2024年8月31日
ブログ 敦賀市議会
台風10号の名前「サンサン」は、少女の名前が由来とのこと。
元々速度が遅い台風でしたが、東西の高気圧に挟まれ、偏西風にもうまく乗れず停滞している姿に少女のイメージを重ねると、「早く逃してあげたい」との心境になるもの。
もちろん、各地に大きな被害をもたらすことなくとの思いを込めてでありますが、台風情報を睨みヤキモキしているのがここ敦賀。
敦賀の夏の風物詩、8月16日の「とうろう流しと大花火大会」と同じく、秋の訪れを告げる行事といえば「敦賀まつり」。
氣比神宮の例大祭に合わせて開かれるこのお祭りの日程が、今年は9月1日(日)~4日(水)(例年は9月2日〜4日)とあって、とっくに通過していたはずの台風が停滞していることに「ヤキモキ」している訳ですが、北陸新幹線の開業を迎えて初の開催となるほか、伝統の山車巡行や神輿渡御、カーニバル大行進や約3000人が参加する民謡踊りなど、市民総ぐるみの「敦賀まつり」への影響が最小限となるよう祈るところです。
さて、こうして募る心配と同時に、台風襲来への警戒を維持するところ、昨日敦賀市議会は、9月6日(金)から始まる令和6年第3回(9月)定例会を前に議会運営委員会を開催。
会期日程や市長提出議案、その他議会運営に関わる事項について確認、協議しました。
条例改正案や補正予算案などの議案に加え、9月定例会では前年度決算審査を行うため、配布された議案もボリューム満載となっておりますが、決算に関しては「数字から成果を読み取る」との教えのもと、審査の準備に入りたいと思います。
【9月定例会の会期日程。34日間の長丁場となります。】
また、同委員会では、議会改革の一環としてワーキングで検討を進めてきた「タブレット導入」、「委員会のインターネット配信」について中間及び最終報告がされました。
議会活動全体の効率化やペーパーレス化などを目的とするタブレット導入については、今年度予算にも計上をした上で、本年12月定例会から試験運用を予定(同時期に、理事者側も議場にパソコン持込みを予定)。
インターネット配信については、まず「予算決算常任委員会(全体会)」をライブ、録画配信することで決定をし、放送機材など放映に向けた準備を進めるとの報告がありました。
とりわけ、委員会のインターネット配信に関しては、自身が広報広聴委員長時代に同委員会での協議を経て、議会運営委員会に検討依頼をしたものであることもあり、ひとつ実現に向かうことを嬉しく思うとともに、「委員会中心主義」とする敦賀市議会において、委員会での議論を多くの市民の皆様にご覧いただける環境をつくることで、議会や政治に対するご理解につながることを期待する次第です。
この他にも、議員公開情報の見直しや、政務活動費等のホームページ公開などについても確認をしましたので、また今後ご覧いただければ幸いです。
このように、敦賀市議会では一歩づつではありますが議会改革を進めるとともに、市民の皆様にとって、透明でより分かりやすい議会に向けて取り組んでいますので、その点に関しても注視いただいた上で、引き続きご意見など賜ればと存じます。
2024年8月30日
ブログ 働く仲間とともに
台風10号に伴う大雨が続き、雨量の規制値を下回る見通しが立たないとして、JR東海は昨日、東海道新幹線の29日の運転を全線で取り止めると発表。
また、本日30日始発から三島-名古屋間で終日計画運休することも発表しています。
こうした状況となれば、選択肢は北陸新幹線。
X(旧Twitter)を見ると、「東京方面からの迂回客が北陸新幹線に殺到し、敦賀駅の切符売り場に長蛇の列。このままじゃ最終のサンダーバードに乗り継げないから、特急券なしでそのまま乗れと。こういうときのJR西日本の対応しびれる。」とのポスト(投稿)がありました。
