KAKKIN福井「エネルギー施設視察研修(2日目)」〜中国電力 島根原子力発電所を視察〜

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前日の雨から一転、島根県松江市は青空が広がる気持ちの良い天気に。
 
昨日のブログでお伝えしたよう、KAKKIN福井「エネルギー施設視察研修」は2日目を迎え、メインイベントと言える中国電力 島根原子力発電所を視察してまいりました。
 
一行は、ホテルを8時30分に出発し、バスにて直線距離で約8kmの発電所へ。
 
市街地から発電所へと向かう道中、遠くに松江城を望む風景に、城下町として育んできたであろう歴史に思いを馳せたところです。
 
視察に関しては、まず島根原子力館に。
 
バスでかなり登ったと感じましたが、それもそのはず原子力館の海抜は150m。
 
島根原子力発電所はもちろん、日本海や宍道湖(しんじこ)、城下町松江の街並みを一望できる位置にある、一風変わった形の建物は、島根出雲の社(やしろ)をイメージして建てられたそう。
 
早速ホールにご案内いたくと、正面のスクリーンに映し出された「歓迎 KAKKIN福井の皆さま」「ようこそ島根原子力館へ」の言葉が嬉しい限り。
 

 
館長代理ならびに発電所より総務担当の方に対応いただき、まずはじめに、島根原子力発電所の状況や安全性向上対策などについてご説明いただきました。
 
説明では、島根原子力発電所は日本で5番目の原子力発電所として島根県松江市鹿島町に建設され、1号機は、国産第1号として1974年3月に営業運転を開始し、2015年4月30日をもって営業運転を終了、2017年7月から廃止措置作業に着手しています。
 
また、2号機は1989年2月に営業運転を開始し、東日本大震災以降、約13年の時を経て、昨年1月10日に営業運転を再開。
 
本年2月より、約7ヶ月を掛けての第18回定期事業者検査を実施中。
 
さらに、改良型沸騰型(ABWR)の3号機は、2006年10月より建設工事を開始し、建設としては終了。
 
現在は、新規制基準適合性審査中で、中国電力としては2030年の稼働を目指すとありました。
 
このように、ステップの異なる3つのプラントを保有しているのは、全国でも島根原子力発電所のみかと思いますが、まさに原子力発電所の“生涯”、そしてまた“新たな一生”が始まろうとしているものと、感慨深く思った次第です。
 
その後、原子力館内をご案内いただき、いざ発電所構内へ。
 

【原子力館内の1シーン】
 
これは全国どの発電所でも同様ですが、厳重な出入管理のもと入構し、今回はバスの車中から構内をご説明いただく形。
 
なお、出入管理所から発電所までも広大な敷地であり、火災の延焼防止対策として、後背斜面(山)にコンクリートで固めた緩衝帯は約5kmに及ぶと聞き驚いたところ。
 
ようやく見えた発電所は3基ともに、淡いイエローとブルーの縦ストライプに統一され壮観。
 
途中、高台にバスを停め、構内全景、防潮堤や3号機で進められる安全性向上対策などについて説明を受けました。
 
構内は写真撮影が禁止されているため、視覚でお見せできないのが残念ですが、大型クレーンが立ち並ぶ中にあって、見るからに整理整頓がされた現場は、しっかりとした品質と安全管理が徹底されているものと、ここは元保修員としての直感として感じたところです。
 
また、福島第一原子力発電所事故を踏まえ、電源車などの配置は言うに及ばす、電源に関してはガスタービン発電機3基(発電所とは地中ケーブルで接続)を設置するほか、水源については、トラブルが発生した際に必要な水量に十分な余裕を持たせた約5万トンを貯水槽などに保有しているとあり、独自の安全性向上対策が講じられていることも知れた次第です。
 
こうして発電所構内の視察を終え、出入管理所を出た後は、運転員のシュミレーター訓練施設を見学。
 
原子力館近くに設けられた訓練施設には、2号機用、3号機用のフルスコープ(実機と同じ制御盤)シュミレータがあり、この日は両方にて運転員が訓練する姿が。
 
とりわけ3号機用は、ABWR特有の大型ミミック盤で、プラント全体の状況が一目で分かるもの。
 
ちょうど、プラント「スクラム」、「タービントリップ」状況を模擬しての訓練中で、けたたましく鳴る警報の中、冷静に計器などを読む運転員の姿が印象に残りましたが、聞くところによれば、3号の所有はまだ、建設メーカーである日立のものとのことで、実際、現在の制御室には、日立の技術者2名と中国電力の方2名で監視をしているとのこと。
 
この先にある、新設プラントとしての「稼働」に向けて、今の段階から訓練を積む姿を頼もしく思うとともに、心の中でエールを送った次第です。
 
視察はこれですべての行程を終え、原子力館へ。
 
全体を通しての質疑では、私からも2点ほど質問いたしましたが、最後まで大変丁寧に対応いただいた中国電力の皆さまに心から感謝申し上げます。
 
最後、バスに乗車する前に、急ぎ撮影した写真はこちら(ここからの撮影はOKとの確認を得て)。
 

 
右から1号機、2号機、左手にある3号機は残念ながら隠れていますが、この3プラントを大切に、管理運営にあたっておられるすべての方々に敬意を表します。
 
そして、「いかなる国の核兵器、核実験に反対するとともに、原子力の平和利用を推進する」との理念をともにするKAKKIN福井の皆さま、大変お疲れさまでした。
 
視察で得たことを糧に、私自身、今後も積極的に活動に参画してまいります。

KAKKIN福井「エネルギー施設視察研修(1日目)」〜島根県防災部と原子力防災について意見交換〜

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昨日より、KAKKIN福井の「エネルギー施設視察研修」に参加。
 
