敦賀気比高校が甲子園出場を決める

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「茹(う)だるような」とは暑さを形容する表現で、あまりの暑さに頭が茹で上がるような感じのするさまを意味しますが、まさに昨日はこの言葉がぴったりの暑さ。
 
最高気温は35.5℃と猛暑日となったことに加え、とにかく湿気が高く、外に出ると息苦しいほどでした。
 
本日はさらに36℃の予報となっていますので、特に高齢の方は、我慢せず冷房をつけるなど、屋内でも油断することなく、熱中症予防に努めていただけますようお願いいたします。
 
さて、同じ漢字でもこの時期「熱い」のは高校野球。
 
今年は、野球が日本に伝わってからちょうど150年を迎えるという節目の年だそうですが、104回目となるのが夏の全国高校野球選手権大会。
 
全国各地では甲子園切符を懸けた戦いが繰り広げられているところ、福井県では決勝戦が行われ、敦賀気比が8―4で北陸を下し11度目の優勝を果たしました。
 
敦賀気比は、新型コロナウイルスの感染拡大で中止となった第102回大会(2020年)を挟み、4大会連続11度目の出場となります。
 

【甲子園出場を決め喜ぶ敦賀気比高の選手たち(福井新聞号外より)】
 
早速、敦賀市では、敦賀気比高校の全国大会出場に伴う激励のため、28日付けで激励費(スポーツ振興課)300万円の専決処分を行う旨、議員宛に連絡があったところですが、やはり地元からの甲子園出場は何とも嬉しいもの。
 
8月6日に開幕する甲子園大会では、最早お馴染みとなったグレーに縦縞のユニフォームが躍動する姿を楽しみに、応援したいと思います。
 
なお、敦賀は、木更津、桐生、松山と並ぶ、全国で4つの「球都」(野球の盛んなまちを意味する)。
 
北陸では無敵と呼ばれた敦賀商業から続く、「野球のまち敦賀」の名を大いに轟かせてきて欲しいとも思う次第です。
 
一方、心配なのが感染急拡大する新型コロナ。
 
これに関しては気比高校に関わらず、各チームの出場に影響がないこと、さらには無観客での大会開催などといった判断とならないよう願うばかりです。

春を呼ぶ選抜高校野球!福井県からは2校が出場!

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コロナ禍ではありますが、感染対策を講じながら開催している各職場での活動報告会。
 
お昼休みの時間帯での開催であり、ちょうどその時間帯に届く、福井新聞ニュースの速報メールを見ると昨日のコロナ新規感染者数は過去最多となる213人との発表。
 
後で市町村ごとの人数を確認すると、最多は福井市で61人、敦賀市は13人で3番目に多い人数とのこと。
 
報告会の中では、こうした速報もお伝えしつつ、以前から注視している実効再生産数の推移なども紹介し、とにかく冷静に基本対策の徹底を呼び掛けさせていただきました。
 
各職場の皆さんは、私が言うまでもないほど感染対策の意識が高い訳ですが、来週以降も開催する報告会においては、引き続きこうして数字から読み取れることなども共有のうえ、「ともに乗り越える」との思いも呼び掛けていきたいと思います。
 
さて、ここ最近の状況から、どうしてもコロナの話題が多くなっている点についてはご容赦いただき、今日は明るい話題。
 
北陸人にとって「春」は待ち侘びるものですが、一足早く、その「春」を訪れさせてくれたのは高校野球。
 
昨日、第94回選抜高校野球大会の出場32校を決める選考委員会が開かれ、地元敦賀市からは敦賀気比高校が北信越地区代表に選ばれました。
 
敦賀気比はエースで4番で主将の上加世田選手が大黒柱で、福井県秋季大会では3位に留まったものの、その後出場した北信越地区大会では北陸3県の各優勝校である富山第一(富山)、北越(新潟)、星稜(石川)を破り見事優勝を果たしており、その際、既に選抜切符は手中に納めたも同然でしたが、こうして出場が確定した喜びは、選手を始め関係者の皆さんによってひとしおのことかと。
 
これで春は2年連続9度目、春夏通じて19度目の甲子園出場となりますが、地元を代表しての出場をともに喜びたいと思います。
 

【選抜甲子園出場を決めた敦賀気比高ナイン(北信越地区大会優勝後の写真:福井新聞記事より引用)】
 
そして何と、福井県からはもう1校、丹生(にゅう)高校が21世紀枠で選出。
 
県勢の21世紀枠での出場は初めてで、丹生高校にとっては春夏通じて初の甲子園出場ということで、こちらはこちらで格別の喜びに満ち溢れたことと思うところです。
 
この丹生高校が選出された理由を見ると、昨秋の福井県大会3位決定戦で敦賀気比に善戦、越前町内唯一の高校で、野球部の活躍が町民の大きな関心となっている点などが評価されたとのこと。
 
