完璧主義と大門未知子

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解説不要な心満たされる風景。
 
昨夕、野坂の麓をジョギングしていると、普段は水田に映る「逆さ野坂」ばかりに目を取られてましたが、振り返れば何と空の雲が見事に写り込み、白雲四兄弟が八兄弟に。
 
空と水田にサンドイッチされているのは敦賀市街という構図がまた面白く、優しい気持ちに浸りながら写真に収めました。
 
ちょうど日曜の夕方とあって、今日から始まる一週間分の活力を得たといったところです。
 

 
さて、公務等のない昨日は、これまで皆さんから頂戴した資料などを読み込むなど、思考の整理。
 
いくつかの資料の中であったのが、Energy Reviewに掲載された「完璧主義と誤謬(ごびゅう)」というタイトルの東京大学 大橋弘忠名誉教授の寄稿文で、本日は少し中身を紹介させていただきます。
 
正直、タイトルにある「誤謬」という漢字の意味すら知りませんでしたが、辞書を引くと「考え・知識などの誤り」とのこと。
 
「私、失敗しないので」 大門未知子
 
これは、ドラマ「ドクターX」で米倉涼子が演じる女医の有名なセリフですが、このセリフから始まる教授の寄稿文は、例えや視点が面白く、興味深く拝見しました。
 
まず、「完璧主義」とは、間違い、瑕疵、ミスがない、無謬であること、完全であることを目標とする考え方ですが、エネルギーや教育、福祉など、社会は多くの問題を抱えており、この問題解決を妨げているのは、これらの問題には「正解があるはずという幻想」で、幻想はそのまま「完璧主義」へと移行すると。
 
完璧を目指すことは、到達できない目標を追い求めるユートピア思想、誇大妄想でさえあり、正解があるという誤った幻想が社会問題の解決を妨げ、そして、個人にも社会にも不満を生み出し、ついには多くの人が怒り出すのだと。
 
この、のっけの文章から、新型コロナウイルス感染を思い返せば、「ゼロリスク」を求め社会が混乱し、人間と人間同士が誹謗中傷し合い、やり場のない怒りや不満を自治体や政府などに一方的にぶつける姿がまさにそうであった(今も変わっていない)と納得した次第。
 
これはエネルギー関係の雑誌ということもあって、読み進めていくと、原子力のことにも触れ、原子力安全は、一貫して「深層防護」と呼ばれる考え方に基づいていて、トラブルがないよう、良い設計で良い部品を用い、良い発電所を作るが、さらにトラブルが起きることを想定し、それらを収束させるように様々な設備を設けつつ、それでも万が一トラブルが収束しない場合を想定し、影響を拡大させない設備を設けておく。
 
何も起こらないことは想定せず、何か起こることを前提とした設計となっている訳ですが、ここでも程度問題で、安全との関係を考えない際限の無い要求は誤っていると述べています。
 
なお、冒頭のドクターX大門未知子の「失敗しないので」に関しては、「失敗しても問題が無いようにしているので」が本意だと解説し、思わず「なるほど」と頷いてしまいました。
 
また、ある街の道路に横切って置かれたフェンスに対し、合理的な人は邪魔なだけだと壊して取り除こうとするが、知的な改革者は、なぜフェンスが存在しているかから知り、取り除くことによって余計に悪い状態になってしまう恐れがあると主張するという、「チェストタンのフェンス」という寓話も例に、良い改革や良い意思決定をするには、以前のプラクティス、以前の意思決定の背後にある理由を理解しておかなければならないとも述べています。
 
これは原子力に関してのみならず、社会全般の問題にも当てはまり、いろいろな不合理や非効率なことがあるのは事実として、その不合理や非効率の結果だけに照準を合わせ、性急に改革を試みることは、常に別の軋(きし)みを生む恐れがあることを知っておくべきとの言葉は、ストレートに私も共感した次第。
 
世間では何かと完璧を求める風潮や「ゼロ⚪︎⚪︎」が叫ばれる状況にありますが、リスクもウイルスもこの世から完全に取り除くことは不可能なのであり、それよりも対処方策を考えることが良好な社会形成のために不可欠であり、人類の知恵であると、大橋教授の寄稿から改めて学びました。
 
「正解があるはず幻想」を捨て、現実的思考で。
 
今後も引き続き、そうした考えのもと活動にあたっていきます。

「ユニバーサル野球」に込められた思いを実体験!

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福井県内では聖火リレーが始まり、昨日夕方はここ敦賀市の気比の松原をランナーが駆け抜けました。
 
私は現地に行くことは控えましたが、穏やかな青空が広がる中、確実にトーチが引き継がれたようで何より。
 
このコロナ禍により、前回の東京オリンピックの盛り上がりとは雲泥の差なのは致し方ない訳でありますが、こうして思いをつなぐ聖火リレーを見て、批判や愚痴は控え、開催に向けて今こそ日本人の底力を発揮するべきでないかと改めて感じた次第です。
 
さて、そんな昨日は、11時から粟野公民館で開催された「敦賀ー高島連絡道路整備促進期成同盟会設立総会」に出席、13時30分には原電総連の若手組合員の皆さんが企画した「オンライン陶芸体験」で一言ご挨拶をさせていただきましたが、それぞれの対応と並行して、朝から夕方まで携わらせていただいたのが、社会福祉法人白梅学園さんで開催した「ユニバーサル野球大会」。
 
本日はこの「ユニバーサル野球大会」について、紹介させていただきます。
 
「ユニバーサル野球」とは。年齢、性別、国籍、障がいの有無にかかわらず、誰にでも楽しめるインクルーシブスポーツとして堀江車輌電装株式会社(本社:東京都千代田区)が発明した、簡単に言えば「大型野球盤」です。
 
