学び多き最終日。6月定例会は閉会。

ブログ 敦賀市議会

6月8日より、22日間に亘り開催された敦賀市議会第4回定例会(6月定例会)が閉会しました。
 
最終日となった昨日は、先週金曜日に送付のありました理事者からの追加議案、議員提出議案(両方とも27日のブログで説明したものです)が加わったこともあり、時間を延長し18時過ぎまでの審議と中身の濃い1日となりました。
 
議会で過ごす時間は、議員となって1年ちょっとの私にとっては、すべて学びの場であると言っても過言ではないのですが、最終日もやはり勉強になることが多々ありました。
 
1点目は、議案の審査方法について。
 
この日、正式に提出された新型コロナウイルスに関する補正予算案2議案は、審査を予算決算常任委員会に付託され、その委員会(全体会)の冒頭、当該委員会運営要項の規定にある「緊急の追加補正予算案等を審査する場合は、委員会に諮り設置しないことが出来る」に照らし、分科会の設置を省略し委員会(全体会)にて討論・採決までを行う旨、委員長から委員にお諮りしたところ、1名の委員が挙手し「分科会を開催してください」との意見。
 
敦賀市議会においては、前述の「設置しないことが出来る」との記載を踏まえ、委員会での運営についての諮りごとについては「全会一致」で決定することが理想であるとの考えのもと、全員の了解を得ることが出来なかったことを踏まえ、通常通り分科会を開催することとしました。
 
当たり前と思われるかも知れませんが、私はこの「全会一致」で決定するとの理想に沿って判断されたこと自体に、民主的且つ審査の過程を重んじる議会であるとの認識を強く感じた次第です。
 
2点目は、審査の深さについて。
 
1点目で述べたように、全体会での基本質疑の後、所管する「文教厚生分科会」並びに「総務民生分科会」が開催された訳でありますが、通常ですと自分自身も「産経建設分科会」に出席するところ、この日は所管案件なしということで、両分科会の傍聴をさせていただきました。
 
他の分科会での審査をじっくりと見聞きするというのは中々無いことなのですが、とりわけ審査する事業の多かった「文教厚生委員会」では、福祉保健部、教育委員会、病院事業に関わる案件に関し、提案プロセスなども含め、各委員からより詳細に多角的な視点から質疑がなされていました(学校ICTとネット依存症との関連を問うていた点は、少し本筋からズレた論点と感じたりしましたが…)。
 
もちろん自身も「手を抜かない」と肝に銘じ審査にあたっておりますが、分科会を開催する意味合い、つまり「徹底的な深掘り審査」の例を改めて見た気がしました。
 
最後3点目は、議会運営について。
 
共産党敦賀市会団以外の4会派連名で提出された議案「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の期限延長等を求める意見書」に関しては、本会議を前に開催された議会運営委員会にて、今大地晴美議員が「反対」の立場から、和泉明議員が、まさにそれを受けて立つ形で「賛成」の立場から討論を行う旨通告のあったところ。
 
正直、このお二人の討論、論戦を期待していた訳ですが、何と今大地議員が体調不良で議場にいらっしゃらないとの事態に。
 
討論通告もしている状況でこういった場合どう対処するのか、自分としては敦賀市議会「申し合わせ」にある「欠席などによる討論者の変更は議会運営委員会にて決める」に沿って行うべきかとも思っておりましたが、いざ討論の段に入ると、田中和義議長は淡々と「今大地晴美君」と呼び、返事なし(もちろん席にいないので)を受け、「通告の効力を失った」と宣告。
 
では、賛成討論だけ行うのかと思いきや、次に控える和泉議員に対しても「和泉明君」と呼び、すかさず挙手の無いことをもって「効力を失した」ととの宣告。
 
和泉議員はもちろん議場にいらっしゃったので、賛成討論だけ行うことも出来たのでしょうが、そこは「受けて立つ」形で通告された背景や和泉議員の心情も慮り(これは推測ですが)も踏まえつつ、臨機応変に機転を利かせて対応されたことに、習熟と申しますか熟練された議会対応であると胸の中で感嘆の声を挙げた次第です。
 