島根県松江市に来ています。
 
なお、聞きなれないかと存じますが、略して「KAKKIN」と称する「核兵器廃絶・平和建設国民会議」の設立経過については以下のとおり。
 
核兵器廃絶運動に関しては、1954年3月1日に発生した第五福竜丸ビキニ被災事件の後、日本国内での原水爆禁止に向けた機運の高まりを受け、原水爆禁止署名運動全国協議会が結成され、全国で2000万もの署名を集めたものの、早々に共産党がこの運動を仕切るようになり、その活動は本来の趣旨から外れた反米闘争強化路線となり問題視。
 
そのような状況下の1961年11月15日、核兵器禁止平和建設国民会議(核禁会議)は「いかなる国のいかなる理由による核兵器も許さない」「特定政党および政治勢力の干渉と支配を受けない」「人道主義を基調とする」という立場に立つ学者・文化人・民間団体・婦人団体・労働組合等が結集し「再び核兵器が使用されることのない平和な社会の建設」を目指し結成。
 
そして、2014年1月に、名称を「核兵器廃絶・平和建設国民会議(KAKKIN)」と変更して今日に至っています。
 
・自由と民主主義を育て、守り、人間の尊厳を最重視する。
・社会正義の追及によって公正、安全な社会の実現を目指す。
・左右の全体主義に反対し、特定イデオロギー及び政治勢力の支配をうけない。
・いかなる国の核兵器、核実験に反対するとともに、原子力の平和利用を推進する。
・平和建設の意思を堅持し、日本の平和、世界の平和に寄与する。
 
の運動理念を掲げ、運動を推進しているKAKKINに、私も以前から考えをともに活動に参画する次第であり、今回の研修にも参加した次第です。
 
エネルギー施設視察研修に関しては、福井県各地からの参加者17名。
 
朝、福井を発ち、岡山乗り換えで特急やくもに揺られて約6時間(敦賀から)。
 
近そうで遠い、島根県松江市には午後3時前に到着。
 
その後早速、島根県議会議事堂別館に移動し、原子力防災に関する意見交換会を開催。
 
島根県からは県防災部長、防災部原子力安全対策課 原子力防災対策室長にご臨席いただき、まずKAKKIN福井から福井県内の原子力施設の動向について説明した後、島根県からは島根原子力発電所の再稼働に至るまでの経過や原子力防災に関する取組状況についてご紹介いただきました。
 

【意見交換会にて配布された資料】
 
機微な内容もあるため、詳細に触れることは控えますが、日本で唯一、県庁所在地に原子力発電所がある島根県。
 
島根原子力発電所と県庁は直線距離で約8kmにつき、何かあっても短時間で移動が可能なことから現地事務所は置いていないことや、人口60万人の県でUPZ(5〜30km圏内)圏内の約45万人が避難をするためには他県に受け入れていただくことが欠かせないと、早い段階から隣県と連携を図ってきたなどのお話が印象的でした。
 
そうした関係から、例えば鳥取県や鳥取県側の周辺2市と中国電力が結ぶ安全協定についてもやや特異的な事項(立入調査の実施や原子炉の運転停止を含む「適切な措置」を講ずることを求めることができる等)があったため、質疑の時間では私から質問したところですが、極めて高度な協議、調整の上で得た結果とのご回答に納得。
 
その他にもKAKKIN福井のメンバー側から積極的な質疑もあり、有意義な機会になった次第です。
 
大変お忙しい中、また丁寧にご対応いただきました島根県防災部の皆さまに心より感謝申し上げます。
 
ありがとうございました。
 
あいにくの雨につき、日本夕日100選に選定されている宍道湖の景色は見れませんでしたが、昨晩は松江市に宿泊し、本日は島根原子力発電所を視察することになっています。
 
懸命な努力によって再稼働を果たした2号機をはじめ、稼働を待つ3号機を有する同発電所。
 
昨日同様、今日もしっかりと視察してまいります。

東京管内の電力需給改善に大きく貢献する「柏崎刈羽原子力発電所6号機」の営業運転開始

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中東情勢の影響によるホルムズ海峡周辺の通航制限等に伴う、原油やナフサ等一部素材の調達の不安定化により、様々な製品への影響が出ており、バス・トイレ関連商品に関しては次のような報道が。
 
“TOTOが4月13日に公式サイトにおいて「一部の部材不足により弊社の受注システム上での注文が適切に行えないため」として、システムバス・ユニットバスの新規受注を一時的に見合わせていると発表した”
 
また、LIXILについても“10日に公式サイトで、今後の情勢変化よっては、生産や受注の調整・制限を行う可能性や、価格改定を行う可能性があると発表した”とありましたが、一次情報の確認が大事と、各公式サイトを見るにい、TOTOでは同13日の(中東地域情勢)第2信の冒頭にまず「現在、通常通り生産・出荷は継続しております。すでに納期回答を行っているご注文につきましては、予定通り出荷させていただきますので、ご安心の程お願い申し上げます。」との言葉がありました。
 
その上で、「一部の部材不足により弊社の受注システム上での注文が適切に行えないため、やむを得ず一時的に現在の受注方法での受注見合わせを行っております。」、続いて「サプライヤーを始め関係各社とも協力の上、一日も早く通常通りの注文をお受けさせていただくべく、他の受注方法の検討含め鋭意努めているところでございます。」とあり、やはり報道とはどこかニュアンスが異なるもの。
 
なお、TOTOでは15日の第3信においても2信と同じく、「現在、通常通り生産・出荷は継続しております。すでに納期回答を行っているご注文につきましては、予定通り出荷させていただきますので、ご安心の程お願い申し上げます。」とした上で、「また、4月20日(月)から段階的に新規受注のお受付けを再開すべく、サプライヤー始め関係各社にも順次説明をしながら早急に準備を進めております。」とありました。
 