それ以外にも、乗換改札を開放する様子もポストされるなど、臨機応変に、混雑する乗客をいかにスムーズ且つ安全に移動いただくかに尽くす、JR西日本の皆さんの姿が目に浮かぶ次第ですが、こうしたことも想定し、東京駅と並び整備新幹線最多の「19」もの改札がある意味に納得するとともに、さらに言えば、敦賀以西を小浜・京都ルートで1日も早くつなぐことの重要性、必要性を強く感じるところです。
国土交通省においては、北陸新幹線(敦賀・新大阪間)各駅の詳細位置を発表することと合わせ、新規着工に要する経費について、令和7年度事項要求を行うとしていますが、敦賀以西の嶺南各市町がより連携をし、早期着工、早期開業を後押しできればと考えます。
さて、私のほうは先週より、定例会ごとに実施している職場での活動報告会を継続。
昨日は、ちょうど良いタイミングで敦賀発電所にて開催ということで、市政のトピックスや自身の活動紹介に加え、本格的な論議が展開されている「第7次エネルギー基本計画」見直しの現状、そして28日に原子力規制委員会にて審査書案が了承された敦賀発電所2号機(以下、敦賀2号)審査に対する私の思い、日本の原子力規制における課題等についてお伝えしました。
【お昼休みに関わらず、多くの方に集まっていただいた昨日の報告会】
お話しした内容は、先般発行した「やまたけNEWS(第21号)」に沿った項目ですが、より具体的な図や写真、審査に関しては、発言された生の言葉などもスライドに盛り込み、思いの丈をお話しした次第です。
お聞きいただいた方には暑苦しく感じたかもしれませんが、私にとって、活動報告会の場は「熱伝導」の場でもあり、その熱量を感じていただけたのであれば幸いです。
先に「ちょうど良いタイミングで」と書きましたが、その意味は、敦賀2号審査書案が了承された直後に、こうして当該職場の皆さんと顔を突き合わせてお話しすることができたこと。
審査はこの後のパブリックコメントを踏まえ、最終決定の運びとなりますが、結果はどうあれ、日本原電としては追加調査のうえ再申請することを明言している訳であり、今後も引き続き、敦賀2号は、わが国のエネルギー安全保障の一翼を担うとの誇りをもって稼働をめざす。
そうした揺るぎなき信念を共有する場となったのであれば、これも幸いに存じます。
電力関連産業はもとより、冒頭述べたJR各社の皆さんなどインフラ産業をはじめ、各産業や行政の方々にあるのは「信念と誇り」。
「もうそんな考え古い」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、献身的に業務遂行されているご尽力があって、昔も今も日本は成り立っている。
当たり前のことではありますが、そうしたことへの敬意と感謝を忘るることなく、今なお職場で汗して、真面目に働く方々の姿を思い浮かべ、本日も活動にあたる所存です。
2024年8月28日
ブログ 政治
昨日の定時後は、敦賀まつりに向けた練習のはしご。
18時からは、9月1日(月)に行われる「カーニバル」に出場する日本原電チームの「ひょっとこ踊り」の練習へ。
その後は、お祭りのフィナーレを飾る9月4日(水)の「民謡踊りの夕べ」に町内の一員として参加するため、ひばりケ丘町会館での練習へと、会社、町内の皆さんと心地良い汗をかいたところです。
この時期はこうして市内の各地で、企業や団体、地域、行政がそれぞれ準備を進めており、まち全体に「敦賀まつり」のムードが高まるもの。
心配なのは台風10号ですが、何とか全工程が無事に開催できることを願う次第です。
さて、お祭りは古より、地域コミュニティの最たるものと言われますが、議員の活動として大事な最たるものは、市民の皆さん(有権者か否かを問わない)とのコミュニケーション。
それは、議員の役割のひとつが「意見集約機能」であることが根幹にありますが、自身も街頭での活動や地域・職域での活動報告会など「直接的」なもの、日々のブログやSNS、先般発行した「やまたけNEWS」など「間接的」なものと、自分なりの方法でいかにコミュニケーションを図るかを念頭に活動を続けているところ。
そうしたなか、一昨日帰宅すると大変嬉しきお便りが。
