冬季パラリンピック北京大会閉幕。平和への希求はどこへ向かうのか。

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第13回冬季パラリンピック北京大会は13日夜に閉会式が行われ、障害者スポーツの冬の祭典が幕を閉じました。
 
この10日間、ロシアのウクライナ侵攻が続く中での開催に複雑な心境を抱きつつ情報を見ていましたが、選手が懸命に競技する姿からはやはり競技に懸ける純粋な思い、平和への希求を感じる、そんな大会であったように感じた次第です。
 
大会開幕直前にロシアとベラルーシが排除された一方、ウクライナ勢は同国史上最多の29個のメダルを獲得し、冬季過去最高の2位の成績。
 
選手村で黙とうするなど、世界に反戦平和を訴え掛けたことを含め、存在感が際立っていたように思います。
 
日本は1988年長野大会に次いで多い金メダル4個を含む、計7個のメダルを獲得。
 
メダルの数を評価する野暮なことは誰もしないと思いますが、何を置いてもこのような国際情勢の中、意義と役割をもって大会に臨まれた選手の皆さんには心からの敬意を表したいと思います。
 
この大会の理念は、違いを認め合う「多様性」や「共生」。
 
国際政治の激動に翻弄されて大切なことまで見失うことのなきよう、自分の中でのパラリンピック北京大会を記憶に留めておきたいと思います。
 

【この後消灯した、聖火が灯る「雪の結晶」のオブジェ(共同通信写真を引用)】
 
閉幕して思えば、ロシアがウクライナ侵攻を開始した2月24日は、オリンピック北京大会が閉幕した直後でした。
 
昨日のニュースでは、ウクライナ西部の要衝リビウの軍事基地「国際平和維持・安全保障センター」がロシアの攻撃(ミサイル30発以上)を受け、少なくとも35人が死亡、134人が負傷したことが明らかになっています。
 
これまで戦火が及んでいなかったためリビウはポーランド国境まで約60キロと近い位置にあり、激しい攻撃を受ける東部など各地から避難民が集まるとともに物資供給の拠点であるとのことであり、攻撃が激しくなれば、市民の避難が一層困難になることに気を揉むところです。
 
こうして見るに、パラリンピックが閉幕した直後に、ロシアがまた違った行動を起こすのではないかと懸念するところですが、この懸念が現実とならぬことを祈るばかりであります。
 
昨日もウクライナのクレバ外相が強調したよう、「交渉はするが降伏はしない」。
 
祖国を守り抜くというこの強い決意と覚悟を皆で共有することの重要性とともに、奇しくもロシア孤立の鍵を握っているのが「祭典の開催国」の立ち居振る舞い如何となっているように思え、同時に国際情勢の皮肉さを感じて止みません。

「北京冬季五輪」の閉幕と同時に思うこと

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熱戦が繰り広げられた北京冬季五輪は20日、閉幕を迎えました。
 
最終日の昨日は、カーリング女子で日本が初の銀メダルとなり、日本選手団としては結果、金3個、銀6個、銅9個を獲得。
 
メダル総数18個は、前回平昌大会の13個を上回る冬季大会最多の成績であり、コロナ禍により様々な制約がある中でもこうして素晴らしい成績を残した選手の皆さんには心から拍手を送りたいと思います。
 
一方、公平、公正な競技環境が原則のスポーツの祭典で、女子フィギュアスケートでのドーピング疑惑、スキージャンプでは5選手もがスーツ規定違反、スピードスケートではフライングによる失格など、選手や関係者から激しい非難の声が挙がる判定が目立った異例の大会でもあり、どこか後味の悪さが残ったのも事実。
 
現にドーピング疑惑に関しては未だ正式な解明がされていないことから、フィギュアスケート団体では、その影響で表彰式が行われていないこともまた異例であり、そもそも組織的なドーピング問題を過去にも起こしているロシアは勿論のこと、毅然とした対応をしてこなかったIOCもまた然りであり、他の選手のこれまでの努力をも踏みにじる事態となっていることを深く反省し、厳に襟を正すべきと思う次第であります。
 

【閉会式に入場する日本選手団】
 
どこか「選手置き去り」とも感じる北京大会は、開会前に時を戻せば、新疆ウイグル自治区やチベットでの人権問題で世界各国から強い非難を浴びる中での開催であったもの。
 
そうして様々な事柄を感じながらの「平和の祭典」は、同じコロナ禍で開催した半年前の「東京」とは、やはり異質のものであったように感じたのは私だけではないかと思います。
 
また、この五輪期間中、世界の関心事は、緊張感高まるウクライナ情勢でもありました。
 
古代ギリシャのオリンピックにちなみ、世界に休戦を呼び掛ける国連の「五輪休戦決議」は北京冬季五輪でも採択されているとはいえ、現にロシアは過去に、「平和の祭典」を嘲笑うかのように2008年北京夏季五輪では開幕とともにジョージアに侵攻、自国開催の2014年ソチ冬季五輪閉幕直後にはクリミア半島を奪っており、今回はどのような行動に出るのか。
 
ロシアと手を組んでいるであろう中国も然り、五輪閉幕を合図に軍事行動の開始、国際秩序に終止符が打たれることだけは絶対に避けねばならぬことと同時に、疑惑や判定で選手たちの努力を踏みにじるに留まらず、五輪に懸けた世界中の「平和への願い」までもを台無しにすることだけはあってはならないと、奇しくも五輪閉幕の日に強く思う次第です。