意図してか否かは分かりませんが、言葉ひとつの抜き差し、切り抜く箇所の違いによってニュアンスが変わります。
 
一連の中東情勢による影響に関しても、どこか「◯◯不足」「▲▲が高騰」など、不安を煽るかの報道が見受けられますので、こうした報道を鵜呑みすることなきよう、前述のとおり、一次情報の確認により正確な状況把握に務める所存です。
 
一方、同じく中東情勢の影響が懸念されるエネルギーに関しては、昨日朗報がありました。
 
それは、東京電力ホールディングス(以下、東京電力HD)が、原子力規制委員会より柏崎刈羽原子力発電所6号機(以下、柏崎刈羽6号機)の使用前確認証、使用前検査合格証の交付を受け、午後4時00分に営業運転を再開したこと。
 
これに東京電力HDは、安全に終わりはなく、引き続き、発電所で働く全員が心を一つに、現場重視のワンチームの取組を拡大し、安全性の向上に不断に取り組むこと、新たな知見が得られた場合には、適切に活かすとともに、地域に根差した事業者として、ご意見をお伺いしながら、新潟県内の安全・安心な暮らしのための基盤整備や地域経済の活性化に取り組み、地域との共生に取り組んでまいると同社ホームページでプレス。
 
私自身、この営業運転開始を心より嬉しく思うとともに、今回の再稼働は、独立性と透明性を確保した厳しい安全基準に応え続けてきた成果であり、現場で懸命に働く皆さまのたゆまぬ努力と、原子力の安全性確保に対する強い決意の証であると受け止め、最大限の敬意を表する次第です。
 

【営業運転までのプロセス(東京電力HD 柏崎刈羽原子力発電所ポータルサイトより抜粋引用)】
 
なお、営業運転が現実のものとなったことにより改善されるのが“電力需給”。
 
柏崎刈羽6号機が再稼働する前の昨年10月に発表した東京電力管内の電力需給の見通しでは、今年7月から9月にかけて、10年に1度の厳しい暑さを想定した場合には、供給の余力を示す「予備率」は、いずれの月も電力の安定供給に最低限、必要とされる「3%を下回る」と予想されていましたが、先月の国の発表では、同6号機が営業運転した場合は電力の供給状況が改善し、同期の予備率はいずれの月も「4%以上」になると予想されていました。
 

【2026年3月27日開催の経済産業省 第5回 次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会提出『2026年度の電力需給見通しについて』(資源エネルギー庁資料より抜粋引用)】
 
こうして、原子力発電所1基(定格電気出力:136万kw)の運転再開により、エリア予備率で2.2%もの改善が図られ、首都圏における電力の供給状況が改善するとともに、この夏の安定供給に大きな貢献を果たすこととなります。
 
こう考えればやはり、資源に恵まれないわが国は、エネルギー安全保障の観点から将来にわたり安定的にエネルギーを確保し、持続可能な供給体制の構築に向け、着実に取り組む必要があり、そのためには、特定の電源や燃料源に過度に依存しない、バランスの取れた電源構成を目指しつつ、国産電源である原子力や再生可能エネルギーなどを最大限活用する事が不可欠であると確信するところです。
 
結びに、東京電力HDが昨日発表したプレス文の最後にはこうありました。
 
当社の経営、安全の原点は、福島第一原子力発電所事故の反省と教訓です。この反省と教訓を胸に刻み、引き続き、安全最優先の発電所運営を行ってまいります。
 
この考え、思いは東京電力HDのみならず、全国の原子力発電所に従事する者に共通すること。
 
安全を何よりも最優先する考えのもと、私自身も引き続き、原子力発電の理解促進に努めてまいります。

南鳥島における文献調査に関する「村民説明会」が開催される

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東京都小笠原村に所属する小笠原諸島の島「南鳥島(みなみとりしま)」。
 
本州から約1,800km離れた日本の最東端で、日本列島東側の太平洋を南北に走る日本海溝を隔てた唯一の南鳥島は、現在一般住民(民間人)はおらず、防衛省(海上自衛隊)や国土交通省(関東地方整備局および気象庁)の職員が常駐しているのみで民間人は立入禁止。
 
観光目的で訪問することもできない島。
 
地震学者曰く、「南鳥島は、火山の噴火や地震がない太平洋プレートの上に載っている島」だそう。
 
その南鳥島といえば、海洋研究開発機構が今年2月2日、地球深部探査船「ちきゅう」が南鳥島沖の海底約5600メートルの海底から、レアアース(希土類)を含んだ泥の採取に成功したとの発表があったところ。
 
今後、精製試験などを重ね、2028年3月までに経済性評価を行う予定とありましたが、この分野のスピードは早く、日米両政府は19日に予定する高市首相とトランプ大統領の首脳会談で、レアアースなど重要鉱物の調達先を拡大する貿易協定に向けた行動計画をまとめる方針を固めたとあり、南鳥島沖のレアアースの共同開発を確認する方向でも最終調整に入ったと報じられています。
 
いずれの取り組みも、輸出制限など経済的威圧を強める中国への依存から脱し、日米が合同でサプライチェーンの強化を図ることが目的であることは言うに及びませんが、日本の領土に存在する、こうした貴重な資源に期待を寄せる次第です。
 
その南鳥島を巡り、東京都小笠原村の父島で昨日行われたのは、原子力発電所で発生した「高レベル放射性廃棄物(※1)の最終処分」に関する村民説明会。
 
※1 経済産業省では「特定放射性廃棄物」と表記
 
こちらは、3月3日に経済産業省が同村に対し、高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に向けた第1段階である「文献調査(※2)」を、南鳥島で実施するよう正式に申し入れたことを踏まえて行われたもの。
 