北信越地区の候補校に選ばれ、全国9校の中からさらに出場枠3校に選ばれたことを、私自身、敦賀気比の出場とともに大いに喜んだ次第です。
 
この21世紀枠に関しては、一昨年の1月25日、長男が所属する敦賀高校が、まさに今回の丹生高校と同様、全国9枠まで進みながらの落選で、同校にとって59年ぶりの選抜出場を逃したことを思い出す訳ですが、あの時の落胆を思えば、同じ県立高校である丹生高校がその思いを叶えてくれたようにも感じたのは、私だけではないと思うところです。
 
 →→→2年前のブログ(敦賀高校が選抜出場を逃した際の心境です)
 
コロナ禍でのこの吉報はまさに、地域の皆さんにとって「春」を感じさせるもの。
 
雪解けの頃、福井県から出場するこの2校が甲子園の舞台で、より大きな花を咲かせてくれることを期待し、切に願う次第です。

敦賀気比、3季連続で北信越大会を制す

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見事な秋晴れとなった昨日は、スポーツに絶好の日和ということで、屋外で過ごされた方も多かったのではと思います。
 
私のほうは、母体の日本原電労働組合敦賀分会で以前から計画をしていたソフトボール大会に参加。
 
開会式では一言ご挨拶をさせていただいた後、一緒にプレーもさせていただきました。
 
コロナ禍での開催につき、ベンチ内での手指消毒や試合中もマスク着用、大声を出さないなどの感染対策を徹底しながらではありましたが、約70名が集っての大会は、珍プレー好プレー続出、各職場の皆さんの笑顔が満載のひと時となりました。
 
集合型の行事を開催するのも久しぶりであった訳ですが、こうして若い方からベテランまでが和気藹々、仕事と違う場でコミュニケーションを図る場があるというのはやはり大事なこと。
 
今後も趣向を凝らしながら、職場の活性化や組織力向上につながる取り組みを続けていただきたいと思うところです。
 
さて、野球続きというには次元の違う話しですが、昨日は敦賀にとって明るいニュースがありました。
 
長野県松本市で開催されていた第145回北信越地区高校野球大会の決勝戦が行われ、敦賀気比(福井3位)が星稜(石川1位)を6―0の完封で下し優勝を決めました。
 
敦賀気比は、これで3季連続の北信越王者に輝いたことになります。
 

【優勝を決めた敦賀気比高校(yahoo!ニュースより引用)】
 
言わずもがな、秋の北信越大会は来春の第94回選抜高校野球大会の重要な選考資料となっており、一般選考枠2チームの北信越地区においては、優勝した敦賀気比が選出されることがほぼ確実となったと言えます。
 
季節はこれから冬に向かう訳ですが、既に春の楽しみができたというのは喜ばしいこと。
 
今夏の甲子園と同様、全国に「球都敦賀」の名を轟かせてきて欲しいと期待する次第です。
 
その前に、11月20日からは、各地区大会上位校が集い開催される明治神宮大会があります。
 
この日、星稜打線を完封し、キャプテンでもある上加世田選手は「僕たちらしく、一戦必勝で頑張っていきます」と力を込めたとの。
 
選抜の前哨戦とも言えるこの神宮でも勝ち進み、長い冬に入る前の北陸に朗報が届くことになればと、重ねて期待するところです。

「有観客」は同時に「観客の高いモラル」が求められるもの

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久しぶりに雨もなく、時折晴れ間も覗いた昨日。
 
天気に加え、コロナ感染の状況も睨みながらではありますが、先週雨で順延となった町内の「総出」を行いました。
 
8時30分のサイレンを合図にと言いたいところですが、8時過ぎあたりからは各班ごとの清掃エリアにチラホラ人が集まり、流れで作業開始。
 
マスクを着用しての作業ということもあり、朝の比較的涼しい時間帯に短時間で作業を行なっていただき、ゴミステーション周りや公園、空き地などがスッキリ美しくなりました。
 
その後は、区役員も加わり、各班単位で班内の課題や区への要望事項を話し合う「班別常会」を行い、解散。
 
こうしたちょっとした集まりでの皆さんの笑顔を見るに、やはり住民同士が顔を合わせ、コミュニケーションを図る場があるというのは非常に大事なことと改めて感じました。
 
町内では、お祭りなど各種行事の中止を余儀なくされる中でありますが、屋外など感染リスクを見極めつつ行事再開の判断をしていかねばと思うところです。
 
その後は家の用事を済ませ、昨日お伝えした敦賀市総合運動公園野球場での甲子園県大会に、第2試合では敦賀工業、第3試合では敦賀高校が登場するとあって、観戦のため球場へ。
 
