2024年8月12日
感動の「パリ五輪」が閉幕
17日間に亘り熱戦が繰り広げられたパリ五輪が昨日閉幕。
今大会での日本選手団の活躍は目覚ましく、獲得した金メダル数20個は海外開催では最多、メダル総数45個も同じく最多記録で、とりわけ金メダル獲得数は、米中(ともに40)に次ぎ第3位という成績を誇らしく思う次第です。
時差の関係から、決勝種目がほぼ夜中であったため、ハイライトで感激を味わうことが多かった訳ですが、それでも満面に広がる選手達の笑み、嬉し涙や悔し涙など、印象的なシーンがいくつも浮かぶところ。
私にとって、何と言っても印象に残るのは、2大会連続の兄弟金メダルを狙った女子柔道の阿部詩選手。
まさかの2回戦負けに、日本全体が落胆しましたが、畳を降りた後、泣き叫ぶかの如く号泣したことに対し、武道家として人前で泣くのはみっともないなどと非難、SNSなどでは誹謗中傷まで起きる騒ぎに。
私もこれまで、野球や陸上の大会で敗れ、嗚咽するほどの悔し涙を流した経験がありますが、そのことは自分が何かに一所懸命取り組んだことの裏返しであり、3年前に世界の頂上に立ち、連覇を達成するこの日のために、地獄のような練習に打ち込み続け、それが報われなかった詩選手の思いたるや、常人には計り知れないこと。
会場全体が「詩コール」で励ましのエールを送るなか、日本人が号泣したことを責めることに、私は理解できませんでした。
一方、勝者の笑みを挙げればキリがありませんが、史上初という観点から、陸上女子のフィールド競技で金メダルを奪った、やり投げの北口榛花選手。
圧倒的な力、そして明るい笑顔が持ち味の北口選手ですが、X(旧ツイッター)の五輪日本語公式アカウントが投稿した写真が「奇跡の一枚」と反響を呼んでいます。
【五輪日本語公式アカウントが投稿した北口選手の写真】
ご覧いただくよう、優勝を決めた北口選手が大きな日の丸を背に掲げたものですが、風になびいた日の丸が偶然、ハートマークのように写っており、この投稿は10時間で300万回近く表示(先ほど見ると430万回)されたとのこと。
日本の金メダルを契機に、どこか、世界中に幸せを届けているような気持ちになったところです。
また、メダルには届かずとも、納得の行く入賞を果たしたのは男女のマラソン。
男子では赤崎暁選手が、女子では鈴木優花選手がともに6位入賞を果たしました。
両選手とも、並みいる海外勢を相手に、しかもこれまでで最もタフと言われる「激坂」のコースで見せ場たっぷりの走りを見せ、ゴール後、赤崎選手は「人生で一番楽しいレースだった」、鈴木選手は「皆さんに感謝の気持ちを伝えたい。本当に楽しい五輪だった」と見せた笑顔は最高に輝いていました。
なお赤崎選手は、大学時代に箱根駅伝に出場するも最高順位は区間9位。
その時の「不完全燃焼」がここに至るまでの原動力とあり、挫折や悔しさが人を強く、成長させることを、赤崎選手の生き様から改めて感じた次第です。
思えば、無観客開催を強いられた「東京」から3年。
パリ五輪では満員のスタンドからの応援が選手の背中を押しました。
なお、閉会式を前に選手の入場を伝える、Xの五輪日本語公式アカウントにはこうありました。
「国境・競争を越えて友情を育み、素晴らしい努力、諦めない姿を通して、私たちにたくさんの感動を与えてくれた選手たちの入場です」
私の思いもまさに、この言葉に込められています。
パリ五輪に出場されたすべての選手の皆さん、そして大会を支えていただいた関係者、ボランティアの皆様、大変お疲れ様でした。
そして、多くの感動をいただいたことに感謝申し上げます。
【4年後はロスアンゼルスで(閉会式の様子を伝える五輪日本語公式アカウントのXより)】