※2 文献調査は、処分地選定に直結するものではなく、調査を受け入れていただいた市町村の地質等に関する文献・データを調査分析して情報提供することを通じて、市町村でこの事業について議論を深めていただくためのものであり、いわば、対話活動の一環です(経済産業省HPより)。
 
説明会は2回、いずれも非公開で行われ、父島の住民約2千人のうち計約240人が参加。
 
説明会に出席された住民からは、風評被害を懸念する声が上がった一方、電力需要の高まりを指摘し「原子力は必要だ」とする意見もあったとのこと。
 
なお、高レベル放射性廃棄物の最終処分(地層処分)に関しては、原子力発電環境整備機構(NUMO)のホームページで以下のように分かりやすく説明されています。
 
<NUMOホームページより引用>
 
エネルギー資源に乏しい日本では、原子力発電で使い終わった燃料のうち95%から97%は燃料としてもう一度利用できるため、リサイクルして再び燃料として使うことにしています。
 
一方で、リサイクルした後に残る廃液は、再利用できないことに加えて強い放射線を出します。
 
私たちは、これを安全に処分できるようガラスと混ぜて固めたものを、地下深くの安定した岩盤に閉じ込めて処分するための事業に取り組んでいます。この処分方法を「地層処分」といいます。
 

 
地層処分の詳しくは、以下NUMOホームページをご覧ください。
 
→NUMOホームページはこちら
 
報道などではよく「核のごみ」と称されますが、正しくは「高レベル放射性廃棄物」であり、どこか負のイメージを抱かせる呼び方はやめていただきたいと以前から思うところですが、今回申し入れた「文献調査」を小笠原村が受け入れた場合、全国4例目となります。
 
国は、約20年かけて行われる3段階のプロセスを踏まえ、最終処分場1カ所を選定し、地下300メートルより深い岩盤に埋める「地層処分」とする計画を立てており、この問題を解決するのは原子力発電所の立地如何を問わず、電力消費地を含めた日本全体で考える「現世代の責任」であります。
 
小笠原村では、父島の南約50キロにある母島でも21日に村民説明会が開かれる予定とあります。
 
こうした計画を進めるにあたり、何より重要なのは住民の皆様のご理解。
 
まずは静かな環境で、科学的な視点のもと開催されることを切に期待する次第です。

敦賀発電所1号機が「56歳」の誕生日を迎える

ブログ 原子力 政治

昨日の敦賀市議会は各常任委員会を開催。
 
所属する産経建設常任委員会では、付託された4件について審査しました。
 
①第23号議案 敦賀市火入れに関する条例の一部改正の件(産業経済部)
②第24号議案 敦賀市公設地方卸売市場条例の一部改正の件(産業経済部)
③第25号議案 敦賀市営住宅管理条例の一部改正の件(建設部)
④第27号議案 市道路線の認定の件(建設部)
 
議案の詳細は、以下リンクよりご覧ください。
 
 →敦賀市議会ホームページ「令和8年第1回(3月)定例会について」はこちら
 
委員会では、それぞれの議案について質疑を行った後、討論、採決に進み、結果全件「可決」した次第です。
 
3月定例会のほうはこれから終盤。
 
来週は特別委員会と予算決算常任委員会(当初予算採決)、再来週24日には最終日を迎えますので、最後の採決に向けて会派内での協議、調整を進めてまいります。
 
さて、話は変わり、今日3月14日は、日本原子力発電(株)の敦賀発電所1号機(以下、敦1)が営業運転を開始(1970年3月14日)した日。
 
実は毎年この日にご紹介している訳ですが、今日を発電所の誕生日とすると、敦1は「56歳」となります。
 
私(54歳)が生まれた時には既に運転していた敦1は、わが国初の商業用軽水炉として運転を始め、1970大阪万博会場に原子力の灯(電気)を送ったことで有名であり、まさに原子力の黎明期、そして高度成長期の電力供給を支えたプラント。
 
2015年4月27日に運転を停止し、現在は廃止措置工事を進めるところでありますが、私自身、新入社員時代からさまざまなことを学んだ「先輩」であり「兄貴」のような存在であり、社員はもとよりメーカー、協力企業の皆さんからも「つるいち(敦1)」の愛称で親しまれたプラントとの思い出は数知れず。
 
誕生日にちなみ、長きに亘り日本のエネルギー政策に貢献されたことへの敬意と感謝を表するところです。
 

【2020年12月に敦賀駅交流施設オルパーク2階で開催された「敦賀発電所の歩み」写真展(げんでんふれあいギャラリー)にて撮影】
 
敦賀発電所1号機と歩んだ半世紀の歴史は、以下ブログにも記載していますので、併せてお読み取りいただければ幸いです。
 
 →①2020年8月23日ブログ『「敦賀発電所の歩み」写真展にて、半世紀の歴史を思う』はこちら
 →②2020年12月12日ブログ『「敦賀発電所の歩み」写真展に半世紀の歴史を思う』はこちら
 
なお、これまでも述べているとおり、近年の急速な生成AI普及による世界的な電力需要(データセンターなど)の増大、昨今の中東情勢を起因とした燃油・エネルギー価格高騰などを鑑みれば、資源が少ないわが国において、国産あるいは純国産エネルギーの割合を高めていくことは極めて重要なこと。
 
政府が「原子力の最大限活用」を掲げる中、政党の中で明確に、原子力発電所のリプレースや新増設の必要性を訴え続けているのが国民民主党ですが、ちょうど明日15日(日)は、福井県連として3回目となる「タウンミーティング」(内容は以下チラシを参照ください)を開催いたします。
 
