コロナもスポーツも「ゴール」があるから頑張れる

ブログ 新型コロナウイルス

日本人選手の活躍が続く東京オリンピックは、昨日から陸上競技がスタートしましたが、初日から二つの「49年ぶり」の快挙。
 
その二つとは、ひとつ目が男子3000障害での三浦龍司選手、ふたつ目が男子走高跳びの戸邉直人選手の決勝進出。
 
ちょうど私は49歳ですが、生まれた年に開催されたミュンヘンオリンピック以来の出来事と思うと、どこか感慨深い気持ちになるもの。
 
それだけ世界との力の差があった競技とも言える訳ですが、とりわけ3000m障害での三浦選手の予選の走りを見ると、そうしたことを全く感じさせない快進のレースで、世界チャンピオンに肉薄する2位、タイムは自身の日本記録を約6秒縮める8分9秒92の日本新記録での決勝進出。
 
陸上競技の中でも比較的マイナーなこの競技ですが、実は私、高校時代3000m障害をやっておりまして、タイムはさて置き福井県大会で優勝した経歴を持っています(自慢めいた言い方ですみません)。
 
良く「なんでわざわざ水の中に入るのか分からん」と言われる「水濠(すいごう)」ですが、見てお分かりの通り、なるべく水に浸からずに飛ぶのがまたテクニックであり、水濠を入れて1周に5台あるハードルの越え方も自由(足を掛けても掛けなくても良い)という、私にとっては、この野性味あふれる競技が好きだった訳ですが、こうして30年以上前の記憶とも重ねて、三浦選手の走りに熱くなった次第です。
 
三浦選手のタイムは全体でも2番目の好タイムであり、レース後のインタビューでも決勝進出で満足することなく、メダルを狙うかのような眼光にまた熱くなりました。
 
決勝レースは8月2日となりますので、日本人選手が世界と互角に戦う姿をしっかり目に焼き付けたいと思います。
 

【僭越ながら、今から32年前、高校2年生の私(プロフィールの写真)。水濠に浸った後の濡れたスパイクの「グジュグジュ音」が懐かしい。】
 
さて、私の思い出話しから話しを切り替え、昨日福井県では、敦賀市での8人を含む30人の新規感染があった新型コロナウイルス。
 
首都圏を中心に全国的に新規感染者増となる状況を踏まえ、菅首相は昨夜、神奈川、埼玉、千葉、大阪の4府県に緊急事態宣言、北海道、石川県、京都府、兵庫県、福岡県に蔓延防止等重点措置を実施すると発表しました。
 
昨日のブログでは、この緊急事態宣言の効果はいかに、また以前にはコロナを脱する「ゴールの見える化」の必要性を述べたこともある訳ですが、宣言発出後の菅首相の記者会見で、ひとつ大きなポイントがあったものと受け止めました。
 
それは、上記の後者と同義の「出口の明示」について。
 
記者からの、「欧米は新規感染者が増えても重症者や死者数が抑えられ、さまざまな規制が解除されている。日本も新規感染者数を基準とした政策から方針転換するか」の問いに対し、菅首相は、「(前段省略)そうしたワクチンの接種を踏まえて、先ほど申し上げましたけれども、緊急事態宣言期間である8月いっぱいの中で、まずワクチンの進め具合。(全国民の)4割が2回接種する。さらに重症化病床の利用率。そして医療提供体制の負荷。そうしたことに着目して、具体的な分析を行った上で、地域における医療体制の状況などを判断して、その出口というのはわかりやすく考えていく。そういう必要があるだろうというふうに思ってます」との考えを明らかにされました。
 
具体的な基準については、仰られるよう専門家の意見も踏まえ設定していく必要があろうかと思いますが、昨日もご紹介しましたワクチン接種と重症化率、死亡率との相関なども踏まえ、科学的根拠をもって明示されることを、大方の国民の皆さんも期待しているものと考えるところです。
 
先進国では、新規感染が確認される中にあっても、屋外でのマスク着用義務を解除するなどの規制措置緩和を行なってきており、そうした事例も参考に是非とも早目に提示いただくことが、今の波を抑えることにもつながると考えます。
 
尊敬する熊谷俊人・千葉県知事は一昨日、神奈川県・埼玉県とともに3県知事と西村大臣とのオンライン会議にて、正式に3県で緊急事態宣言の要請を行ったことを報告するご自身のFacebookの結びでこう仰っています。
 
「以前より申し上げている通り、相次ぐ宣言に対する国民の忌避感を理解し、宣言の目的と出口を明示し、ワクチン接種が一定程度まで進む、あとわずかの期間における協力を得られるよう、政府には求めています。
 
冒頭の陸上競技と同じく、苦しくとも頑張れるのは「ゴール」があるから。
 
今なお、出口の見えないコロナトンネルを歯を食いしばり走り続ける国民の皆さんのためにも、ここだけは絶対に抵抗勢力に屈することなく、科学的根拠を踏まえた判断、政治のリーダーシップ発揮をお願いする次第です。

コロナにエネルギー。空気に支配される政治の代償は大きい。

ブログ 新型コロナウイルス

昨日のブログは、災害備蓄倉庫のご紹介など防災に関する内容を書かせていただきましたが、ちょうど投稿した後の6時20分、福井地方気象台が福井市と坂井市に大雨警報(土砂災害、浸水害)と洪水警報、鯖江市に大雨警報(土砂災害、浸水害)、あわら市、永平寺町、越前町に大雨警報(土砂災害)を発表。
 
大雨に伴い福井市は6時40分には、市内8地区に避難指示を発表して以降も、同市ではさらに8地区、また越前町も午前9時には、朝日地区に避難指示を出すなど、緊迫感の増す状況となりました。
 
幸いにして、この大雨は比較的短時間で落ち着き、午後からは天気も回復、16時には、発令していた全ての地区の避難指示を解除、避難所も閉鎖するなど、一部家屋への浸水、道路の冠水があったものの人命に関わる事案はなかったようで安堵。
 
こうして近隣市町での事例を見るに、降水帯がもう少し南であったならば、ここ敦賀がまさに同じ状況になった訳であり、まさに避難指示などの対応がされる事態も想定されることから、ここでもやはり対岸の火事と思わず、ひとつ一つを我がこととして教訓につなげていくことが肝要と思う次第です。
 
