憲法施行78年 〜必要な憲法改正に向けた開かれた国民議論を〜

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今日は「憲法記念日」。
 
祝日法によれば、昭和23年の「国民の祝日に関する法律」の制定当初に定められた計9日の「国民の祝日」の一つであり、「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」日とされています。
 
なお、日本国憲法は、制定から一度も改正されたことがないということもあり、国民も「憲法は不変」のもの、「変えてはいけない」ものという感覚があるのも当然と言えますが、国際的な常識は、実情に合わせて改正すること。
 
因みに、日本国憲法は、世界で成文憲法を保有する188ヶ国中、古い方から14番目(2019年時点)で、改正されてない成文憲法としては「世界最古」だそう。
 
他国が改正しているからということではなく、守るべきは守る、変えるべきは変えることが必要であり、とりわけ、国家の根幹に関わる外交防衛や安全保障に関しては、国際情勢を冷静に捉え、国民の安全と財産を守るための現実的な対応を可能な状態にすべきとの考えが私のスタンス。
 
「憲法 山本たけし」あるいは「憲法改正 山本たけし」で検索いただければ、そうした考えを書いた私の過去ブログがヒットしますので、そちらはまたご覧いただくとしまして、本日の「憲法記念日」は、国民ひとり一人が、自分ごととして考える、そんな日になることを願う次第です。
 
さて、憲法記念日を前に、報道各社が憲法改正の賛否を問う調査を行っており、主要なところを並べると以下のとおり。
 
<産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)>
◉19、20両日に実施した合同世論調査で、5月3日の憲法記念日を前に、憲法改正への賛否を尋ねたところ、「賛成」が59・0%で過半数となり、「反対」の29・9%を大きく上回った。
◉主要政党の支持層ごとにみると、自民党は賛成67・3%、反対23・4%。立憲民主党は賛成34・2%、反対61・7%で、国民民主党は賛成73・1%、反対22・7%だった。「支持政党はない」とする無党派層は賛成56・1%、反対29・2%だった。
 
<読売新聞社>
3~4月、憲法に関する全国世論調査(郵送方式)を実施した。憲法を「改正する方がよい」とした人は60%(昨年調査63%)で、4年連続で6割台となった。憲法を「改正しない方がよい」は36%(同35%)で、賛成と反対の差は24ポイントだった。
改憲の必要性は「どちらかといえば」を含め計70%が肯定し、否定は「どちらかといえば」と合わせて計26%。
 
<朝日新聞社>
全国世論調査(郵送)で、いまの憲法を「変える必要がある」と答えた人は53%(2024年調査は53%)で、「変える必要はない」の35%(同39%)を上回った。
 
<毎日新聞>
4月12、13の両日に実施した全国世論調査では、石破茂首相の在任中に憲法改正を行うことについて尋ねたところ、「賛成」との回答は21%で、「反対」の39%を下回った。「わからない」は39%だった。
 
ご覧いただくよう、同じ設問でも、下に行くほど「賛成」の率が低下しているのが不思議なところ。
 
また、産経新聞の調査において、「改正に賛成」の支持者が最も多かったのは国民民主党は、憲法記念日に合わせて次の談話を発表しています。
 

【国民民主党 憲法記念日にあたって(談話)】
 
党としての考えは、お読み取りいただくとおりでありますが、4段落目にある「9条」の点については、令和5(2023)年5月11日に行われた衆院憲法審査会におけるやり取りにより補足いたします。
 
この審査会では、日本国憲法に密接に関連する基本法制などについて議論がされ、「緊急集会」を定めた憲法54条、「戦略の不保持」に関する9条などについて、各政党より発言がありました。
 
これに関し、9条関連の議員間の議論では、自民党と国民民主党とで次のようなやり取りがありました。
 
◉自民党 新藤議員
 自衛隊を憲法に明記すべき。自衛権の行使については、現在の解釈に変更はない。
 
◉国民民主党 玉木代表
 自衛隊という組織を憲法に明記するだけでは、自衛隊の行使する自衛権についての違憲論が残り続ける。自衛権の範囲をある程度憲法に明記すべき。
 
◉自民党 新藤議員
 国防を担う実力組織として自衛隊を憲法に明記する事は、基本法である憲法が掲げる《あるべき国の形を整える事に繋がる》と考える。国防及び自衛隊の規定を設けたとしても、現行の9条1項2項はそのまま維持するので【自衛権の行使は必要最小限度という現在の解釈に全く変更はない。
 
◉玉木代表
 自民・維新の憲法9条改正案は「自衛権の範囲は従来の解釈を維持」としているので、自衛隊という組織の違憲性は消えるが、自衛隊が行使する自衛権の範囲については解釈論争が残り続ける。目的である【違憲論に終止符を打つ事が達成できず、労多くして益少なしの改正になる】ことを懸念する。
 