僅かな力であっても身体が1cm動けば誰でもバットスイングが出来るよう開発されたこのシステム(野球場)ですが、趣旨や取組み内容などについては、ホームページをご覧いただいたほうが一目瞭然かと思いますので、以下リンク先をご覧ください。
 →→→「ユニバーサル野球」公式ホームページはこちらから
 
同社においては、従前より障がい者雇用などに積極的に取り組むなど、社会福祉に非常に高い意識をもって運営されている中で、前述の通り、誰でも出来るスポーツとして開発されたのが、この「ユニバーサル野球」であり、これまでも学校や障がい者施設、児童養護施設、各種イベントなどで開催をしてきているところ。
 
今回、なぜ敦賀の白梅学園でということですが、コロナ感染対策をしながら開催した春の選抜甲子園で元気をもらったことを受け、同社は、子どもたちがユニバーサル野球を通じて少しでも2021年の楽しい思い出を作ることを目的に、2020年高校野球秋季地区大会において優勝した高校の所在する各地域で、ユニバーサル野球無料体験授業を開催するとしたもの。
 
ここ敦賀市は、地元の敦賀気比高校が優勝しているとあって、開催地に選ばれた訳ですが、参加チーム募集に関してひょんなつながりから私にも連絡があり、市の教育委員会やここ白梅学園さんにもお声掛けさせていただいたところ、子ども達からの熱烈なオファーを受け、白梅学園さんが手を挙げていただき、昨日の開催に至ったという経過となります。
 
ちなみに、この体験授業に参加した地域は、智弁学園の奈良県五條市、明徳義塾の高知県須崎市など5地域ということで、何かここに名を連ねるだけでも甲子園の雰囲気を感じるもの(私だけでしょうか)。
 
趣旨や経過説明が長くなりましたが、担当の中村さんとも事前にメールや電話のやり取りなどで調整を取り合ったほか、とりわけコロナ対策には留意をということで、関東圏から来られるにあたっては、事前のPCR検査で陰性確認のうえ、敦賀入りしてからも車中泊で人との接触を避けるなどの徹底ぶりで、お話しからも「すべては子ども達のために」との強いお考え、そしてそれほどの価値がこの「ユニバーサル野球」にはあると私も感じたところです。
 
そうして迎えた当日は、中村さんのご指示のもと、白梅学園の職員の皆さんとともに準備、球場のセッテングを行いましたが、初めて見る球場と共同作業で生まれる一体感もあって、この段階から大人もテンション上昇。
 
途中、中抜けしましたが、完成した球場はまさに「スタジアム」。
 

【完成したスタジアム。この大型野球盤を前にしただけで、大人も少し興奮気味に。】

【ちなみにベースも組み立て式でこんな感じです】
 
そうして準備を終え、いよいよ待ちに待った子ども達が興味津々で登場。
 
簡単な開会式の後は、各チーム対抗戦でプレーとなりましたが、回転するボールにタイミングを合わせ、ひもを引っ張ればバットが振れるシンプルな仕組みながら、中々ヒットが出ないのもまた奥深く、それだけにヒットやホームランが出た時は大盛り上がり(声は控えめの拍手で)となりました。
 

 
これは本当に誰でも出来る、そして子どもから大人まで誰もが楽しめる「ユニバーサル」であることを実感、体感出来ました。
 
最後は優勝、準優勝チームに賞状まで準備しての閉会式。
 
子ども達の笑顔を見れただけで十分なところ、「楽しかった」との言葉が何にも変え難く、私自身の心も幸せな気分に満たされました。
 
学園の先生とお話しするに、児童養護施設ということもあり、どちらかというと支えられる側の子ども達が、次は障がいのある皆さんと一緒にプレーする機会を持つことによって、今度は支える側にもなれ、そうしたことで成長出来ればとの意向も伺いました。
 
こうして実体験で感じたことをもとに、プレーした皆さんが「楽しみながら」、それぞれの役割や可能性を広げ、「互いに認め合う場」をつないでいく。
 
これが「ユニバーサル野球」に込められた真の目的、意味合いであると、私も強く認識した次第であり、今後は普及活動に取り組んでいく所存です。
 
最後に、この取り組みを発案、開発された堀江車輌電装株式会社に敬意を表するとともに、キャラバンに道具を詰め込み、全国津々浦々駆け回る思い、熱い情熱を持ってお話しいただいた担当の中村さんとの出会いに感謝申し上げます。
 
「多様性を認め合う」という言葉はありますが、「誰とも意識せずとも関係性を持てる」ことが本当の意味での「多様性を認める」ことであり、この「スタジアム」で繰り広げられる世界こそ、これに通ずるものと思い、「ユニバーサル野球」が今後益々発展されますこと切に祈念いたします。
 

【最後に中村担当とキャラバンの前で記念撮影。次の会場、明徳義塾の高知県須崎市へもお気をつけて。】

届けワクチン!自由と民主主義の価値観を共有する台湾へ!

ブログ 政治 新型コロナウイルス

市議会定例会のインターバル期間を通して開催してきている、自身の活動報告会。
 
昨日お昼休みは、敦賀発電所の協力企業棟にて、関連企業労組の役員さんを中心にお集まりいただき、議会での質問内容や市政のトピックスについて説明させていただきました。
 
早いもので、次なる6月定例会の開会が6月7日に迫るところでありますが、あと予定している報告会でも思いを届けたうえで、これまで伺ったご意見などを胸にしっかり準備を進めていきます。
 


【報告会の様子】
 
さて、昨今はどこか自己主義がまん延する世の中にあって、昨晩は、じわりと心あたたまる国家間のつながりの深さを感じることがありました。
 
世界各国で進む、新型コロナウイルスのワクチン接種ですが、台湾では一部の海外製薬会社からのワクチン購入に関し、中国の介入で今も契約できていないことが明らかになっており、ワクチン不足が大きな問題となっていることを以前の報道で知り、これはもはや人道問題でもあると考えていたところ。
 