差出人名はなかったものの、封筒を開封すると、ご丁寧な文章で、いつも私のブログをご覧いただいている敦賀市民であることを名乗られた上で、敦賀発電所2号機の審査に関することとして、原子力規制委員会は公平中立的な組織でないと酷評している、櫻井よしこさんの「言論テレビ」(YouTube)のご紹介や、市議会議員たるもの、市が共催する行事(特に観光施策に関わるもの)には現地で生の雰囲気を感じ取り、改善点などを検討すべきとのご意見。
続けて、私のブログに対する評価(純正統派ブログと仰っていただきました)があった上で、過去のブログにおける誤植までご指摘いただきました。
言わば、あたたかい「叱咤激励」と大変嬉しく受け取ったところであり、思わず3回も読み返した次第です。
直接お礼をお伝えできないのが残念でなりませんが、おそらく、このブログもご覧いただけていると思いますので、以降はお手紙をくださった方へのお返事とさせていただきます。
<お手紙をくださった方へ>
まず、敦賀発電所2号機審査の再稼働に向けたご支援の声、誠にありがとうございます。
ご紹介いただいた櫻井よしこさんの「言論テレビ」は既に視聴済みでしたが、貴殿のご意向も踏まえ、広く周知がされるよう、このブログを含め、自身の各種SNSでも発信してまいります。
(早速ですが、皆様におかれましてもぜひ、以下リンクよりご覧ください!)
→YouTube【櫻井よしこ特別版!】原子力規制委5人の「大暴走」 敦賀2「岩盤動かず」、不合格に根拠なし
次に、議員は現地に足を運べのご意見はごもっとも。
私も心掛けて行動していますが、今後はより徹底してまいります。
最後にありました、ブログへの高い評価のお言葉、本当に嬉しく思います。
もっとコンパクトにわかりやすくを改善点に挙げ、今後も継続は力なりと思い発信してまいります。
なお、ご指摘いただきました、8月12日付けブログの誤植は既に訂正しておりますので、またご確認ください。
お手紙の結びには「ご自愛を!」との言葉がありました。
貴殿におかれましても、残暑厳しい折、体調管理にはご留意され、健やかにお過ごしくださいませ。
機会がございましたら、先般配布の「やまたけNEWS」に携帯番号を記載しておりますので、直接お話しできれば幸いに存じます。
励みになるお手紙をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。
<以上>
ブログの結びに。
頂戴した封筒に貼られていた切手は何と「甲子園球場」。
単に「夏だから」ではない意味が込められているとするならば、それは「夢を持って、全力で活動せよ!」とのエールではと受け取った次第。
たったお一人かもしれませんが、こうしてお気持ちを届けていただけるのは大きな力になるもの。
政治は「信なくば立たず」。
こうした皆様のご期待に添えるよう、今後も精一杯尽力してまいります。
【甲子園球場の切手が貼られた封筒。思いの込められたお手紙に心より感謝申し上げます。※一部、文面掲載しましたことご容赦ください】
2024年8月27日
ブログ 敦賀市議会
敦賀市内の小中学校は、昨日から1学期後半がスタート。
週初めの街頭活動でいつもの粟野交番前に立つと、母校粟野中学校へと、楽しそうに向かう生徒たちの姿に元気をもらいました。
なお、既に強い風が吹き始めていますが、街頭演説では、強い勢力のまま「台風10号」が襲来する今週、決して「自分たちは大丈夫」と思わず、備え、行動していきましょうと呼び掛けました。
さて、昨日はその後、「新清掃センター整備・運営事業建設工事起工式」に出席。
現在の清掃センターは、平成4年度に供用開始してから32年が経過し、延命化を図りながら稼動しているものの、進む老朽化を前に、敦賀市と美浜町にて共同で新清掃センターを整備することとしており、既に設計施工、運営会社との契約を終え、設計が進められていたところ。
新清掃センターの建設地は、現清掃センターの隣接地(真下)で、事業方式を「DBO方式」とするもの。