その上で、玉木代表はこう結んでいます。
 
「憲法9条こそ、軍事的公権力の行使という最大の統治行為に関する規定である。まさに厳格に解釈すべき『ルール』『準則』であるはず。だからこそ、無理な解釈から卒業し、自衛隊を明確に戦力と位置付けることが、憲法の規範性を回復する上でも必要であることを指摘しておきたい。」
 
なお、ここに記載していませんが、玉木代表が発言で引用した、1952年の「憲法改正と再軍備」に関する憲法学者の対談記事での「やはり重要な問題については憲法の無理な解釈をしないで、それを堂々と取り上げて、国民全体の※与論を聞いて、十分論議を盡した上で改正するかしないかを決めるという公明な態度をとる必要がある」との指摘はまさにその通りと思うところ。
 
※与論 ← 敢えてこの漢字を使っていたので間違いではありません
 
皆さんに考えを押し付けることを決してするつもりはありませんが、こうしたやり取りや改憲派・護憲派それぞれの主張はもとより、改憲派の中においても意見の分かれる9条ひとつとっても、前述のとおり、憲法改正論議を自分ごととして捉え、各政党が示す異なる考えの中で、どの考えが自分にしっくりくるのか、国民ひとり一人が思考しておくことが重要と考える次第です。
 
「憲法施行78年「9条」の限界を直視せよ 改正条文案の起草に着手を」のタイトルで掲載された、本日の産経新聞<主張>の結びにはこうありました。
 
改正に前向きな政党は、国民のために憲法があると自覚し、憲法審などで改正条文案起草に進んでもらいたい。
 
私も同感であることを述べ、憲法記念日にあたってのブログを閉じます。

天皇陛下即位から6年

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スペイン、ポルトガルの全域で4月28日昼頃(現地時間)に発生した大規模な停電。
 
欧州の電力系統運用事業者で構成するENTSO-Eの公表データによると、スペインでは同日午後12時半頃(同)に約3200万キロワットあった供給力が午後1時頃に約1千万キロワットと3分の1に急減し、空港や鉄道など両国の都市機能が停止するとともに、数千万世帯が影響を受けたとあり、29日朝(同)までに両国の大半の地域で停電は復旧したものの、原因はいまだ不明で、ENTSO-Eなどが究明に乗り出しているとのこと。
 
遠く離れた欧州の出来事とはいえ、国民生活や企業活動、そして命にも関わる電力の安定供給が崩れた事態を、「対岸の火事」に思っていてはいけないのが日本。
 
昨日、原子力規制委員会は定例会合で、北海道電力泊発電所3号機(PWR、91万2千キロワット)が新規制基準に適合したとする審査書案を取りまとめ、本日5月1日から30日間行われる意見募集(パブリックコメント)、原子力委員会と経済産業相への意見聴取を経て、正式に原子炉設置変更許可を下す見込みとなったことを喜ぶところですが、2013年7月8日に適合性審査を申請してから、ここまでに要した時間は「11年9ヶ月」。
 
先日述べたとおり、この先の電力不足が確実な状況において、約2000万キロワットの“眠ったままの”原子力発電所を早期に稼働させることが、エネルギー安全保障上の喫緊の課題であり、必ずや国益に叶うものと確信するところです。
 
さて、昨日は自身の議員任期が2期目後半に入ったことを書きましたが、1期目のスタートは「平成最後の日」でした。
 
その翌日の5月1日に、元号を「令和」に改めてから、今日ではや6年。
 
6年前のこの日、第126代天皇として即位された陛下が、雨上がり、東京の空に虹がかかる、どこか神秘的な雰囲気のなか執り行われた「即位礼正殿の儀」、「即位後朝見の儀」で述べられたお言葉は、まさに我が国の歴史と文化の尊さを表しており、国民のひとりとして、この国に生まれたことを幸せに、そして誇りに感じたことを思い返す次第です。
 
即位されてからこの間、陛下は未曾有の新型コロナウイルス感染を始め、令和6年能登半島地震などの自然災害に至るまで、国家と国民の安寧を祈り、さまざまなお務めに励まれてこられました。
 
なお、初代の神武天皇から2600年余を超えて「万世一系」で続く、世界で最も古くから続く国が日本。
 
日本国憲法第1条で、天皇は「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と定める日本の立憲君主の立場にあり、こうしたお役目を全身全霊で取り組まれていらっしゃることに、国民の一人として心より感謝申し上げます。
 