福井県高校野球連盟では、福井県独自の緊急事態宣言が解除された後の試合は、観戦に必要な情報の事前提出、入口ブースでの検温、消毒、出入口を一方向とするほか、もちろん観戦時は拍手のみとするなど、対策を講じたうえで「一般観客あり」での大会運営をしているところ。
 
私は敦賀工業の試合の終盤あたりからの観戦となりましたが、保護者席、一般問わず、場内の皆さんはルールを守って観戦されていました。
 
とりわけ、打席に入る際のコールに合わせた「頑張って!」の気持ちが込められた拍手には、心温まるものがあるなど、逆に大声で騒ぎ立てることなく、こうした応援スタイルというのも良いのではと思ってしまうほど。
 
試合のほうは、敦賀工業が科学技術を5-4で、敦賀高校が高志を4-3で下し、ともに初戦突破。
 
これで、シードの敦賀気比を含めた敦賀勢、さらに既に勝利している美方、若狭とともに嶺南勢はすべて2回戦進出となりました。
 

【敦賀工業に続き、勝利後の校歌を聞く敦賀高校。昨年味わえなかった光景だけに喜びもひとしおです。】
 
と言いつつ、本日からの2回戦では、敦賀気比と美方の対戦となるため、いわゆる「潰し合い」となり勿体無いのですが、とりわけ敦賀勢3校には「甲子園」に向け、快進撃を続けて欲しいと願うところです。
 
こうして、球場でミットに納まるボールの音、打球の音、そして拍手を聞きながら観戦していると、コロナ前に戻ったかのような錯覚に陥る訳ですが、先ほどの町内行事と同様、観戦状況を見極めながら、コロナ対策を講じ「有観客」とする判断は、私は妥当と考えるところです。
 
悲しいかな、昨日は球場内でただ一人、声を出している高齢の男性がいましたが、そうした一人の行動で大会全体が否定されることや「無観客」になることがあってはなりません。
 
屋外競技とはいえ、この世に「ゼロリスクはない」との認識に立てば、「有観客」は同時に「観客の高いモラル」が求められるもの。
 
本日以降も続く大会ですが、こうした認識のもと、皆がルール遵守で、大会運営に協力していくことが、コロナ禍で甲子園を懸けて戦う球児たちを応援することになると、強く思った次第です。

「球都・敦賀」にふさわしいスコアボードが完成

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「今後このスコアボードが新しくなりました総合運動公園野球場において、球都・敦賀にふさわしく、多くの熱戦が繰り広げられることを期待しております」
 
これは、昨日の福井新聞に掲載された広告「祝 敦賀市総合運動公園野球場スコアボード改修工事完成」での、渕上隆信敦賀市長あいさつの一節。
 
私も全く同じ気持ちであります。
 
ちなみに、ご存知の方には釈迦に説法となりますが、野球どころ、野球が盛んなまちを表す“球都”は、千葉県木更津市、群馬県桐生市、愛媛県松山市、そして福井県敦賀市と全国に4つしかないと言われており、ここ敦賀は、大正から昭和初期にかけて「北陸では無敵」と呼ばれた敦商(とんしょう)の活躍、そこから成る野球好きの市民性がルーツとなっています。
 
実は、私のブログのカテゴリーに「敦賀と野球」を置いているのも、自分が野球好きということに加え、そうしたルーツにつながるような出来事を書き残したいとの思いからきていることを捕捉しておきたいと思います。
 
さて、その敦賀市総合運動公園野球場の“新”スコアボードですが、改修工事が終わり、昨日の全国高校野球福井県大会にて初使用。
 
昨朝は、公式戦を前に、市教育委員会並びに工事を担当した都市整備部のご配慮により、市議会議員にお披露目会と称した説明会を開催いただきました。
 
1987年に同野球場が竣工した際に「手書き式」であったスコアボードは、その後、2001年には当時主流であった「磁気反転式」(オセロのように単色の色板を反転させる方式)に生まれ変わったものの、約20年が経過し、機器の老朽化が進んだことに加え2019年頃から不具合が発生、昨年の夏の高校野球大会前にはとうとう制御不能の状態となったもの。
 
こうした変遷を経てきたスコアボードは、改修により、今度は最新の「LED方式」に生まれ変わり、従来に比べ高輝度で優れた視認性、表示が瞬時に切り替わる応答性を有していること、UMPIREの部分には、球速や球数、メッセージなどを自由に表示することができる機能を付加するなど、選手や観客にも見やすく、分かりやすいものになったことを実物にて確認することが出来ました。
 

【この日の第1試合、勝山高校vs武生高校の試合で初使用されたスコアボード】
 
また、以前にも申し上げたことの再掲となりますが、もうひとつ、私にとってかなり嬉しくも感激したことは、当初8月末としていた工期を「何とか夏の高校野球県大会までに間に合わせる」との思いを持って、敦賀市、受注者である酒井電機株式会社、機器製造にあたった東芝EIコントロールシステム株式会社など関係者の皆さんが対応にあたられ、こうして現実として「完成が間に合った」ことに対し、そのご尽力に心より感謝申し上げます。
 