様々な思いが交錯する中、本日「北京冬季五輪」開幕

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本日2月4日は「立春」。
 
北陸地方の人にとっては、曇天続きの冬から穏やかな春へ向かうことを意味するこの日は、どこか気持ちも明るくなる日なのではと思うところです。
 
この流れから行けば、続けて明るい話題を書くべきかとも思いつつ、真逆の話題となることをお許しいただきたく。
 
昨日、私の関心事として取り上げました中国の人権侵害問題について、日本国内でも日本ウイグル協会など6団体が声明を発表したことを紹介したところですが、今度は中国から逃れた亡命ウイグル族の組織「世界ウイグル会議」の英国所長、ラヒマ・マフムト氏が、北京冬季五輪の開幕を前にこの人権侵害を「ジェノサイド(集団殺害)」と強調し、「人権を無視した残虐行為を犯す中国に五輪を開催する権利はない」と断言したことを報道で知りました。
 
また、「国際オリンピック委員会(IOC)は集団殺害を行った政権に(五輪開催の)名誉を与えてしまった」とも批判したとのこと。
 
マフムト氏は人権侵害の状況を世界へ発信するとともに、対中政策について英政府に意見しており、ジョンソン首相が昨年12月に表明した北京五輪の「外交的ボイコット」を強く進言したことも、こうした背景があってのことと理解するところです。
 
そして、その中国で今日開幕を迎える北京冬季五輪。
 
開幕を前に昨日、国際オリンピック委員会(IOC)は北京市内で総会を開き、バッハ会長は開会の挨拶で、昨年の東京五輪に言及し、「新型コロナウイルス禍という前例のない大会だったが、安全に圧倒的な成功を収めた」と成果を強調したうえで、北京大会は「国際社会の強い支持を受けている」として、「コロナ禍を克服し、大会が成功するための全てが整った」などと評価の言葉を述べたとのこと。
 
その後、中国の習近平国家主席がビデオメッセージで開会を宣言。
 
コロナ禍などを念頭に、「世界は激動と変革の新時代に突入している」とし、「中国は五輪運動で積極的な役割を果たし、一貫して五輪精神を擁護してきた。困難な時期を乗り切るため、安全で素晴らしい大会に向け最善を尽くす」と語ったとのことであります。
 
冒頭述べた人権侵害問題に対し、各国が外交ボイコットなどで批判の姿勢を表明する中で、バッハ氏の「国際社会の強い支持を受けている」、習近平氏の「中国は、一貫して五輪精神を擁護してきた」との発言は、正直私は理解できないでいるところです。
 
そこで、原点に立ち返り、「五輪精神」とは何なのか、オリンピック憲章【Olympic Charter(財)日本オリンピック委員会】を見てみると、こと「人権」に関しては、オリンピズムの「根本原則」にこのように記載されていました。
 
4.スポーツをすることは人権のひとつである。すべての個人はいかなる種類の差別を受けることなく、オリンピック精神に基づき、スポーツをする機会を与えられなければならない。オリンピック精神においては、友情、連帯、フェアプレーの精神とともに相互理解が求められる。
 

 →→→オリンピック憲章全文はこちら
 
根本原則自体にはもちろん異論はありませんが、憲章の、しかも「根本」部分に定めていることと今起きていることを照らし合わせて考えた時に、ご両名の考えは、都合の悪いことに目を瞑った、自分勝手な解釈としか思えない訳であります。
 
「政治とスポーツは別だ」と言われれば確かにそれも五輪憲章のひとつですが、そうしたこともあってか、どこか自分の中で歓迎ムードになっていない北京冬季五輪。
 
さりとて、出場する選手に対しては別。
 
昨夏の東京五輪では、コロナ禍の国内開催に一部の勢力から批判の声が挙がり、その矛先は出場する選手にまで及びましたが、それは筋違いなことであり絶対にやってはいけないこと。
 
いかなる思いがあろうとも、このことだけは遵守すべきであり、それこそ五輪精神というもの。
 
様々な思いが交錯するなか開催される北京五輪でありますが、弛まぬ努力と鍛錬を続けてこられて出場される選手の皆さんの活躍をお祈りするとともに、直向きに競技する姿を心から応援したいと思います。

2020東京オリンピック閉幕

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8月9日。
 
今日は、広島に続き、76年目を迎える「長崎原爆の日」。
 
新型コロナウイルスの感染防止を図るため、昨年に続き参列者数を例年の1割程度に縮小し、10時45分から長崎市の平和公園で平和祈念式典が開催されます。
 
長崎の原爆投下の前日、8月8日には模擬爆弾がここ敦賀市にある東洋紡績の工場に投下されたとあって、その関係性から複雑な思いが募るもの。
 
広島と同じく、今日も黙祷に合わせ、長崎の地において犠牲になられた方へ鎮魂の祈りを捧げるとともに、恒久平和と核兵器廃絶を願う日にしたいと思います。
 
さて、こうした日を前に、17日間に亘り熱戦が繰り広げられたスポーツの祭典「東京オリンピック」が閉幕しました。
 
全ての競技を終え、日本は史上最多となる27個の金メダルを獲得し、3位に躍進するとともに、メダル総数(58個)も過去最多を記録するなど、文字通り「快進撃」と言えるものでした。
 
