連日目が離せない原子力の話題

ブログ 原子力

昨晩の敦賀は悲しい知らせ…。
 
18日19時10分頃、平和町の住宅から出火し、木造2階建てを全焼。
 
火は約1時間15分後に消えたものの、現場から心肺停止状態の2人が見つかり、敦賀署は連絡が取れなくなっている住人とみて身元の確認を急いでいるとの速報。
 
まずは、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。
 
現場は敦賀高から南に約400メートル離れた住宅密集地であったものの、大火にならなかったことが唯一救いであったところ。
 
自分の町内もそうですが、市内では年末警戒パトロールを予定している町内も多いと思いますが、奇しくもこの時期に発生した災害をまさに「対岸の火事」にすることなく、教訓として注意していかねばと思うところです。
 
さて、連日原子力に関する話題で恐縮ですが、昨日も私にとって注目すべき出来事がありました。
 
ひとつは、40年超運転での再稼働を目指す関西電力の美浜発電所3号機について。
 
美浜町議会は18日、全員協議会を開き、同発電所の再稼働に同意することを賛成多数で決定、戸嶋町長に報告したとのこと。
 
40年超の原子力発電所再稼働に地元議会が同意するのは、高浜発電所1、2号機がある高浜町に次いで2例目となります。
 
戸嶋町長は、美浜町議会からの報告後の取材で「住民意思を代表した判断であり、重く受け止める」、判断時期については「今の時点では申し上げられない」と明言を避けられたのは致し方ないところと受け止めますが、今後ひとつの大きな判断をされることを期待するところです。
 
もうひとつは、昨日も書きました使用済み核燃料の中間貯蔵の件。
 
電気事業連合会副会長と経産省のエネルギー・地域政策統括調整官が18日、青森県庁を訪れ、使用済み核燃料を、むつ市の中間貯蔵施設で共同利用するための検討に着手する考えを説明しましたが、三村知事は「全くの新しい話で本日は聞き置く」と述べるに留めたとのこと。
 
この日の午後には、むつ市長とも面会し、同様の説明を行なったものの、現時点ではその方向すら受け入れ難いとの回答がされました。
 
一方、東京では関電の森本社長が会見で、上記の共同利用に「積極的に参画したいと考えている」と発言され、来週にもそのことを福井県知事に伝えるともあります。
 
福井県においては、前知事時代からの「県外搬出の約束」に対する回答期限が年末に迫っており、勿論この回答に資するものであろうことは理解するものの、果たして受け入れ先が強固な反対姿勢を示している状態で、福井県の反応はどうなるのか。
 
基本、関西電力の原子力発電所再稼働とは切り離して考えるべきと考えますが、運転すれば生じる使用済み燃料の問題だけに、一般的に理解されるのも難しいのかと。
 
私如きが心配するに及ばないのかも知れませんが、まさにこの対応は「高度な政治判断」。
 
この点に関しては来週以降も目を凝らし注視していきたいと考えます。
 

【一瞬の夕陽に照らされた対岸はどこか幻想的。沈むのは早く、この後日は暮れていきました。】

動き多き一日 〜原子力発電所の安全、核燃料サイクル、高レベル廃棄物の最終処分〜

ブログ 原子力

新型コロナ対応に大雪と災害に関するニュースで持ち切りのところでありますが、ここ最近を見ていると、洋上風力発電の拡大に向けた戦略や再生可能エネルギー拡大に向けた民間の技術導入、さらには原子力発電に対する位置付けなど、エネルギー政策に関する報道が多く目につくと感じています。
 
これも以前の所信表明演説において、菅総理が「2050年温室効果ガス排出実質ゼロ」を目指すとして以降、議論が活発化しているとすればやはり、トップリーダーが明確な政策目標を掲げるだけで無く、達成に向けた道筋を示していくことが不可欠であり、今はそのプロセスの始まりといったところかと。
 
第6次エネルギー基本計画の見直し論議も開始されておりますが、その中においても冷静で現実的、さらには将来に向け技術の発展を生む明るい政策を示していただくことを切に願うところであります。
 
そのような中、昨日は原子力に関し、大きな出来事が目白押し。
 
ひとつは、先日、大阪地裁で原子力規制委員会の審査に不備があるとして設置許可を取り消すとの判決が下された関西電力大飯発電所3、4号機の耐震設計を巡る問題について、大阪地裁判決を不服として被告の国側は17日、大阪高裁に控訴しました。
 