「DBO方式」とは、Design:設計、Build:施工、Operate:運営を一括して発注する方式のことで(それぞれの頭文字を取って称す)、新清掃センターにおいては、設計・施工期間を令和4年10月6日から令和9年2月28日、運営業務委託期間を令和9年3月1日から令和29年3月31日の20年間に設定し、長期的な運営を担っていただく形としています。
96t/日(48t/24h×2炉)の全連続燃焼式ストーカー炉を有する「焼却施設」、14t/5h(飲食用缶ごみ:2t/5h、ペットボトル:2t/5h、粗大ごみ:10t/5h)の「リサイクル施設」を備えたセンターはさらに、発生熱源を利用して発電も行う環境性能の高い設備となっており、そういった面からも役割を果たすものととして期待がされるもの。
【「新清掃センター」のイメージ図(式典で配布されたパンフレットにて)】
建設予定地で行われた起工式では、事業主体である敦賀市からは米澤市長、美浜町からは戸嶋町長をはじめ、両市町行政関係者、両議会の方々。
事業者側からは、設計・施工監理を担う株式会社エイト日本技術開発様、設計・施工を担当するエヌエヌ環境・日立造船・飛島特定建設工事共同事業体の皆様が出席をし、神事から式まで滞りなく執り行われました。
米澤市長からのご挨拶では、新センターへの期待とともに、安全に工事を遂行いただきたいとの言葉があったほか、続く特定建設工事共同事業体代表からは、今後、土木建築工事、機械設備工事、試運転と工程を進めるにあたり、地元のご理解を得ながら着実に進めていくと力強い決意がありました。
【ご挨拶される米澤市長】
私も市長と同じ思いでご挨拶を聞いていましたが、何をおいても安全第一での建設工事完遂と、その後20年間に亘り、敦賀市・美浜町双方にとって最大限のメリットを発揮するような運営業務を行なっていただくことを切に願う次第です。
供用開始は、令和9年3月1日を予定。
実は清掃センター周りは、隠れた桜の名所。
この桜が、供用開始の門出に花を咲かせてくれるシーンを楽しみに、今後は工事の進捗を見守りたいと思います。
【清掃センター周りに咲く桜(2021年3月31日撮影)。名所もしっかり保存いただけるようで安堵。】
2024年8月26日
ブログ 人生観
昨夜参列したお通夜。
悲しみに打ちひしがれるご家族を前にお慰めする言葉すら見つからず、ただお辞儀をするしかありませんでした。
参列された多くの方も同じ心境ではなかったかと思います。
突然の訃報に触れ、本当に残念でなりませんでしたが、ただただ若くして逝った故人のご冥福を心からお祈りいたします。
皆様もそうであるよう、私自身もこれまで、親族や身近な人の死に直面し、その際、人の生死について考える場面が多々ありました。
その際出会ったのが、詩人・谷川俊太郎さんが代表作のひとつ「生きる」(絵本)について語った言葉。
そこには、
ウォーコップというイギリスの哲学者は、生きることを「生きる挙動:living behaviour」と「死を回避する挙動:death-avoiding behaviour」の二つに分けています。僕には、現代人の行動のほとんどは死を回避する挙動ばかりに見える。「生きる挙動」というのは内部からわいてくるエネルギーみたいなもので、こっちのほうが大事だと思う。この絵本は、死を回避するほうではなくて、生きる挙動について書いている。
人間にとっては生活よりも生きることの方が大事です。生活するということは、どうしても社会との関係で、給料をもらったりとか、人とつきあったりすることが必要でしょう? 生きるというのは、人間も哺乳類の一つとして、命をもった存在として、宇宙の中で生きるということ。自分が宇宙の中の存在であると同時に、人間社会の中の存在であるという二重性がある。詩を書くときはその両方をちゃんと持っていなきゃいけない。
との「生きる」ということへの思いが込められていました。
お見送りする命を思うたび、「生きる挙動」の意味合い、「生かされている」ことの尊厳を深く考える次第です。