さて、自然災害の話しから新型コロナウイルス感染に目を向けると、昨日29日は、国内で新たに報告された新型コロナウイルスの感染者が初めて1万人を超えました。
 
また、こうした状況を踏まえ、政府は埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を緊急事態宣言の対象に追加する方針を固めたほか、宣言が出されている東京と沖縄の期限も併せて延長する方針が明らかになったとのこと。
 
緊急事態宣言が出されている東京都が顕著な増加を辿っているのを見るに、宣言を再度出したとしても、その効果たるや如何なものかと思うのは世間の思うところでありますが、一部で既に声が挙がっているよう、この「新規感染者」の数に右往左往する状況をいつまでも続けていて良いのかというのが私の考えです。
 
つまりは、厚生労働省が既に発表している数値から分かるよう、ワクチン接種によって重症化率、死亡率は明らかに低下しており、こうした科学的データや見地をもとにした対応が図れるのではないかということですが、有識者の見解を調べてみると、東京脳神経センター整形外科・脊椎外科部の川口浩部長がこのように述べていました(7月中旬断面の見解です)。
 
「第1波から第4波までの感染者と、現在の感染者を比べると、世代に明らかなギャップがあります。以前は高齢者が多かったのに対し、いまは若い世代が感染者の半数を占めています。おそらく変異株のせいだと思いますが、若年層の感染者増が、必ずしも重症者数の増加につながっているわけではありません。それはデータを見ても明らかですし、加えて最近は、メディアでも医療逼迫について議論されなくなってきています。感染者数だけを見て新型コロナの影響を測る、という状況ではなくなっているように思います」
 
「現在、アルファ株がデルタ株に置き換わっているイギリスでは、同時にワクチン接種も順調に進んでいます。デルタ株が流行して以来、感染者数はワクチン接種率と必ずしも相関しなくなってきていますが、重症者数とワクチン接種率は非常によく相関しています。すでに証明されているように、mRNAワクチンはデルタ株にも効果があり、感染者数が増えても、ワクチンによって重症者数が抑えられているのです。感染者の増加が医療逼迫につながっていないため、ジョンソン首相もロックダウン等の措置をとらず、サッカーのEURO2020のようなスポーツ大会をやっているのだと思います」
 


【ワクチン接種が進むにつれ、65歳以上高齢者の新規陽性者数(10万人あたり)、重症者や死亡者は抑えられている(厚生労働省資料より抜粋)】
 
ちなみにイギリスでは、7月4日の新規感染者数は2万3838人で、死者数は15人。
 
同日、人口が約2倍の日本では、新規感染者数が1414人で、5月18日には216人を記録した死者数は、5人にまで減っていたものの、当時、新規感染者数増のみを懸念して、五輪を無観客にすべきとの論調に屈するような形で、結果無観客を選択したことは周知の事実な訳ですが、これまでの「感染者数が増えれば、重症者が増える」傾向から、「感染者数が増えても、重症者の割合は低い」傾向となっている訳であり、もはや感染者数で一喜一憂する状況は過ぎ、感染者数至上主義から思考を変える段階にあるのではと考えるところです。
 
とはいえ、感染者が発生すれば看護や検査など、今なお医療機関、従事者の皆さんには多大なご負担がある中対応いただいている状況であり、その点を踏まえれば、医療や感染症の専門家ではない私が適当なことを言える立場にありませんのでここまでにすべきと思いますが、ひとつ言えるのは、結果的には過去最多の数値が出ている現状、客観的且つ科学的データを広く国民に示すことなく、有効な対策を打ち出すことができずにいること、加えて国民との信頼関係(緊急事態宣言の内容を守る)が崩れつつあることは、この空気(メディアの扇動やそれに影響を受ける世論)に支配された政治の代償とも考えるところであり、この点を打破していくには、強い政治の信念とリーダーシップが必要不可欠である。
 
新型コロナやオリンピック、そしてエネルギー政策、昨今おかしいと感じることの根源にある問題はそれではないかと、強く感じて止みません。

台風シーズン本格化を前に「災害備蓄倉庫」を確認

ブログ 防犯/防災

ある先輩がよく言っていた「人生には三つの坂がある」との言葉。
 
その意味は、「上り坂、下り坂、そして、まさか」だと。
 
昨日の東京オリンピックは、その「まさか」で、男子バドミントンシングルスの1次リーグで、世界ランキング1位の桃田賢斗選手が敗れ、予選敗退するという波乱。
 
過去に色々とあった中で迎えた自国開催のオリンピックで、個人的に応援していただけに誠に残念ですが、大本命とて順当に勝ち進むということがいかに難しいかを思い知らされる次第です。
 
さて、オリンピック競技への影響がないかと心配していた台風8号ですが、やや発達をしながら北上、一時は東海から東北にかけて広く風速15メートル以上の強風域に巻き込みながら、東北を横断しながら西よりに進み、28日午後3時に秋田沖で温帯低気圧に変わりました。
 
この台風により大きな被害等は発生していないようで安堵するところですが、いよいよ8月以降は台風シーズン本格化。
 
29日午前9時の予想天気図を見てみると、「台風のたまご」と呼ばれる熱帯低気圧が、日本の東に加え、日本の南の海上にも発生する予想となっており、台風にまで発達するかはまだ分からないものの、来週以降は、これらの擾乱が日本付近に豪雨などの影響をもたらす可能性もあり、今一度、非常用品の確認やハザードマップの確認をしておく必要があろうかと思います。
 
そうした中、昨日は他の議員さんから以前にお声掛けいただいていた、災害備蓄倉庫内部を見学させていただきました。
 
この災害備蓄倉庫は、敦賀市防災会議が策定した「敦賀市地域防災計画」に定められるもので、昨日拝見したのは、本計画の資料9-1 「災害備蓄倉庫一覧」に示される7箇所のうち、呉竹町松島中央公園にある「第4防災備蓄倉庫」。
(参考:市内の災害備蓄倉庫)
第1&2:昭和浄水場敷地内、第3:松原小学校1階、第4:松島中央公園、第5:粟野公民館、第6:敦賀消防団器具置場、第7:中郷公民館
 
ちなみに、この「敦賀市地域防災計画」は昭和40年8月作成の後、令和3年3月分まで、数えてみると17回も修正がされていました。
 
全国で発生した過去の災害事例や法改正なども踏まえ、幾度となく修正が加えられていることは、災害の多さを物語っているともいえ、そうした背景のもと存在する計画であることを今一度認識したところです。
 