原子力規制委員会においては16日に、1審判決を受けて「計算結果に数値を上乗せするような方法は、(政府の地震調査委員会が公表している)地震動の予測手法で示された方法ではない」とする考えを公表、大飯3、4号機の耐震設計や審査は「妥当なものだ」と反論したうえでの控訴。
 
これにより、判決が確定するまで、取り消しの効力は発生しないこととなります。
(発電所を停止せねばならない法的拘束力は無い)
 
また同日、原子力規制庁の調整官が福井県庁を訪れ、本件に対する原子力規制委員会の見解を説明したうえで、控訴したことを報告。
 
さらには、運転開始から40年を超えた関電美浜発電所3号機と高浜発電所1、2号機の審査も「判断に問題はない」と述べたとあり、改めて国として安全性はお墨付きであると示したことは大きな意味があると受け止めるところです。
 
次に使用済み核燃料の取り扱いに関しては、電気事業連合会会長が梶山経済産業大臣に、使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設(青森県むつ市:リサイクル燃料貯蔵)に関し、原子力発電所を有する電力各社での共同利用の検討に着手すると報告したとのこと。
 
梶山経産大臣は、中間貯蔵施設の共同利用の検討着手について、「核燃料サイクルを推進するうえで大きな意義がある」と述べられましたが、勿論これは受け入れる側のむつ市や青森県との調整、同意があってこそ成り立つものであり、この断面で自身の意見を述べることは控えたいと思います。
 
廃棄物の関係でいけば、高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に向け、第1段階の文献調査が始まった北海道寿都町で、高レベル放射性廃棄物の持ち込み拒否を掲げる条例案が町議会に提出されたものの、反対多数で否決されたともあります。
 
批判や誹謗に屈することなく、国策への貢献、現世代でこの問題を解決するとの町長の毅然たる対応と行動に敬意を表するところですが、こうして反対される住民の民意についても民主主義のルール、すなわち議会の判断によって適切に対応される姿には頭が下がる思いです。
 
ひとつ一つ、冷静且つ丁寧に物事を進め、国民皆が「自分ごと」として考えていくことが、この問題を解決する筋道と考えるところであり、その点は是非ともご協力願いたいと思います。
 
偶然ではありますが、原子力発電所の安全、核燃料サイクル、高レベル廃棄物の最終処分と大きなテーマをひとつづつ取り上げることとなりましたが、昨日はもうひとつローカルな話しにはなりますが、敦賀市の隣々接にあたる越前市議会に提出されていた「停止中原発の再稼働に関する請願」が反対多数で否決。
 
簡単に言いますと、関電が保有する原子力発電所は全て停止せよとの内容であり、これは「安全が確認された原子力発電所については再稼働する」との国や県の考えと異なるとともに、請願の内容も事実誤認ではと思われる部分が多くあったことから注視していたもの。
 
反対、賛成それぞれ討論が行われましたが、客観的に見ても、国家観をもったエネルギー政策の観点からも論ぜられた反対討論の方が説得力があったと受け止めるところです。
 
こうした議会での請願審議においても、冷静且つ現実的な視点を持って議論されれば答えは自ずと見えると考えることから、今後も敦賀市議会のみならず県内の各議会対応にも留意していく所存です。
 
今日は、全て原子力の話題となりましたが、電力が国民生活や産業発展に欠くことのできない血液のようなものだと思えば、この問題は決して皆さんにとって遠い問題ではなく、逆に「直結」する問題とも言えますので、今後もこの点に関心を持ってご覧いただければと思います。
 
(思いが募り、やや上から目線になってしまった点はご容赦願います。)
 

【移動中に立ち寄った「気比の松原」もすっかり雪化粧。これも敦賀の風情ですね。】

日本原電の原子力規制検査と市庁舎建設対策特別委員会

ブログ 原子力 敦賀市議会

一昨日、昨日の2日間に亘り、日本原子力発電本店にて行われた原子力規制検査。
 
検査の結果としては、改めて根本原因分析という手法を用いて書き換えに至った原因や背景を分析するため、まずは計画書を提出するとのこと。
 
11月30日の公開会合の資料で示した原因分析は「直接分析」によるものですが、規制側からの問題点の洗い出しと原因が十分に整理されていないとの指摘を踏まえ、日本原電の社内規程にも基づく「根本原因分析」の手法を用い、改めて体制構築のうえ分析を進めていくとしたところです。
 