後で聞けば、やはり議長、議会事務局の連携プレーがあってこそということで、改めて敬意を表するところです。
 
私が学んだことを述べてきましたが、今定例会にて提案された議案は全て可決、請願1件(リラ・ポート早期再開)は不採択とし、議会を閉じました。
※リラ・ポートに関する請願不採択についての考えは20日のブログに記載しています。
 
渕上市長の閉会のご挨拶に「今年は海水浴場を開設しないなど、市民の健康に配慮した判断をしたところでありますが、身近にある敦賀の自然に触れていただく機会にもしていただければと思います。」との言葉がありました。
 
首長としての責任のもと苦渋の判断をされてきている様子とともに、「こういう時こそ、敦賀の良さをじっくり見つめよう」との市民に向けた前向きなメッセージと受け止めました。
 
この習熟された議会、そして理事者が緊張感を持ちつつ、ギヤを合わせて両輪として回転すれば、必ずや敦賀市は発展するとの思いをさらに強く持つことが出来ました。
 
定例会は終わりましたが、今日からの1日1日を大切に、ひとつでも多くの市民の皆さんからの声を反映出来るよう頑張ります。
 

【定例会を終えた本会議場。次回の定例会開会は9月1日となります。】

立候補者や議員が果たすべき「説明責任」

ブログ 政治

コロナ禍で行われている東京都知事選挙は7月5日(日)が投開票日。
 
いわゆる「ラストサンデー」の昨日、現職の小池百合子氏は新型コロナウイルス対策として街頭演説を行わない姿勢を貫く一方、他の候補らは人で賑わう場所など街頭で有権者に支持を訴えたとの報道。
 
選挙戦の盛り上がりを肌感覚で味わうことは出来ない訳ではありますが、過去最多の22名が立候補者している首都東京のトップを決める選挙。
 
どなたが勝利するかは勿論ですが、どの候補(どの公約)がどれぐらいの支持を得るのについても注視していきたいと思います。
 
さて、選挙公約と言えば、先月5月17日に行われた神奈川県小田原市長選挙で当選した新市長の選挙広報のことが話題となっています。
 
問題と取り上げられているのは、この新市長が選挙広報にも掲載した選挙公約のうち、「市民を守るコロナ対策」としてある「ひとり10万円」という短い言葉。
 
国の特別定額給付金の10万円に加えて、市独自の「ひとり10万円」が給付されると思っていたものが、実は「国の給付金を迅速に執行する」という意味であり、誤解を招くこととなったのは「広報の紙面の大きさの都合」と、市議会での質問に対し新市長は答弁されているそう。
 
既に市民の皆さんからの問い合わせや苦情の電話が市役所にも相次いでいるとのことですが、何故このような事態になったのか。
 
自分の経験からも(たった1回しかありませんが…)、確かに選挙広報の限られた紙面では十分な説明を果たすことは出来ない訳ものの、公約の詳細を伝える方法は、街頭演説やビラ配布(前回統一地方選選挙から可能となった)などもある訳であり、そこでも敢えて触れなかったのか?
 
一方、市民の皆さんからも、「この10万円の意味は?」と、それこそ選挙期間中に話題にならなかったのかなと疑問にも思った次第。
 
16万人の市で投票率46.79%(投票者数74,543人)、立候補者2名のガチンコ勝負で、敗れた候補との差は544票という結果を見ると尚のこと、このような公約に関してこそ、説明責任が果たされるべきであったと考えるところであります。
 
これは、有権者に疑念を抱かせたという点において、公人、議員としての振る舞い、行動として適切ではなかったと言えるひとつの例。
書き出せば、河井前法相夫妻が逮捕された買収事件に絡む関係者などありますが、ここでは差し控えます。。。
 