今日は、気持ち的にもこれ以上書くことはやめます。
故人が安らかに眠られることを心から願い、合掌。
【やることは、自分は何のために生きるのかを考え、一日一日を精一杯生きるのみ】
2024年8月25日
エネルギー ブログ 原子力
先ほどの【お知らせ】投稿にて「やまたけNEWS(第21号)」のご紹介をいたしました。
「思いと考えは自分の声と足で届ける」をモットーに、一昨日の晩と昨日午前中で町内全戸にはポスティングしましたが、今回のNEWSは敦賀市議会で「エネルギー基本計画見直し」に対して意見書を提出したことや、敦賀発電所2号機の審査の件もありエネルギーのことを中心に記載しています。
本日の朝刊に新聞折込みもいたしましたが、一人でも多くの方に伝われば何よりです。
さて、NEWSの最後にある「ちょっとひとこと」を書くにあたり、日本社会党機関誌編集局長を経て衆議院議員を6期お務めになられた後藤茂氏の著書『憂国の原子力誕生秘話』を手にしたところ。
タイトルの通り、この著書は、戦後日本において、原子力を研究、開発利用した当時の状況が克明に記録されていることに加え、中曽根康弘元総理大臣など、原子力黎明期に活躍された方々の国家観ある壮大且つ強い思いが紹介されており、これまで何度も読み返しているもの。
「ちょっとひとこと」にも記載したよう、世界唯一の戦争被爆国が原子力を選択した理由がまさにここに記載されている訳ですが、著書には「無資源国の日本が資源を止められたことが無謀な戦争の一因になったことを、当時はどの人も深刻に受け止めていた」、「エネルギーは国家百年の計だという考えが、自民党、社会党を問わず、政治家の頭にあった」とあり、自国のエネルギーを確保するかが国家の行方を左右するとの考えが根底にあることを改めて強く認識する次第です。
【私にとってバイブル的存在の『憂国の原子力誕生秘話』。原子力黎明期の歴史を読み返すたびに力が湧きます。】
著書の中で、昭和24(1949)年12月に、国連総会でソ連を含め満場一致で決定され開催された「原子力平和利用国際会議」の様子が記されており、それまでベールに包まれていた原子力の情報が平和利用のために公開されるとあって、72カ国の政府代表や約3,000人もの科学者が参加したとありました。
これに日本からは、中曽根康弘、松前重義、前田正男、志村茂治の4人の衆議院議員が参加しており、当時を振り返り中曽根氏は、「我々の時代は戦争を経験している。原子力平和利用国際会議への出席は、まるで出征兵士の意気込みで臨んだ。(米ソ)冷戦下でこれから日本がどう生きていくのか、”国の形”を真剣に考えていた」と語っています。
みな戦争経験者であり、だからこそ、原子力を平和利用することによって、新しい「国」を創る。念頭には「国」しかなかった。不退転の覚悟で進めようと、心に深く誓ったのである。
ジュネーブ国際会議場は、その格好の舞台だったのだ。国際会議という大舞台で、しかも慌ただしい日程を精力的にこなしながら、国土を荒廃させ、原爆の洗礼を受けてしまった祖国を思い、原子力によって復興させると、心昂らせたのであった。
と文章は続きます。
様々な過程、議論を経つつ、日本の原子力利用は昭和30(1955)年の「原子力基本法」制定を根拠に始まります。
ここで、先の国際会議にも参加し、本法案の提出者ともなった中曽根康弘氏の提案理由説明でまず、「本原子力基本法案は自由民主党並びに日本社会党の共同提案になるものでありまして、両党の議員の共同作業によって、全議員の名前をもって国民の前に提出した次第であります。」との言葉ではじまり、基本法を議員立法とした熱い思いが、委員会室に伝わったとありましたが、中曽根氏が続けて述べた提案理由にすべてが包括していると思うことから、以下引用いたします(一部、中略)。