なお、書き換えが恣意的に行われたのではないかとの見方に対しては、当初、調査会社報告書の「肉眼観察」結果しかなかったものが、その後「顕微鏡観察」結果が出てきたため、審査会合資料を作成する段階で、より精度の高い「顕微鏡観察」の結果に記載を変更したものであり、そのことは従前からの主張と同じでありますが、今回の検査の場においても日本原電から説明されたとのこと。
 
こう聞けば、俗に言う改ざんや悪意を持って書き換えたものでないことはご理解いただけるのではと思うところです。
 
本件については、引き続き事業者において緊張感を持って丁寧且つ誠実に対応されるものと考えます。
 
さて、昨日の敦賀市議会は、私も所属している市庁舎建設対策特別委員会を開催。
 
市庁舎整備に関しては、まず全体の進捗率について報告がされ、建築工事47.6%、電気工事2.6%、機械工事7.7%との状況とのこと。
 
続いて、新庁舎の窓口業務に関しては、「歩かせない、待たせない、書かせない」の窓口運用コンセプトをもとに、担当者の意見も踏まえつつ各課所管業務の課題や現状分析を行い、動線や表示(歩かせない)、番号発券システム(待たせない)、窓口支援システム(書かせない)を構築。
 
ワンフロアーで集約連携サービスとしていくとの説明がありました。
 
次に新庁舎の売店運営事業については、日常的に市民の皆さんにご利用いただけるよう、多目的ホールを活用したマルシェ(地元品産の販売など)や災害時における市への支援体制(食料等の提供)をすること、また市内製造工場製品の技術応用事業に関しては、永大産業が市長室収納や食堂の床、東洋紡については議場内椅子や待合スペースサイン、この他にもジャクエツ、オプテス社などの製品を活用していくとありました。
 
全体工程に関しては、以前にコロナによる建築資材調達遅れの影響を反映し計画変更を行ったところですが、新庁舎については完成が令和3年8月、供用開始が令和4年1月、旧庁舎の解体完了が令和4年7月、外構整備工事を同年12月までに終えた後、令和5年1月にグランドオープンする予定となっています。
 

【現在の新庁舎建設状況。見えづらいのですが、後ろの高層棟の高さは現庁舎の5階と同レベルまで立ち上がっています。】
 
最後に総事業費に関して、現時点における概算額は75億8522万円。
 
実施設計時の約69億7200万円から増額となっているものの、国からの交付税措置を受けるためには限定した工期とならざるを得ず、東京オリンピック需要による資材高騰など想定外の上昇分を加味した結果との位置付けとなっています。
 
最後に、平成29年3月に設置した本特別委員会ですが、他市町においては基本構想までの確認としているところが多いことなどから、本委員会の取り扱いも含め、定例会最終日に委員長より報告される運びとなります。
 
12月定例会も早いもので、本日の予算決算常任委員会を終えると、残すは21日の最終日のみとなります。
 
議員は各議案の決定者であるとの自覚のもと、最後まで責任を持って対応していきます。

原子力の同志に対し、心からのエールを送る

ブログ 原子力

地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」採択から5年を記念した国連のオンライン会合が開催され、70以上の国や地域の首脳らが事前収録したビデオ演説の形で参加。
 
この会合で菅義偉首相は13日未明、「2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを目指す」と宣言したとのニュース。
 
国連や、気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は、本来11月に予定されていたものの、新型コロナウイルス感染拡大に伴い1年延期されていて、会合には主催国のジョンソン英首相やマクロン仏大統領らが参加。
 
トランプ政権下で突如の協定を離脱した米国は欠席しましたが、次期大統領に就任する見通しとなったバイデン前副大統領は12日に声明を出し、「政権発足初日に協定復帰する」と強調したとのこと。
 
米国が本協定に復帰するという意味合いは非常に大きいものがあると感じており、具体的にどのような数値目標を掲げるのかに注目したいと思います。
 
そして、何をおいても日本。
 
省エネや高い環境対策を講じている現状から、さらに温室効果ガス排出実質ゼロを目指すというのは、まさに乾いた雑巾を絞るようなもの。
 
以前、敦賀で開催されたエネルギーフォーラムの場では、そのためには「原子力発電は必要不可欠な存在」であり、「究極の現実主義者である菅首相は、必ずやそのことを行動で示す」とありました。
 
再稼働や新増設・リブレースや使用済み核燃料の最終処分、中間貯蔵、様々な課題が遅々として進んでこなかったのは、エネルギー政策は国家の根幹に関わるものとしつつ、国が前面に出て国民に説明することをしてこなかったことが大きな要因であるのは立地自治体の誰しも声を揃えるところ。
 