加えて、忘れてならないのは、昨夏の制御不能以降、表示機能の無い野球場を見るに見兼ねた敦賀工業高校野球部の生徒らが中心となって製作していただいた「仮説スコアボード」については、この間見事に代役を務めてくれました。
 
今後は、別の場所で引取先が決まっているようですが、球児の思いが込められたこの仮設スコアボードが、今後新たな場で活躍されることを願っています。
 
さて、話しを高校野球県大会に戻しますと、雨で第3試合が中止になった敦賀会場でしたが、今朝の天気を見ると何とか試合が出来そうです。
 
そして何と天の巡り合わせか、本日の第2試合には敦賀工業が科学技術高と、第3試合には敦賀高校が高志と、敦賀勢が登場します。
 
昨日報道があり、私も極めて残念でならないのですが、新型コロナの学校クラスターで大会出場辞退を余儀なくされた福井商業高校野球部の計り知れない無念、思えば昨夏は、甲子園への道さえ閉ざされた先輩たちの無念など、こうして「聖地甲子園」をめざして試合ができることの大切さを思いながら、この新たな環境のもと、本日登場する両校に敦賀気比高校を加えた敦賀勢3校には、「球都・敦賀」を代表するにふさわしいプレーで健闘されることを強く願って止みません。

「平成の怪物」引退表明とその原点

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第103回全国高校野球選手権福井大会が昨日8日開幕しました。
 
福井県営球場で行われた開幕試合は、美方高校が丸岡高校に勝利、2試合目は降雨ノーゲームとなったものの、2年ぶりに開催される「夏の甲子園」出場を懸け、同球場と敦賀市総合運動公園野球場を舞台に30チームが戦いを繰り広げます。
 
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、県独自の「緊急事態宣言」中の昨日は部員と指導者、学校関係者、事前申請した保護者だけが観戦できるとしていましたが、宣言解除の本日9日以降は一般客の観戦も認めるとのこと。
 
入場の際の手続きに関しては、県高野連がホームページに掲載しておりますので、高校野球ファンの皆さんは是非、そちらをご確認のうえ観戦いただけたらと思います。
 
 →→→福井県高校野球連盟のページはこちら
 
昨年は一高校球児の親として、様々な思いがよぎる夏を過ごした私ですが、今年は高校球児を応援する一ファンとして、どこかで球場観戦できればと思うところです。
 
さて、夏の甲子園と言えば、7日に今季限りで現役を引退することを発表した松坂大輔選手。
 
シーズンを残しているだけにまだ言うのは早いのかもしれませんが、「平成の怪物」と呼ばれる所以となった甲子園での激投、プロ入り後も数々の名シーンを残し活躍を続け、23年で日米通算170勝を挙げたその活躍と功績に心からお疲れ様の声を掛けたいと思います。
 
この松坂選手に関しては、同じ1980年度生まれの選手が「松坂世代」と呼ばれ、昨季引退した元阪神の藤川球児選手が自身の引退セレモニーで「ライバル松坂大輔へ。目標でいてくれてありがとう」とメッセージを送ったことに表れるよう、元巨人の村田、杉内選手らそうそうたる顔ぶれが常に意識したのが松坂選手であったことは、世代の絆の強さを表す言葉として認識されています。
 
また、松坂語録もご承知置きの通りかと思いますが、西武入団1年目の1999年5月、初対決した当時オリックスのイチロー選手を3打席連続三振を奪った試合後の「自信から確信に変わった」とのコメントや、シーズン中に何度も繰り返した「リベンジ(復讐)」はその年の新語・流行語大賞に選ばれるほど秀悦した言葉をも残したことは、やはりスーパースターの所以と思うところです。
 
そんなスーパースターでありながら、気取らず、野球少年がそのまま大きくなったようなあの笑顔など、どこかあどけなさが残る松坂選手は私も大ファンな訳ですが、数々のプレーの中で、私が最も印象に残っているのが1998年夏の甲子園大会で準々決勝のPL学園戦で延長17回を戦い抜き、松坂投手が250球完投勝利を挙げた翌日の準決勝の試合。
 
PL学園戦同様、甲子園史上に残る激闘と言われているのが、この明徳義塾対横浜戦な訳ですが、前日250球を投げた松坂投手はさすがに登板を回避、右腕にテーピングをして左翼手として出場するものの、登板した2年生の投手が2人とも打ち込まれ、8回表終了時点で6-0と明徳義塾が大量リード。
 