(前略)そこで、日本に原子力国策を確立する場合において、いかなる点を考慮すべきかといいますと、われわれの考えでは、まず国策の基本を確立するということが第一であります。日本には有能なる科学者があり、技術者があり、技術陣があります。しかし、国策が確立されておらないようでは、有能なる学者はここに集まってきません。そこで、機構的にも予算的にも、国家が、不動の態勢をもって、全国民協力のもとに、この政策を長期的に進めるという態勢を整えることが第一であります。これによって有能なる学者をこの方向に指向させることができるのであります。
第二点は、超党派性をもってこの政策を運用して、政争の圏外に置くということであります。国民の相当数が、日本の原子力政策の推進を冷やかな目で見るということは悲しむべきことであり、絶対避けなければならないのであります。全国民が協力するもとに、超党派的にこの政策を進めるということが、日本の場合は特に重要であるのであります。
第三点は、長期的計画性をもって、しかも日本の個性を生かしたやり方という考え方であります。原子力の問題は、各国においては、三十年計画、五十年計画をもって進めるのでありまして、わが国におきましても、三十年計画、五十年計画程度の雄大なる構想を必要といたします。それと同時に、資源が貧弱で資本力のない日本の国情に適当するような方途を講ずることが必要であります。
第四点は、原子力の一番中心の問題は金でもなければ機構でもない。一番中心の問題は、日本に存在する非常に有能なる学者に心から協力してもらうという態勢を作ることであります。具体的に申し上げれば、湯川博士や朝永博士以下、日本の学界には三十前後の非常に優秀なる世界的なる学者が存在いたします。これらの有能なる学者が、国家のために心から研究に精を出してもらうという環境を作ることが、政治家の一番重要なことであります。
そのようなことは、学者の意見を十分取り入れて、この原子力の研究というものが、日本の一部のために行われておらない、一政党の手先でもなければ、財界の手先でもない、全日本国民の運命を開拓するために国民的スケールにおいてこれが行われておるという態勢を作ることが一番大事な点であります。このような点にわれわれは機構その他についても十分配慮した次第であります。
第五点は、国際性を豊かに盛るということであります。原子力の研究は、各国におきましてはみな国際的な協力のもとに行われております。
第六点は、日本の原子力の問題というものは、広島、長崎の悲劇から出発いたしました。従って、日本国民の間には、この悲しむべき原因から発しまして、原子力に対する非常なる疑いを持っておるのであります。このような国民の誤解を、われわれはしんぼう強く解くという努力をする必要があると思うのであります。広島、長崎の経験から発した国民が、原子力の平和利用や外国のいろいろな申し出に対して疑問を持つのは当然であります。従って、政治家としては、これらの疑問をあくまで克明に解いて、ただすべきものはただして、全国民の心からなる協力を得るという態勢が必要であります。
この基本法案を総合的基本法としました理由は、日本の原子力政策の全般的な見通しを国民の各位に与えて、燃料の問題にしても、放射線の防止にしても、原子炉の管理にしても、危険がないように安心を与えるという考慮が第一にあったのであります。日本の原子力政策のホール・ピクチャーを国民に示して、それによって十分なる理解を得るというのが第一の念願でありました。
日本の現在の国際的地位は戦争に負けて以来非常に低いのでありますが、しかし、科挙技術の部面は、中立性を保っておりますから、そう外国との間に摩擦が起ることはありません。われわれが国際的地位を回復し、日本の科学技術の水準を上げるということは、原子力や科学によって可能であると思うのであります。(中略)原子力の熱を完全にとらえて原子炉文明というものが出てくれば、一億の人口を養うことば必ずしも不可能ではない、そのようにわれわれは考えます。
この演説はまさに、半世紀を経た現在にも通ずるもの。
著書には、「無資源国の日本が資源を止められたことが無謀な戦争の一因になったことを、当時はどの人も深刻に受け止めていた」、「エネルギーは国家百年の計だという考えが、自民党、社会党を問わず、政治家の頭にあった」ことを紹介しました。