最終日の昨日、男子マラソンでは、出走106人中30人が途中棄権するという壮絶なレースの中、大迫傑選手が6位入賞。
 
この大迫選手に関しては、佐久長聖高で出場した高校駅伝から、名門早稲田大学に入学後は箱根駅伝での活躍、その後実業団を辞して単身でアメリカに渡り、中長距離界のカリスマ、ファラー選手などと肩を並べ、オレゴンプロジェクトで厳しい鍛錬をする様子をずっと見てきた私(instagramでのフォローですが)としては、「何かやってくれる」との期待を込め応援していましたが、2位集団との差16秒は最後まで埋まらず。
 
大迫選手だから「あきらめず何かやってくれる」と期待してしまった訳ですが、このオリンピックをラストランとし、現役引退をする覚悟を持って走り切った大迫選手がレース後語った言葉は「今日は100点」。
 
また、73位となった服部勇馬選手は、意識朦朧とした様子でゴール。
 
車椅子で運ばれる事態となりましたが、重度の熱中症であったとのこと。
 
支えてくれた方や同僚やライバル、そしてオリンピックに出られなかった選手のためにも絶対にゴールに辿り着くとの思いで走り切ったとの思いを述べた服部選手の走りからは、日の丸を背負うことの重さ、体力や技術を超越した凄まじき世界を感じた次第です。
 
このオリンピック期間を通じ、各競技で様々な成功と失敗、栄光と挫折、そうしたものを見てきましたが、結果がどちらであっても常に前を向くアスリート。
 
オリンピック開催前には、競泳女子の池江璃花子選手の「スポーツの力で日本を元気に!」との言葉を紹介しましたが、私自身がそうであるよう、日本全体がそうした気持ちに包まれた17日間であったと思います。
 
そして、外国メディアが「大きな金メダルがあるとすれば、大会をあたたかく支えてくれた日本のボランティア、関係者に掛けてあげたい」と語ったよう、まさに各国選手団からも称賛される「おもてなし」で支え、無事に大会を終えることが出来たのは、ボランティアの皆さんや警察や消防などを含むエッセンシャルワーカーの方々のお陰であり、心から感謝を申し上げます。
 
閉会した今日からは、東京オリンピックに対する様々な評価やコメントがされることとは思いますが、私自身としては、自国での先に述べたような大会が開催されたことを誇りに思うところであり、その思いを原動力に前に進むべしと考える次第です。
 
新型コロナウイルス感染拡大の収束は未だ見通せず、緊急事態宣言下にある「東京」に、205カ国・地域から約1万1千人もの選手が集い、「絆」が育まれました。
 
差別や貧困など、コロナ禍によって世界ではさらに分断が顕在化している中で、数々の制約を乗り越えて開催したことは、「コロナ禍で初めて世界をひとつにするイベント」であったことは間違いないことであり、後世に残すレガシーとも思うところ。
 
歴史を振り返れば、1964東京オリンピックの後、日本は敗戦から立ち上がり、高度成長で世界に冠たる国となりました。
 
2020東京オリンピックの後は、人類が経験したことのないコロナ感染という未曾有の事態からどう立ち上がっていくか。
 
そう思えば大事なのはここからであり、今日から気持ち新たにスタートしたいと思います。
 
改めてとなりますが、様々な声がある中、大会の準備から運営までを支えていただいた関係者の皆さん、世界中のアスリートの皆さん、本当にお疲れ様でした、そして沢山の感動をありがとうございました。
 

【2020東京オリンピック閉会。次はパリで!】

「渡らぬバトン」に夢潰え。「届かぬワクチン」に落胆す。

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今東京大会まで、日本選手が誰ひとり出場できていなかった陸上女子1500メートル。
 
「お家芸」とは真逆にあるようなこの競技に出場権を得たばかりでも快挙ですが、予選、準決勝と世界のトップ選手にも怯まぬ「攻める」走りで決勝まで駒を進めてきた田中希実選手。
 
昨晩の決勝でもこれまで同様の魂の込もった走りを見せ、堂々の8位入賞。
 
ゴールタイム3分59秒95は、準決勝に次ぐ自己2番目の好タイムで、地元開催の五輪で世界との距離を一気に縮めて見せました。
 
そして、残した言葉は、「今までの常識を覆すというか、自分の中の常識も覆すこともできた。本当に五輪という舞台が大きかったかなと思う」。
 
息を切らしながら、いつも通り最後にトラックに一礼し終えた顔は、本当にやりきった充実感に満ちていたように見え、自分に限界を設けずチャレンジする勇気をもらいました。
 
そして、その後に行われた注目の男子400メートルリレー決勝では何と1走の多田選手から2走の山縣選手へバトンが渡らず途中棄権という「まさか」の結果。
 
レース後のインタビューで、桐生選手、小池選手達も声を揃え「攻めた結果」との言葉を述べていましたが、バトンパスのミスがないよう、受け手が動き出すタイミングを通常より遅らせる安全策を採った5日の予選は、1組3着で通過はしたものの、38秒16のタイムは決勝に進出した中で一番遅い9番目。
 
金メダルを狙う「リレー侍」としては、「思い切り勝負を懸けなければ勝てない」と考え、タイミングを早める「攻める」バトンワークで臨んだことは自然の流れであったと思います。
 