万事休すと思われましたが、8回裏、横浜高校の攻撃中に、満を辞して松坂投手がブルペンでピッチング練習を始めた瞬間にテレビ越しにも甲子園の空気が変わり、「よし行くぞ」とばかりにテーピングを剥がし取る姿で場内がどよめき、この回、明徳義塾の選手がミスを重ねるなどして一挙4点。
 
そして9回表、いよいよ松坂投手が登板し打者3人でピシャリと抑え、その裏に3点を奪い逆転サヨナラ勝利を納めるという、まさに漫画の主人公の世界。
 
決勝の京都成章戦でのノーヒットノーラン優勝でこの夏のドラマは完結する訳ですが、私の中では何故か、この準決勝でテーピングを外したシーンが最も印象に残っています。
 

【ブルペンでテーピングを外す松坂投手】
 
いま考えると、それはプロスポーツの中でもそうはいない「一瞬で空気を変える選手」の象徴的なシーンであったからではないかと思います。
 
そして、これと重なり合うのが、昨朝の福井新聞スポーツ欄「取材ノート」の「原点にサヨナラ暴投」の記事。
 
この記者が松坂選手とのインタビューの中で「思い出の一球」を問うたところ、衝撃の155kmプロデビューでもイチローからの奪三振でもなく、高校2年夏、神奈川県大会準決勝で自身の暴投でサヨナラ負けを喫した際の「一球」であると話したのだそう。
 
「チームが勝つために何が必要か真剣に考え、目的を持って野球に取り組む切っ掛けになった」のがその理由。
 
「この一球が、『松坂世代』を牽引した一時代を築いた男の原点であり、屈辱という糧を雪辱という血肉に変える人生は、重ねた勝ち星の数だけでは図れぬ重みがある」と記事は結んでいます。
 
おそらく、先ほどのテーピングを外したシーンには、この1年前の屈辱を思い返し、「負けてたまるか」との思いが込められたものだったであろうことからすれば、スーパースター松坂大輔の生き様を象徴するものとして、私の記憶の中に残し続けたいと思います。
 
そうして数々の名シーンを思い返しながら、スーパースターだからといって決して成功続きであった訳ではなく、こうした失敗や屈辱を原点に、それをバネに励み、研鑽を積んだからこそ成功があり、そのことが人生における価値なんだということを、私自身も今一度胸に刻むとともに、その舞台ともなった大甲子園をめざし、全国各地で戦いを繰り広げる高校球児の皆さんにも勝ち負け以上に大事なこのことが少しでも伝わればと思って止みません。

敦賀気比高がセンバツに大きく前進!

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昨日一番の明るいニュースは高校野球。
 
富山県で開催されている第143回北信越高校野球大会は、準決勝2試合が行われ、唯一福井県代表として勝ち残る「敦賀気比高校」が、関根学園(新潟3位)に5-4で延長サヨナラ勝ち。
 
ネット速報で途中経過を見ていましたが、9回裏2アウト、3-4で万事窮すと思われたところ、4番大島選手のタイムリーヒットで同点。
 
その勢いに乗って10回裏、これまた2アウト1・3塁から1番東選手にセンター前ヒットが飛び出し、見事なサヨナラ勝ち。
 
絵に描いたようなドラマチックな勝利で決勝戦に駒を進めました。
 
北信越地区のセンバツ出場枠は2校。
 
戦績はもちろんですが、戦い方も出場選考の基準となりますが、敦賀気比はどちらをとっても大変優位と思われ、センバツに大きく前進したものと考えます。
 
もう一方のゾーンでは、上田西(長野2位)が優勝候補筆頭の星稜(石川1位)に5-4で逆転勝ちを納め、こちらも勢いに乗っての決勝戦進出。
 
決勝戦は、本日18日10時から富山市民球場で行われます。
 
「球都つるが」の意地に懸けても、ここまで来たら優勝でセンバツ切符を確実に手中に納めて欲しいと思います。
 
そんな昨日の午後、たまたまテレビのチャンネルを回すと、雨天で試合開始が遅れている甲子園球場の映像が。
 
何とかグラウンドコンディションを整え、試合が出来るよう阪神園芸を始め、球場スタッフの方が総動員で内野を覆うシートを畳んでいく映像が流れていましたが、雨の中にあっても指揮に従いテキパキと工程を進めていく様子は、まさに球場整備の「プロ」。
 

 
私もそうですが、試合開始を待つスタンドの皆さんもスマホを構えたりと興味深く整備を見守っていました。
 
結果、雨足が止むことはなく、さすがの阪神園芸もお手上げ?
 