人の振り見て、我が振り直せと受け止めれば、記載する文言、話す言葉すべてに「説明責任」を負うということを肝に銘じておかねばなりません。
 
私自身、自分の発する言葉、文章に責任を持ち、疑念を持たれるような行動は厳に慎むよう心掛けておりますが、それが出来ているかどうかは有権者の皆さんの評価次第。
 
「指摘を受け入れる勇気」や「聞く耳」も大いに持っておりますので、このブログなども含め、皆さんから見て「山本、それおかしいんちゃうか?」「どういう意味なんや?」との疑問、ご指摘あらば遠慮なくお申し付けくださいね。
 
ではでは、今日は6月定例会の最終日。
最後まで気を引き締めて頑張ってまいります。
 

【写真は、昨夕の散歩道。御名の田園風景とウロコ雲?】

裏方さんあっての住み良いまちづくり

ブログ 地域コミュニティ

晴天の昨日、午前中は区の役員の活動で気持ちの良い汗を流しました。
 
ひとつ目は、市から各区に配布された花のポット苗のプランターへの植え替え作業。
 
区長からも事前に「市から配られる花」と聞いていたので、確かそういう事業があったな?と今年度の予算書をめくってみると、ちゃんと一般会計に計上されていました。
 
土木費の「花のまちづくり事業費」(都市政策課)として、総額7,161千円。
 
事業概要には、花のまちづくりを目的として、公共施設(公民館等)や地域の団体等に花苗を配布するとし、秋苗にはペチュニア33,000本、マリーゴールド1,520本、春苗としてパンジー33,440本の配布を予定とされていました。
 
ちなみに、市が管理する市役所通りや松原入口交差点にある花壇もこの予算にて花の配布がされています。
 
花は、松原公民館に準備され、順次各区や施設が持ち帰るということで、ひばりヶ丘町のほうは全て区長に運搬いただきました。
 
正確な株数を忘れてしまったのですが、当区には100株以上(ペチュニア)の配布ということで、順次植え替え作業に精を出しました。
 

 
やはり、花というのはまちと人の心を優しく、明るくするものと感じたことに加え、これまで何気に眺めていた花壇の花も、こうした背景と作業があって咲いていたのかと感謝した次第です。
 
ふたつ目は、道路のグレイチング修理。
 
道路の側溝グレイチングが、車が通過する度に「カチャン!」と大きな音を立てているケースがあろうかと思いますが、これまでの区のパトロールや住民の皆さんからのご意見などを踏まえ確認されているそうした箇所について、直営で修理を行いました。
 
修理と簡単に言っても、まず経年で硬く締まったナットを緩めるのにバーナーで炙ったり、グレイチングと溝の隙間の緩衝材(硬質ラバー)を自作したりと中々の手間が掛かるもの。
 
それでも何とか修理が終わると、ガタつきなく、車が通過しても無音の状態となると、小さな改善ですが達成感がありました。
 
トータル2時間ばかりの活動でしたが、こうしてやってみて感じたのは、見えない場所、裏方で長年汗をかいてくれている方のお陰で気持ち良く、住み良いまちに保たれているんだなということと、すべて行政に頼るのではなく、「出来ることは自分たちでやる」という姿勢でした。
 
そういった意味で、これまで脈々と活動を継承されてきた歴代の役員の皆さんに感謝をしつつ、これまであまり参画出来なかったことの恩返しの意味を込めて町の役員を引き受けた自身の気持ちを忘れることなく、今後も活動にあたりたいと思います。
 
自分が住み続けるまちのため、掲げるモットーは「みんなで楽しく、助け合いながら」にて。

今定例会も残すところあと1日

ブログ 敦賀市議会

梅雨本番とばかりに、どんより曇り空が続く敦賀。
 
朝からジメジメ感漂う空気に、昨日は今シーズン初の半袖シャツに袖を通しました。
 
決してヤセ我慢して長袖を着ていた訳ではないのですが、やはり熱のこもる脇から下が開放されている半袖は気持ち良いもの。
 
今年に限っては、口周りの熱気もいよいよ気になってきましたので、人と話すという仕事柄、この週末あたりで清涼感マスクでも探してみようかと思うところです。
 
さて、議会の方は調整日のため休会。
 
この調整日は、最終日に行われる常任委員会や特別委員会報告の準備などのため充てられており、私も副委員長の立場にて予算決算常任委員会と市庁舎建設特別委員会の報告資料の確認をさせていただきました。
 