話しを戻し、この通称「松島備蓄倉庫」は、RC造平屋建で面積は197平方メートルと、市内の倉庫では最も大きいものとなります。
 
説明にお越しいただいた市の職員さんの案内のもと、倉庫の中に入ると、非常食や飲料、発電機やスコップ類まで、様々な種類の資機材が整然と棚に並んでいました。
 

【第4備蓄倉庫(松島中央公園)の外観←ちょうど呉竹町の福井銀行裏手にあります】

【倉庫内の様子】

【第4備蓄倉庫(松島中央公園)の備蓄レイアウト】
 
この松島を始め、他6箇所の倉庫は、先ほどの地域防災計画においては、「第6節 飲料水、食糧、生活必需品の確保計画」にて、「市は、災害発生時における市民の生活を守るため、飲料水、食糧、生活必需品等の備蓄・ 調達体制を確立する。」との方針のもと、個人備蓄の推進をしたうえで、市の備蓄として、災害時に物資の供給が円滑に行えるよう、市内各所に配置する防災備蓄倉庫にて最低限必要なものを分散備蓄すると定められています。
 
なお、備蓄物資の考え方としては、
(1)生命を維持するために最低限必要なものとするが、栄養や食事形態など要配慮者向けの備蓄にも配慮する →→ 毛布、水、食糧(主食)など
(2)生活を維持するために最低限必要なもの →→ 日用品、資機材など
 
備蓄目標は、罹災者に必要な水1日分、食糧1日分、物資3日分とする。
 
旨、定められており、これに沿った考えで、計7箇所の倉庫に備蓄されいることが良く分かりました。
 
なお、職員さんの説明によれば、想定する災害クラスとしては、阪神淡路大震災級で、避難者11,500人、罹災者38,200人想定としていることや、この松島の倉庫に関しては、笙の川が近いこともあり、浸水対策として食料品や衛生用品は低い位置に置かないことや、湿気対策として食料品は壁側に置かないなどの配慮をしているとのことでした。
 
当然、大規模災害が発生した場合、これだけで足りるのかとの疑問もある訳ですが、計画にも定めているよう、必要物資調達体制として食料や衣料など関係業界団体等との協定締結、さらには近隣自治体との連携のもと対応されるとしており、やはり個人個人でも地域でも、そして自治体においても、こうした際にはお互いに助け合う考えがベースにあるものと認識した次第です。
 
百聞は一見に如かずと言いますが、まさに昨日はそのことを痛感しました。
 
もちろん、こうした備蓄物資を使う機会がないに越したことはありませんが、「まさか」に備え万全の備えをしておくことは大変重要なこと。
 
本格的な台風シーズン到来に合わせ、普段見れない部分を皆さんにご紹介するとともに、いつ襲ってくるか分からない「まさか」を念頭に、「備えあれば憂いなし」の考えを共有できれば幸いに存じます。

日本では「タブー?」な、脱炭素化に向けた「世界の共通認識」

エネルギー ブログ

「しびれる試合」というのは、こういう試合を言うのでしょう。
 
昨晩の東京五輪ソフトボール決勝。
 
宿命のライバルで、一昨日は今大会唯一の黒星をつけられた米国との試合は、日本が2-0で「しびれる試合」を制し、金メダル獲得。
 
ソフトボールが五輪競技に復帰したのが13年ぶりであっただけに、選手の喜びもひとしおのように映りました。
 
また、試合後のインタビューでは、上野投手が「(13年ぶりの五輪金メダルに)諦めなければ夢は叶うということをたくさんの方に伝えられた。」、宇津木監督は、「正直に言うとこの1週間、怖かった。このご時世の中で開催する(ことについての)迷いもあった。でも国民の皆さんが支持してくれたことが一番我々の力になった」とチームへの応援に感謝する言葉を述べられました。
 
宇津木監督の言葉にあるよう、コロナ禍での五輪開催に反対する国民の声は、こうも選手や指導者を苦しめていたことを改めて知ると同時に、逆も然り、選手の後押しは、これまた国民の声でしかない訳であり、やはり自国民が自国の選手を苦しめることだけはするべきでないと思う次第であります。
 
昨日は、ソフトボールのほか、お家芸の男子柔道では、4階級連続の金メダル、さらには新種目のサーフィンなどでもメダルを獲得し、新旧競技で上手く噛み合った活躍により、日本の金メダル獲得数は10個。
 
現在のところ中国を抑えトップに立った訳ですが、今日も引き続きの快進撃を期待したいと思います。
 
気づけば、毎日同じような期待のコメントをしていますが、その点ご容赦のほど。。。
 
さて、昨日は「予定」としておりました関西電力美浜発電所3号機(定格電気出力82万6千kw)ですが、27日17時00分に総合負荷性能検査を終了し、無事に営業運転を再開しました。
 
営業運転再開にあたり、関西電力がコメントを発表していますので、ご紹介させていただきます。
 
(以下、関西電力コメント)
新規制基準施行後、全国で初めて、40年を超えての再稼動に向け、立地地域をはじめ、これまで一方ならぬご尽力を賜りました皆さまに、あらためて心より厚く御礼申し上げます。
40年を超えて原子力発電所を最大限活用していくことは、「電力需給の安定化」や「ゼロカーボンの推進」の観点から、非常に有意義であると考えています。
当社は、美浜発電所3号機において、16年前に発生させた重大な死傷事故の反省と教訓を深く心にとどめ、安全性をたゆまず向上させていくとの強い意志と覚悟のもと、安全・安定運転の実績を一つひとつ積み重ねてまいります。
 
ここに書かれていることをつなぎ合わせていくと、原子力発電は今後も、我が国のエネルギー政策の基本にある、安全を大前提に、電力の安定供給と環境面を同時達成する「S+3E」(もうひとつのE:経済性の記載はありませんでしたが)に貢献していくとの姿勢を改めて示されたものと、私は理解したところです。
 
こうして美浜発電所3号機の営業運転再開を踏まえ、世界全体の脱炭素化、日本がめざす2050カーボンニュートラルに向けての原子力発電の位置付けを考えるに、
 
◉脱炭素化に向けた原子力の長期運転の重要性は世界の共通認識であり、現在多くの国々では、高経年化に伴う許認可の更新や健全性の確認を行ったうえで、既設原子力発電所の運転延長が進められており、例えば米国では運転中94基のうち9割超が60年までの運転延長が認可され、うち6基が80年までの認可を取得していること。
 