写真を見ると、多田選手が思い切り伸ばした右手のバトンが、山縣選手に届かなかったのは、数センチ。
 

【指先には触れたかのようなバトン。つながらぬバトンとともに金メダルが潰えた瞬間。】
 
「攻めた」ことは、裏付けに基づいて、世界の頂点に立つために4人が採った作戦であり、部外者は結果論で述べてはいけないと思います。
 
逆に、ギリギリの選択をせねば勝てないのが世界の舞台で、走力と技術を極限まで高め、チャンレジをしたこのリレーチームに拍手を送りたいと思うところです。
 
それにしても、やはり人生には「まさか」が潜んでいることを痛感する訳ですが、今回のような悔しさがまた人を強くするのだと感じて止みません。
 
さて、五輪からは多くの感動と学びを得るところですが、新型コロナウイルスは落胆と嘆きが出るところ。
 
昨日の福井県は、新たに35名の感染者と発表。
 
ここ最近の感染拡大を受け、県独自の「緊急事態宣言」が出されました。
 
期間を8月24日までとし、県内全域の飲食店に対し、11日から24日までの営業時間を午後8時までに短縮するよう要請するなど、単に注意を呼び掛けることだけではない対応となっています。
 
ここ敦賀市においては、7月末から連続して新規感染者が確認されるとともに、4日からは9人、10人、10人と二桁に届く感染者数となっていることを踏まえ、昨日も市の新型コロナウイルス感染症対策本部会議が開催され、現況の共有、今後の対応などが確認されたところです。
 
出席された二州健康センターからは、特徴として県外、夜の街由来がほとんどであること、原子力事業者は関連会社も多く、県外の社員が出勤される車内などでの感染リスク、学校関係は大事に至っていないが、早めに検査をし対応していくなどの考えが話されていました。
 
また、渕上市長からは、状況によっては連休中でも(市の)施設を閉める場合もあるとの考えも示されるとともに、市のホームページ上で市民の皆さまに対するメッセージも発信されています。
 
→→→(渕上市長コメント)新型コロナウイルス感染症に対する市民の皆さまへのメッセージVol.17
 
新型コロナウイルス感染症に感染するリスクは誰にでもあります。感染された方はもとより、検査を受けることになった方、献身的な対応をしていただいている医療従事者の方々への誹謗中傷、事実に基づかない情報発信などは、絶対にしないでください。
感染がこれ以上の拡がりとならないよう、みんなで乗り越えましょう。市民の皆さまの御理解と御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
 
17回目となる市長メッセージの最後もこう締め括られていますが、ロックダウン、敦賀封鎖のようなことが出来ない以上、市民の皆さんの連帯とご協力で乗り越えるしかないと思う次第。
 
一方、重症化を防ぐワクチン接種に関しては、供給量の見通しが立ったことから、以前に予約を再開したところでしたが、昨日、9月以降に見込んでいたワクチンの配分が半分になると連絡があったそうで、これにより9月分の集団接種および9月20日以降の個別接種の新規予約を一時停止することとなり、ホームページにもお知らせが掲載されることに。
 

【敦賀市ホームページに掲載のワクチン接種に関するお知らせ】
 
二転三転、国に振り回される各自治体の苦労たるや同情をもするところですが、本当にどうなってるのかと国には言いたい。
 
事態の収束に向けた期待でもあるワクチン供給を十分且つスムーズに、国から各自治体につなぐことは、先ほどのリレーと照らせば、言わば「バトン」であり、ここは綱渡りではなく、安全に、そして確実に届けていただきたいと切に願います。
 
感染対策をしっかりと講じ、日々お過ごしいただいている方におかれては、これまで通りの生活を引き続きお願いするところですが、そうでない方は、ふとした緩み、基本行動の欠如が、医療機関や飲食店、そして子ども達の貴重な夏休みの思い出まで奪ってしまうことに影響するとの思いを持っていただき、繰り返しになりますが、ここは敦賀の市民力で何とか乗り越えられますよう、私からもお願い申し上げ、本日のブログを閉じさせていただきます。

「悲しみなんて笑い飛ばせ」を口ずさみ、前へ!

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毎週恒例の辻立ちからスタートした昨日。
 
本格的な暑さとなる前の朝方とはいえ、敦賀湾を照らす朝日の反射具合、空の青さ、浮かぶ雲、すべてがいつもと違うと感じていた訳ですが、辻立ちを終えた8時過ぎには既に気温は30度。
 
その後もグングン上昇し、お昼には35.2度(この日の最高気温)となりました。
 

【昨朝の敦賀湾。海面のギラギラ感が「熱中症警戒アラート」の暑さを物語っていました。】
 
また、福井県内でも感染拡大が続いている新型コロナウイルスについては、28人が新規感染と発表。
 
敦賀市でも9人、学校関係者も含まれるということですが、夏休み中ということもあってか、学校から保護者への連絡が上手く伝わっていないなどとの声も耳にした次第。
 
以前にもあった市内の小中学校クラスターで得た経験は活かされているとは思いますが、この点については改めて確認しておきたいと思います。
 
いずれにしても、暑さに関しては、本日も「熱中症警戒アラート」が発表されており、引き続き、コロナとの二重リスクに警戒となりますが、ここは踏ん張りどころと一層気を引き締めて、敦賀の市民力で乗り越えていかねばと思うところです。
 
さて、気温の熱気とは別に熱戦続くオリンピック。
 
昨日もスケートボード女子の金銀、しかも史上最年少12歳のメダリスト誕生の快挙などがあった訳ですが、ここ数日の競技で本当に凄いと感じているのは陸上。
 
以前に49年ぶりに決勝進出をした男子3000m障害の三浦龍司選手のことを書きましたが、その三浦選手は、2日に行われた決勝で並み居る世界の選手、とりわけこの競技では常勝ケニヤ選手相手に食らいつく、というより堂々と渡り合っての7位。
 