試合のほうは雨天中止となりましたが、このズブ濡れのグラウンドを見て思い出すのは、昨年の北信越高校野球大会。
 
福井県大会で優勝した敦賀気比高とともに、準優勝した母校「敦賀高校」も出場をし1回戦を突破、星稜高校との2回戦は2-10のコールド負けを喫しましたが、その日の雨、そして田んぼのようなコンディションであったことが重なり合いました。
 

 
その後、敦賀高校は21世紀枠の全国9校まで選ばれたもののセンバツ出場は叶わなかったばかりか、大会自体もコロナにより中止、その後の夏の甲子園のことは言わずもがなの状況であります。
 
そうして早や1年が経ち、同じ敦賀勢である敦賀気比高校がセンバツ切符を掴み取ろうとしていることは、何か感慨無量であるとともに、来年こそは何としてでも大会が開催され、全国に「敦賀」の名を轟かせて欲しいと切に願います。
 
今日は秋晴れの青空。
 
快晴の中で朗報を待ちたいと思います。

甲子園の土とともに「卒」高校球児の飛躍を願う!

ブログ 敦賀と野球

九州電力送配電ホームページによると、台風10号の影響による停電は昨晩22時の時点で約107,540戸。
 
テレビのニュースでは「大規模停電は今も」、「暑くて寝られない」、「冷蔵庫の中が心配」などのキャプション付きで、いかにも復旧が遅いと言わんばかりの報道に正直憤りすら感じるところです。
 
数字で見れば、昨日5時の段階で約457,570戸あった停電は1/4にまで減少、福岡県及び大分県の停電は完全復旧しています。
 
また、九州電力グループの懸命な作業のみならず、昨年の台風15号でバックアップしてくれた恩返しとばかりに、東京電力パワーグリッドからは応援要員44名、応援車両21台(高圧発電機車10台、その他車両11台)が派遣され、まさに自社管内と同様の対応で1日も早い復旧作業にあたっています。
 
報道機関は、最強クラスの台風と倒れた電柱や触れ回る電線を写し危機感を煽るばかりでなく、暴風雨のなかにあっても早期復旧にあたる姿や電気が復旧して喜ぶご家庭の1シーンなども放映されてはどうなのか。
 
もうひとつ言えば、この台風で吹き飛んだ太陽光パネルはどれだけあったのか。
 
今後主力電源化していくとする再生可能エネルギーの自然災害に対する脆弱さこそ、我が国のエネルギー政策の課題として認識されるよう報道すべきではないのでしょうか。
 
言いたいことはまだまだありますが、これ以上は止め、命を張ってライフラインを守る仕事を蔑ろにすることだけはするなとだけ言わせていただき終わります。
 
前半、感情的に記載してしまい申し訳ありません。
 
話しを嬉しい話題に変えます。
 
昨晩、高校3年生の長男が「いいモノもらった〜♬」と帰ってきました。
 
何かと覗くと、6月13日のブログで紹介しました、「甲子園の土」キーホルダーと阪神タイガースの矢野監督からのメッセージが机に置かれていました。
 →→→6月13日のブログはこちらから
 

 
最後の夏の甲子園という目標を失った高校球児に対し、甲子園球場をフランチャイズとする阪神タイガースの矢野監督をはじめ、コーチ・選手たちが「高校球児のために何かできることはないか」という声の中から、日本高等学校野球連盟に加盟する野球部の3年生全部員を対象に「甲子園の土」キーホルダーの贈呈を行うと企画されたものであり、実際にタイガースの選手を始め、阪神園芸、球団職員の皆さんが球場の土を集めてくれたというもの。
 
「甲子園の土を持ち帰るのは出場したチームの特権だろ」、「出場してもないのに土だけもらって何になる」などの声もあるようですが、事実、真剣に甲子園を目指して努力してきた長男の姿を見ても、また私自身、保護者の立場としてもこうした企画がされ、思いとともに手元に届いたことに対しては感謝しかありません。
 
「球団の売名行為じゃないか」の意見に対しても、甲子園をフランチャイズとするタイガースにしか出来ない訳であり、そこは穿った見方をせず素直に喜びたいものです。
 
「全国の高校3年 野球部員の皆様へ」と記した矢野監督の手書きのメッセージからは、野球人として生きてきたからこそ分かるその悔しさ、無念さを同じ立場で感じつつ、何とか前に進む力に変えて欲しいとの思いが伝わってくるようでした。
 
ウチの長男も含め、全国の高校3年の球児、そしてマネージャー達は既に、次のステージに向けた挑戦が始まっている訳ですが、この「聖地の夢」が詰まったキーホルダーが青春の証のひとつとなり、さらなる力を発揮されるよう願って止みません。
 
聖地への夢に向け努力したことは必ずや今後の人生に生きる!
 
頑張れ高校3年生、「卒」高校球児!