【原子力のポテンシャルの最大限発揮と安全性の追求(令和3年4月14日 資源エネルギー庁資料より抜粋)】
 
◉こうした中、ドイツなど一部の国を除き、消費電力量が大きくカーボンニュートラル(CN)を表明している国の多くが将来にわたり原子力を利用する方針を掲げており、国際エネルギー機関(IEA)も、脱炭素目標の達成とエネルギー安定供給に大きく貢献している原子力の利用無くして、クリーンエネルギーへの移行は困難としていること。
 
◉また、IEAは、低炭素電源の中で既設原子力発電所の運転期間の延長が最も費用対効果が高いと評価し、今後世界各国において、新規建設等とともに運転期間の延長が進まなければ、追加的なコスト負担が急増しCNの実現可能性が低下すると指摘するなど、脱炭素化に向けた原子力の長期運転の重要性は世界の共通認識となっていること。
 
などが、世界の常識になっている訳ですが、先の次期「エネルギー基本計画(素案)」然り、エネルギーコスト検証結果を見るに、日本においては、こうした潮流を敢えて聞かないようにしているのではと疑いたくなる内容となっています。
 
少資源国の我が国にとって、足元の構造的課題である電力需給ひっ迫やエネルギーコストの高止まりの解消はもとより、将来にわたり低廉かつ安定的にエネルギーを確保しつつ、今後の脱炭素社会やデジタル社会を実現するためには、再生可能エネルギーの適切な範囲での導入拡大、火力発電の一層の高効率化や技術開発等とともに、既に確立された脱炭素技術である原子力を最大限に活用していくことが不可欠と考えるものであり、とりわけ、原子力に関しては、より安全性に優れた技術を用いた新増設・リプレース等、将来に向けた明確な道筋を国が示さなければ、「尻すぼみ」となることは火を見るより明らか。
 
こうして考えるに、美浜発電所3号機の営業運転開始は、我が国のエネルギー政策を考えるにあたって極めて大きいことであり、関西電力のコメントにもあったよう「安全・安定運転の実績を一つひとつ積み重ねていく」ことが、原子力に対する国民からの信頼と、将来に亘り最大限活用していくことへの理解につながるものであり、私自身、現場第一線で働く皆さんとともに、その取り組みに汗をかいていきたいと考えます。

夏季の電力需給を支える発電所。美浜発電所3号機は本日、営業運転再開予定。

エネルギー ブログ

閉会中の敦賀市議会ですが、昨日は広報広聴委員会を開催。
 
この委員会は、私が委員長を務めさせていただいている訳ですが、広報活動に前向きな他の委員の皆さんや議会事務局担当のご協力のお陰で、毎回有意義な議論をさせていただいているところ。
 
昨日は、先に行われた6月定例会に関する「議会だより」について、各常任委員会・特別委員会からの報告や各議員の一般質問内容など、原稿の一字一句を皆で確認し合いました。
 
この議会だよりに関しては、他議会を参考に見てみると、カラー刷りで写真を多用したタウン情報誌のようなスタイルのものがあったりもしますが、敦賀市議会の場合は、至ってシンプルな二色刷り、文字メインとしているもの。
 
これは、審議、審査の内容をなるべく詳細に有権者の皆さんへお伝えするとの意が込められたものと考えるため、先輩方の思いを尊重、継承しつつ、引き続き、少しでも読みやすい誌面に改善していくことが役割と認識のもと取り組んでいきたいと思います。
 
また、敦賀市議会にて検討が進められる議員定数検討にも関連しますが、やはり一層必要なのは、議会活動の「見える化」かと思います。
 
これに関しても広報広聴委員会の中で、さらなる広報活動の充実の観点で、SNSの活用や委員会の録画放映などの意見が挙がっていることから、慎重を期すのは当然のこととして、目的と効果を明確にしたうえで「どうしたら出来るか」のスタンスで検討していきたいと考えます。
 
さて、東京オリンピックのほうは、昨日も日本人選手が大奮闘。
 
13歳と思えない堂々と技術を披露した女子スケートボード(ストリート)、柔道男子73キロ級の息詰まる死闘、そして見事な逆転劇の卓球混合ダブルスで金メダルを獲得。
 
とりわけ、卓球の混合ダブルスでは、水谷選手が「五輪ですべてをリベンジできた」と語ったよう、五輪では1988年ソウル大会から実施されている卓球で、計32個の金メダルのうち28個を獲得してきた、途方もなく高く厚い壁、中国を破っての金メダルは本当に嬉しく、その戦いぶりに感激しました。
 
その壁を破った2人は、ともに静岡県磐田市出身で実家も近く、交流は15年以上で、混合ダブルスが初採用された自国開催の五輪に同郷ペアで挑むストーリーに、水谷選手は「後にも先にもこんな奇跡的な巡り合わせはない」と感慨を込めたそう。
 
一昨日の阿部きょうだいの同日同時金メダルなど、どこかこの東京五輪のメダルには、それぞれの人間模様、ドラマがあり、単に競技の強さだけではない部分に心動かされるというもの。
 
毎日、こう感動、感激ばかりしていたらどうなるのだろうと思いつつ、本日も日本人選手の大活躍を期待したいと思います。
 
話しは変わり、奮闘していると言えば、この猛暑、五輪需要を支える電力。
 
ここ若狭管内では、7月4日に定格熱出力一定運転を開始した関西電力美浜発電所3号機が、本日総合負荷検査を実施し、合格すれば本格営業運転に入る予定となっています。
 
新規制基準下では国内初となる40年超運転というプレッシャーに負けず、ここまで工程を進められてきたことに心から敬意を表しつつ、無事の検査合格と夏場の電力供給体制に戦線復帰する姿を応援したいと思います。
 
現時点での全国の電力需給予備率は、やや裕度があるとはいえ、ひとたびどこかの発電所でトラブルが発生すれば、安定供給への影響が生じるリスクを抱えていることは紛れもない事実であり、そうした今の電力供給環境も念頭に、美浜発電所3号機を始め、全国各地で奮闘する発電所、それを支える電力関連産業に勤める皆さんにも、五輪と同様、感謝とエールを送りたいと思います。
 

【本日の電力使用状況(でんき予報):電力広域的運営推進機関(OCCTO)ホームページより)

コロナ禍でも出来ること!オンライン報告会にチャレンジ!