そうした中、日本政府では、茂木外務相が記者会見で、英製薬大手アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンの台湾などへの提供について「わが国との関係を考え、しっかり検討していきたい」と表明したことに加え、加藤官房長官も同じく会見で「国内の接種対象者の数量を上回る分のワクチンの他の国・地域への供給のあり方を早急に検討し、具体的方針を検討したい」と語ったとのこと。
 
これに対し、台湾の外交部(外務省に相当)の欧江安報道官は同日、「台湾がワクチン不足に直面する中、日本が真剣に台湾への支援方法を考えていることに対し、私たちは歓迎し感謝する」、「台湾は日本と自由と民主主義などの価値観を共有している」とのコメントを発表。
 
さらに、蔡英文総統は、自身のTwitterで、しかも日本語で次のように述べられました。
 
これは、原文そのままの方が伝わるかと思いますので、画面スクリーンショットしたものを掲載します。
 

【蔡英文総統の思いは、私もしっかりリツイート】
 
私もこれまで二度、台湾を訪問したことがあるのですが、その際に見た街並み(日本とそっくり)、先の大戦中からの日本に対する感謝の思いや電車の中でも読書する日本人の勤勉さを見習っているなどの話しを伺い、日本と台湾の歴史的関係を肌感覚で感じたことは、今でも自身の台湾の皆さんに対する思いの糧となっています。
 
東日本大震災の際には、子ども達までもがお菓子を買うお金を募金に回し、200億円もの寄付をしてくれた台湾。
 
国内で使わないアストラゼネカ製ワクチンとはいえ、今こそ台湾にお返しする時だと強く思い、日本政府の対応を心から支援したいと考えます。
 
日本による台湾へのワクチン供給が実現すれば、中国の反発を招く可能性もありますが、政府高官は「人道的な援助に対して中国も反発できないだろう」と述べています。
 
自由と民主主義の価値観を共有する国同士の信頼と連携は、大国の政治圧力にも決して屈しない。
 
この日本のワクチン提供が、ピンチを迎えている台湾を救うことにつながるとともに、奪い合い、競い合うばかりでなく、世界中にこうした支援の輪が広がることを切に期待して止みません。

オンラインで広がるつながりと可能性の世界

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新型コロナウイルスについて、昨日27日の福井県での新規感染者はゼロ。
 
新規感染者の発表がないのは3月27日以来、2ヶ月ぶり。
 
また、ここ1週間でも新規感染は26人、病床利用44床とかなり落ち着いてきています。
 
杉本達治福井県知事は、自身のTwitterで「『おはなしはマスク』という言葉は浸透してきましたが、『マスク会食』の普及はまだまだです。経済再生のためにもチャレンジしてみてください!意外と簡単ですよ♪」とも呼び掛けており、感染者の約85%(4月の新規感染者からの分析結果)が「マスクなし」の環境から発生しているとの独自データから、効果的な対策を図ってきたことの成果が、昨日の「ゼロ」に表れたものと受け止めるところです。
 
県民の皆さんのご協力、そして忘れてならないのは医療従事者、関係者の皆さんの献身的なご努力あって成り立つものであり、この場をお借りし心から感謝申し上げます。
 
周囲の府県では、緊急事態宣言が延長される動きがありますが、是非この「福井モデル」を取り入れていただき、抑制に向けた相乗効果を発揮したいものです。
 
さて、このコロナで一変したものは色々とありますが、最も影響があったのは、「対面」から「オンライン」が主流になったことではないでしょうか。
 
企業はもとより、団体など、仲間とのちょっとしたミーティングでも、オンライン会議とすることにより、3密や感染拡大地域の方などとも気にすることなく話しが出来るというのは、コロナ禍にあって最大のメリット。
 
また、対面で生じる「移動に要する時間と費用」が全く掛からないというのも副次的効果でありますが、これは既に「2つの効率化」というメリットが得られるということで、コロナが落ち着いたとしても「対面との区別化」をしながら、主流になるものと考えるところです。
 
このオンライン会議で最もポピュラーなのが「Zoom」ですが、無料版は40分という制限があることから、私も以前にホスト(ミーティング主催者)バージョンを購入し、時間制限なし、最大100人まで参加可能、録画機能付きという環境としたところ。
 
それ以降、自らがホストとなり幾度かミーティングを開催していますが、月額2000円でこの環境が得られるというのは、単にコロナ対策に留まらず、最近では「可能性を広げるツール」であると考えるまでになっています(今さらかいとの声も聞こえてきそうですが)。
 
昨日も、デジタルトランスフォーメーション(DX:デジタル変革)に関し、実際に取り組んでおられる「ふくいテレワーク女子」の後藤さんにお声掛けし、嶺南未来構想会議のメンバー数名とお話しを伺いましたが、ここでも、物事のプロセスを大事にし言語化、可視化していくことの重要性、人は分散化してもデータは集約化する、DXは経営であり公共性の部分で収益性を考えないのではいけないなどのヒントを得ることが出来ました。
 
また、これは以前に参加したDX研修で最も頭に残っているキーワードですが、「あくまでも、DXは目的を達成するための手段であって、DX導入を目的化してはいけない」ということを、ここでも改めて認識したところです。
 

【ミーティングの最後には「テレワーク女子」の「T」ポーズで記念撮影】
 
DXに関しては、ここ福井県が若手の発想も取り込みながら精力的に進めようとしている状況にありますが、自治体が行うことで得るべきことは、従前あった課題解決はもとより、住民サービスの向上に結びつくもの、地域の全体最適につながるものでなければならないと思うところであり、ここ敦賀でも具体的にどう進めるべきか、まだまだ考えが纏まりませんが、「抽象と具体」の間を行ったり来たり、「俯瞰と近視」を繰り返しながら焦点を合わせていくことがDXの世界でも大事なこととの昨日の言葉を励みに、思考を続けていきたいと考えます。
 