また、この日は、理事者より新型コロナに関する追加の議案2件の送付と議員提案(B議案)の提出がありました。
 
追加議案のうち、一般会計補正予算については、ひとり親世帯臨時特別給付金や学校の感染症対策防止強化など新型コロナウイルスに係るものに加え、学校ICT環境の整備(タブレット端末購入)など。
 
敦賀市病院事業会計補正予算については、PCR検査機器の購入など感染症対応設備整備に係るものであり、いずれの予算も国庫支出金や県支出金の特定財源を充てるとしています。
 
議員提案は、「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の期限延長等を求める意見書」で共産党以外の4会派連名での提出となっています。
 
本特別措置法に関しては、平成12年のJCO臨界事故を契機に、原子力防災対策への一層の充実が求められたことを踏まえ、広域的な振興や防災インフラ整備に資することを目的に同年12月に議員立法により成立、平成13年4月施行(平成23年3月まで10年間の時限措置)の後、さらに平成33年3月までの10年延長がされ(議員立法)、来年3月31日をもって失効を迎えることとなっています。
 
これを踏まえ、本特別措置法による支援措置が今後とも重要であること、現状に即した制度の拡充が不可欠であるとし、期限延長などを求めるものであり、同じ原子力発電所を有する美浜町、おおい町、高浜町議会と足並みを合わせた動きとしたいところであります。
 
夕刻、帰宅前に駅前立体駐車場屋上へ久々の寄り道。
 
車を停め屋上に降り立つと、何と新幹線のコンコース部分は目の高さまで到達しており、6階建てと同じレベルまでそびえ立つ状況になっていました。
 
右を見ても左を見ても並ぶ高架群を眺めていると湧いてくるのは将来へのワクワク感。
やはり「お気に入りの場所」に来ると鋭気を養えます。
 


 
今定例会も最終日を残すのみとなりましたが、今ある現実的課題を受け止め、ひとつづつ丁寧に対応するのみです。

看板ひとつにも愛着込めて

ブログ まちづくり

本日は、言葉よりまずは写真をご覧いただきたく。
 

【修繕後:令和2年6月25日撮影】

【修繕前:令和2年3月2日撮影】
 
率直にどうお感じでしょうか?
 
下の写真では、長年風雨に晒され、経年劣化で文字すら見えない状況の看板でしたが、ピカピカに修繕されたことにより、気持ちが良いのと「松原を大切に」との思いが伝わってくるような気がしないでしょうか。
 
実は、この看板は、気比の松原の花城側Y字路に立つもので、松陵中学校交差点の松原入り口と松原市営住宅前の計3箇所に同様に設置されているものです。
 
発電所に向かう通勤路で見掛ける姿があまりに無残であったのと、「気比の松原は敦賀のシンボル!」「宝!」と言いつつ、現地がこの状況では「本当に大切に思ってるの?」と観光客のみならず、市民までもが感じるのではないかと、3月時点で市のほうにも修繕してはと話しをしたところ。
 
気比の松原は市役所内でも所掌が分かれることから、当時早速、都市整備部、経済産業部の部長さん自ら現地確認いただいたうえ、管轄する森林監督署さんに連絡、修繕の依頼までしていただいていたところ、一昨日、「修繕完了」との報告を頂戴した次第です。
 
ご丁寧に写真付きで報告いただいたのですが、お願いした手前、自分の目で確認せねばと3箇所の現地確認をしてきた訳でありますが、依頼に応えていただいたことに対し、というよりも見違えるように美しくなった姿が何とも誇らしくも嬉しい気分となり、思わず写真を撮る顔もニヤけていたのではないかと思います(笑)
 