国際会議に参加した中曽根氏の「(米ソ)冷戦下でこれから日本がどう生きていくのか、”国の形”を真剣に考えていた」との考えは、今に置き換えれば、ロシアのウクライナ侵略以降、世界は熾烈な「エネルギー資源獲得競争」を続けており、緊迫する国際情勢の中で「日本はどう生きていくのか」。
かのマリー・キューリー夫人の研究所で助手を務めたフランス原子力界のバートランド・ゴールドシュミット博士はこう言っています。
「エネルギーがないことほど危険なことはない。われわれは原子力を推進せねばならないが、一層強く核不拡散と事故のリスクを最小にすることに配慮しなければならない。これは原子力の壮大なストーリーが継続する中で、到達した確信である。」
答えはここにありと思う次第。
やまたけNEWSの「ちょっとひとこと」には、このような歴史背景と高まる危機感を踏まえ、思いを込めて書き上げました。
補足する本日のブログもお読みいただき、私の考えが少しでも伝われば幸いです。
2024年8月25日
ブログ 活動報告
定例会ごとに発行しております「やまたけNEWS」も21号となりました。
敦賀市内は、本日の朝刊に新聞折込みしていますのでご覧ください。
市外にお住まいの方におかれましては、ホームページ(トップ画面の最下欄)にPDF版を掲載していますので、そちらにてご覧いただければ幸いです。
→「やまたけNEWS(第21号)」はこちらから
なお、ご質問やご意見がございましたら、NEWSに記載の連絡先から是非お気軽に連絡ください。
【暑い中にもやや風が感じられた昨日は、町内全戸にポスティング。思いと考えが一人でも多くの方に届けばと。】
2024年8月24日
ブログ 働く仲間とともに
言っても仕方ないことは言わないよう心掛けているものの、思わず口に出てしまうのは「暑い…」。
敦賀は、一昨日の最高気温37.5℃に続き、昨日は37.4℃で体温並み。
何とも言えぬ湿気と相まって、たまらぬ暑さとなっている一方、来週は台風10号が直撃の予報となっており、熱中症にも台風にも警戒を強めるところです。
こうして猛暑がぶり返す「残暑」のなか、昨日は夏の甲子園大会の決勝戦が行われ、京都国際高校が延長タイブレークを制し、京都勢では68年ぶり5度目の全国制覇を果たしましたが、これと並行して敦賀市総合運動公園野球場で行われたのが全国中学校体育大会(全中)の「第46回全国中学校軟式野球大会」の決勝戦。
観戦できなかったのが残念でしたが、こちらも甲子園に劣らぬ大接戦だったようで、激闘の末、佐久長聖中(長野)を1-0で制したのは高知中学校。
優勝を決めた高知中ナインの皆さん、誠におめでとうございます。
また、出場された全チームの皆さんに保護者の方々、大会関係者の皆様、猛暑のなか大変お疲れ様でした。
これから高校野球に進むであろう球児たちが、ここ「球都つるが」で、仲間と中学野球最後のプレーをしていただけたことを嬉しく思う次第です。
さて、私のほうは昨日、「第34回 北陸電力労働組合敦賀分会定時大会」にお招きいただきご挨拶の機会を頂戴。
会場の北陸電力敦賀発電所内のホールで開催された大会では、分会委員長のご挨拶に続き、私から敦賀分会の皆様に対し、令和6年能登半島地震発生後の献身的な電力・通信設備の復旧対応をはじめ、夏季電力需要ピークを前に、地震で大きな被害を受けた七尾太田火力1・2号機(計120万kw)の起動を間に合わせていただいたこと、そして地元の敦賀火力発電所1・2号機の安定運転(同じく120万kw)により支えていただいていること等々への感謝を申し上げました。
【大会でのご挨拶の様子】
現場で汗して働く皆さんを前に、日頃の私への活動へのご支援も含め、感謝の言葉ばかりとなりましたが、現在議論が本格化している「エネルギー基本計画」見直しにおいて、原子力発電のみならず、今の日本の主力電源として電力需給を支える火力発電の必要性が明確に示されるとともに、自身も声を挙げていくことをお約束した次第です。