そしてこのZoom。
 
コロナ禍を理由にやらないのは簡単なことですが、「コロナ禍でもいかにやるか」と知恵を絞り具現化することこそ、社会の真の成長や自己革新につながるとの考えに基づき、今後はZoomをツールとし、まだ対面形式では行い難い、地域での活動報告会をオンラインで行うなど、私自身、新たな取り組みにチャレンジしていきたいと思います。

apple社のサプライヤーへの要求事項から思うこと

エネルギー ブログ

毎週水曜日は、西浦県道での辻立ちということで、昨朝も名子のヨットハーバーまで。
 
この日は若干雲の多い空模様ながらも、毎回表情を変える飽くなき敦賀湾を望みつつ、安定供給の一翼を担うべく発電所に向かう皆さんにご挨拶させていただきました。
 
回を重ねるごとに、手を振り返していただける方が増えている気がしており、今後も「継続は力なり」の思いのもと続けていく所存です。
 


【写真は自撮りで恐縮です】
 
さて、以前にApple社が発表したニュースで、製造パートナー110社以上がApple製品の製造に使用する電力を100%再生可能エネルギーに振り替えていくとし、同社が2030年までに目指す、事業全体でのカーボンニュートラル達成に向けた一歩となることや今回の計画が実現すれば、二酸化炭素(CO2)換算で年間1500万トン分の温室効果ガス削減に寄与し、これは毎年340万台以上の自動車を排除することに匹敵するとありました。
 
また、Appleは、サプライヤーが各社の再生可能エネルギーの目標を達成し、新しいクリーンエネルギーを世界中のコミュニティに届けられるよう支援するため、新たなツールの継続的開発、トレーニングなどの支援をしているともありました。
 
この際のリサ・ジャクソン副社長のインタビューでは、「取引先からは提案(100%再エネ切替え)にどんな反響があったのか?」との問いに対し、「ためらいが生じるのは理解できたし、驚きはしなかった。私たちと、決して脅しや二者択一を迫るのではなく、一緒にやっていきたいと考えている」とあり、この言葉が特に印象に残った訳ですが、「一緒にやっていきたい」という提案に関して、日本の取引先は以下のように述べています。
 
◉日東電工
「最大限、自己調達をできるような形で取り組んでいるところ。最終的には、この投資が、経済価値として、企業価値として返ってくると信じて進めている」
 
◉村田製作所
「(アップルの求めは)決して低い目標ではなくて、かなり難しい目標。これから国内外の企業が、サプライヤー(取引先)に対しても、いろんなことを求めてくると考えているし、そこにどう対応していくかというのが各企業の課題」
 
そんな矢先、ちょうど昨日は、電機関連産業で働く皆さんより、産別大の課題などについてご説明いただく場があり、その後の意見交換で私のほうからは、せっかくの機会ということで、サプライヤーとして電機業界全体としてapple社の要求をどのように受け止め、対応しているのかについて質問させていただきました。
 
福井県内でもappleのサプライヤー企業の工場が多くあり、既にこうした要求に応えるべく、自社の設備対応や非化石由来電力の調達にあたっているとのことでしたが、やはり認識としては、応えなければ従前同様の関係でなくなるとの危機感でした。
 
また、appleからは、エネルギーのことならず、時間外労働などの働き方に対しても厳しい要求があるということを聞き、驚きました。
 
こうして、部品調達の段階から世界標準としていることは、高い品質を目指すことの表れということが良く理解できた訳ですが、最後のオチには、「もちろん納期の要求も厳しい」と。
 
いずれにしても、世界の大企業の発想は一歩も二歩も先を行く、独創的なものであり、こうしたところから技術革新は生まれるものとも受け止めた次第です。
 
国内でもTOYOTAなどが、取引企業に対してクリーン電源調達を要求する動きがあるとも聞きますが、これからは使用している電気が何由来か、労働に対しても適正か否かで企業や製品の価値が変わる時代、世界の潮流となることは間違いないところ。
 
各自治体においても最近、「ゼロカーボン宣言都市」に手を挙げたとの記事を多く見ますが、中身を見ると「省エネを推進します」、「紙の使用量を低減します」の取り組みを掲げるのみであったりもして、ややパフォーマンス感が否めない部分もあります。
 
本質的な点を理解すればするほど、達成の困難さから、相当な覚悟なくば手など挙げれないと思うところでありますが、ここ敦賀はどうか。
 
確立した脱炭素電源である原子力発電の再稼働、力を入れて取り組んでいる水素(グリーン水素)の供給力拡大などにより、エネルギーに関して真の意味で価値を高められる都市、先のappleやTOYOTAのサプライヤーにとってもインセンティブが得られるエリアになるのではと考えるところであり、そうした点も頭に置き、現在、そして将来に向けた施策について考え、提言していきたいと思います。
 
なお、こうしたことに取り組むための基盤には必ず「人」の存在がありますので、「人への投資」がますます重要であることを付け加えさせていただき、本日のブログを閉じさせていただきます。

今夏、今冬に再び迫る「電力需給逼迫」の本質的な要因は何か

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これまでもお伝えしてきています、国の根幹を成す次期「第6次エネルギー基本計画」策定に向けた論議も佳境を迎え、いよいよ骨子案が公表されるであろう段階に入ってきています。
 
そうした中、本基本計画見直しに向けては、自民党の総合エネルギー戦略調査会が25日、党本部で会合を開き、原子力発電所のリプレース(建て替え)や新増設を可能とする対策を政府に求める提言を大筋で了承し、計画への反映を目指すとのこと。
 