これまでの歴史が証明するよう、天皇の祈りと、それに対する国民の感謝は、皇室を軸とする国民の結束につながります。
 
世界情勢や社会の変化がまさに「激動」の時代にある中において、歴代の天皇と国民が守ってきたこの国柄を、私たち世代も守っていくためには、皇位継承の正統性を含め、初代天皇から連綿と続く継承の経緯を思い返すとともに、令和時代スタートの日にあたり、この先も平和で、千代に八千代に日本国家が続くことを願う次第です。
 

【昨日、思わず車を停めて撮影した風景。古より変わらぬ「ふるさとの風景」があることが、平和であることの証かと。】

一人ひとりの努力と社会全体での取組みで「男女共同参画社会の実現」を

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昨日は、副議長としての公務にて、「つるが男女共同参画ネットワーク」さんの令和7年総会にお招きいただき、市議会を代表してご挨拶する機会をいただきました。
 
同ネットワークは、平成5年に「敦賀女性ネットワーク」として設立。
 
平成18年には現在の「つるが男女共同参画ネットワーク」に改称し、各団体・グループ・事業所・個人の活動を尊重しながら、情報を互いに知らせ、協議することにより、男女共同参画社会の形成を目指して豊かな敦賀市づくりに寄与することを目的に活動されている団体であり、30年以上に亘りご尽力いただいていることに心から感謝と敬意を表するところ。
 
米澤市長に続く来賓挨拶では、日頃の取組みに対する御礼を述べた後、私ごととお断りした上で、自身が労組役員時代に委員長を務めた「男女共同(平等だったかも)参画委員会」であった話として、「目指すべき社会の姿は」と問うた際、当時20代の女性委員から「“男女共同(平等)という言葉自体がなくなる社会」、つまりは、あらゆる分野で男女の性差を意識することない社会との意見を今でも覚えており、本日はその言葉を思い返しながら会場に参ったことをご紹介。
 
続けて、敦賀市の令和5年度における女性管理職(課長職以上)の割合は18.5%、男性職員の育児休業取得率が90%に及ぶことをご紹介するなど、女性活躍推進やすべての職員がワーク・ライフ・バランスを実現できる職場環境づくりが進んでいること。
 
加えて、これまでもあったよう、従来の世の中の常識や仕組みを変えていくためには、同ネットワークが続けられているような地道な活動と市民理解が必要であり、市議会としても応援していくとともに、そうした社会の実現に向け努力する旨、お伝えした次第です。
 
会場を見渡すと、知った方も多くおられ、アイコンタクトで挨拶を交わしたところですが、現在8団体が所属して活動されている同ネットワークの今後ますますの発展を祈念するとともに、ご参集された皆様のご健康とご多幸を祈念いたします。
 

【あいあいプラザ2階 ふれあいホールで開催された令和7年総会】
 
さて、ここまで話しておいて何ですが、あらためて“男女共同参画社会”とは、「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」です。(男女共同参画社会基本法第2条)
 
1.男女の人権の尊重
2.社会における制度または慣行についての配慮
3.政策等の立案及び決定への共同参画
4.家庭生活における活動と他の活動の両立
5.国際的協調
 
を5つの柱とし、男女共同参画社会の実現に向けては、
 
1.意識改革
2.制度改革
3.啓発活動
 
に置き、男女共同参画社会の実現に向けては、一人ひとりの努力と社会全体での取り組みが必要、大きな課題としています。
 
なお、社会全体の理解度、進捗を把握する上で、内閣府が令和6年9月26日~11月3日にかけて実施した、全国18歳以上の日本国籍を有する者5,000人を対象とした『男女共同参画社会に関する世論調査』があり、興味深く拝見したところ。
 
冒頭にあった、それぞれの分野で男女の地位は平等になっていると思うかとの問いでは、「平等」と答えた者の割合が、「学校教育の場」で70.4%、「自治会やPTAなどの地域活動の場」で40.3%、「法律や制度の上」で38.2%、「家庭生活」で30.0%、「職場」で25.8%、「社会通念・地域の慣習・しきたりなど」で16.3%、「政治の場」で9.4%。
 
前回の調査結果と比較すると、「学校教育の場」で、「男性の方が優遇されている(小計)」(24.5%→21.9%)とする者の割合が低下しているほか、「社会通念・地域の慣習・しきたりなど」で、「平等」(12.9%→16.3%)と答えた者の割合が上昇し、「男性の方が優遇されている(小計)」(81.8%→78.2%)とする者の割合が低下しています。
 