ブログ 活動報告

7月20日のブログで、大韓体育会(韓国オリンピック委員会)が、東京五輪選手村の食事に福島県産の食材が使われることを懸念し、選手村近くに独自の給食センターを設置したことについて、福島県の内堀知事が「誤解、偏見をただし、正しく認識してもらうことが風評払拭の本質」などと述べ、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故以降、関係者が続けた努力が理解されないことに悔しさをにじませたことを書きましたが、その福島県。
 
同県では、五輪開幕に先駆け、21~22日にソフトボールが行われましたが、試合後の記者会見では、米国とオーストラリアの監督2人が「福島の桃はずば抜けている!」と絶賛する場面がありました。
 
世界ランキング1位の米国代表ケン・エリクセン監督は「福島の方々の協力がピカイチでした」と大会運営を評価したうえで、「福島が安全でよい場所だということをメディアが見て回れないのは残念」と無観客開催になったことを惜しんだとのこと。
 
さらに、ホテルで食べた「桃」にも触れ、「そして、桃もおいしい!」と満面の笑みを浮かべたそう。
 
また、21日の開幕戦で日本と対戦したオーストラリアのレイン・ハーロウ監督も「とても美しい町で山々がとても印象的」と福島の景観が気に入ったことを述べ、「そして、何より桃はずば抜けていますね!」と地元の名産品を褒め称えたとのことです。
 
2020東京五輪は、東日本大震災からの復興を世界にアピールする「復興五輪」でもあり、その象徴的な位置づけである福島県のことを、こんなふうに感じていただけたことは、同じ日本人として大変嬉しいこと。
 
と同時に、冒頭の大韓体育会の行為と両監督の発言を比較すれば一目瞭然、リスクを科学的に理解出来る国とそうでない国があるということも勉強になった次第。
 
併せて、日本は先進国の一員であり、自他国を問わず、後者のような対応が出来る考えを持ち合わせねばとも感じたところです。
 
さて、開幕第3日の昨日、日本勢は、男女柔道、競泳女子400メートル個人メドレー、スケートボード男子ストリートで4つの金メダルを獲得するなど快進撃発進を見せました。
 
また、団体競技などでも勝利が続き、予選突破やメダルを確実にした種目もありました。
 
手に汗握る戦いが続き、当分は興奮のまま布団に入る日が続きそうですね。
 
話しを自分のことに切り替えますが、コロナ禍で集合形式での開催を見送っていた町内での活動報告会。
 
こうして1年以上が経過をし、いつまでも出来ない理由を言っててもいけませんので、以前から考えていたzoomを使用したオンラインでの報告会開催を実行に移すこととしました。
 
町内有志の皆さんにもご協力いただき、この4連休中に町内全戸約500軒にお知らせのチラシを配布。
 
開催は、7/31(土)と8/1(日)の2回としていますが、新たなスタイルに試みながら、地域の皆さんとのつながりを深めていければと思います。
 
無観客や様々な制約がある中でも、感動を生む競技を繰り広げるオリンピアンの姿は、まさに「スポーツの力で人々を元気に」してくれます。
 
こうした選手たちに習い、コロナがあったから自己変革や挑戦が出来たと言えるよう、私は私でしっかりと活動を前に進めていきたいと思います。
 

【配布を終えた報告会開催のお知らせチラシ。知って行わざるは知らぬことと同じなりの「知行合一」の精神で引き続き頑張ります。】

和気あいあい「敦賀港カッターレース体験交流会」を開催

ブログ まちづくり

日本のお家芸である柔道の世界では、「金じゃなければメダルじゃない」とオリンピックに向けた思いを語った選手もいましたが、まさに昨日はその言葉を表すかのようなシーン。
 
24日に行われた柔道女子48キロ級決勝で敗れた渡名喜風南選手は、畳から下りるとその場で泣き崩れ、その後のインタビューでも「自分の弱さが出てしまった」と、ただただ金メダルを獲れなかった悔しさを露わに。
 
一方、今大会、日本勢として初の金メダルとなった柔道男子60キロ級の高藤直寿選手。
 
準々決勝以降の3試合はすべて延長で、技による華麗な一本勝ちもなかったことに対し、「豪快に勝つことはできなかったけど、これが僕の柔道です」とむしろ、誇らしげに語った姿は、5年前のリオデジャネイロ五輪で悔しさしか残らなかった銅メダルの存在があってこそであり、まさに悔しさバネに変え成し得た高藤選手を讃えたいと思います。
 
また、注目する選手の一人である、競泳の池江璃花子選手は、400メートルリレーの一員として今大会に初登場したものの惜しくも決勝進出を逃す結果に「楽しかった。けど、悔しかった」。
 
また、信じられないことが起きるという意味では、体操男子予選で種目別鉄棒に臨んだ内村航平選手。
 
何と落下が響き、8位までの決勝進出を逃すという事態に「失敗したことのない技で失敗した。深いですね。体操は面白い」と語りました。
 
痛恨のミスに、もう大舞台になればなるほど力を発揮した以前の自分ではないという厳しい現実を受け止めつつ、それでも体操への愛情を込めたように語る姿が印象に残りました。
 
こうして、各選手の結果や生まれるドラマを書くと切りが無い訳ですが、過去に「チョー気持ちいい」や「自分で自分を褒めてあげたい」などとあったよう、それぞれの結果を受け発せられる選手の言葉にも注目していきたいと思います。
 
さて、東京オリンピックの競技本格開始に合わせた訳ではありませんが、昨日は「敦賀港カッターレース体験交流会」を開催しました。
 
昨日のブログで少しご紹介したように、もはや敦賀の「夏の風物詩」として、本来、第25回目となるはずであった「敦賀港カッターレース」は、参加募集を行ったものの、やはりコロナ禍の影響もあってか5月末の募集締切段階での参加申込みが10チームにも満たなかったことから、大会としての開催を見送りを決定。
 
しかしながら、申込んでいただいたチームの思いに少しでも応えたいとの流れから、昨年もコロナにより中止している経過も踏まえ、大会自体の継承性や夏の敦賀港に触れていただくとの観点から、規模を縮小しつつ、一人からでも、子どもも参加できる形での「体験交流会」として開催する方向に切り替え、これまで準備を進め、ようやく本番の日を迎えることが出来ました。
 