日本の目標を世界に宣言した今、達成のための道筋、具体論を是非分かりやすく国民に説明いただきたい。
 
そのように思って止みません。
 
さて、そうした中、昨日は関西電力労働組合若狭地区本部支部役員セミナーにて活動報告をさせていただきました。
 
約35名の参加で、コロナ対策も図りながらのセミナーということで、私自身も自組織意外でこうして報告させていただくのも久しぶりのこと。
 
そうした思いから、あれもこれもと欲張ってパワポに詰め込みましたが、何とか時間内にお伝えすることが出来ました。
 


 
ちょうど一昨日、日本原電敦賀発電所1号機(BWR)が1970大阪万博に原子の灯を届けたとお伝えしましたが、敦賀半島を挟んだ関西電力美浜発電所1号機(PWR)も同じ偉業を達成し、半世紀に亘る歴史を刻んだ者同士。
 
こうした関係にある若狭地域の各原子力事業所より集まった皆さんは、まさに我が同志であり、そうした思いも込め心からのエールを送らせていただいた次第。
 
現在、美浜、大飯、高浜発電所それぞれが目の前に壁が立ちはだかっている状況にありますが、この壁を乗り越え、再稼働により再び社会に貢献されることを切に願うとともに、自身の立場において出来得る限りの応援をしていきたいと思います。
 
そしてこの先は、審査中の日本原電の敦賀発電所2号機、計画段階にある敦賀3,4号機を含め、この嶺南地域がカーボンフリー社会を実現するための核(CO2ゼロ電力供給地)となり、新たな時代も変わらぬ「同志」の関係で邁進出来ればと考えます。

「敦賀発電所の歩み」写真展に半世紀の歴史を想う

ブログ 原子力

いよいよ天気予報にも「雪ダルマ」が登場してきました。
 
北陸地方は、来週冬将軍到来とのことですので、タイヤ交換などまだの方は今週末に済ませておきましょう。
 
さて、昨日の敦賀市議会は常任委員会を開催。
 
私は、所属する産経建設常任委員会にて、産業経済部、観光部、都市整備部それぞれ1件、計3件の議案審査を行いました。
 
3件のうち2件は、来年度から5年を期間とする指定管理者の指定に関わるものでしたが、その内のひとつ「赤レンガ倉庫」に関しては、事前準備の中で確認すべき点が多くあったため、拘りを持って質疑させていただきました。
 
本指定管理者については、公募の結果、手を挙げたのが従来の会社1社しかなく、その1社について選定委員会が審査をし、評価点はクリアしている訳ですが、現状約6万3千人の来客数を目標の8万人に増加させていくための取り組み、賑わいづくりや活性化に寄与するのか、指定管理料3,700万円/年の妥当性、行政側の考えなどについて深掘りし確認させていただきました。
 
指定管理制度に関しては、リラ・ポートの苦々しい経験にあるよう、この指定の段階から目を光らせるとともに、市の期待する役割を担えるのか、「任せっきり」にならないよう行政の考えを確認しておくことが肝要との思いのもと、所管する観光部との質疑を繰り返した訳ですが、少し時間を要したものの、結論としては議決する判断材料を得たとして理解した次第。
 
その後の討論では、「賛成」の立場で発言をさせていただきましたが、北陸新幹線開業を控えた今後5年の指定管理を担う訳であり、来館者目標達成に向けては勿論、この赤レンガ倉庫が金ヶ崎エリア賑わい創出の牽引役となることを期待するところです。
 
話しは変わり、一昨日より、敦賀駅交流施設オルパーク2階では「敦賀発電所の歩み」写真展(げんでんふれあいギャラリー)が開催されています。
 
日本原電敦賀発電所は、1号機が1970年3月に営業運転を開始してから今年で50年。
 
これを節目とし、これまで長年に亘りお支えいただいた地域の皆様への感謝の意味を込め、1号機建設前の敦賀半島の風景や1、2号機の建設工事状況などの写真を展示するというもので、今回はその「出張ギャラリー」となります。
 
展示パネルは約30枚と、そう多くはないものの、未墾の地に我が国初の商業用原子力発電所を建設した先人たちの、漲るような情熱とパワー、団結力のようなものが、写真を通して伝わってきました。
 


 
また、人が通れる幅の一本道しかなかった敦賀半島(西浦地区)に道路を敷設し、環境が変わっていく様子や当時の地元の皆さんの生活風景なども垣間見ることが出来、そうしたシーンと現在を照らし合わせ、時代の流れも感じた次第です。
 