今の電力需給を見るに、昨日の北陸エリアでんき予報(北陸電力送配電HP)では、使用率ピーク時の使用率は94%となっており、決して余裕があるとは言えないところ。
この猛暑、残暑とあれば尚のこと、北陸管内において安心して暮らせるのは電気の安定供給あってこそであり、改めて心から感謝と敬意を表した次第です。
日頃より連携をいただいている北陸電力労働組合の皆さまには、何を置いても安全第一での業務遂行をお願いするとともに、電力の安定供給は「国民生活の血液」であるとの思いを共有のうえ、今後さらなる連携をお願いいたします。
【フルパワーで安定運転を続ける敦賀火力発電所。今後もよろしくお願いいたします(写真は2023年3月に撮影したもの)。】
2024年8月23日
ブログ 原子力
以前に私も国土交通省近畿地方整備局にお伺いし、国道8号バイパスや敦賀第2環状道路整備などに関し、期成同盟会の一員として要望する役割をいただいたところですが、国や県が次年度予算編成時期に入る前のこの時期は、様々な形で要望活動が行われるところ。
そうしたなか、敦賀市のホームページを拝見すると、本市のさらなる発展に欠かせない重要な事業について、福井県に対して支援・協力を求めるため、22項目の要望(下記資料「要望項目一覧」参照)を22日に実施したとありました。
→(敦賀市HP)県への重要要望・要望項目一覧はこちら
要望は、「重点」と「重要」に分類され、この中でも特に県の協力を求める以下3項目については、知事への要望を実施しています。
<県知事に要望した事項>
1 福井県・原子力発電所の立地地域の将来像の実現について
2 北陸新幹線開業効果の最大化及び持続的な賑わいの創出について
3 敦賀第2環状道路の整備促進について
トップに挙げる項目だけに、今後の敦賀にとって、いずれも重要な視点であることに異論なきところ。
なお、上記リンクから要望項目を見るに、重点要望に掲げる10項目には、産業団地の整備促進及び企業誘致や笙の川水系・井の口川水系の整備促進、医師の確保及び嶺南地域の医療への財政支援についても挙げられており、いずれも産業振興、防災、地域医療の観点から、とりわけ後段2項目は「住民の命を守る」ことに直結することだけに、県にはより一層力を入れていただけるよう、私も求める次第です。
また、10項目のうち、3項目は「原子力関連」。
知事要望以外で「原子力政策と原子力発電所立地地域の安全確保について」、「原子力災害における防災体制の確立について」が挙げられていました。
やはり敦賀が、原子力との関わりが深いことを表すものと受け止めた訳ですが、これに関しては、市から県、県から国へと力強く要望されることを願うところ。
原子力関連では、敦賀市議会の6月定例会において、現在見直し論議が本格化している「エネルギー基本計画」に対し、「ベースロード電源としての原子力発電の長期的な必要容量と時間軸を明記すること」などを求める意見書を可決し、既に国会及び関係省庁に提出したところですが、こうした議会からの求めを含め、「責任をもって進める」としている国が、より具体的な政策を示すべきと考える次第であり、併せて申し上げれば、国益を失する原因となっている、既設原子力発電所の長期停止(再稼働が進まないこと)や、設置から10年以上を経過した原子力規制委員会のあり方などについても見直していくべきと考える次第です。
要望事項の話しから少し逸れるものの、こうした考えを、今週日曜日(8/25)に新聞折込み予定の「やまたけNEWS(第21号)」に記載しています。
敦賀市から県に要望した内容と合わせ、私が求めることについてもお読みいただき、皆様におかれてもご一考いただければ幸いに存じます。
【「やまたけNEWS(第21号)」のタイトル&挿絵の抜粋。内容は乞うご期待ください。】
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