今回のゲストは、石川1区選出の「小竹かい」衆議院議員。
 
27歳の若き政治家とフランクに意見交換していきたいと思いますので、少しでも興味や関心のある方はぜひ、お気軽に参加いただければ幸いです。
 

 
結びに、本日は欲張って3つの話題を取り上げたため、まとまりのないブログになりましたことご容赦ください。
 
それでは皆様良い週末を。

日米で大きく異なる原子力規制

ブログ 原子力

イラン攻撃に伴う原油価格の高騰が日本経済に及ぼす影響を第一生命経済研究所のエコノミストが試算。
 
試算によれば、米原油先物指標WTIが1バレル=80ドル台に上昇し、その価格水準が1年続いた場合は日本の実質国内総生産(GDP)を0.21%押し下げ、2年続くと0.35%下振れさせる。
 
さらに、戦況悪化で同130ドル台に上がり、その水準が1年続くと0.58%、2年続くと0.96%と1ポイント近くの押し下げを予測し、影響が深刻化すれば実質賃金の悪化が懸念され、日本銀行の利上げにも逆風と指摘しました。
 
先日も敦賀市内のガソリンスタンドで、給油する車が長蛇の列になっている光景を見ましたが、言うまでもなく、原油価格の影響は日本経済、国民生活に直結することから、イラン情勢が早期に収束することを願うばかりです。
 
さて、3月3日のブログでは、ホルムズ海峡の事実上封鎖とわが国のエネルギーについて思いを述べましたが、こちらは「直ちに」ではなく「長期化」した場合の懸念として述べたものであり、変に不安を煽ることや、これみよがしに原子力発電を推進したいがために書いたものでないことはご理解いただきたいところ。
 
その上で、以前からご紹介しているよう、エネルギー供給力確保のための世界各国の原子力開発の進捗は著しく、その先頭をいくであろう米国では、原子力開発ベンチャー企業「TerraPower(テラパワー)」社が現地時間4日、ナトリウム冷却高速炉と溶融塩エネルギー貯蔵を組み合わせた第4世代のナトリウム冷却小型高速炉「Natrium(ナトリウム)」(基本電気出力34万5千キロワット)初号機の建設許可を米原子力規制委員会(NRC)から取得したと発表しました。
 
商業規模の先進的原子力発電所として建設許可を取得したのは初めての事例。
 
同社はワイオミング州でナトリウムの原子炉以外の部分を建設中で、今後数週間以内に原子炉部分の建設を始め、2030年代初頭に運転を開始する計画とのこと。
 

【ナトリウム炉とエネルギー貯蔵システムの完成予想図(テラパワー社資料より引用)】
 
なお、テラパワー社は2008年に設立した、米マイクロソフト社の創業者ビル・ゲイツ氏が会長を務める原子力開発ベンチャー企業。
 
あらためて、猛烈なスピードで原子力開発を進める米国の政策推進力に驚くばかりですが、同社がNRCに建設許可を申請したのは2024年3月末。
 
ちょうど2年で許認可されたことになり、やはり原子力規制の面で、日本との大きな違いがあると認識する次第です。
 
そのNRC。
 
本年2月には、さらなる原子力技術の許認可審査の効率化と迅速な導入に向けて、意思決定の合理化および業務機能の統合を柱とする大規模な組織再編に着手すると発表。
 
今回の再編は、2025年5月の大統領令「原子力規制委員会改革の命令」および、同年2月の「政府効率化に向けた人員最適化の実施」に基づく要件をふまえたもので、当面は、原子炉安全プログラムの主要ポストの任命を進めるほか、今後60日以内に新たな組織図と変更管理計画を策定し、9月末までの実施をめざすとのこと。
 
原子力政策は国策であるという点は、日米とも変わりませんが、政府(政治)が関与し、主導している点において、ここでも日本の違いが。
 
NRCのホー・ニエ委員長が述べた、「本再編は、原子力技術の安全な導入を加速するという国家的優先事項に沿ってNRCの組織構造を見直すものであり、より効率的かつ迅速な意思決定を可能にする」との言葉が、米国の姿勢を象徴するものとして、強く印象に残った次第です。

敦賀発電所2号機が「39歳」の誕生日を迎える

ブログ 原子力

昨日は、久々となった街頭活動からスタート。
 
理由は、昨日のブログで述べたとおりですが、粟野交番前の交差点をお借りし約30分。
 
主に県知事選と衆院選の振り返りや敦賀市議会3月定例会の告知などについてお話しした次第です。
 
ご通行中のお車からは、お手振りしてくれる方、窓を開けて声掛けしてくれる方もいて嬉しい限り。
 
雪も解け、自転車通学の高校生とも久々のあいさつを交わすなど、気持ちの良い朝となりました。
 
効果のほどは置き、こうして旗を立てるということが国民民主党の知名度を上げることにつながるものと、今年はさらに別の場所でも辻立ち、街頭演説を展開していきたいと思います。
 

【粟野交番前の交差点にて。やわらかい朝日も応援してくれている気分に。】
 
さて、今日2月17日は、日本原子力発電(以下、日本原電)の敦賀発電所2号機(以下、敦賀2号)が営業運転を開始した日。
 
営業運転開始日を誕生日とすると、今日で39歳を迎えたことになります。
 
実は毎年、この周年を忘れないようブログに掲載しているため、再掲となる訳ですが、敦賀2号のことを、日本原電のホームページでは以下のように紹介しています。
 
<以下、日本原電HP引用>
 
1982年3月に着工(第1回工事計画認可)、同年4月に建設工事を開始し、当初の予定よりも工期を4ヶ月あまり短縮し、1987年2月に営業運転を開始。この発電所は、わが国最初のプレストレスト・コンクリート製格納容器を採用して耐震性の一層の向上を図るとともに、国内外の新技術を積極的に導入し、各種の設備に種々の改良・改善を加え、安全性、信頼性、環境保全の各面に優れた発電所です。
 