もうひとつ、会場にて放映している「敦賀発電所1号機建設記録」DVDは、原子力黎明期にあって、日本原電、GE、国内プラントメーカー、現地作業員が一丸となって新たな技術に挑戦した姿がドキュメンタリー形式で収録されており、思わず私も見入ってしまいました。
 

 
この写真展は、原子力に関心がなくとも、時代を築いた歴史の1ページとして市民の皆さまにもご覧いただければと思うところです。
 
展示期間は12月15日(火)16時まで(もちろん無料です)。
 
この週末、お時間のある方は是非、お気軽にお立ち寄りいただければと思います。
 

納得いかない「大飯発電所3、4号機設置変更許可処分取消請求訴訟」の大阪地裁判決

ブログ 原子力


【大阪地裁判決が下された関西電力大飯発電所3,4号機(関電HPより)】
 
「今回の判決については、国および当社の主張を裁判所にご理解いただけず、極めて遺憾であり、到底承服できるものではありません。今後、判決内容の詳細を確認し、速やかに国と協議の上、適切に対応してまいります。」
 
これは、昨日、大阪地方裁判所において「大飯発電所3、4号機設置変更許可処分取消請求訴訟(行政訴訟)」について、原告の請求を認容する判決が下されたことを受けての関西電力のコメントですが、至極真っ当で当然の主張と受け止めます。
 
本訴訟は、大飯発電所3、4号機の運転停止義務付けを求めて、2012年6月12日、国を被告として提起された後、原子力規制委員会が関電に対して行った大飯発電所3、4号機の設置変更許可処分の取消しを求める訴えに変更されたもの。
 
この日の判決のポイントは、平成23年の東京電力福島第1原子力発電所の過酷事故を踏まえて設置された原子力規制委員会が両機に対して行った耐震性の審査のプロセスに不合理な点があるとしている点でしたが、裁判長は耐震対策の元となる基準地震動の設定を巡り「規制委の調査審議および判断の過程には、看過しがたい過誤、欠落があるものというべきである」と断じています。
 
因みに、本年1月に広島高裁が仮処分で四国電力・伊方原子力発電所3号機の運転停止を命じた際にも、裁判長は四国電力の主張よりも近くに断層が位置すると解釈し、3号機を合格させた「規制委の判断には、その過程に過誤ないし欠落があったといわざるを得ない」とした例があります。
 
判決にある、原子炉の「設置変更許可」を取り消すことは、言わずもがな原子力発電所存立の根本に関わる事項であり、ましてや規制委員会の審査に問題があるとされている以上、国が毅然と控訴しても良いくらいの判決であると考えるところです。
 
問題と言われる部分は、具体的には、原子力発電所の敷地における地震の揺れを推定する計算式の用い方に対してのクレームになる訳ですが、福島第一原子力発電所の事故が東日本大震災由来の津波により発生したことから、規制委員会の地盤や基準地震動に関わる審査こそ、地震の大きさや活断層の長さ、連動などあらゆるケースを想定をしたうえで、より大きい地震動が設定されるように拡大設定(すなわち最も安全側の設定)を指示するのが常識となっていて、裁判官が「審査すべき点を審査していないので違法」とする「揺れのばらつき幅」を包含する、それ以上に安全重視の姿勢に立った慎重な審査がされていると私は考えます。
 
過去の原子力発電所の安全審査に関する司法判断を紐解くと、最高裁は平成4年、伊方原子力発電所訴訟の上級審判決で安全基準の適合性について「科学的、専門技術的知見に基づく意見を尊重して行う行政側の合理的判断に委ねると解するのが相当である」との見解を示しています。
 
平成4年時点の見解を踏まえつつ、福島第一原子力発電所事故を経験し、これを教訓に「世界で最も厳格な審査」が行われている日本の原子力規制を見ればなお一層「行政の合理的判断に委ねる」べきと考えるところであり、私個人としてはそうした司法判断の根拠や今回の判断内容について、周囲の人にも分かりやすく説明していきたいと考えます。
 
「当社は、2017年12月7日以降、訴訟参加人として、裁判所に対し、設置変更許可処分の前提となる大飯発電所3、4号機の安全性について丁寧に説明を行い、同発電所の安全性が確保されていることをご理解いただけるよう、真摯に対応してまいりました。」
 
これも昨日の関西電力のコメント。
 
言葉通り、電力社員のみならず協力会社まで関係者皆が力を総結集して安全性向上対策に真摯に取り組まれたことは、先般視察した同社美浜発電所3号機の状況からも疑う余地はありません。
 