3月定例会の代表質問でも取り上げたのですが、気比の松原のような代表的な自然の観光スポットのみならず、まちの中にある文化財など、いわゆる「敦賀の宝」に付随する看板や標識をとにかく「美しく綺麗にする」ことで、市民の皆さんに「大切にされている」「大切にすべきもの」との思いが伝わり、そういったことを通じ、ふるさとへの愛着やシビックプライド(まちに対する市民の誇りや自分自身が関わって地域を良くしていこうとする当事者意識に基づく自負心)が形成されるのではと主張した訳でありますが、今回の看板修繕で自身が感じた気持ちの変化からしても、そのことは間違っていなかったのかなと思ったところであります。
 
「看板」の言葉を辞典で調べると、商品や店舗の宣伝、人の注意や関心を引きつけるのに有効なものとのベーシックな意味合いに加え、店の信用を表す「看板を借りる」「看板に傷がつく」、人気があり、主力となる人や商品を表す「看板娘」「当店の看板料理」、表向きの名目や見せかけを表す「看板と実態が異なる」「看板倒れ」などと様々。
 
決して「看板倒れ」と言われないよう、目指すところは「敦賀の看板スポット!」でいきたいものですね🎵
 
本来であれば、この松林と松原の浜で「2020東京オリンピック聖火リレー」が行われる予定で、それまでには修繕しようとの意気込みでも対応いただいたと伺っておりますが、残念ながら聖火リレーは中止。
 
それに加え、今夏は松原海水浴場も開設しないということで誠に残念ではありますが、この美しくなった看板は必ずや市民の皆さん、観光客の皆さんの目にも届き、いつになろうとメッセージを込めて迎えてくれるものと思います。
 
あまりに嬉しく看板ネタが長くなりましたが、皆さんにおかれましては、松原方面に向かわれた際には是非気を止めてご覧いただければと思いますし、そこから感じたことがあれば是非、私のほうにも教えていただければ幸いに存じます。
 
最後になりますが、迅速且つ丁寧に対応いただいた都市整備部さんを始め市役所関係部所の皆さん、森林管理署の皆さんに感謝申し上げます。
 
ありがとうございました!
 
(せっかくなので、あと2箇所の修繕後写真も掲載いたします)

【松陵中学校交差点の松原入り口】

【松原市営住宅前】

【お知らせ】敦賀市議会インターネット中継(録画)について

ブログ 敦賀市議会

先週3日間に亘り開催された一般質問の録画が「敦賀市議会インターネット中継」にアップされました。
 
新型コロナの中ではありましたが、敦賀市議会の一般質問は通常通り、質問者や質問項目を限定することなく実施したことから内容も多岐に亘っております。
 
リンクを開いていただくと、質問者ごとに通告内容も確認出来ますので、関心のあるテーマだけでもご覧いただければと思います。
 
→→→敦賀市議会インターネット中継はコチラから
 

原子力人材の将来と「もんじゅサイトを活用した試験研究炉」

ブログ 原子力

6月定例会も後半戦に入った昨日は、予算決算常任委員会から議会運営委員会、議員説明会、さらには広報広聴委員会と続きました。
 
予算決算常任委員会においては、本定例会に提出された補正予算に関し、各分科会長からの報告、討論を踏まえ採決が行われ、全議案について原案通り認めるべきと決しました。
 
補正予算については、最終日29日の本会議にて予算決算常任委員会委員長からの審査結果を報告した後、採決の運びとなります。
 
さて、上記委員会審査と併せ、昨日の目玉は議員説明会。
 
内容は、文部科学省からの「もんじゅサイトを活用した試験研究炉に関する調査の概要について」の説明。
 
本件に関しては、突然決定された「もんじゅ廃炉」の後の平成28年12月、原子力関係閣僚会議における「もんじゅの取扱いに関する政府方針」により、「将来的には、もんじゅサイトを活用し、新たな試験研究炉を設置する」、「我が国の今後の原子力研究や人材育成を支える基盤となる中核的拠点となるよう位置付ける」との位置づけのもと、これまで外部委託により「新たな試験研究炉のあり方に関する調査」が行われてきているもの。
 