また、2030年度の原子力発電比率は現行目標(20~22%)の維持・強化を掲げるとともに、原則40年としている原子力発電所の運転期間の在り方も含め、長期運転の方策についての検討を求めつつ、再生可能エネルギーは主力電源として最大限導入するため、電力系統の整備やコスト低減に努めるともしています。
 
これらの提言も受けつつ、政府が、2050年カーボンニュートラルや2030年温暖化ガス排出46%削減(2013年比)など野心的な目標を掲げる中での、言わばエネルギー産業の激動期に、それら目標の達成に向け、政府がどのような10年後を描くのか、従前以上に注視をするところです。
 
さて、同じくエネルギーの話題ですが、何を置いても国民生活や経済活動に欠かせないのは「電力の安定供給」。
 
これに関しては、今年1月の電力需給逼迫が記憶に新しいところですが、経済産業省は25日、今年度の夏と冬の電力需給が逼迫する見通しとなっているとして、発電事業者に燃料の十分な確保を求めることや、利用者に無理のない範囲で省エネの協力を呼びかけることなどを柱とする対応策をまとめ、有識者会議に報告しました。
 
電力供給にどれだけ余裕があるかを示す予備率は最低3%は必要とされていますが、今年8月の夏のピーク時に、北海道や九州電力管内を除く各地域の予備率は3.8%になると予想されていて、新型コロナウイルス禍で引き続き在宅率の高い状況が続けば、家庭での電力需要も増え、予備率がさらに厳しいものになる可能性もあると指摘しています。
 
冬はさらに厳しく、来年2月のピーク時には東電管内で予備率がマイナスになるほか、北海道、東北を除き3.0%と切迫する予想で、予備電源は迅速に稼働でき発電量が安定する火力発電が適していることから、経産省は休止中のLNG火力などの再稼働を念頭に置くとのこと。
 
電力需給逼迫の背景には、液化天然ガス(LNG)火力を中心とする火力発電所が固定価格買い取り制度(FIT)で支援する再生可能エネルギーの発電量拡大に伴い、火力発電の取引価格が低迷し、事業環境が悪化していることやベースロード電源である原子力発電の再稼働が進まないことが大きく影響している訳ですが、何と言っても最大の課題は、現在の「LNG依存度の高さ」にあります。
 
国際環境経済研究所理事・主席研究員の竹内純子氏は、自身の寄稿の中で、以下のように述べています。
 
(以下、記事抜粋)
今般の電力危機の本質は、わが国の電力の約4割を依存するLNGの不足である。LNGは-162℃という超低温で液体にして輸送・貯蔵するので、長期保存に向かない。
わが国の発電事業者の備蓄は2週間分程度しかないことは周知の事実で、それだけに性急な脱石炭や脱原発で天然ガス依存を高めている現状にリスクがあることは、関係者から繰り返し指摘されていた。
調達不足に陥った原因は、需要予想の見誤りだったのだろうか。その可能性も否定できない。
しかしコロナの影響で2020年秋までは需要の停滞が続いていた。長期契約のLNGが受入基地のタンク容量を超えれば安価で転売せざるを得ず、九州電力は2019年度第2四半期決算において、下期発生見込み分を含め140億円程度の転売損失を計上したとされる。
国家備蓄を検討するか、民間事業者の燃料調達に余裕を見込むことを求めるなら手当をしたことで発電事業者が損失を被った場合の救済措置などをシステムとして構築すべきだろう。
(中略)
燃料不足が起これば燃料切れによる発電所脱落、ひいてはブラックアウトという最悪のシナリオがあり得る。具体的には、どこかのLNG基地の在庫が下限を下回れば発電所が停止する。
そうなれば、普段周波数調整等に使っている揚水発電を、kWhを得るために使わざるを得なくなるが、フルで発電すれば5~6時間程度で揚水発電の上池の水は尽きてしまう。
こうした最悪シナリオを回避するために、発電事業者はLNG基地へのLNG船入桟の遅れの可能性も考慮し(冬の荒れた海からLNGを荷揚げするのは予定通りいかないことも多い)、その分のマージンを織り込んで、早めに発電出力抑制をかけることとしている。
燃料不足が懸念される中では、火力発電所が出力を絞った運転をせざるを得ず、市場への投入量は減少する。
 
このような指摘がされている訳ですが、LNG依存度を上げざるを得なかったのは、国民に費用負担を強いてでも、太陽光など再生可能エネルギー比率を高めようとしたことや、環境面から石炭や石油火力をまるで悪のように言われ、環境負荷の低いLNGを優先して運転せざるを得ないこと、さらには先に述べた本来ベースロードとしてあるべき原子力発電の比率ががわずか6%でしかないことなど、複合した要因が挙げられます。
 
この需給逼迫のニュースを見ても、休廃止している火力発電を動かせばどうにかなるかのような雰囲気が漂っていますが、上記で述べたように、根本要因が、国が採った政策による供給構造自体の問題と考えることからすれば、決してそう簡単に解決する問題ではありません。
 
これが、わが国のエネルギー政策を考えるうえで基盤となる「S+3E」(安全を大前提に、エネルギー安全保障、経済性、環境の同時達成を果たす)のひとつの「E」(安全保障、安定供給)の実態であり、こうしたことも強く念頭に置き、エネルギー政策を考えねばならないと危機感すら覚えるところです。
 
私は、決して再生エネルギー否定論者ではありませんが、天候任せで不安定な太陽光や風力の比率を上げれば上げるほど、電気を溜めておける技術が確立するまでは、必ずそのバックアップ電源が必要であること、既存の確立した脱炭素電源である原子力発電を使わずしてまで、需給逼迫のリスクを負う必要がどこにあるのかということだけはお分かりいただければと思います。
 