この種目での7位入賞は、何と日本人初。
 
トラックのクロスカントリーと呼ばれる3000m障害が、いかに日本人にとって壁の高いものであったかが分かります。
 

【世界と互角に渡り合う三浦選手】
 
また、同じく49年ぶり決勝進出の男子走り幅跳びの橋岡優輝選手は、同じく2日に行われた決勝で、表彰台ラインの3位まで11センチという激戦を繰り広げての6位入賞を果たしました。
 
こちらは1984年ロサンゼルス五輪7位の臼井淳一選手以来、日本勢37年ぶりの入賞とのこと。
 
そしてさらに、度肝を抜かれる驚愕の走りで、テレビの前で思わず声を挙げてしまったのが、陸上女子1500mの田中希実選手。
 
予選で自らの日本記録を1秒75更新する4分2秒33をマークし、準決勝に進んだ田中選手。
 ※ちなみに、私の高校時代のベスト記録は4分5秒ですので、完全にぶっち切られています。
 
予選後のインタビューでは、勝負の準決勝に向けて「燃え尽きるようなレースがしたい」と気を引き締め直していた言葉通り、昨日の準決勝では、スタート直後からトップに躍り出、強者揃いの海外勢を従え、レースを引っ張るという堂々の走り。
 
声を挙げて応援したラスト、前を行く選手を猛追しての3分59秒19、4分を切る日本新記録とともに、この組5着で決勝進出を決めました。
 
オリンピック史上、この種目に日本勢が出場すること自体が初めてであり、そう思えば尚のこと、この決勝進出は、先に書いたよう「驚愕」の言葉がピッタリな訳であります。
 
決勝は6日。
 
田中選手はレース後、「うれしい気持ちが強すぎて、(決勝を)走るのが信じられない。五輪の空気に助けられているかな。今のような気持ちに次、いつ巡り合うか分からないので大切にやっていきたい」と前をグッと見つめていました。
 

【準決勝でレースを引っ張る田中選手】
 
周りで「日本人選手何年ぶり」などの言葉が踊る中、三浦選手も橋岡選手も、そして田中選手もオリンピック出場で満足するのではなく、体力面で劣る陸上競技で、目指すはメダルの気持ちで「日本人ここにあり」とばかりに戦う真の強さ、誇らしさを感じた次第。
 
こうして思えば、私を含め、大概の人は身近なことも然り、「自分はここまで」、「自分には無理」と限界や壁を自分自身で作ってしまっている訳ですが、それは自分の可能性を自分自身で潰してしまっているということ。
 
心の中の壁を取り払い、「自分ならできる」と思ってあげないと自分が可哀想だなと、ふと思った次第。
 
好きな歌、FUNKY MONEKY BABYの「悲しみなんて笑い飛ばせ」の歌詞にこうあります。
 
越えられない高い壁は
ぶつかってぶっ壊して
前に進んでけばいいさ oh oh oh oh
(中略)
不可能なんてないよ、可能だらけさ
絶望なんてないよ、希望だらけさ
 
オリンピックで奮闘する選手に自分の姿を重ねながら、今日もこの歌詞を口ずさみ頑張っていきます。

ブルーインパルスが描く五輪に思い寄せ、いざスタート

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猛暑が続く中ではありますが、昨日は早朝より、本日開催する「敦賀港カッターレース体験交流会」の準備作業。
 
本来、第25回目となるはずであった「敦賀港カッターレース」は、参加募集を行ったものの、コロナ禍の影響もあって5月末の募集締切段階で参加を自重されるチームが多かったことから、実行委員会として大会開催を見送りました。
 
しかしながら、大会自体の継承性や夏の敦賀港に触れていただくとの観点から、規模は縮小しつつ、一人からでも、子どもも参加できる形での「体験交流会」として開催する方向に切り替え、これまで準備を進めてきたところです。
 
体験交流会前日のこの日は、カッター2艇を会場まで移動の後、艇座(カッターを漕ぐ場所の座面)の補修塗装など、艇の手入れを行うなど準備に精を出しました。
 
本日は交流会本番を迎えますが、感染状況は落ち着いているとはいえ、コロナ対策を講じながら、カッターを通じて市民の皆さんに少しでも夏の風物詩イベント気分を味わっていただればと考えるところです。
 
さて、やはり本題は、昨日開会式が行われた「2020東京オリンピック」になりますが、1964の東京、1998の長野に続き三度目となる2020東京オリンピックで、開幕を祝う航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」の展示飛行が行われ、その雄姿は都内にいる知人のSNS投稿からもリアルに感じることが出来た次第。
 
この展示飛行を一目見ようと、東京都新宿区の新宿御苑には家族連れなど多くの人で賑わったそうで、その瞬間を待ち詫びた人々は、大空にオリンピックマークの「5つの輪」が描かれるのを笑顔で見守ったことが報道されていました。
 
12時40分頃、上空にカラフルな飛行機雲を引いた編隊が現れると、大きな歓声上がり、大空にオリンピックのマークを描いた瞬間には大きな拍手とともに、「ありがとう!」という感謝の声が挙がり、編隊が去った後も拍手は長いこと止まなかったとのこと。
 
思えば以前に、コロナ禍で奮闘する医療従事者を始め、全ての皆さんを励ますために、東京都内を「感謝飛行」したブルーインパルスの勇姿は今なお鮮明に記憶に残っている訳ですが、こうして人々に元気を呼び起こす力があるのがブルーインパルスであり、今回もこうして東京はもとより日本中に元気を与えたことを大変嬉しく思うところであります。
 