令和元年度までの外部委託調査結果については、本年5月20日に文部科学省の審議会(原子力科学技術委員会 原子力研究開発・基盤・人材作業部会)において報告がされており、令和2年度中には概念設計に着手、令和4年度中に詳細設計開始とのスケジュールまで示されているところ。
 
昨日の説明会では、ここまでの調査結果概要の説明に加え、質疑までが行われました。
 
もんじゅ敷地を活用した試験研究炉に関しては、私もこれまでの一般質問でも取り上げている他、福井県が進める「嶺南エネルギーコースト計画」との絡みや、先の国の審議会報告などの内容を注視してきたところでありますが、私も強く望む「原子力人材育成と産業利用」と背景にもある「地域振興」との兼ね合いから、大変シビアで難しいテーマであるとつくづく感じているところでもあります。
 
この日は、基本的な発電用原子炉と試験研究炉の違いや国内の試験研究炉の現状説明のうえで、本題の「もんじゅサイトを活用した新たな試験研究炉に関する検討状況」について報告がされました。
 
ちなみに、ここでは詳細説明まではありませんでしたが、研究炉については、学生など原子力人材の育成という用途、物質の性質を調べる基礎研究や放射線を使った医療、産業技術開発などの産業利用用途などがあり、京大研究炉では探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワから持ち帰った微粒子の解析も行われるなど、まさに「原子力の平和利用」がされていることを補足させていただきます。
 
そのうえで、とりわけ注視すべきは、我が国の原子力人材育成と試験研究炉の現状。
 
これは私も以前から調べてきていることでもある訳ですが、原子力に係る人材は東日本大震災以降、大学院を含めて国内で原子力を専攻する学生は減少の一途を辿っている他、教員の減少と高齢化も深刻化していることに加え、現在4施設の稼働のみとなっている人材育成を支える試験研究炉に関しては、各大学が保有するその多くが建設から40年以上経過するなど高経年化が進んでいることや新規制基準への対応が困難となっていること、さらには国立大学法人に対する運営費の減少(研究費への影響)や使用済み燃料の問題などにより廃止の方針を示す研究機関もあることなどから、今後の運転再開予定は多くて8施設(現在稼働中を含む)となっており、将来に向けても大変危惧されるべき状況となっています。
 
代表的に取り上げられる京大複合原子力科学研究所(大阪府熊取町)の湊・京大理事からは「国が原子力や放射線の人材育成・研究が不可欠と考えるのならば、使用済み燃料の引受先を含めて政策を示して欲しい。京大だけではなく、国の将来像に係る問題だ。」と訴えているように原子力人材の育成と大学研究炉の将来については、政府としても早急に方策を示していく時期にある(2019年9月14日の読売新聞記事より)とされています。
 

【京都大学研究用原子炉(KUR)炉室 @同大学ホームページより】
 
話しがかなり拡散してしまいましたが、そういった国内の状況もある中で新たに検討されているのが、この「もんじゅサイトを活用した試験研究炉」であり、国の危機意識や本気度が示されるべきであろうと考えるところです。
 
文科省の資料によれば、「我が国全体の研究基盤が脆弱化する中、将来的にもんじゅサイトに設置する試験研究炉には、西日本における、研究開発・人材育成の中核的拠点としての役割が期待される」とあります。
 
私は、これまた議会でも発言している通り、原子力研究と言えば「東の東海村(茨城県)、西の敦賀」となり、「今後国内で原子力を学ぶ学生さんは必ずや敦賀の地を踏み、技術者として敦賀から世界に羽ばたく」ようなビジョンを持って進めるべきと強く考えるところであります。
 