一方、「家庭生活」や「職場」、「政治の場」、「法律や制度の上」、「自治会やPTAなどの地域活動の場」では大きな変化は見られないものとなっています。
 
調査結果の詳しくは、以下リンクよりご覧ください
 
 →内閣府『男女共同参画社会に関する世論調査 (令和6年9月調査)』はこちら
 
世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)が2024年6月12日に発表した、各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数(経済・教育・医療・政治の4分野のデータから作成され、0が完全不平等、1が完全平等を示す)で、日本の総合スコアは、0.663(昨年は0.647)、順位は146か国中118位(昨年は146か国中125位)でした。
 
一朝一夕にはいきませんが、前述のとおり、一人ひとりの努力と社会全体での取り組みなくては進まないものであり、私自身も率先して取り組むとともに、皆様方のご理解とご協力をお願いする次第です。

敦賀市からの上告申立書を最高裁判所が受理 〜樫曲民間最終処分場問題〜

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昨日、敦賀市市民生活部から届いた一報は、「南那須地区広域行政事務組合外4団体との事務管理費用償還等請求事件に係る上告受理申立ての受理決定について」。
 
タイトルだけを見ると何のことか分からないかと存じますが、これは敦賀市、そして廃棄物行政にとって大きなこと。
 
いわゆる、敦賀市樫曲(かしまがり)地区で起きた、ごみの「民間最終処分場問題」に関する対応について、同部からの報告によれば、
 
◉令和4年12月21日に上告受理申立書を提出した南那須地区広域行政事務組合外4団体との事務管理費用償還等請求事件について、最高裁判所より令和7年4月17日付けで、上告審として受理する旨の決定があったので報告する。
◉なお、今回、最高裁判所からは上告受理申立てを受理する旨のみ連絡があったものであり、現時点で受理された理由等の詳細については不明です。今後は、最高裁判所において審理され、判決される運びとなりますので、今後の対応につきましては、最高裁判所から判決が言い渡された後、判決内容を精査の上、議会説明会にて報告する。
 
とありました。
 
言葉の定義を調べてみると、「上告受理申立書」とは、民事裁判の控訴審判決に不服のある当事者が、最高裁判所に上告受理を申し立てる際に提出する書面のこと。
 
また、上告受理申立ての理由としては次のようなものがあり、上告受理申立ては、民事訴訟法318条に規定され(裁量上告とも呼ばれる)、最高裁判所が上告を受理するか否かは裁量で決めるとしています。
 
<上告申立ての理由>
・控訴審判決が最高裁判所の判例に違反している
・控訴審判決が最高裁判所の判例がない場合の大審院判例・高等裁判所の判例に相反している
・法令の解釈に関する重要な事項を含む法令違反がある
 
つまり、今回の報告は、敦賀市からの上告申立書を、最高裁判所の裁量により受理したことになります。
 
そこで、もう少し本件の過去経過を振り返るに、自分で言うのも何ですが、便利なのが「やまたけブログ」。
 
時系列でいくと、ちょうど上告受理申請書を提出する前の令和4(2022)年12月9日のブログでは、前日の福井新聞トップが「敦賀・ごみ処分場巡る訴訟“市外排出元 対策義務なし”」との記事であったことを踏まえ、次のように記載。
 
<以下、当時のブログ抜粋>
 
全国から許可量の13倍を超えるごみが持ち込まれた敦賀市樫曲の民間最終処分場の抜本対策工事費を巡り、本市がごみの排出元の「南那須地区広域行政事務組合」(栃木県那須烏山市、那珂川町で構成)など5団体に費用の一部約6億3千万円の支払いを求めた控訴審の判決言い渡しが7日、名古屋高裁金沢支部であり、ここで何と、吉田尚弘裁判長は敦賀市側の控訴を棄却し、一審の福井地裁で5団体に命じた計約1億2千万円の支払いのうち、4団体の計約1億1800万円の支払いを取り消す判決を下したとのこと。
 
いわゆる「ごみ問題」に関する訴訟対応に関しては、これまでも市から状況説明をいただきつつ、進捗や対応方針などを伺ってきたところでありますが、この判決を受けての考えについては、12月15日に開催される議員説明会にて説明を受けることになっている。
 
<抜粋終わり>
 

【当時、FBCネットニュースが報じた際に映された、全国から許可量を超えるごみが持ち込まれた敦賀市樫曲の処分場】
 
また、同年12月16日のブログでは、前日に行われた議員説明会にて、名古屋高等裁判所で判決が下された「敦賀市民間最終処分場の費用負担問題」に関し、現況と今後の対応について市民生活部より説明を受けたとした上で、次のように述べています。
 
<以下、ブログ抜粋>
 
「敦賀市民間最終処分場の費用負担問題」については、係争中案件のため詳細に触れることは控えますが、名古屋高裁での判決を認めるようでは、我が国の廃棄物行政の根幹が揺らぐ大問題であると認識することから、市にはこれを覆すべく、最高裁に上告のうえ徹底的に戦っていただきたいと考えます。
 