【東京都内の空に浮かぶ「5つの輪」。この日はあいにくの雲により、鮮明さは欠くものの抜群の技術。】
 
また開会式では、歌手のMISIAさんが、無観客の国立競技場に力強く伸びやかな君が代を響かせた他、様々な日本らしさ、趣向が凝らされたエキシビジョンが行われた後、各国選手団が入場し、いよいよ幕開けとなりました。
 
東京オリンピックに対する私自身の思いはこれまでもブログで述べてきていますので、これ以上申し上げることはしませんが、ブルーインパルスが描いた五輪と、このどこか厳かな開会式により、日本国内の雰囲気も良い方向に変化するのではないかと期待するところです。
 
私たち世代は、今後生きている間に日本で開催されるオリンピックがあるかどうか分かりませんが、次代を担う子ども達にとって必ずあるであろう次の機会の際に、「2021年には、コロナウイルスを乗り越えるオリンピックが日本であった」と誇りを持って言える、そんなオリンピック、パラリンピックになることを願って止みません。

「2020東京オリンピック」本日開会式

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昨日は、東京オリンピック開幕に先立って行われている女子ソフトボールで、延長タイブレークの末、日本がメキシコにサヨナラ勝ち、男子サッカーで南アフリカに1-0で辛勝。
 
私もお昼に放送されていたソフトボールの終盤を見ていましたが、やはり攻守の一球一球に力が入るもの。
 
スタンドの無観客もこれまでのスポーツ観戦で慣れているからか、テレビで応援する分には全く気になることはなく、見ている側にとっては、これまでのオリンピックと同じような感覚でいられそうです。
 
さて、そんなスタジアムの中とは別に、外野では東京五輪・パラリンピック開閉会式のショーディレクター、小林賢太郎氏が突如の解任、先日は開会式の楽曲制作担当だったミュージシャン、小山田圭吾氏が辞任という何ともドタバタ劇の様相ですが、思えば、さらに以前には開閉会式の演出・企画の統括役だった佐々木宏氏も3月に、女性タレントを侮辱する演出を提案して辞任したこともありました。
 
それぞれの解任、辞任理由に関しては、そうした処分に当たるものと私も思いますが、昨日の小林氏の発言については23年前のこと。
 
23年前であろうが許されざるべき発言であることは違いない訳ですが、どこか、こうしたタイミングで引きずり下ろすネタが出てくることへの疑念(そうした情報を集めている勢力?)とともに、これを大々的に報道するメディアというのは、東京オリンピック・パラリンピックに難癖をつけ、結果、日本を貶めようとしているとしか思えないのですが、そんな思いを持つのは私だけでしょうか。
 
また、政治の世界では、立憲民主党政調会長代行の川内博史衆議院議員が21日、自身のツイッターに天皇陛下が臨席される東京五輪の開会式に関し「陛下が開会式で『大会の中止』を宣言されるしか、最早止める手立ては無い」と投稿し、その後削除。
 
川内氏は投稿を削除した後、同じくツイッターで「このまま五輪に入ることは、国民にとっても世界中から集まる選手·役員等関係者にとっても感染が拡大し混乱を引き起こすだけであると、皆分かっているだろう。総理も内心では心配なはずだ。しかし、誰も止められない。この状況は異常な状況なのだ、ということを言いたかったのです」と釈明した。
 
その天皇陛下は昨日、国際オリンピック委員会(IOC)関係者との面会で、英語でこうお言葉を述べられたとのこと。
 
(前段でオリンピック、パラリンピック関係者の尽力に感謝のお言葉があったことに続き)オリンピックが長く、そして広く世界で支持されてきたのには、平和と調和というオリンピズムの精神に理由があると思います。私自身にとって、1964年の東京オリンピックの閉会式で各国選手団が国ごとではなく、混ざり合って仲良く行進する姿を目にしたことが、世界の平和を願う気持ちの源となりました。
 
東京2020大会のビジョンは、「スポーツには世界と未来を変える力がある。」です。スポーツに挑むアスリートや、そのアスリートを支える御家族や関係者の姿は、わたしたちに様々なことを感じさせてくれます。この大会は、新型コロナウイルス感染症に直面する中で迎えます。また、夏の盛りの熱波にも注意が必要です。この大会が、皆さんをはじめとする関係者の連携による感染防止対策に万全が期されることにより、アスリートの皆さんが健康な状態で安心して競技に打ち込み、その姿を通じて、新しい未来へと希望の灯火がつながれる大会となることを願います。皆様と共に全てのアスリートのご健闘を祈ります。
 
恐れ多いのですが、私も全く陛下と同じ思いであります。
 
こうした陛下のお言葉を思えば、この後に及んで「天皇陛下が中止宣言をせよ」と求めること自体、言語道断であり、投稿した議員を始め、所属する政党も然り、先に同じく我が国を貶める存在であると言わざるを得ないと、遺憾に思うところです。
 
一方、海外からはどのように見られているのかと言えば、フランスのロクサナ・マラシネアヌ・スポーツ担当相の発言にはこうありました。
 
「フランス選手団は過酷な都市封鎖の中、五輪に向けて努力してきた。日本が彼らを受け入れたことに感謝している。スポーツは心を結び、交流する力を与えてくれる。世界中が新型コロナウイルス禍を経験した今こそ、我々が最も必要とするものだ。」
 