こう憂えば憂うほど、次期「第6次エネルギー基本計画」の重要性は高まるばかりであり、政府は覚悟を持って、真に現実的な政策を国民に示すよう、切に期待して止みません。
 

【大変革期の日本のエネルギー政策をどう考えるのか(写真は、国際環境経済研究所HPより引用)】

バッハ会長の真意、東京オリンピック・パラリンピックの真の成功とは

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東京オリンピックまで2ヶ月を切り、本来国を挙げて開催ムードが高まる時期であるところ、未だ開催可否双方の声のある国内世論。
 
私は、国際的な日本のコロナ感染状況に対する客観的な見方や選手、大会関係者が懸命に「開催」に向けて万全の準備を進めていること、さらには、開催の判断権限がIOC側にあるとすれば、あれほど一丸となって誘致した日本が行うべきは、自らギブアップしてタオルを投げ込むことではなく、最後まで開催を前提とした努力を続けることしかないと考えるところです。
 
そうした中、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が22日の国際ホッケー連盟(FIH)のオンライン総会に寄せた連盟関係者向けのビデオメッセージで、「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない。(そうすれば)選手は夢を間違いなく叶えることができる」との発言が日本国内で報じられると、この「犠牲」を巡り、「(国民が)犠牲を払ってまで開催するなどとはけしからん」と一部野党やメディアが取り上げています。
 
一方、会議に出席した関係者は「犠牲」について「参加する方も今までと違った形なのでいろいろな制約があるけど、それは我慢してやるべきだというニュアンスと受け止めた」と述べているともあります。
 
バッハ会長は海外からの一般観客受け入れを断念した3月にも、日本側の意見を尊重するとしたうえで「誰もが犠牲を払わないといけない」と声明を出した際の「犠牲」の意味は、来日する関係者の削減や、選手村と競技会場など移動できる範囲の限定、コロナの影響による予選中止や渡航制限によって起きる選手選考の変更などを挙げていたことから、この22日の発言の意図も「日本国民に」ではないと受け止めるべきと思いところであり、ここでもやはり、発言の背景や全文を通して理解すること、「切り取り報道」に乗せられてはいけないものと、改めて勉強するところであります。
 
また、海外から見たオリンピックに関しては、先日、開会式にマクロン大統領が出席することを明らかにした、次期開催国フランスでは、公共放送を手掛ける企業「フランス・テレビジョン」で使用される、2021年東京オリンピック中継用のプロモーション動画(CM)が動画配信サイトで公開されました。
 
ここで登場したのは何と力士で、この力士はまわし姿、浮世絵調の世界の中でサーフィンや短距離走をしたりと軽快に動き回り、棒高跳びをして鳥居を超えるシーンもあり、最後には会場と思わしきスタジアムに着地をするとの映像となることに加え、画面両端に出るキャプションは開催地日本や選手に対するエールにも映ります。
(是非、以下の動画をご覧ください。時間は1分程度です。)
 

【フランス・テレビジョン「東京オリンピック中継用プロモーション動画」のワンシーン】
 
 →→→フランスで流れている東京リンピックのCMはこちらから(YouTube動画より)
 
この動画を作成した趣旨は、同社の公式Facebookページにて「日本の版画のイメージと、夏のオリンピックでの新しい種目が融合した『日出ずる国』への旅の招待状です」と投稿しており、東京オリンピック開催を巡っては、海外メディアから中止を提案する声も聞かれる一方、開催が予定されている以上、参加する自国の選手たちを盛り上げるべく、海外のクリエイターたちが趣向を凝らしているのも事実であります。
 
さて、改めて国内に目を向ければ、全国各地で開催されているオリンピック聖火リレーが、いよいよ今週末には福井県に。
 
敦賀市では29日の15時頃から16時10分頃まで、名勝「気比の松原」を舞台にランナーが走ります。
 

 
 →→→敦賀市HP「聖火リレー実施に伴う交通規制のお知らせ」はこちらから
 
また、オリンピック開催に際しては、ホストとして「人道の港」でつながりのあるポーランド選手団を受け入れる予定としており、そうなれば「やさしい日本人がいたまち」の思いを持って、最大限の歓迎をしたいと思うところです。
 
先に記載しましたバッハ会長のビデオメッセージでは、選手村に入る70%以上のアスリートや大会関係者がワクチン接種を受けたなどと報告したうえでこうも述べられています。
 
「東京大会がようやく間近に迫り、最後のカウントダウンに突入した。現在の厳しい状況を受け、我々は団結や多様性、粘り強さを強いメッセージとして発信する必要がある。東京はトンネルの終わりの光になる」
 
コロナ禍であっても開催する東京オリンピックの意義、その会場が「日本」であるからこそ、世界から期待されていることを今一度噛み締め、「トーキョー」のフリップで誘致を決めた時の感動やワールドカップラグビーでは「ONE TEAM」で選手を後押ししたあの大きな力を思い返し、ここは東京オリンピック・パラリンピックの真の成功に向け、私たち日本人の思いをひとつに、一致団結することを願って止みません。

「挫折」を「力」に変えた福岡選手。次なる道へ。

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ぐずついた天気が続いたこの週末でしたが、昨日の夕方あたりからようやく晴れ間が広がり、五月雨も束の間の小休止といったところ。
 
気づけば5月も下旬に入り、来週31日には6月定例会前の議会運営委員会が開催されます。
 
一般質問で取り上げる項目は、日々頭の中に置いて活動をしている訳ですが、そろそろ絞り込み、文字に置き換えて準備していきたいと思います。
 
さて、最近だけを見ても、競泳の池江璃花子選手の復活五輪切符や男子ゴルフの松山英樹選手のメジャー制覇など、スポーツ選手の活躍ぶりは記憶に新しいところですが、昨日は「活躍」とは少し違えど、同じく元気をもらうシーンに出会いました。
 