体験交流会当日の昨日、実行委員約20名は6時半に会場の川崎松栄コの字岸壁に集合し、それぞれの持ち場で準備を進め、8時半頃からは徐々に参加者の皆さんも集合。
 
事前申込みいただいた中には、市内の学童ソフトボールチームもあり、ユニフォーム姿での登場には何とも心癒される気がしました。
 
9時から簡易的な開会式を行った後、約1時間半は各チーム、個人申込みの皆さんが乗船しての漕艇練習、その後、交流レースを行いましたが、参加された皆さんも実行委員も終始和気あいあい。
 
とりわけ、海洋少年団とソフトボールチームのちびっ子らが一緒に船に乗り込み、海洋の子らの指導のもと力を合わせて漕ぐ姿は、何ともほのぼのとした光景であり、これだけでも開催した価値があったなあと感じた次第です。
 

【青い空、青い海を進むカッター。私も漕ぎましたが、しんどいながらも実に爽快です。】

【海洋少年団とソフトボールチームのコラボ。何とも言えぬほのぼの感。】
 
閉会式では、こうして暑い中参加いただいたことへの感謝と、来年こそは大会として開催できればとの思いを込めたご挨拶で締められ、無事に体験交流会は終了しました。
 
私は今回から、実行委員会の事務局という形で企画や各種申請手続きなどから携わらせていただきましたが、委員の皆さんはもとより、共催いただいた敦賀市を始め、協賛や後援いただいた企業や団体の皆さんにとっても、本カッターレースを敦賀の夏の風物詩として大事にしていただいていることを肌感覚で感じました。
 
昨年は開催直前に市内感染者が出たため突如の中止、今年はコロナ禍であっても、リスクを十分に念頭に置き、対策を講じながらの規模縮小開催ときましたので、来年こそは「第25回」となる敦賀港カッターレース大会の実現により、自慢の敦賀港でカッターを通じた交流が広がることを願って止まない一日となりました。
 

【来年こそは「第25回」大会が開催出来ますように!】

ブルーインパルスが描く五輪に思い寄せ、いざスタート

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猛暑が続く中ではありますが、昨日は早朝より、本日開催する「敦賀港カッターレース体験交流会」の準備作業。
 
本来、第25回目となるはずであった「敦賀港カッターレース」は、参加募集を行ったものの、コロナ禍の影響もあって5月末の募集締切段階で参加を自重されるチームが多かったことから、実行委員会として大会開催を見送りました。
 
しかしながら、大会自体の継承性や夏の敦賀港に触れていただくとの観点から、規模は縮小しつつ、一人からでも、子どもも参加できる形での「体験交流会」として開催する方向に切り替え、これまで準備を進めてきたところです。
 
体験交流会前日のこの日は、カッター2艇を会場まで移動の後、艇座(カッターを漕ぐ場所の座面)の補修塗装など、艇の手入れを行うなど準備に精を出しました。
 
本日は交流会本番を迎えますが、感染状況は落ち着いているとはいえ、コロナ対策を講じながら、カッターを通じて市民の皆さんに少しでも夏の風物詩イベント気分を味わっていただればと考えるところです。
 
さて、やはり本題は、昨日開会式が行われた「2020東京オリンピック」になりますが、1964の東京、1998の長野に続き三度目となる2020東京オリンピックで、開幕を祝う航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」の展示飛行が行われ、その雄姿は都内にいる知人のSNS投稿からもリアルに感じることが出来た次第。
 
この展示飛行を一目見ようと、東京都新宿区の新宿御苑には家族連れなど多くの人で賑わったそうで、その瞬間を待ち詫びた人々は、大空にオリンピックマークの「5つの輪」が描かれるのを笑顔で見守ったことが報道されていました。
 
12時40分頃、上空にカラフルな飛行機雲を引いた編隊が現れると、大きな歓声上がり、大空にオリンピックのマークを描いた瞬間には大きな拍手とともに、「ありがとう!」という感謝の声が挙がり、編隊が去った後も拍手は長いこと止まなかったとのこと。
 
思えば以前に、コロナ禍で奮闘する医療従事者を始め、全ての皆さんを励ますために、東京都内を「感謝飛行」したブルーインパルスの勇姿は今なお鮮明に記憶に残っている訳ですが、こうして人々に元気を呼び起こす力があるのがブルーインパルスであり、今回もこうして東京はもとより日本中に元気を与えたことを大変嬉しく思うところであります。
 

【東京都内の空に浮かぶ「5つの輪」。この日はあいにくの雲により、鮮明さは欠くものの抜群の技術。】
 
また開会式では、歌手のMISIAさんが、無観客の国立競技場に力強く伸びやかな君が代を響かせた他、様々な日本らしさ、趣向が凝らされたエキシビジョンが行われた後、各国選手団が入場し、いよいよ幕開けとなりました。
 
東京オリンピックに対する私自身の思いはこれまでもブログで述べてきていますので、これ以上申し上げることはしませんが、ブルーインパルスが描いた五輪と、このどこか厳かな開会式により、日本国内の雰囲気も良い方向に変化するのではないかと期待するところです。
 
私たち世代は、今後生きている間に日本で開催されるオリンピックがあるかどうか分かりませんが、次代を担う子ども達にとって必ずあるであろう次の機会の際に、「2021年には、コロナウイルスを乗り越えるオリンピックが日本であった」と誇りを持って言える、そんなオリンピック、パラリンピックになることを願って止みません。

「2020東京オリンピック」本日開会式

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昨日は、東京オリンピック開幕に先立って行われている女子ソフトボールで、延長タイブレークの末、日本がメキシコにサヨナラ勝ち、男子サッカーで南アフリカに1-0で辛勝。
 
私もお昼に放送されていたソフトボールの終盤を見ていましたが、やはり攻守の一球一球に力が入るもの。
 
スタンドの無観客もこれまでのスポーツ観戦で慣れているからか、テレビで応援する分には全く気になることはなく、見ている側にとっては、これまでのオリンピックと同じような感覚でいられそうです。
 
さて、そんなスタジアムの中とは別に、外野では東京五輪・パラリンピック開閉会式のショーディレクター、小林賢太郎氏が突如の解任、先日は開会式の楽曲制作担当だったミュージシャン、小山田圭吾氏が辞任という何ともドタバタ劇の様相ですが、思えば、さらに以前には開閉会式の演出・企画の統括役だった佐々木宏氏も3月に、女性タレントを侮辱する演出を提案して辞任したこともありました。
 