まさに、コロナ禍で開催するオリンピックの意義ここにありの言葉。
 
紆余曲折あれど、歴史的な2020東京オリンピックの開会式が本日執り行われます。
 
開催に対して様々な考えはあれど、今日からの合言葉は、「スポーツの力で日本を、世界を元気に!」
 
コロナ感染対策然り、日本人自らが日本で開催される重要不可欠なオリンピックを貶めてしまうことのなきよう、行動する期間にしていかねばと思って止みません。
 

【再掲となりますが、写真は、敦賀市総合運動公園陸上競技場前の「一結」の碑にある、2018福井国体に出場した際の池江璃花子選手(競泳女子)のメッセージ。私はまさに、この言葉に共感です。】

様々な思いはあれど、心はやはり「おもてなし」

オリンピック ブログ

世間でもすっかり定着した「オンライン会議」。
 
昨日も嶺南未来構想会議のメンバーである小浜市議、高浜町議と私とで、Zoomを使ってのミーティングを行いましたが、距離感を全く感じないノンストレスでDX(デジタルトランスフォーメーション)の取組みや最近のそれぞれの話題などについて意見交換することができました。
 
「密を避ける」コロナ感染対策として主流化してきたこのオンラインですが、忙しい方にとっては特に、最大のメリットは「時間を節約」できることではないかと思います。
 
私も最近、何が欲しいかと問われれば「時間」と思うほどですが、コロナで気づいた大切な「時間」を有効活用するためにも、アフターコロナとなっても、Zoomなどオンラインはしっかり活用していきたいと思います。
 
さて、色々な意味でにわかにムードが高まってきたのは、23日に開会式を控える東京オリンピック。
 
「色々な意味で」と書いたのはお察しの通り、歓迎ムード一色ではないことを指す訳ですが、既に日本入りしている各国選手団のほうでも南アフリカサッカーチームのコロナ感染や毛色の違うところでは、失踪を続けているウガンダの選手など想定外事象も発生し、どこか波乱含みの様相を呈しています。
 
こうした中、選手村入りしている国の中でも「何をしに来たのか」と思わず首を捻るしかない行為を続けているのが韓国。
 
大韓体育会(韓国オリンピック委員会)が、東京五輪選手村の食事に福島県産の食材が使われることを懸念、選手村近くに独自の給食センターを設置したことについて、福島県の内堀雅雄知事は19日「誤解、偏見をただし、正しく認識してもらうことが風評払拭の本質」などと述べ、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故以降、関係者が続けた努力が理解されないことに悔しさをにじませました。
 
ちなみに内堀知事の会見によれば、「本当に残念。東日本大震災と福島第一事故から10年、本県の農業者や生産者、関係者は努力、努力、努力を重ねてきた」と強調したうえで、農地の除染、安全対策、徹底したモニタリング、蓄積したデータの公表などに総力で取り組み、「世界一厳しい日本の放射性物質の基準を超えるものが玄米は6年連続、野菜果実は8年連続、畜産物、栽培山菜・きのこは9年連続で基準値を超えていない」とし、「努力の結果が科学的にデータ上、明確に示される状況」と胸を張って発言をされています。
 
まずは、こうした科学的根拠に基づかない行為で、日本のイメージを悪化させる印象操作を行なっている感が否めないのが一点。
 
次に、韓国選手団が選手村に掲げた横断幕の問題。
 
問題の横断幕は、選手村内の韓国代表宿舎の外壁に大韓体育会が掲示したもので、韓国語で「臣にはまだ5千万人の国民の応援と支持が残っております」と書かれていた訳ですが、これは、豊臣秀吉による16世紀末の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)で日本水軍と戦った李舜臣の言葉「今臣戦船尚有十二(臣にはまだ船が12隻あります)」を引用した内容とのことであり、IOCはこの引用された文言が「戦闘に参加した(李)将軍を連想させる」として、政治的、宗教的、人種的な宣伝活動を禁じた五輪憲章50条に違反すると判断し指摘。
 
大韓体育会は「日本で開催される大会だけに、選手らの戦意を高める特別なメッセージを用意した」と、政治的意図はない旨主張するも、結果17日に撤去したと発表しました。
 

【問題の横断幕を撤去する韓国選手団関係者】
 
選手村入り前には、韓国が不法占拠する竹島の問題で、東京オリンピック公式サイト上の日本地図に竹島が表記されていることに反発し、韓国内の一部政治家の間で「五輪ボイコット」を主張する騒ぎとなるなどの伏線があったうえ、文在寅大統領がオリンピック開幕直前になって、埋め難い日本との認識の隔たりがあるとして訪日取りやめを決定するなど、歴史や領土を巡って日本と対立する問題を持ち込み、日本で開催するスポーツの祭典に冷や水を浴びせているようにしか見えないのは、私だけでないかと思います。
 
とは言え、これ以上隣国の批判をするようでは、こうした行為と同列になってしまうのと、既に韓国が国際社会からどう見られているかは周知の事実と思うことから、せめて五輪憲章に抵触するような行為だけは控えていただきたいと思う次第であります。
 
一方、昨日は、各国選手団が乗るバスなどでの選手村入りを妨害する行為があり、選手村前の道路では渋滞まで発生したとのことでありますが、世界のメディアにも配信されることを思えば、こうした日本の品位を貶めるような一部過激な行動は厳に謹んでいただきたいと強く思うところです。
 
世界中が注目するコロナ禍でのオリンピック開催につき、開催国の一国民としてそれぞれが、複雑な思い、感情渦巻くのは当然のことですが、参加する選手に非はありません。
 
「やまたけNEWS」にも書きました通り、「お・も・て・な・し」で湧いた東京開催決定のあの瞬間を今一度思い返し、せめて各国の選手が競技に集中できる環境を静かに整え、応援する。
 
そのことが、世界各国からの「日本ならできる」との期待に応えることであり、私は、日本の国民性をもってすれば必ずやできることだと信じています。

スポーツで日本を元気に!