医師への道を歩むため、今季限りで現役を退く、日本ラグビー界が誇るスピードスターで元日本代表の福岡堅樹選手(パナソニック)が23日、日本選手権を兼ねたトップリーグのプレーオフトーナメント決勝で自らもトライを決めるなど、サントリーに31-26で有終の美を飾り、ラグビー人生で初の日本一を置き土産にして惜しまれつつジャージーを脱ぎました。
 
私が福岡選手を知ったのは、「ワンチーム」の合言葉で戦った2年前のワールドカップ日本大会での活躍からな訳ですが、俊足を飛ばしてトライするプレーやインタビューでの語り口調から、彼の印象は「頭脳明晰で抜群の身体能力の持ち主」でした。
 
その福岡選手ですが、当初「堅樹が消える」と評された鋭角ステップを武器とするものの、負担がかかる膝などを何度も故障して手術や試行錯誤を重ねた末に、世界屈指の加速力を生かした今のスタイルで選手としてスケールアップしたのだそう。
 
また、経歴に関しても、福岡高では花園(全国大会)に出場し、競技人生に終止符を打つつもりだったものの、医学部受験を2度失敗。
 
「ラグビーをやれる時間は限られている」と筑波大で競技に集中し、社会人で受験勉強を本格的に再開し、何と今年2月に順天堂大医学部に合格したとことは、多くの方が知るところ。
 
それまでのプレースタイルや生き方に固執することなく、変化を恐れず決断、切り替える早さ、ぶれない心はトップアスリートの新たなロールモデルも示したとも言われています。
 
こうして福岡選手を知れば知るほど、「頭脳明晰で抜群の身体能力の持ち主」に留まらず、私は「挫折」を「力」に変えた選手との例えのほうが適切だと思いを改めるところです。
 
昨日の試合後のインタビューでも「わがラグビー人生に悔いなし」とばかりに、笑顔でスタンドのファンに手を振る姿は、見ていて本当に清々しき日本男児の姿を見るようでした。
 
今後、日本のアスリートでは異例ともいえる進路に進む福岡選手に大いなるエールを送るとともに、諦めずチャレンジし続ければ叶うことを身をもって示した姿を鮮やかなトライシーンとともに記憶に留め、自身の今後の励みにしたいと思います。
 

【変化を恐れずチャレンジし続ける福岡選手。次なるステージでも鮮やかなトライを!】

2025大阪万博へ「敦賀から羽ばたく水素の翼」

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昨日ご紹介しました敦賀市の新型コロナウイルスワクチン接種についてですが、追加情報をひとつ。
 
現在行っている65歳以上の方の1回目と2回目の接種間隔を、4週間から3週間に変更したことに伴い、予約枠全体の調整を行った結果、集団接種会場について、「きらめきみなと館」で6日分、「市立看護大学」で2日分の計1268名分の予約人数枠を追加することにしたとのこと。
 
追加枠の予約受付開始は、明日5月24日(月)9時からということですので、希望される方はコールセンターまでお申し込みいただければと思います。
 
なお、くどいようですが、ワクチン接種に関しては、敦賀市ホームページに分かりやすく掲載されていますので、疑問点のある方は是非、以下までアクセスください。
 →→→敦賀市HP「新型コロナウイルスワクチン接種について」のページはこちらから
 
さて、話しは変わり、今日は未来に向けた夢のある話題。
 
昨日の新聞でご覧になった方も多いかと思いますが、国土交通、経済産業などの関係省庁と民間企業などが参加した「空の移動革命に向けた官民協議会」は5月21日、オンラインで会合を開き、垂直の離発着が可能で滑走路が不要な「空飛ぶクルマ」の実用化を後押しするため、2025年に開催予定の日本国際博覧会(大阪・関西万博)会場で飛行できるよう、必要な制度設計などを議論する作業部会「大阪・関西万博×空飛ぶクルマ実装タスクフォース」を設置することを決めたとのこと。
 
万博会場と周辺を「空飛ぶクルマ」で結び、来場者を輸送することなどを想定していて、空飛ぶクルマをアピールできるよう、離発着場の整備や運航ルールの設定といった点について議論する予定。
 
必要に応じて法制度の整備・改正も検討するとしています。
 
ここで登場します「空飛ぶクルマ」とは、正式名称を「電動垂直離着陸型無操縦者航空機(eVTOL(electric vertical takeoff and landing))」と呼び、電動化、完全自律の自動操縦、垂直離着陸が大きな特徴。
 
モビリティ分野の新たな動きとして、世界各国で開発が進んでおり、日本においても2018年から、先の「空の移動革命に向けた官民協議会」が開催され、都市部でのタクシーサービス、離島や山間部の新たな移動手段、災害時の救急搬送などにつながるものとして期待されていて、今後は、2023年度の事業開始、2030年の本格普及に向けたロードマップ(経済産業省・国土交通省)が制定されているというものです。
 
また、これに関しては、近畿経済産業局が「水素でつくる未来社会『水素×ドローン』〜2025大阪・関西万博の空へ〜 (関西スマートエネルギーイニシアティブ)」と題し、関西地域の中小企業等のチカラを集結し、地球にやさしい水素の翼を2025大阪・関西万博でのお披露目を目指し、水素ドローンの開発に取り組んでいるところ。
 


【大阪万博会場で飛ぶ水素ドローンのイメージ(出典:近畿経済産業局)
 
話しの味噌はここからでして、国や大阪だけが先走っているかのように見えるこの「空飛ぶクルマ」ですが、実は敦賀市とも関係がありまして、平成31年度には、市が掲げる「ハーモニアスポリス構想」先導事業の敦賀市産業間連携推進事業費補助金について、株式会社日東工作所による高効率水素エンジン利用ドローン研究開発を採択。
 
これはまさに、先ほどご紹介した近畿経済産業局が打ち出した水素を燃料とする高出力、高航続距離のドローンを開発するHyDrone(ハイドローン)プロジェクトの一翼を担うもので、株式会社日東工作所の提案ではありますが、近畿経済産業局との官民連携プロジェクトとなります。
 