<引用終わり>
 
発電所構内には「信頼と安心の敦賀2号」の標柱があるよう、これまでの発電電力量合計1,923億kWhを誇る敦賀2号ですが、東日本大震災後の2011年5月7日20時00分に原子炉停止して以来、これで15年の歳月が流れようとしています。
 
その敦賀2号は現在、新規制基準適合性確認の申請に向けた現地調査を行なっており、「破砕帯(K断層以外を含む)」の調査 を目的とした作業の一つとして,調査坑(立坑)周辺の地盤改良作業を進めている状況にあります。
 

【げんでん いんふぉめーしょん(2026年2月号)より抜粋引用】
 
なお、「(活断層の)可能性が否定できないため不許可」とされた敦賀2号においては、この大掛かりな調査によって得られる科学的データにより、「活断層ではない」ことが証明されるものと信じてやみませんが、一方、原子力発電所の地盤(断層変位)審査に関わる国際基準に照らすと、日本の原子力規制においても「確率論的」評価を組み入れるべきではと考えるところであり、実際に国内外の規制基準を比較すると次のようになっています。
 
<日本>
◉約12〜13万年前以降の活動が否定できない断層の直上への設置を禁止(立地不適格)。
アメリカやIAEAのように、確率論的な評価を認めていない。
 
<アメリカ>
◉断層変位が想定される場合に立地不適格とする記載はない。
◉敷地において地表変形(断層変位を含む)の可能性がある場合は、審査者は地表変形の潜在的影響が施設の設計基準内であることを確認するという記載がある。
日本のような禁止規定はなく、実際、ディアブロキャニオンのように、既設発電所に対して「確率論」的に評価して認められた例がある。
 
<IAEA>
◉既設サイトに対しては、敷地及び/又は敷地近傍に存在する断層がcapable fault(活断層)ではないと結論づけるだけの十分な根拠(決定論的な根拠)がなく、原子炉施設の安全性に影響を与える可能性がある場合は、確率論によって評価するべき。
 
このように、国際基準では、「確率論的」評価手法が“標準”であるという事実を知っていただければ幸いです。
 
1990(平成2)年に入社し、敦賀発電所の保修業務に携わってきた私にとって、敦賀2号は、先輩や同僚、協力会社の皆さん、メーカーの方々と一緒に、たくさんの思い出が詰まった、愛車のような、誇れる「マイプラント」。
 
必ずや再審査をクリヤし、再稼働を果たすことが使命と役割であり、国の「エネルギー基本計画」上も必要な発電所であると、今年の誕生日も思いを強める次第です。
 
2月13日のブログで、1975年に運転開始し、45年以上にわたり稼働したのち、経済性の悪化を理由に2020年に閉鎖された米デュアン・アーノルド発電所(51歳)が「運転再開」を目指していることをご紹介しましたが、敦賀2号はまだ「39歳」。
 
人間も発電所も、39歳はこれからが働き盛りです。

Google社がデュアン・アーノルド原子力発電所と「25年間の電力購入契約」

ブログ 原子力

2月9日に原子炉を起動した東京電力ホールディングス(以下、東京電力HD)の柏崎刈羽原子力発電所6号機(以下、柏崎刈羽6号機)。
 
現在、起動工程における各種試験を順調に進め、今週末の15日には、発電機を試験的に送電系統へ接続する「発電機仮併入」により20%出力まで上昇、一旦切り離した後、発電機を送電系統へ接続する「発電機本並列」を16日に行う予定となっています。
 
50%出力まで上昇させた後は、段階的に出力を降下し、タービンおよび原子炉を計画停止。
 
20日には「中間停止」をし、各部の点検を行うなど、慎重には慎重を重ねた工程となっており、引き続き状況を見守るところです。
 
なお、東京電力においては「柏崎刈羽原子力発電所 情報ポータル」を立ち上げ、リアルデータや詳細工程などをお知らせしたいますので、関心のある方は以下リンクよりご覧ください。
 
 →東京電力HD「柏崎刈羽原子力発電所 情報ポータル」サイトはこちら
 
さて、既設原子力発電所の再稼働に喜ぶ一方、柏崎刈羽6号機に至ってはここまで14年の時間を要したほか、今なお停止したままの発電所が複数あることに忸怩たる思いがあるところ。
 
そうした思いが込み上げてくる理由の一つとしてあるのが、諸外国の原子力利用、開発スピードの速さであり、とりわけその先頭を行くのが米国。
 
12日付の電気新聞には『米NRC、再編に着手/許認可・検査効率化へ、9月末めど』のタイトルのもと、米原子力規制委員会(NRC)は、昨年5月の大統領令に基づき組織再編に着手したとあり、新型原子炉、稼働中の原子炉、核物質・廃棄物の中核事業分野を中心に再編するとのこと。
 
また、許認可と検査機能を各事業分野に統合、説明責任を一元化し、プロジェクト開始時点から許認可と検査のチーム間連携を強化するとともに、企業支援事業分野の機能を統合し、効率化を図るとあった上で、NRCは今後60日以内に新しい組織図と変更管理計画を策定、9月末までに再編計画を実施する見通しとありました。
 
日本と同じ原子力規制組織にあって、NRCはもちろん厳格な審査体制はあった上で、経済性や効率性も踏まえた合理的な運営をしていると言え、日本もこうした考えや手法を取り込むべきではないかということは以前から申し上げているところ。
 