なお、こうして学生さんを始め、国内の原子力研究者、さらには国外からも技術者が集うようなまちになれば、自ずと交流人口や定住人口も増え、国際会議なども開かれるようになれば尚のこと、地域振興の一助にもなるものと考える次第であります。
 
現段階においては、「役割が期待される」に留まった文科省の考えでありますが、この先調査が進むにつれ、「役割と位置付ける」との国の力強い考えが示されるよう、引き続きこの課題には注視のうえ対応にあたる所存です。

着実に進む市庁舎建設工事

ブログ 敦賀市議会

敦賀市議会の日程は後半戦に進み、昨日は自身の所属する「市庁舎建設対策特別委員会」が開催されました。
 
本年1月から工事を開始し、現在は基礎鉄筋工事まで進捗している新市庁舎建設。
 
今回の特別委員会に先立ち、全議員を対象とした「現場見学会」を開催いただく旨、総務部さんからお声掛けがあり、現在までの工事の進捗説明や現場の状況を見る機会を得ました。
 

 
全員協議会室での机上説明では、総務部長及び担当の方から以下の説明がありました。
 
◉現庁舎は昭和49年築であり半世紀ぶりの建て替え。人生に一回あるかないかの貴重な経験である。
◉工事エリアは7工区に区切り管理。
◉杭工事では、プレボーリング根固め工法(メジャーな工法)により111箇所の杭を打設。
◉工程に関しては、8月までに基礎躯体工事を完了予定。10月中旬には低層棟、11月には高層棟の地上躯体工事を完了する予定。
◉新型コロナの影響に関しては、インドネシアやマレーシアでの合板工場が稼働しておらず、再稼働の目処も立っていないものの、今の型枠を再流用するなど、工程に影響の出ないような対応を考えている。
◉新型コロナ感染対策に関しては、清水建設さんがGWの県外移動自粛に加え、作業員を含め徹底した感染防止対策を実施している。
◉春休み、学校休校中と「現場見学会」を開催したが、結果は春休みの4組12名(親子参加)の参加に留まった。新型コロナの関係で周知をHP等のみにしたためと考えられるが、今後は状況も見つつ、学校側とも連携し案内をしていきたい(夏休み見学会など)。
 
その後は、5階のベランダより工事現場を見下ろし、全体を確認。
 

【東側(防災庁舎側)の工区】

【中央の工区】

【西側(ヨーロッパ軒側)の工区】
 
7工区に区切られた現場は、工区によっては杭打ちをしているエリアもあれば、基礎鉄筋コンクリート打ちまで完了しているエリアもあり、さながら工事の過程を見るようでした。
 
それにしても整然とした現場の状況と二台の大型クレーンを始め、様々な重機が稼働する姿は見ていて頼もしく感じるほどでした。
 
説明会の冒頭であったように、半世紀に一回の工事ですので、是非多くの市民の皆さんにもご覧いただきたく思います。
 
説明会終了後は、本番の特別委員会を開催し、詳細工程や費用、庁内レイアウト、議場の仕様などについて確認しました。
 
以前に掲載しました北陸新幹線敦賀開業工事と同じく、敦賀にとってビッグイベントの市庁舎建設工事でありますが、こちらも同じく新型コロナ感染防止を徹底しつつ、着実に進捗していることを把握しました。
 
昭和47年生まれの自分とほぼ同世代の現庁舎に、同じ時代を過ごした親しみを感じつつ、次代を担う新庁舎への「世代交代」を今後も見守っていきたいと思います。

【お知らせ】一般質問の再放送について

ブログ 敦賀市議会

嶺南ケーブルネットワーク「議会チャンネル(CH093)」にて、先週の一般質問の模様が再放送されています。
 
自己アピール的で恐縮ですが、私の質問の再放送日は、本日23日(火)と28日(日)になります。
 
順番が最後につき、時間が遅くなってしまうのですが、興味のある方は是非ご覧いただければと存じます。
 
なお、質問で述べた意見に対しますご意見につきましては、賛同・否定を問わず、ドシドシ受け付けておりますので、ご遠慮なくお申し付けくださいませ。
 

戦後75年。沖縄慰霊の日に思うこと。

ブログ 政治

これで70日連続。
 
最近の流れから、こう書き出すと当然、新型コロナ新規感染発症ゼロの連続日数かとお思いになるかと存じますが、実はこの数字、尖閣諸島周辺の領海に中国当局の船が確認された日数であります(ちなみに、福井県内のコロナ新規感染発症ゼロは昨日で55日連続)。
 