どうか、このブログをご覧の皆さまにおかれましては、その点だけでもご理解いただき、本司法判断に対しても冷静に受け止めていただきたく存じます。

日本原電から初のコロナ感染者

ブログ 原子力

全国では1700人の新型コロナウイルス感染者が確認された昨日。
 
これまで、徹底した感染防止対策により社内での感染者ゼロを続けてきた、私が勤める日本原子力発電(以下、日本原電)ですが、誠に残念ながら陽性者1をカウントすることとなってしまいました。
 
昨日17日に福井県が発表した新規感染者は4名、うち2名が敦賀市から。
 
2人とも60代男性ということでしたが、1名が日本原電の立地・地域共生部に勤務する社員、もう1名が関西電力美浜発電所で運営や管理業務にあたっていた社員と原子力事業者2社からの発症となり、市民の皆さまには大変なご心配をお掛けしておりますこと、私の立場からもこの場をお借りしてお詫び申し上げます。
 
既に日本原電、関西電力ともに自社のホームページにて公表しておりますが、感染拡大防止のため、感染者との濃厚接触者のみならず、同じ職域に勤める者などもPCR検査を行うなどの対応を図っているところであり、結果を注視するとともに早期の収束を願う次第です。
 
※日本原電ホームページを以下にリンクします。
 →→→日本原子力発電ホームページへ
 
かくいう私も当事者であり、身近であった発症を踏まえ、より一層感染対策を徹底していきたいと考えます。
 
日本全体で見ますと、ここ最近の感染者数の増加傾向から「第3波」襲来と言われており、各地方にて最多感染者を記録している分布も北・東日本に集中している傾向にあると分析されています。
 
もうひとつの傾向として、第1波に比べて重症化する率が低いということも言われており、個々の危険度は下がっているのかも知れませんが、忘れてならないのは医療体制への影響です。
 
第2波も経験し、各医療機関も万全の体制を取っているとはいえ、それを上回るクラスターが発生すれば、瞬く間に危機に陥ることを今一度認識しておく必要があります。
 
自社より感染者を出しておいて申し上げるのも大変恐縮ですが、今一度、感染拡大の影響を共有しつつ、withコロナで生活するための行動にご協力をお願いいたします。
 

【青空が続く昨日でしたが、さすがに気持ちはブルー】

川内1号は再稼働、東海第二は住民説明会を再開!

ブログ 原子力

昨日は、発電所の協力企業棟にて市政報告会を開催しました。
 
前回6月定例会の際は、コロナ第1波の影響により集合開催を見送ったこともあり、久方ぶりの開催となったものの、貴重なお昼休みにも関わらずお集まりいただいた皆さんに感謝。
 
敦賀市の大型プロジェクトの進捗状況や9月定例会の内容など30分間弱報告をさせていただきました。
 


 
日々のブログにやまたけNEWSとお伝えする手段は、自分なりにフル活用しているつもりですが、何と言っても対面で顔を合わせながらお伝えすることが私にとって一番の励みになるもの。
 
来週以降も対面型の報告会は続きますので、報告資料(パワポ)も日々改良をし、少しでも市政の状況や私の考え、活動内容をご理解いただけるよう取り組んでいきたいと思います。
 
コロナの状況はありますが、ブログをご覧いただいてる皆様におかれましても、職域や地域を問わずどこでも馳せ参じますので、是非ともお声掛けのほど宜しくお願いいたします。
 
さて、この2日間はこのブログでも原子力の話題を取り上げている訳ですが、今までこんなに続くことはなかった再稼働に向けたニュースが昨日も。
 
今度は、全国で初となるテロ対策の「特定重大事故等対処施設」(特重施設)を完成させた九州電力の川内原子力発電所1号機(鹿児島県)が、17日に再稼働するとのこと。
 
19日には発電を再開し、12月中旬には通常運転に復帰する予定であり、現在国内で唯一稼働している同じく九州電力玄海原子力発電所4号機(佐賀県)と合わせ2機目となります。
 
実はこの1号機は、特重施設の設置が期限までに間に合わないとし、今年の3月に運転を停止していたもの。
 
法令要求を満たさないため停止を余儀なくされたものとはいえ、運転する実力は万全であったものであり、この再稼働に懸ける関係者の意気込みは幾ばくかとお察しするところであります。
 