つまりは、2025年の大阪・関西万博でのデモフライトを目指す、このHyDroneプロジェクトに敦賀市も協力しているという関係性を踏まえれば、より期待が高まるものであります。
 
敦賀市においては、市の「調和型水素社会形成計画」の中で、自前で製造したローカル水素を燃料とする水素ドローンを活用するという目標もあり、まさにその礎、第一歩となるのが、このプロジェクトにあると受け止めるところであります。
 
「空飛ぶクルマ」は、小さい頃に見たアニメの世界ですが、いよいよ実用化を目指す段階にまで来たことは、技術の進歩とともに何かワクワクするもの。
 
以前に渕上敦賀市長が記者会見で仰られた言葉は、「50年前の大阪万博では原子力の火を届けましたが、次の万博には「敦賀から羽ばたく水素の翼」をキャッチフレーズに敦賀から水素の翼を送り届けたいというふうに考えております。」。
 
半世紀の歴史を振り返ってのこの言葉に、私も大いに共感するところ。
 
古より交通の要衝として、さらにはエネルギーのまちとして栄えてきたこの敦賀が、先進的なエネルギー・モビリティ革新のまちを目指すことには、何か歴史的な意義を持つとともに、役割でもあるかと感じるところであり、私自身、もう少しこの分野(ドローンなど)の知識を積み重ね、未来に向けて建設的な意見提起ができるよう努めていきたいと思います。
 
本日は、少し明るい話題ということで、未来に向けた夢あるプロジェクトと敦賀の関係のご紹介まで。

対面でもWEBでも、気持ちはいつも「フェイスtoフェイス」

ブログ 活動報告

コロナワクチン接種に関しては、予約混雑やキャンセル分の取扱い、さらには7月末までに65歳以上の高齢者の2回接種を終えられる自治体と終えられない自治体など、様々な情報が取り上げられています。
 
ここ敦賀でも、私の方にいくつか声が寄せられており、「様子を見てから接種するわ」という方もいれば、「早く接種したいけど予約が…」という声まで様々。
 
予約混雑に関しては、貴重なお時間を費やしてダメだったという際のお気持ちを察するところでありますが、市においては、予約できる指定医療機関の数を増やすなど、適宜改善を図っていることやワクチンは十分確保していることの周知を行なうなど対応しているため、どうかその点ご理解いただけますようお願いいたします。
 
こうして、高齢者の皆さんの接種が進んでくると、次は65歳以下の方ということで、お勤めの方からは「市外に住民票のある単身赴任の人はどうなるの?」との問い合わせがあり、市のホームページを確認したうえで、詳細をワクチン接種実施本部にも確認すると、お忙しいところにも関わらず、大変丁寧にご回答いただき感謝。
 
市外に住民票があって敦賀にお住まいの方はAとBとに分類し、Aは特段の手続き不要で敦賀で接種可、Bは「住所地外接種届」を申請のうえ、「住所地外接種届済証」の発行を経て接種が可ということ、さらに接種後に住民票のある自治体へ個人が連絡することは不要(全国でワクチン接種システムが連携しているため)ということを確認することが出来ました。
 
質問者にお返しすると安堵されている様子でしたが、こうして質問いただけたことで私もひとつ知識が増え、質問者の方にも感謝であります。
 
今後、企業の方ではこうしたケースも多くあると思いますので、以下、敦賀市ホームページ掲載の内容をまた周知いただければと思います。
 →→→住民票が市外にあり、敦賀市内でコロナワクチン接種を検討されている方へ(敦賀市HPより)
 
さて、こうしたコロナ禍であっても出来得る範囲で進めてきております私の活動報告会ですが、3月定例会以降も、母体職場を中心にコロナ対策を図りながら開催してきており、昨日は日本原電敦賀発電所の皆さんにご報告をさせていただきました。
 

【今回のパワポ表紙は、毎週辻立ちしている名子の海です】
 
敦賀発電所では、食堂の密回避のため、所員のお昼休み時間を2つのグループでずらしていることや、会議室も席と席の間に全てアクリルボードを設置し遮るなど、様々な対策が講じられているところ。
 
そうした状況に合わせ、報告会の方も2回開催させていただきましたが、計40名の方に参加いただき大変嬉しい限り。
 

【多くの所員の皆さんに参加いただき感謝!】
 
3月定例会代表質問の内容や市政のトピックス(リラ・ポートなど)、議員定数検討、先のワクチン接種の紹介をさせていただきました。
 
また、定時以降は、これまた母体の原電総連セミナーにお声掛けいただき、こちらはWEB開催でありましたが、冒頭にお時間を頂戴しご挨拶。
 
画面越しながら、参加者の皆さんに日頃のご支援への感謝をお伝えすることが出来ました。
 

【WEBセミナーでの挨拶の様子】
 
これ以降も他の労働組合さんでの開催を含め、いくつか報告会の予定が入っておりますが、もし「ウチでもやって欲しい」とのオファーあらば、喜んで駆け付けますので、対面でもWEBでも、職域でも地域でもお気になさらずにお声掛けいただけますようお願いいたします。
 
後半2年の活動に入り、この報告会も進化・深化させていかなければとの思いのもと、次回6月定例会後からは、組織や地域を問わず、Zoomを活用した「WEB報告会」にもチャレンジしてみようと考えています。
 
ご高齢の方であっても、スマホやパソコンをお持ちであれば、アプリをインストールするだけで、ご自宅にいながらつながることが出来る、この方法を活用していくことは、報告会のみならず、世界が広がるものと考えるところです。
 
いずれにしても、対面でもWEBの画面越しでも、自身の考えや思いが伝わるよう、気持ちは「フェイスtoフェイス」で熱くお話ししていきたいと思いますので、今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

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