<抜粋終わり>
 
そもそも、本来はごみを発生した自治体(排出元)が自分のまちで処理するとの原則論があった上で、ごみの処分を受け入れた自治体(今回の場合は敦賀市)が要する対策費用の負担義務もないとすれば(名古屋高裁はこれを認めた)、どこが他のまちで発生したごみまで受け入れるのか。
 
廃棄物行政を揺るがす、「まさか」の判決を受けてから約2年4ヶ月を経て受理された上告申立書。
 
本件が廃棄物行政の根幹を揺るがすものとすれば尚のこと、受け入れ自治体としての主張を最高裁の場でも明らかにすることによって、必ずや判例が覆ることを信じる次第です。

ギャンブラーの夫は悪人ではなく、病人でした

ブログ 社会

「世界の多くの国・地域と国際機関の参加を得て、ここ大阪市・夢洲(ゆめしま)を舞台に開催されることを誠に喜ばしく思います」
 
天皇陛下は昨日、皇后さまとともに臨席した2025年大阪・関西万博の開会式で、こうお言葉を述べ、開会を宣言されました。
 
ここに至るまで、何かと負の話題や逆風もあった訳ですが、55年ぶりに大阪で開催される万博。
 
半世紀前から大きく変容した社会環境の中で開かれるこの万博は、人類のあるべき未来に向けて万博が果たす意義とは何かを考えるともあります。
 
前回1970年の開催時には、日本原電の敦賀発電所1号機や関西電力の美浜発電所1号機から原子力発電の電気を万博会場に送り、その後、新たなエネルギーとして、日本の高度成長期を支えたことを思い返しつつ、今回は期間中どこかで夢洲に足を運び、未来の姿を確かめ、感じてきたいと思います。
 
さて、話題を変え、昨日はプラザ萬象会議室で開催された「全国ギャンブル依存症家族の会 福井」に参加してまいりました。
 
全国で42番目、昨年12月に設立した「家族の会 福井」ですが、その後、毎月開催し、今回ではや5回目。
 
設立した発起人が私の同級生ということに加え、この会の活動趣旨に賛同したこともあって、うち4回参加しているため、会場に行くと顔見知りになった方から声を掛けていただき嬉しい限り。
 
なお、今回は設立した12月に次ぐ、42名の参加があったほか、私からの声掛けに快く参加いただいた同僚議員も1名お越しのもと、会は進められました。
 
会の特性上、ここで話されたことをむやみに口外しないルールを遵守した上で、ご紹介できるオープン情報は以下のとおり。
 
◉調査により、ギャンプル依存症は「本人の責任」と思う割合が「72.6%」
◉公益社団法人 ギャンブル依存症問題を考える会のポスターにあった言葉は、「ギャンブラーの夫は悪人ではなく、病人でした」
◉学生のうちから、ギャンブル依存症を学ぶことが重要
 

【ギャンブル依存症問題を考える会の啓発ポスター】
 
二番目のポスターにあった言葉が依存症を表す象徴的なものかと思います。
 
依存症は、本人の性格や「お金にルーズ」と思いがちですが(現に私も思っていました)、これは脳のドーパミンの分泌が関係する「病気」(ギャンブルでしか楽しいと思えなくなる)であること。
 
また、「回復できる病気」であることを早く、正しく本人や家族が理解し、「家族の会」のネットワークや専門家(治療)につなげることが非常に大事であることは、これまでに学んだこと。
 
今回さらに、皆さんとのお話や体験事例をお聞きし、そうしたことを「啓発」していくことの重要性を感じた次第です。
 
お金欲しさに、特殊詐欺や闇バイトなどの犯罪行為に加担してしまうケースや、最悪の場合、自死を選択してしまうこともあることを考えれば、この依存症は大きな社会問題であるとともに、全国にネットワークを構成する「家族の会」の存在は、被害者を一人でも少なくするための重要な組織であり、ここにつなぐために何をしていけば良いか、今後も会に参画する中で、自身も取り組んでいく所存です。