この件に関しては、これまでもブログに書いたりもしている訳ですが、尖閣諸島周辺の領海侵入は、平成24年の尖閣諸島国有化以降で最長の連続日数を更新したとなっています(6月22日時点)。
 

【尖閣諸島(沖縄県石垣市)】
 
そのような中、沖縄県石垣市が行政区域として管轄する尖閣諸島の住所地を、「石垣市登野城(とのしろ)」から「石垣市登野城尖閣」に変更する議案を昨日の市議会本会議で可決したとのニュース。
 
記事には、議案に反対する革新系市議らと賛成の保守系市議らとの間で激しいやじが飛び交うなど、議場は一時紛糾したことや、今後中国などが反発を強めることも予想される中、市や市議会の今後の動きが注目されるとあります。
 
これに関しては、9日には台湾が自制を求める動きを、昨日の可決後には中国が「中国の領土主権への重大な挑発であり、違法で無効だ」と反発のうえ、日本側に申し入れを行ったことなどが明らかとなっています。
 
これに対し、石垣市の中山義隆市長は可決後、「政治的な意図はなく、行政手続きの範囲内だ。今後手続きをしっかりと進める」と述べている状況にあります。
 
私はこれまでも考えを明らかにしている通り、竹島をも含め、我が国の領土が「実効支配」されるような状況は絶対に許されるべきでないとのスタンスであり、この日の採決にあたり保守系市議らが主張した「国の主権にかかわることであり、他国に配慮する問題ではない」、「尖閣に領土問題など全く存在しない。それを(住所地変更で)明らかにすべきだ」などとの考えに賛同するものであります。
 
このエリアを命を懸けて守っていただいている海上保安庁巡視船の乗組員の皆さんには感謝しかありませんが、冒頭述べたように、現実として尖閣諸島周辺を中国公船、時には明らかに武装した船が侵入し、70日連続、100日連続と「当たり前」のようになってくれば、この先どういうことが起こるかは容易に想像出来る訳であり、こういったことこそもっと報道で取り上げ、国民の皆さんに危機感として知っていただく必要があるのではと強く思う次第であります。
 
奇しくも本日23日は、戦後75年の慰霊の日を迎え、最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園では「沖縄全戦没者追悼式」が営まれます。
 
追悼式は、新型コロナウイルス感染防止のため規模を縮小しての開催となるようでありますが、この沖縄での激戦が米国に衝撃を与え、日本への無条件降伏要求が「日本国軍隊の無条件降伏」に緩和されたのは紛れもない歴史であり事実であります。
 
今一度、沖縄戦において失われた18万8千人もの尊い犠牲の上に今の日本の平和があることを認識し、哀悼の意を捧げる日にしたいと思います。
 
同時に、今日は現在の日米安全保障条約の発効60年にもあたります。
 
長く米軍基地の負担を続けてきた沖縄に感謝するとともに、沖縄の島であり我が国の領土である尖閣諸島を中国が虎視淡々と狙っているという危機に対し、日米同盟により抑止力を整え、どう守っていくのか。
 
これは沖縄であった歴史を繰り返さないための方策である訳ですが、同盟の傘にあっても、その礎としてなくてはならないのは、日本国民の「自分の国は自分たちで守る」との覚悟と毅然とした態度であると考えます。
 
やや息苦しい投稿となりましたが、今日重なる二つの出来事を捉え、私の思いを書かせていただきました。
 
皆さんにおかれてもご一考いただく機会になれば幸いに存じます。

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