それぞれの解任、辞任理由に関しては、そうした処分に当たるものと私も思いますが、昨日の小林氏の発言については23年前のこと。
 
23年前であろうが許されざるべき発言であることは違いない訳ですが、どこか、こうしたタイミングで引きずり下ろすネタが出てくることへの疑念(そうした情報を集めている勢力?)とともに、これを大々的に報道するメディアというのは、東京オリンピック・パラリンピックに難癖をつけ、結果、日本を貶めようとしているとしか思えないのですが、そんな思いを持つのは私だけでしょうか。
 
また、政治の世界では、立憲民主党政調会長代行の川内博史衆議院議員が21日、自身のツイッターに天皇陛下が臨席される東京五輪の開会式に関し「陛下が開会式で『大会の中止』を宣言されるしか、最早止める手立ては無い」と投稿し、その後削除。
 
川内氏は投稿を削除した後、同じくツイッターで「このまま五輪に入ることは、国民にとっても世界中から集まる選手·役員等関係者にとっても感染が拡大し混乱を引き起こすだけであると、皆分かっているだろう。総理も内心では心配なはずだ。しかし、誰も止められない。この状況は異常な状況なのだ、ということを言いたかったのです」と釈明した。
 
その天皇陛下は昨日、国際オリンピック委員会(IOC)関係者との面会で、英語でこうお言葉を述べられたとのこと。
 
(前段でオリンピック、パラリンピック関係者の尽力に感謝のお言葉があったことに続き)オリンピックが長く、そして広く世界で支持されてきたのには、平和と調和というオリンピズムの精神に理由があると思います。私自身にとって、1964年の東京オリンピックの閉会式で各国選手団が国ごとではなく、混ざり合って仲良く行進する姿を目にしたことが、世界の平和を願う気持ちの源となりました。
 
東京2020大会のビジョンは、「スポーツには世界と未来を変える力がある。」です。スポーツに挑むアスリートや、そのアスリートを支える御家族や関係者の姿は、わたしたちに様々なことを感じさせてくれます。この大会は、新型コロナウイルス感染症に直面する中で迎えます。また、夏の盛りの熱波にも注意が必要です。この大会が、皆さんをはじめとする関係者の連携による感染防止対策に万全が期されることにより、アスリートの皆さんが健康な状態で安心して競技に打ち込み、その姿を通じて、新しい未来へと希望の灯火がつながれる大会となることを願います。皆様と共に全てのアスリートのご健闘を祈ります。
 
恐れ多いのですが、私も全く陛下と同じ思いであります。
 
こうした陛下のお言葉を思えば、この後に及んで「天皇陛下が中止宣言をせよ」と求めること自体、言語道断であり、投稿した議員を始め、所属する政党も然り、先に同じく我が国を貶める存在であると言わざるを得ないと、遺憾に思うところです。
 
一方、海外からはどのように見られているのかと言えば、フランスのロクサナ・マラシネアヌ・スポーツ担当相の発言にはこうありました。
 
「フランス選手団は過酷な都市封鎖の中、五輪に向けて努力してきた。日本が彼らを受け入れたことに感謝している。スポーツは心を結び、交流する力を与えてくれる。世界中が新型コロナウイルス禍を経験した今こそ、我々が最も必要とするものだ。」
 
まさに、コロナ禍で開催するオリンピックの意義ここにありの言葉。
 
紆余曲折あれど、歴史的な2020東京オリンピックの開会式が本日執り行われます。
 
開催に対して様々な考えはあれど、今日からの合言葉は、「スポーツの力で日本を、世界を元気に!」
 
コロナ感染対策然り、日本人自らが日本で開催される重要不可欠なオリンピックを貶めてしまうことのなきよう、行動する期間にしていかねばと思って止みません。
 

【再掲となりますが、写真は、敦賀市総合運動公園陸上競技場前の「一結」の碑にある、2018福井国体に出場した際の池江璃花子選手(競泳女子)のメッセージ。私はまさに、この言葉に共感です。】

「野心的」≒「非現実的」→矛盾だらけの「エネルギー基本計画(素案)」

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同じ嶺南の小浜市では36.9度と全国で2番目の気温を記録した昨日でしたが、私のほうは毎週水曜日の朝は辻立ちデーということで、7時過ぎから8時過ぎまでの約1時間、海辺の心地良い風が吹く時間帯に元気に挨拶させていただきました。
 

【抜けるような青空のもとでの辻立ち風景】
 
今日から4連休前ということもあってか、出勤される皆さんの表情も普段より明るく、手を振り返していただける方もいつもより多かったような気がします。
 
また、暑いは暑いでも、こちらは「熱い」戦いが繰り広げられた夏の甲子園を懸けた福井県大会。
 
昨日は、敦賀気比vs金津の決勝戦が行われ、大本命の敦賀気比が投打に圧倒、7-0のスコアで勝利し、見事甲子園の切符を掴み取りました。
 
選抜優勝経験のある敦賀気比にとっての悲願は、やはり「夏の全国制覇」。
 
もちろん強豪ひしめく甲子園の中で、福井県勢を代表して1戦1戦戦い抜き、球都敦賀の名が全国に轟くことを、私も応援したいと思います。
 
さて、明るい話題を二つ続けましたが、こちらは何でこうなるのかと、全く腑に落ちない話題。
 
これまでも注視をしてきました、国の中長期的なエネルギー政策の方向性を示す「エネルギー基本計画」について、経済産業省は21日、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(第46回)を開催し、「素案」を示しました。
 
素案は、資料1の概要版と資料2の本編から成りますが、全体構成は以下の通りです。
 

【エネルギー基本計画(素案)の構成:分科会(第46回)資料1より抜粋】
 
昨日の分科会自体の論議をライブで視聴することは出来ませんでしたが、この資料1に加え、119ページに及ぶ資料2の本編をざっと目を通してみましたところ、結果、2030年におけるエネルギー需給の見通し(いわゆる電源構成)を示す考え方、数値は次の通りでした。
 
正確を期すため、資料2「エネルギー基本計画(素案)」のP102〜P103に掛けての記載を抜粋します。
 
その上で、電力供給部門については、S+3Eの原則を大前提に、徹底した省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの最大限導入に向けた最優先の原則での取組、安定供給を大前提にできる限りの化石電源比率の引き下げ・火力発電の脱炭素化、原発依存度の可能な限りの低減といった基本的な方針の下で取組を進める。
 