聖地「市営野球場」に詰まった思いは無形の宝

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北陸地方もようやく梅雨明け。
 
例年より9日遅れだそう。
 
新型コロナに引っ張られたかのように到来が遅くなった今年の夏でありますが、短いとはいえ、子ども達にとってやはり楽しみは夏休み。
 
感染対策も踏まえれば、舞台は屋外、この機会に魅力満載の敦賀の自然を味わっていただければと思います。
 
さて、そんな夏空と照りつける日差しの中、昨日は敦賀高校野球部保護者会にて市営野球場の整備を行いました。
 

 
元々、この時期に行う意味合いは、チームも新旧交代、これに併せ父母会も次代に引き継ぐとことから、子ども達がお世話になった感謝の念を込め、市営野球場と学校のサブグラウンドを全学年の保護者で整備するというもの。
 
しかしながら、先般確認された敦賀市内でのコロナ感染に配慮し、極力人数を絞って実施することに切り替え、この日は3年生と一部2年生の父兄にて、対象も市営野球場のグラウンド、外野スタンド、球場周辺とし、主に草取り作業を実施しました。
 



 
この市営野球場については、甲子園球場と同じ歴史を持つ「球都つるが」の「聖地」であり、昨年9月24日のブログでもご紹介しておりますので、この機会に是非、皆さんにもお知りいただきたく存じます。
 →→→球都敦賀の歴史についてはコチラから
 
作業の方は約3時間、父母合わせ30名弱にてエリアを分担し、新チームに引き継ぐに相応しい、気持ちの良いコンディションになったかと思います。
 
そして何とビックリの発見。
 
センターからライトにかけての外野スタンドにブロックで形づけられた「TSURUGA」の文字が浮かび上がりました。
 

【写真は「T」の部分】
 
数人で話していると、以前はこの形に沿って花が植えられ、正面スタンドからでも文字に見えたとのことであり、球場に愛着が込められていた様子が伺えました。
 
そう思えば、今はどうか?
 
通常は元敦賀高校野球部監督の方が「愛着を込めて」一人で管理をされていたり、現監督や敦賀高校野球部の生徒がグラウンド整備に精を出してはいるものの、それでも限界があります。
 
また、私自身、昨年の9月議会で意見提起しました通り、外部飛球を契機に一時球場の使用中止、平成27年からは再開はされたものの、実質上、試合や打撃練習が出来ない「球音の響かない球場」となっていることは「聖地」の扱いとして如何なものか、市が条例に基づいて管理する以上、本来の姿に戻すべきとの考えであり、今一度この点については確認していかねばならないと考えるところです。
 
話しが若干逸れましたが、草取りをしながらグラウンドを見つめるに、敦賀商業時代から続くこの「聖地」で、現3年生は、制限がある中でも知恵と工夫の練習メニューで汗を流し、青春を過ごした姿を思い浮かべるとともに、この日で本当に高校野球生活にピリオドを打つのかと感慨深い思いとなりました。
 
おそらく、この日参加された父兄の皆さんそれぞれが「終わったなぁ」と同じような思いを持たれたのかと存じますが、その思いは大切に胸に仕舞い、今後は別の形で次代をしっかりサポートです。
 
そうして思えば、年輪のように積み重ねられた、この聖地「市営野球場」に詰まった思いというのは、無形の敦賀の宝ですね。
 
そのような思いと心地良い疲労感に包まれた昨日でしたが、今日は福井県高校野球大会の決勝戦。
 
こちらも例年と違い、県No.1が決まってもこの先続く甲子園がないことから、試合が終わりると同時に夏の終わりを感じるのではないかとの思いもある訳ですが、梅雨は明けたばかり。
 
様々な思いが込められたこの大会に相応しい熱戦で、球児の将来と夏の盛り上げにつながることを期待するのみであります。

敦高野球部の「夏の終わり」で得られた「価値」と「清々しさ」

ブログ 敦賀と野球

連日、高校野球の話題で恐縮ですが、昨日は私にとって生涯忘れないであろう日となりましたのでご紹介を。
 
今日は議員としてではなく、ひとりの親としての立場で述べさせていただきますことご容赦願います。
 
福井県高校野球大会は昨日から2回戦に入り、組み合わせ上、唯一2回戦から登場する敦賀高校、福井商業高校の対戦が敦賀市総合運動公園野球場にて行われました。
 
本大会のスタンド観戦に関しては、背番号を付けた選手の親、家族、1チーム100人までという制限の中、集合・入場時間厳守、事前の観戦者名簿提出、入場時の検温、観戦時のソーシャルディスタンスは勿論、不要な場内移動禁止という徹底した感染防止対策を行なったうえでのものでした。
 