オリンピック ブログ

昨日午前中は、とある方からお声掛けがあり、市総合運動公園陸上競技場へ。
 
高校陸上部時代の先輩であり、長女、長男とお世話になった学校の先生でもあるその方と競技場内の傍に腰掛け、昨年改修した真っ青のトラックを駆ける小学生や一般ジョガー、人工芝のフィールドでは、やり投げの練習をする選手達を眺めながら、気づけば約1時間半近く、幅広い分野でお話しを伺うことが出来ました。
 
少子化に伴う各少年少女スポーツの競技人口減少や教員の働き方改革とも相まって、大きな課題となってくる中学校の部活動など、前広に考え対応していかなければならないことに気づけた時間でもあり、率直にお話しいただいた先輩には感謝するところです。
 
また、競技場内で元気に走る子ども達を見るに、ハード・ソフトともに、こうしたスポーツ環境を整えることは、勉強とはまた違う、心身の健康や仲間との協調性、さらには「将来はオリンピック選手」などと夢や目標を掲げ努力する大切な場であることと改めて痛感した次第であり、今後、こうした分野にも視点を置き取り組んでいければと思います。
 
さて、スポーツ関係の話しを続けますと、話しに出ましたオリンピックに関しては、7月23日の開会式まで約40日前となっている訳ですが、このコロナ禍との兼ね合いから、開催か中止かで世論も分かれるところ。
 
決定権者であるIOCや以前にご紹介したフランスのCMにもあるよう、世界各国は「日本だから出来る」と思っているのに対し、日本国内では「こんな状況じゃ開催すべきでない」との声の方が取り上げられていて、このギャップはどこから来るのかと考えるところですが、やはり国民の多くが納得のうえ開催するためには、組織委員会や東京都、日本政府が責任の押し付け合いをするのでなく、客観的データや科学的知見をもとにした統一見解を示すことが必要不可欠と考えるところです。
 
オリンピックの開催が日本の新型コロナ感染状況にどのような影響を及ぼすかについて、正確な推計は難しいのですが、たまたまNewsweekにあった元CIA工作員が寄稿した記事によると、控えめな計算をして、オリンピック閉幕後の1ヶ月間、(感染が爆発的に広がることは避けられて)5月前半とほぼ同水準の1日7000人程度の新規感染者が発生すると仮定。
 
この場合、1ヶ月間の新規感染者の合計は21万人で、医療体制は極度に逼迫するだろうが、「崩壊」までは行かないかもしれない。
 
しかし、新型コロナの致死率は約2%と言われているので、1ヶ月で4200人が死亡する計算となり、日本では「命の価値はお金に変えられない」とはいえ、そこは合理的なアメリカ。
 
米政府は、様々な分野で安全性に関する規制を設ける際の基準にするために、複雑な計算式に基づいて人命の価値を「約1000万ドル(日本円で約11億円」と算出していて、これに従えば、1ヶ月で4200人が死亡した場合、420億ドル(約4兆6千億円)の損失という計算になるのだそう。
 
このように命の価値を金額に換算するという不愉快な計算をするまでもなく、オリンピック開催のコストが社会的・経済的な利益を大きく上回ることは明らかだろうとしています。
 
単純に数字の世界で言えばこうなるということで拝読した訳ですが、これは予測で、未来のことは変えられることが出来ます。
 
これを言うと叱られるかもしれませんが、「命と引き換えにオリンピックを開催するのか!」と叫ぶよりも、新型コロナにゼロリスクはないことを大前提に、(世界各国から信頼されている日本で)「オリンピックを開催出来るよう国民を挙げて協力しよう!」と叫んだ方が、よほどコロナ対策としても効果があるのではと思って仕方ありません。
 
なお、このように考えることの背景には、「おはなしはマスク」などの経済と両立させるコロナ対策で実効性を挙げている「福井モデル」を全国展開すれば、事態は必ずや改善出来るとの思いがあることを申し添えておきます。
 
いずれにしても、菅首相はG7で力強く「オリンピック開催表明」をしたとのことですが、国内においても強いリーダーシップと広い発信、これに伴う実効的施策の実施が不可欠とも思うところです。
 
冒頭のシーンに話しを戻しますと、競技場での話しを終え外に出ると、「2018福井しあわせ元気国体」の際に競泳会場となったここ敦賀の地に残された著名選手が書いたメッセージの碑があります。
 
暫し眺めていると、当時高校生の池江璃花子選手(競泳女子)のプレートがあり、ここに書かれていた言葉は「スポーツで日本を元気に!」。
 

 
この後予想だにしなかっであろう白血病、そして病魔との闘いを乗り越えオリンピックの出場権を掴んだあの姿と照らし合わせると、こうした選手のためにも開催してあげたいと思うのが心情。
 
やはりこのオリンピック。
 
開催した暁に得られるエネルギーというのは、これまで体感したのと同様、それぞれが前に進む、計り知れぬパワーの源になると考える次第です。
 
皆さまにおかれましては、開催の可否について様々な思いが交錯することと存じますが、こうした考えもあるということで少しご理解いただければ幸いに存じます。
 

【子ども達にメッセージを紹介すると嬉しそうに覗き込んでいました(この絵の裏側がメッセージパネル)。また運動公園にお寄りの際は、皆さんも覗いて見てくださいね。】

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