さらに、民間の動きも速く、これまでもいくつかご紹介してきましたが、こちらは原子力産業新聞を見ると『米ネクストエラがSMR最大600万kW配備を検討 Google向けPPAで既設炉の運転再開へ前進』のタイトル。
 
読めば、米大手電力会社でフロリダ州に本拠地のあるネクストエラ・エナジー社は1月27日、AIやクラウドサービスの拡大に伴い急増する電力需要を背景に、同社が所有する複数の既存サイトや新規サイトを開発し、最大600万kWeの小型モジュール炉(SMR)の追加配備を検討していることを明らかにした。
 
ネクストエラ社は現在、フロリダ州以外に所有する既存・新規サイトについて、先進原子力導入に適した状態にあるとし、様々なSMR炉型の詳細評価を実施。2025年10月に発表した米IT大手のGoogle社との25年間の電力購入契約(PPA)により実現した、アイオワ州デュアン・アーノルド原子力発電所(BWR、62.4万kWe)の運転再開に向けた作業も進めている
 

【デュアン・アーノルド原子力発電所(原子力産業新聞より引用)】
 
同PPAにより、Google社が25年間にわたり電力を固定価格で購入するため、ネクストエラ社は運転再開に必要な巨額投資を長期収益で回収できる見通しを得た。今回のGoogle社とのPPAは、政府補助に依存しない事例として注目を集めており、今後同社とは全米で原子力発電の展開についても検討することで合意しているとありました。
 
なお、デュアン・アーノルド発電所は、1975年に運転開始し、45年以上にわたり稼働したのち、経済性の悪化を理由に2020年に閉鎖された発電所。
 
2025年1月にNRCへの運転再開を申請しており、2029年第1四半期を目処に送電を開始したい考えとあります。
 
このように、法規制上、次世代革新炉とは何かさえ定まっていない日本に対し、既に実用領域に入っている米国。
 
予見性ある事業環境をどう整備するかと検討中の日本に対し、既に大手IT企業など民間が原子力発電所から直接電気を購入契約する時代に入っている米国。
 
遅れをとっているのが、もはや一歩や二歩でないことは察知いただけるかと思いますが、このことが先の「忸怩たる思い」が込み上げてくる理由であります。
 
こうして世界から大きく遅れる日本が急ピッチで追いつくためにまず必要なのは、政府の積極的かつ具体的な投資。
 
「知って行なわざれば 知らぬことと同じなり」
 
口だけで「原子力の最大限活用」と言っている場合ではないと、強く思う次第です。

「理想への挑戦」と並行して進めていただきたい「国家の根幹にあるエネルギー政策」

ブログ 原子力 政治

衆院選から一夜明けた昨日、高市首相(自民党総裁)は、党本部で記者会見し、政権運営への決意を表明しました。
 
ちょうどテレビで流れていたため、手を止めて見ると、今回の解散・総選挙は責任ある積極財政や安全保障政策の抜本的強化、政府のインテリジェンス(情報活動)機能強化といった重要な政策転換を自民と日本維新の会の連立政権で進めてよいのかどうかを国民に問う選挙でもあったと、まずあらためて、今回の解散総選挙の意味を説明。
 
その上で、「この大きな政策転換が国民に信任いただけなければ、私が首相でいる意味はない。『私の進退をかける』と繰り返してきた。(衆院選で大勝し)国民から政策転換を何としてもやり抜いていけと、力強い形で背中を押してもらった」との言葉は、民主主義国家における選挙結果の意味合いを指すものであり、反論の余地はないところ。
 
その上で、気になった点としては以下2点。
 
1点目は、「中低所得者を支援し、恒常的に手取りが増えるようにする観点から、給付付き税額控除制度導入に向けた議論を進める。導入までの間、2年間に限り飲食料品の消費税率ゼロとすることについて、国民会議で諸課題の検討を進める。」「国民会議をできるだけ早期に設置し、給付付き税額控除と合わせて議論し、結論を得たい。夏前には国民会議で中間取りまとめを行いたい」
 
2点目は、「国の理想の姿を物語るのは憲法だ。国の未来を見据えながら、憲法改正に向けた挑戦も進めていく」
 
1点目に関しては、物価高対策として選挙公約に「2年間の飲食料品の消費税ゼロ」を掲げた割には、「夏前に中間取りまとめ」ではスピード感がないことに加え、「検討を進める」との言葉に含みを持たせているのは「高市首相らしくない」と思え、党内の緊縮財政派に意識した発言となっているのではと推察されること。
 
また、2点目は、以前の安倍政権の時代から、憲法改正は自民党の悲願であるとし、確か岸田政権の時には「自分の代でやる」と言っていて、与党が過半数を占める時でさえ、遅々として進みませんでした。
 
国論を二分することが予想されるだけに、憲法改正論議を持ち出すのは「選挙に不利」と考えたのかどうかまでは分かりませんが、衆議院の憲法審査会において再三、国民民主党側から議論の加速を訴えるも、目に見える本気の対応がされてこなかったと認識するもの。
 
私としては、世界を見れば、70年間も憲法改正をしていない国の方が稀であり、「挑戦」というよりは、「時代や現実に沿った見直し」の観点から進めていっていただきたいと思う次第です。
 
さて、ついつい前置きが長くなりましたが、「国家の理想の姿を物語る」ことと並行して、高市政権に強く押し進めていただきたいのは「国家の根幹にあるエネルギー政策」。
 
高市首相は、自論として原子力の最大限活用はもとより、以前には核融合のことまで話されていた方であり、その点に関しては国民民主党の政策とほぼ同じ考えと認識するものであり、国家を支え、日本の今後の成長のために必要な「安定で低廉な電気の安定供給」を現実的な仕組みとして構築していっていただきたいと強く求めるもの。
 