また、大声での掛け声やメガホンを叩くことも禁止、つまり選手へ応援の気持ちを送る方法は唯一「拍手」ということで、恐らく生涯最も拍手をしたのではないでしょうか。
 
そうしたある種静寂、特別な雰囲気で迎えた試合は9時プレーボール。
 

【ベンチ前集合もソーシャルディスタンスで】
 
夏の甲子園出場22回(県内第1位)を誇る「炎の福井商業」、同じく17回(県内第2位:敦賀商業時代含む)を誇る「全者一丸の敦賀高校」、福商は2013年から、敦高は1999年から甲子園から遠ざかってはいるものの、県立屈指の両校。
 
これまでも甲子園の切符を懸け、激闘が繰り返されてきた、いわば「宿敵」であり、昨秋の県大会においても大量点を先制した福商に徐々に追い付き、10-9で敦高が劇的な逆転勝利を納めた関係であり、この大会で再戦するということも何かの運命のようなものを感じた次第。
 
試合の方は、両先発ピッチャーが無難な立ち上がりを見せるものの、1-1から迎えた3回裏、2アウトから3連打にて福商が2点を加点。
 

【我が息子は1安打、守備でも全力プレーが見れただけで十分】
 
その後、敦高は得意の継投で0点に抑えるも、福商のエース奥村君の球威と変化球の切れは最後まで落ちることなくゼロ封。
 
9回表には、2アウト1、3塁とし最後までチャンスを作り粘るも最後は三振で力尽き、結果、1-3で敗戦を喫しました。
 

【試合後のスタンド前挨拶では、さすがにホロリ涙が流れました】
 
この福商のエース奥村君、実はウチの長男も含め敦高の数名のメンバーとは中学時代にKボール(旧名KWBボール)の福井県選抜で同じチームメイトだった選手。
 
当時も唸る速球を武器とし、表情を変えずに投げる頼もしいエースでしたが、この日は敦高の前に立ちはだかりました。
 
体付きは勿論のこと球速衰えることなく一人で9回を投げ切り、しかもマウンド上の闘士満々の姿は、敵ながら天晴であり、その成長を我が子を見るように嬉しく感じました。
 
こうして奥村君と対戦できたことも、野球の神様がくれた運命だったのかもしれません。
 
この敗戦により、敦高にとっては「最後の夏が終わる」ことが現実となりました。
 
思い返せば、秋の県大会準優勝、北信越大会ベスト8まで進み、選抜21世紀枠の全国9校にまで選出されながらもう一歩のところで逃した悔しさ、さらに再度の挑戦を誓った「夏の甲子園」という目標をコロナで失いながらも、仲間と1試合でも多く試合をしたい、先輩から引き継ぐ「敦笑」をもって「地域の方への感謝」をプレーで示したいと最後まで諦めることなく全力でプレーする敦高野球部の姿は、私にとって誇りに思えました。
 
かつて経験したことがないことが相次ぎ、正直何でこの年に…と思った時期もありましたが、そんな中でも腐ったり、やけになったりすることは1ミリもなく、とにかく前を向く、ポジティブに「今出来ることを精一杯やる」敦高野球部そして我が子の姿を見ていると、そんな気持ちなどいつの間にか何処かへ消えていました。
 
一番苦しい、悔しいのは部員、マネージャーであるはずなのに、皆で支え合い、励まし合い、こうして試合を終えた彼等、彼女らの姿は、困難や悔しさを乗り越え、笑顔にまで変えられた「人間としての強さ」を感じるまでに、一回りも二回りも成長していました。
 
今なお人類が戦っている新型コロナですが、彼等、彼女等がこれからの人生を歩むうえで否応なく感じる「社会の理不尽や厳しさ」に対しても、皆で乗り越えたこの時間と経験が糧となり、必ずや乗り越えてくれることでしょう。
 
大会前の激励会で監督さんが部員に対して掛けたのは、「勝負はついてもこの大会で必ず得られるのは『価値』である」との言葉でした。
 
今、戦いを終え、敗戦により高校野球生活にピリオドを打った選手にとっても保護者にとっても、まさしく得られたのは「価値」であり、私は昨日から何か清々しい気持ちになっています。
 
この厳しい環境で戦ったのは、部員のみならず、常に気を配っていただいた指導者の皆さん、そして食事や精神面でサポートを続けてきた親や家族です。
 
そういった意味では、関係した方々皆が、コロナと対峙した高校野球生活の誇りと自信を今後の人生に生かし、それぞれの立場、ステージで必ずや活躍することを祈念するところであります。
 
こうした貴重な経験と選手の全力プレーをこの目に焼き付け、「ひとつの区切り」を迎えることが出来たのも、最後に独自の福井県高校野球大会を開催いただけたからこそであり、福井県高野連を始め、全ての関係者の皆さんに感謝するとともに、勝ち残ったチームにおかれては、最後の最後までの奮闘、全力プレーを期待し応援いたします。
 
最後に一言。
 
ありがとう敦高野球部!ありがとう高校野球!
 
「敦笑」と「全者一丸」の思いは永遠に不滅です!

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