2025年4月28日
「敦賀と野球」を愛した大先輩に合掌
これで3週続けて、地方選挙の結果をお知らせする月曜となりますが、昨日は飯能市議会議員選挙(定数19/埼玉県)ならびに鎌倉市議会議員選挙(定数26/神奈川県)の投開票が行われ、国民民主党公認の女性候補がそれぞれ3位、トップで当選を果たしました。
応援いただいたすべての皆様に感謝申し上げるとともに、両候補、陣営スタッフ様には、激戦を戦い抜かれた中での勝利をお慶び申し上げます。
さて、こうして理念や思いを共有し、政治家としてのスタートを切られることを嬉しく思うところ、悲しいお知らせが。
令和3(2021)年6月8日の敦賀市議会定例会本会議の場にて、全国市議会議長会及び北信越市議会議長会の永年在職議員表彰(30年在職)され、計8期、32年に亘り敦賀市議会議員としてご貢献いただいた林正男さんが22日逝去されました。
表彰された当時、自分の議員経験がまだ2年であったことから、10年、さらには30年ともなれば、その間にあったご苦労は想像を超えるものであったものと、長きに亘り、市政の発展、敦賀市議会の運営にご尽力いただいたことに、心からの敬意と感謝を申し上げたことを思い出すところ。
昨晩はお通夜が営まれ、その思いとともに合掌。
享年78歳。
静かに眠る姿に、心よりご冥福をお祈りいたします。
林正男さんと私は、議員としては1期の重なりでしかありませんが、よく「山本君なぁ」と声掛けいただき、議員としてだけではなく、人生論などについてもご教授いただいたことを思い返す訳ですが、私の中で林さんといえば「野球」。
私が議員になってから、「市営球場」のことを一般質問で取り上げたのは、林さんと私しかいない訳ですが、「とにかく球音の聞こえる球場を目指して」と最後まで粘り強く訴えておられたのが林さんでした。
実は、私自身、市営球場のことを質問するにあたり、大正から昭和初期にかけて「北陸では無敵」と呼ばれた敦賀商業野球部、甲子園球場と同時期に市民の手で建設された市営球場のことを調べた際、市議会議事録にあったのが、林さんのこれらに関する大演説。
平成27年第3回(6月)定例会にて「敦賀の野球史と市営球場について」と題して質問された内容は以下リンクのとおりですが、とにかく「敦賀と野球」に誇りをもって、話されたことは大変参考になった次第。
→平成27年第3回(6月)定例会での当該質問はこちらから
併せて、野球の盛んなまちを意味する「球都」を名乗るまちは日本に4つしかなく、群馬県桐生市、千葉県木更津市、愛媛県松山市、そして福井県敦賀市。
こう呼ばれる所以は、前述の当時7年連続甲子園出場(あの早稲田実業と同じ)の敦賀商業学校の歴史、とりわけ市立図書館特別室に保管されている「福井県立敦賀商業学校野球部外史」に残されたリアルな記録を紹介した、私のブログも再掲いたします。
→2019年9月24日ブログ「鉄道と港、そして野球のまち敦賀」はこちら
【100年の歴史が詰まった「市営球場」(2019年9月 やまたけ撮影)】
なお、林さんは、議員を引退される際の本会議場の最後の挨拶でこう仰っておられます。
令和3年6月に全国市議会議長会会長より第97回定期総会において、本会表彰規程に基づき議員在籍30年以上の特別表彰をいただいたのを機に、今期をもって議員を引退することといたしました。
敦賀市政の発展と市民福祉の向上に微力ではございましたが私なりに精いっぱい職責を務めてきたつもりであります。
思い起こしますと、36歳の昭和58年4月に31歳のいとこ河瀬一治氏とともに市議会議員選挙に立候補いたしました。以来、選挙は県議選も含めて10回になります。
おかげさまで市議8期32年間務めさせていただき、その間、平成11年夏には敦賀港開港100周年の大々的なイベント、敦賀きらめきみなと博が開催され、時を合わせるように敦賀高校野球部が県大会決勝で時の王者、福井商業を相手に6対5で勝利し、19年ぶり17回目の甲子園大会の出場を決めたのであります。敦賀のまちは盛り上がり、そして最高潮に達しておりました。
敦賀高校のふるさと紹介では、開催中の敦賀きらめきみなと博がNHKのテレビを通して全国に紹介され、そしてナインは8人が敦賀生まれ、敦賀育ちの選手であります。1人は美浜町の佐田育ちであります。市営球場で練習試合や打撃、守備練習を重ねた優勝でありました。今後、市営球場が元のように使用できることを強く願うばかりであります。
近年では、市庁舎が現在の場所に新築、造成されました。敦賀市にとって今後50年、100年先に明かりをともしたと私は思っております。
建設場所については、他にいろいろと候補地が提案されましたが、この場所に決定し、50年前に選定された先人の方々に思いを起こすとき、市民にとって本当によかったなと、このように私は思っております。
残られる議員の皆様には、健康には十分に留意をされて、敦賀市のため、市民のために今後も頑張っていただきたいものだと思っております。
今後は、私も一市民として、ふるさと敦賀の発展に陰ながら努めてまいりたいと思っております。
長年にわたり大変お世話になりましたこと、本当にありがとうございました。
最後の最後まで、こだわりともって言葉を残され、敦賀愛にあふれていた林正男さん。
あらためて、生前のご功績に心から敬意を表するとともに、議場に響く「林正男節」を偲びつつ、安らかに眠られますことお祈り申し上げます。