そうした中、一丁目一番地である「既設原子力発電所の早期再稼働」に関し、首都圏の電気を賄う、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所6号機(ABWR、135.6万kWe)が現在、「再再起動中」であります。
 

【再再起動を進める東京電力 柏崎刈羽原子力発電所】
 
「再再」と書いたのは、同6号機が1月21日、制御棒の引抜操作を開始し原子炉を起動したものの、制御棒の引抜操作時に操作監視系の警報が発生したため、同作業を中断。
 
東京電力では9日、警報設定の不具合などの原因を特定し、対策を終えたとして、原子炉の起動工程を明らかにした上で、同日再起動すると発表したため。
 
同6号機は9日午後2時に制御棒を引き抜き、原子炉を起動したと発表した後、午後3時過ぎには臨界を達成し、現在順調に起動工程を進めるところでありますが、柏崎刈羽とはじめ、日本国内にはまだ再稼働を果たしていない「眠ったままの財産」(原子力発電所)が複数基あります。
 
福井においては、日本原子力発電(株)敦賀発電所2号機(以下、敦賀2号)もそのひとつであり、地盤に関わる再調査を進めるところでありますが、ふと、一昨日の衆院選福井2区で当選された候補の「原子力発電所の新増設・リプレースに賛成か?」(福井新聞アンケート調査)の回答を見るに、「推進する」とした上で、結語にあったのは「一方で安全は絶対であり、断層や地震動のデータ操作などには厳しい姿勢で臨む」とありました。
 
敢えて「データ操作」のキーワードを用い、この分野(断層や地盤)だけを取り出して「厳しい姿勢で臨む」とした本意とは何か。
 
過去の経緯からして、敦賀2号のことを頭においていらっしゃるのでは?と、直感的に思った訳ですが、新たに「政治リスク」が生じることだけはないよう、ここは自民党のエネルギー・原子力政策、そして政権の考えに沿った対応を、高市首相にはお願いしたいと思います。
 
なお、新増設やリプレースを進めるにあたって必要不可欠な「次世代革新炉」の法規制上の整備や、取り組もうとする事業者の予見性を高めるための事業環境整備に関しては、スピード感をもって加速させることが日本の国力の維持向上につながることから、この点に関しては高市政権に大いに期待する次第です。

柏崎刈羽原子力発電所6号機が14年ぶりに起動!

ブログ 原子力

「大雪警報」発令中の敦賀市。
 
福井地方気象台の発表によれば、福井県全域で、22日夕方まで大雪に警戒とあり、今は静かに、シンシンと雪が降る状況にあります。
 
雪による交通障害などの心配もさることながら、ここまでの冷え込みも重なると気になるのが電力需給。
 
そこで、北陸電力送配電ホームページ(HP)の「北陸エリアでんき予報」を見てみると、今日の需要ピーク時で広域ブロック(※)の使用率は91%(9:00〜9:30)で「安定」した状況にあるものの、明日23日は94%で「やや厳しい」とありました。
 
(※)広域ブロック:原則、北陸エリアを含む全国9エリア(連系線状況によりエリア範囲が異なる)
 
なお、同HPによれば、現在の需給運用は、エリア単位での使用率管理ではなく、地域間連系線を最大限活用した広域ブロック単位での使用率管理を行う仕組みとなっており、状況によっては北陸エリア使用率実績が100%に近づく場合がありますが、広域ブロック使用率に余裕がある場合は、電力の安定供給において支障は生じないとしています。
 
つまりは、仮に北陸エリアの需給が厳しくなっても、余裕のある他のエリアから電力融通を受けることにより補うということであり、日本全体でカバーし合う体制、それを担う「電力マン」にあらためて敬意を表するところです。
 
さて、その話ともつながるのが、昨日書きました東京電力ホールディングス(以下、東電HD)の柏崎刈羽原子力発電所6号機(以下、柏崎刈羽6号)の再稼働。
 
東京電力は21日、柏崎刈羽6(ABWR、135万6千キロワット)の原子炉を起動しました。
 
起動は何と約14年ぶり。
 

【原子炉モードスイッチを起動に切り替える運転員(電気新聞より引用)】
 
福島第一原子力発電所事故から15年の節目を前に、信頼回復、安全確保に努めてきた東電HDの原子力事業が再始動することを心から嬉しく思うところです。
 
発電所に関しては、制御棒を午後7時2分から引き抜き、核分裂が開始すると午後8時28分に臨界に。
 
順調に進めば27日に系統に並列(送電開始)し、点検のための原子炉停止を挟んで2月26日に営業運転入りする予定となっています。
 
先に述べた、広域ブロック運用を考えると、例えば今日の北陸エリアの需要ピーク時使用電力が「530万キロワット」に対し、柏崎刈羽6号の「135万6千キロワット」もの供給力が追加される意味は非常に大きいことであり、いかに安定供給に貢献するかが分かります。
 
一方、柏崎刈羽6号の起動により、廃止措置を決めた24基を除く36基(建設中3基)のうち、再稼働した原子力発電所は計15基になったものの、国がエネルギー基本計画で示す、原子力発電の電源構成に占める割合を2040年度に「2割程度」とする目標に対し、2024年度は9.4%に留まっており、残る既設プラントの再稼働が待たれるところ。
 
現在、再度の再稼働申請に向けた追加調査を行っている、わが日本原子力発電の敦賀発電所2号機もそのうちのひとつ。
 
14年の歳月を経て再稼働を果たした柏崎刈羽6号の姿を見るに、一日も早く戦線復帰することが与えられた使命と役割であると、あらためて胸に置く次第です。

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