『取材を通して見たろう者の生活』〜敦賀市聴覚障がい者福祉協会主催「春の記念講演会」より〜

ブログ まちづくり 社会

自然とは何とも非情なもので。
 
敦賀市内の桜がほぼ満開となった昨日は、強い風と時折の雨。
 
年に一度、待ち侘びて咲いたタイミングで、試練を与えるかの天気を憎らしく思ったところ。
 
一方、一気に散ってしまうのではと心配した桜は、一部花びらが落ちてしまったものの、これをグッと堪えるかのように咲き続けており安堵。
 
逆に自然の強さを感じた次第です。
 
今が主役の桜。
 
この後は、静かに散る姿に、日本人の心、情緒を感じたいものです
 
さて、そうした風情に浸りつつ、昨日午後は、敦賀市聴覚障がい者福祉協会主催の「春の記念講演会」に参加してまいりました。
 
講演会は、『取材を通して見たろう者の生活(聴覚障害者放送通信機構の役割)』と題し、「目で聴くテレビ」でディレクター兼手話キャラクターとしてご活躍されている重田千種様のお話しを拝聴。
 
重田様は、大阪府出身で「デフファミリー」に育ち、現在は福岡県在住。
 
なお、「デフファミリー」とは、家族全員が聴覚障害(難聴)のある家族のことを指し、英語の「deaf(聞こえない人、聞こえにくい人)」と「family(家族)」を組み合わせた言葉のこと。
 
小学校から一般学校に通い、大学・大学院でろう者・難聴者の心理を学び、現在は、障害者放送通信機構が提供している「目で聴くテレビ」で活動されており、豊富な経験と知識を有しておられる方であり、手話通訳者のお言葉を介しての講演会は初めてでしたが、重田様の笑顔とお人柄もあって、終始明るく、やさしい雰囲気で進められました。
 

【講演会のチラシ】
 
以下、メモに書き留めた点だけご紹介いたします。
 
◉「目で聞くテレビ」(手話と字幕の番組)は、情報保障、情報発信の2本を柱に1998年に開設。
◉今では、YouTubeなどでも放映している。
◉ろう者に対しては、直接差別と間接差別とあるが、求められるのは形式的平等ではなく「実質的平等」。
◉1965年当時、差別は当たり前の時代にあって、言われたことは「“当たり前”を疑え」。“当たり前”が続くと、(差別の)被害者が増えてしまうことから、ほったらかしにせず声を挙げることが大事とされた。
◉1966年に開催された「全国ろうあ者青年研究討論会」であった“三禁句”は、①「仕方ない」と言うな、②「当たり前」と言うな、③「忙しい」を言うな であった。言っても何も変わらないという意。
◉令和6年能登半島地震の際は、すぐに現地に駆けつけたが、その際聞いた言葉は「避難所は刑務所だ」。音の情報しかない避難所では、例えば食料の配給などがあっても分からず、情報のない社会となった。数日経って、手話通訳者が配置された。
◉避難所へのアイドラゴン配備は非常に有効であり、市役所や社会福祉事務所、道の駅に配備しているところもある。
◉鳥取県と徳島県では、災害時の手話通訳者派遣について、連携協定を締結している。
◉災害以外でも、例えば電車の遅延等の際にも、文字や絵の情報は重要。
◉2年前には「ろう者世界大会」が韓国で開催された。
◉デフ・オリンピックの陸上100m競技で優勝した日本人選手もいて、ろう者に希望を与えている。
 
最後に、ご自身が活動されている「目で聞くテレビ」の役割について、
①テレビの情報を保障し、安全な行動につなげたり、生活上必要な情報を伝えること
②様々な情報を発信し、仲間たちを元気づけたり、生活に潤いをもたらせること
③被災地の現状を伝えることで、支援の輪を広げること
 
 →「目で聞くテレビ」ホームページはこちらから
 →YouTube「目で聞くテレビ」はこちらから
 
約1時間半の講演は、自身にとってはまさに違った視点からの貴重なものであり、重田様のお話しや思いに大変感銘を受けた次第です。
 
特に印象に残ったのは、「差別」と「避難所は刑務所」の言葉。
 
音のない世界で生きる、聴覚障害者の方々の立場に立った対応や施策が一層重要と、改めて認識する機会になった次第です。
 
お伺いしたことは、自身が生活する上でのことはもとより、議員としても今後に生かしていきたいと考えます。
 
結びに、このような講演会にお声かけいただいた敦賀市聴覚障がい者福祉協会様に感謝申し上げるとともに、ご講演いただいた重田様の今後ますますのご活躍を心から祈念いたします。

「再審法改正」は今国会で成立を

ブログ 社会

3月23日(日)に行われた地方議会議員選挙では、以下の国民民主党公認候補が当選。
 
【茨城】北茨城市議会議員選挙
 今井 路江(公認・現職)
 滑川 宗宏(公認・新人)
 
【東京】小金井市議会議員選挙
 天野 佳奈(公認・新人)
 
【静岡】静岡市議会議員選挙
 杉山 真裕子(公認・新人)
 堀池 昂平(公認・新人)
 