何よりも安全第一で運転に臨まれ、基幹電源として戦線復帰されることを願うばかりです。
 
原子力関係で言えば、昨晩は茨城県東海村において、日本原子力発電が東海第二発電所の安全性向上対策工事の状況説明会を開催されたとのこと。
 
コロナ禍のため、集合型の住民説明会開催時期を見定めていたようでありますが、やはり対面にて事業者の顔が見えてこその説明会であり、今後、コロナ対策には十分留意され、正確な情報をお届けするとともに住民の皆さんの声を真摯にお伺いし、今後の運営に生かしていただきたいと思います。
 
何を置いても、原子力発電は地域の皆さんのご理解や信頼なくして成り立たないもの。
 
続く再稼働ムードに甘んずることなく、自分自身はもちろん、原子力に勤める皆が襟を正し、その役割を果たし続けたいと考えます。

関電美浜発電所、日本原電美浜原子力緊急事態支援センターを視察!

ブログ 原子力

東北電力女川原子力発電所2号機の再稼働を巡り、昨日は宮城県知事が同意表明したとのニュース。
 
再稼働に向けた地元同意は、東日本大地震にて被災した原子力発電所としては初、さらに福島第一原子力発電所と同じ型式(沸騰水型軽水炉:BWR)としても全国初となります。
 
私は単に再稼働が進むことを喜ぶのでは無く、被災地であり、様々な反対や風評を懸念する声もあったであろう中、地元の皆さんを始め、政治の場においても冷静且つ科学的視点の元、段階を経て判断されたことが、真っ当なエネルギー政策を進めるうえで大変重要なことと考える訳であり、まずもってそのことに対して敬意を表する次第です。
 
今後は、より一層丁寧に準備を進められ、安全最優先で再稼働されることを切に願い、期待したいと思います。
 
さて、偶然そのようなタイミングとなりましたが、昨日は敦賀市議会議員の1期生8名にて美浜町の原子力関係施設を視察させていただきました。
 
実はこの企画は5月頃に計画をしていた訳ですが、コロナにより延期、視察先の関電、日本原電がようやく受け入れ可となったため再設定させていただいたもの。
 
2台の車に分乗をし、関電美浜発電所、同じく美浜町にある日本原電の美浜原子力緊急事態支援センターの2施設に向かいました。
 
最初の関電美浜発電所では、3号機の安全性向上対策工事について、想定される最大規模の地震の揺れ(基準地震動)を993ガルとした耐震補強、津波やテロ対策、さらには重大事故に備えた免震事務所棟に緊急時対策所、デジタル化された中央制御室など、現場の様子を丁寧にご案内いただきました。
 
尚、耐震補強は、阪神淡路大震災の3倍の揺れに耐えるレベルとのこと。
 
私は防潮堤工事が佳境の時期に一度訪れたことがあるのですが、車両や作業員の皆さんでごった返し、3号機の原子炉建屋全面が足場で覆われていた当時と比べ、工事がほぼ完了した敷地内は整然とした一方、その姿は、私の目から見ても「要塞」と言っても過言ではない頑強なものに進化していました。
 

【関電美浜発電所PR館にて、3号機安全性向上対策工事の内容を詳しく説明いただきました】
 
また、日本原子力発電の美浜原子力緊急事態支援センターでは、「福島第一原子力発電所事故を踏まえ、高放射線量下など多様且つ高度な災害対応が可能な世界最高水準の災害対策対応組織を整備する」とのミッションのもと、遠隔操作のロボット、重機、ドローンなどを用い緊急対応を行うべく、訓練や機器の維持管理を行なっていることを他の議員の皆さんに知っていただきました。
 

【遠隔操作にて小型ロボットが実動する様子】

【重大事故が起きた際には、これら車両がロボットやドローンを積載し発災現場に向かいます】
 
同乗された議員とお話しするに、そうした役割を受け持つ組織が美浜にあること、日本原電が担っていることを初めて知った方が多く、原子力立地の立場として把握出来て良かったとの声がありました。
 
美浜発電所に関しては、テロ対策の関係などから構内の様子をお伝え出来ないのが大変残念でありますが、40年超の再稼働に向け、対策工事などハード面はもとより、この日も協力会社の皆さんと一体となって訓練する姿を拝見するに、ソフト面(確実な人的対応)も同じく最高水準を目指し取り組まれていることをヒシヒシと感じました。
 
話しを戻し、現在廃止措置工事中の関電美浜発電所1号機(PWR)と日本原電敦賀発電所1号機(BWR)は、型式こそ違えど1970年大阪万博に原子力の灯を送り届けた者同士。
 
つまり、我が国における原子力発電の黎明期から半世紀に亘り切磋琢磨をし歩んできた仲であり、本日この「進化」を共有出来たことは私にとっても大変意義深いものとなりました。
 
