸へ「やまたけNEWS」(簡易版)をポスティング。本当いつ見ても、心落ち着くロケーションがここにはあります。】

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