【長崎】諫早市議会議員選挙
 橋本 裕太(公認・新人)
 
北茨城市議会ではワンツーフィニッシュ、小金井市議会では2位に大差をつけてのトップ当選など、いずれも上位当選を果たしており、候補者ご本人ならびに陣営の皆様にお祝い申し上げるとともに、国民民主党への期待と多大なるご支援をいただいたことに感謝するところです。
 
昨朝は、いつも通り街頭に立ちましたが、自身の選挙を思い返しつつ、当選した時の初心忘るべからずと、今一度肝に銘じ活動にあたった次第です。
 

【地方選の結果を嬉しく思いつつ、「勝って兜の緒を締めよ」。日々精進あるのみです。】
 
さて、話は変わり、「やっぱりそうだよな」と感じるのは、先の3月定例会で審議した陳情第2号「刑事訴訟法の再審規定(再審法)の改正を求める意見書の提出を求める陳情」の件。
 
所属する市民クラブは、これに原案賛成したものの、結果、賛成少数で「不採択」となった訳ですが、3月18日付の産経新聞社説<主張>では、『再審法改正 今国会成立の機を逃すな』のタイトルにて、以下の考えが綴られていました。
 
以下、概要抜粋。
 
与野党から全国会議員の半数超の約370人が名を連ねる超党派の国会議員連盟(会長・柴山昌彦元文部科学相)が、再審を規定した刑事訴訟法の改正案の今国会での上程、成立を目指している。
 
一方、刑訴法を所管する法務省は、再審制度の見直しについて28日に法制審議会に諮問すると鈴木馨祐法相が発表した。
 
再審見直しは、袴田巌さんの再審無罪判決で動いた。死刑確定囚だった袴田さんの再審無罪が出るまで逮捕から58年、最初の再審請求から43年を要した。無罪に結びつく証拠が検察から開示されるまで30年近くもかかった。開始決定が出ても、検察が抗告し、長期化した。
 
これを踏まえ再審見直しの最大論点は「証拠開示の制度化」「検察官抗告の禁止」だ。異常なまでの手続き長期化と証拠開示の困難を考えると、この対策を具体的に示す議連案を優先することが公益にかなうだろう。議連の議員立法により再審制度を見直すべきだと考える
 
袴田さん再審無罪後に再審開始が決定した、福井の女子中学生殺害で服役した前川彰司さんの再審公判は即日結審し、無罪が濃厚だ。熊本の松橋(まつばせ)事件(平成31年3月に再審無罪確定)では、検察の「証拠隠し」が裁判所から賠償を命じられた。
 
被害者救済の動きは急だ。それだけに、議連には改正案を今国会で確実に成立させてほしい。今を逸すれば再審見直しは再び後退しかねない。
 
<引用終わり>
 
陳情で求められていたことは、社説にある「最大論点」と同様であり、当会派が討論で述べたことは間違ってなかったと思うところ。
 
※賛成討論の内容は、以下の過去ブログをご覧ください。
 →2025年3月19日ブログ「令和7年第1回(3月)敦賀市議会定例会が閉会」はこちら
 
なお、社説の結びには、「内閣府の世論調査では、死刑制度容認は83%だ。冤罪(えんざい)で執行されるような事態があっては、制度は崩壊し、国民を裏切る。民意に沿うため冤罪を防ぐ方策が再審法改正なのだ。議連と国会は急がなくてはいけない。」。
 
再審法改正に向け、敦賀市議会から後押しできなかったことは誠に残念でありますが、法改正はもはや急務であり、今国会にて成立することを切に願う次第です。

「全日本中国語スピーチコンテスト」全国一位と「“勉強”が大切な本当の理由」

ブログ 社会

「近所にこんなスゴい子が」
 
本年1月12日に開催された「全日本中国語スピーチコンテスト」(公益社団法人 日中友好協会主催)において、高校生部門の第一位として表彰を受けたのは、敦賀市ひばりケ丘町在住の千田実幸さん(3月に敦賀気比高等学校を卒業)。
 
ご両親とは、同じ町内で役員を一緒に務める(もしくは務めた)関係であり、令和5年には漢語橋 世界中高生中国語コンテストに西日本代表として出場するなど、娘さんのご活躍は認識していましたが、今回の「全日本中国語スピーチコンテスト」は、福井県大会で一位となり、その後の音源審査を経て出場し、高校生部門の第一位として表彰された“快挙”。
 
これまでも、同大会には敦賀気比高校として複数人出場しているものの、第一位となったのは今回が初めてとのことであり、この成績をご報告したいとのご本人の意向を受け、私のほうで中継ぎ役をさせていただき、21日(金)には、米澤敦賀市長に表敬訪問したところです。
 