まず、再生可能エネルギーについては、足下の導入状況や認定状況を踏まえつつ、各省の施策強化による最大限の新規案件形成を見込むことにより、約3,120億kWhの実現を目指す。その上で、2030年度の温室効果ガス46%削減に向けては、もう一段の施策強化等に取り組むこととし、その施策強化等の効果が実現した場合の野心的なものとして、合計約3,300~約3,500億kWh程度の導入、電源構成では約36~38%程度を見込む。なお、この水準は、キャップではなく、今後、現時点で想定できないような取組が進み、早期にこれらの水準に到達し、再生可能エネルギーの導入量が増える場合には、更なる高みを目指す。その場合には、CO2排出量やコストなどを踏まえて他の電源が調整されることとなる。
再生可能エネルギーの導入拡大に当たっては、適地の確保や地域との共生、系統制約の克服、コスト低減などの課題に着実に対応するため、関係省庁が一体となって取り組む。
 
原子力発電については、CO2の排出削減に貢献する電源として、いかなる事情よりも安全性を全てに優先させ、国民の懸念の解消に全力を挙げる前提の下、原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進め、国も全面に立ち、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組み、電源構成ではこれまでのエネルギーミックスで示した約20~22%程度を見込む
 
火力発電については、再生可能エネルギーの更なる最大限の導入に取り組む中で、当面は引き続き主要な供給力及び再生可能エネルギーの変動性を補う調整力として活用しつつ、非化石電源の導入状況を踏まえながら、安定供給確保を大前提に、非効率石炭のフェードアウトといった取組を進め、火力発電の比率をできる限り引き下げる。その際、エネルギー安全保障の観点から、天然ガスや石炭を中心に適切な火力ポートフォリオを維持し、電源構成ではLNG火力は約20%程度、石炭火力は約19%程度、石油火力等は最後の砦として必要最小限の約2%程度を見込む
 
更に、今後の重要なエネルギー源として期待される水素・アンモニアの社会実装を加速させるため、電源構成において、新たに水素・アンモニアによる発電を約1%程度見込む
 
これらの需給の見通しが実現した場合、エネルギー起源CO2は、2013年度比で約45%程度削減の水準、エネルギーの安定供給を測る指標としてのエネルギー自給率は、2015年に策定した長期エネルギー需給見通しにおいて想定した概ね25%程度を上回る約30%程度の水準を見込む。
 
以上が、示された結論とも言える部分であります。
 

【2030年の電力需給・電源構成:分科会(第46回)資料1より抜粋】
 
これに対しては、様々な有識者や専門家がコメントを述べられており、私もいくつか拝見するに、受け止め的に合致したのは、基本政策分科会の委員でもある橘川武郎国際大副学長の話しでしたので、こちらも併せて掲載させていただきます。
 
(以下、橘川副学長のご意見)
全体的に無理のある数字が並んでおり、示された2030年度のエネルギーミックス(電源構成)達成は非常に厳しいだろう。特に原子力の目標値が据え置かれた中で、原子力発電のリプレース(建て替え)を盛り込むことを先延ばしにしたのは影響が大きい。長期的に原子力を推進するとの政府方針が明確にならず、再稼働に向けて地元に理解を求めづらくなる。
最終的に再生エネルギーと原子力を合わせた目標値は15%ほど未達になるだろう。結局は火力を使わざるを得なくなり、国費で(CO2)排出権を購入することにもなりかねない。
 
そのほか、液化天然ガス(LNG)火力の目標を大幅減の20%としたが、これでは産出国に「今後は買わなくなる」と誤解される。中国や韓国など他の輸入国に比べ、悪い購入条件を突きつけられる恐れが出てくる。石炭なども同様でミスリーディングな数値が並んでおり、調達にも影響が出てくるかもしれない。
 
そもそも「野心的」との言葉が多く出てくるが、それは「非現実的」という意味に近く、達成できなくても誰も責任を取らないということ。2050年に向けて取り組みを進めるにあたり、2030年度のミックスなんて作らない方がよかったのではないか。
 
重要と思う部分を太字で強調している訳ですが、全文太字にしたいくらいの的確な見方かと思うところです。
 
とりわけ原子力発電に関して、この素案では「必要な規模を持続的に活用していく」(資料2:P23)とあったと思えば、次のページには、「可能な限り原発依存度を低減する」(資料2:P24)とあったり、2ページの中でも思わず「どっちやねん!」の言葉が飛び出るほど矛盾を感じることに加え、新規制基準下で国内初となる原子力発電所の40年超え運転判断を行う際に、梶山経産大臣が杉本福井県知事に仰った約束とも言える、「確立した脱炭素電源である原子力発電は今後も最大限活用していく」はどこに行ってしまったのか、これこそ立地地域との信頼関係に影響する大きなミスリードではないかと強く思います。
 
また、信頼関係で言えば、素案の中でも原子力政策を進めるうえでの重要事項として記載されているものの、上記理由により、それこそ既に矛盾、別の項目では、国内の原子力環境が先細り感が否めないにも関わらず、国際的な原子力技術には貢献していくという矛盾、しかも中国や韓国の名前まで挙げており、この点は全く理解できるものではありません。
 
そして何より、原子力立地自治体はもとより、基本政策分科会の中でも多くの委員から必要性が挙げられた「新増設・リプレース」の記載が見送られたことは、本計画が2050年を見据えた2030時点と位置付けるのであれば尚のこと、原子力発電所の今後の稼働予想を見れば、その必要性は誰が考えても明らかであるのに全く触れられていないことは、現実逃避としか言えず、これで「原子力の将来を明確にした」とは決して言えるものではありません。
 
これについては、敢えて分かっていながら生じさせている「矛盾」と言わせていただきます。
 
ざっと読んだだけでも思うところだらけな訳ですが、これまで真に現実的な計画策定に向け議論されてきた、先の橘川委員などの気持ちを踏まえれば、「何のための議論だったのか」と言いたいところかと推察するものであります。
 
本日の新聞報道などにどう表現されるかは分かりませんが、私自身は119ページの素案をさらに読み込み、決して傍観者や評論家になることなく、意見提起ができるよう準備していく所存です。

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