冒頭の女川2号機の地元同意と同じく、これからその段階に進もうという美浜発電所3号機の再稼働もさることながら、次期エネルギー基本計画の見直しにあたっても、この両発電所が担ってきた役割や歴史、立地地域として原子力との共生を果たしてきた美浜町、敦賀市の思いを踏まえ、我が国にとって現実路線の計画となるよう、引き続き自身も役割を果たしていきます。

福島第1原子力発電所の処理水「海洋放出」について

ブログ 原子力

東京電力福島第1原子力発電所で汚染水浄化後に残る放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分に関し、政府が「海洋放出」を選択する方針を固め、月内にも関係閣僚による会議を開いて決定するとのニュース。
 
福島第1原子力発電所の敷地内に保管されている処理水の処分方法を巡っては今年の2月20日、経済産業省「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」の報告書にて、処理水を蒸発させる「大気放出」と「海洋放出」を現実的な選択肢として提示。
 
そのうえで放射線を監視しやすい「海洋放出」の方がより優位な方法だとの見方を示していました。
 →→→公表された小委員会報告書はこちらから
 
この処理水の問題については、このままのペースで増加し続ければ、保管タンクの容量が令和4年夏頃には満杯になることに加え、海洋放出には、設備工事や原子力規制委員会の審査が必要で、放出を開始するまで2年程度要するとされていることから「待ったなし」の状況となっていることは、これまでの報道にある通りであります。
 
一方、海洋放出には風評被害を懸念する漁業関係者からの懸念が強く、梶山弘志経済産業相は9月のインタビューにて「風評被害対策を継続的にやっていく前提で、政府が責任を持って決断していく」と述べていたほか、今後は、風評被害対策の具体化に向け、政府は新たな会議体を設置するとされています。
 
ここで、ひとつこのグラフをご覧ください。
 

 
これは、先に記載した小委員会報告書に示された、保管タンクに貯蔵されている全てのALPS処理水の処分を毎年継続した場合と自然放射線による放射線影響の比較となります。
 
ご覧のように、水蒸気放出及び海洋放出について、「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」の手法を用いて放射線影響の評価を行った結果、仮にタンクに貯蔵されている全てのALPS処理水の処分を毎年継続したとしても、いずれも自然放射線による影響(2.1mSv/年)の「1000分の1以下」であります。
 
こうした科学的な情報により、影響レベルの大小をイメージしていただき、しっかりと情報発信をして行くことが、風評への影響を抑えるために重要と考える訳であり、報告書でもそのことが示唆されています。
 
また、海洋放出については、国内外の原子力施設においてはこれまでも、トリチウムを含む液体放射性廃棄物が冷却用の海水等により希釈され、海洋等へ放出されていることや福島第一原子力発電所では、放出管理の基準値は、年間22兆Bqと設定されていましたが、国内の原子力発電所から1サイト当たり、約316億〜83兆Bq/年(福島事故前3年平均の実績)放出されており、処分量との関係でも実績のある範囲内での対応が可能であると考えられています。
 
さらに、放出設備の取扱いの容易さ、モニタリングのあり方も含めて、海洋放出の方が確実に実施できるということも利点の一つであります。
 
では、世界各国はどうしているのかと言えば、これも小委員会報告書にて示された以下の図をご覧ください。
 

【同報告書:図6.国内外の原子力施設からのトリチウムの年間放出量について】
 
言わんとすることは、もうお分かりいただけると思います。
 
海洋放出は日本だけが特例として行うものではなく、世界標準としての処理方法であり、もうひとつ言わせていただければ、お隣の韓国からとやかく言われる筋合いもないこともご理解いただけるものと思います。
 
もちろん、こうした件に関しては個人個人のお考えもありますので、考えを押し付ける訳ではありませんが、こうして解説させていただくことで、ニュースや新聞で報じられることと現実の照らし合わせを少しでもしていただければと思うところであります。
 
「処分開始の時期や処分期間については、こうした時間軸や風評への影響を踏まえて、関係者の意見を聴取し、政府が責任を持って決定すべきである。その際、国民理解の促進を図り、具体的な風評被害対策を示すことが重要である。」との小委員会提言を受け、現在のプロセスに移行していることに加え、科学的且つ合理的に判断することの重要性、そして何をおいても福島第一廃炉作業を着実に進めることこそ福島復興への最も大事な足掛かりとなるとの視点のもと、私自身、その現実を少しでも知っていただけるよう活動にあたっていきます。

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