市長との懇談のなかで、高校生になってから中国語を学びはじめて以降、のめり込むように中国語が好きになり、お母さんの言葉を借りれば「寝言も中国語で話す」ほどに。
 

【米澤市長を表敬訪問する千田実幸さん。市長も関心高く質問されていました。】
 
派遣事業で中国杭州市を訪れ、人や歴史などに触れてからはなお、中国語の力を高めたいとの意欲が高まり、より一層高みを目指し学んだとのことであり、まさに今回の「全国一位」は、「好きこそものの上手なれ」のもと、実幸さんの日々の努力があって成し得たものと納得したところです。
 
表敬訪問の最後には、米澤市長と記念撮影。
 

 
実幸さんにおかれては、4月からは東京にある語学の専門学校に進むとのこと。
 
中国語に加え英語、その他の外国語も学びたいと意欲満々の彼女が、敦賀市、もうひとつ言えばひばりケ丘町から、世界の架け橋となるような人物に羽ばたいて欲しいと、期待を込めてエールを送った次第です。
 
なお、表敬訪問の模様は、3月26日(水)より、嶺南ケーブルネットワーク(RCN)の「つるいち」で放送されます(追って、アーカイブでも見れます)ので、ぜひご覧ください。
 
こうして関心しきりのところ、たまたま産経新聞で見つけたのが、「科学的根拠から考える『“勉強”が大切な本当の理由』」との記事。
 
経済学の手法や理論、データを活用し、エビデンス(科学的根拠)に基づいて教育の諸課題解決に取り組む教育経済学者で慶應義塾大学総合政策学部の中室牧子教授の寄稿でしたが、同教授が問い続けるのは、短期的な成績や受験だけではなく「人生の本番で役に立つ教育は何か」というテーマ。
 
かいつまんでポイントを申し上げると、教育経済学の研究者が使う理論的枠組みに、どのような教育的インプット(投入)をすると、学力や学歴のようなアウトプット(算出)につながるのかを分析する「教育生産関数」という考え方があり、実証ではインプットの重要性が分かった。
 
ほめ方(インプット)も例えば、90点という結果ではなく、「遅刻せずに登校できた」など途中のがんばりをほめる。ご褒美も90点に対してではなく、「忘れずに宿題に取り組んだ」から。目標設定も「90点取る」ではなく、「1週間に本を2冊読む」といった設定の方がよい結果(成績)につながっていることが判明した。
 
こうした研究は、教育では過程を見る大切さを伝えています。私たちはその重要性を何となく理解していますが、教育経済学によって言語化・数値化されて納得しやすくなってきているのではないか。
 
勉強は人的資本への投資の一つで、一定のリターンがある。例えばですが、株式投資の過去50年間の平均的な投資収益率・投資利回りは約5%。幼児教育の投資収益率はそれをはるかに上回るという指摘もある。こうした投資は、学力テストなどで測ることができる認知能力を高めることにつながると考える人も多いでしょう。認知能力は読み書き計算と言われますが、本質的には考える力。突き詰めると、投資したいのは長期的に必要となる思考力
 
今は、多くの人が目の前の成績や受験に夢中になりすぎて、受験をゴールだと考えているような気がします。受験は何かの始まりにしか過ぎないのです。受験を通り抜け、勉強は苦行だという学生が少なくありません。変化が大きく、いつ何時も学び続けることが必要な時代にあって、勉強が嫌だと感じてしまう状況は非常に厳しい。学びは、「楽しい」の延長にあってほしいのです。
 
経団連がまとめた新卒採用に関するアンケート(2018年11月発表)では、企業が大学生に求める能力の1位がコミュニケーション能力。それに主体性やチャレンジ精神が続きます。学業成績は18番目。学校という場所から遠くなっていくほど、学力以外の力が重要視されていく。だからこそ〝人生の本番で役に立つ教育〟を考えていかなければいけません。
 
本当の意味で子どもをより良く育てる国に。能力を高め、好きなことで自立して生活し、将来に不安がない状況を作り出すこと。それが教育のゴールであり、教育経済学者として尽力していきたい。
 
以上の中室教授の考えに「仰るとおり」と共感した訳ですが、重なるのは冒頭の千田実幸さん。
 
まさに「楽しい」の延長に「学び」があり、この能力をより高め、将来に生かしていく。
 
『“勉強”が大切な本当の理由』を自然と実践する彼女の今後を、改めて応援する次第です。

「自由を強制する自由」と「自由を放棄する自由」

ブログ 敦賀市議会 社会

2月19日からはじまった令和7年第1回(3月)敦賀市議会定例会も、はや今日が最終日。
 
これに先立ち、昨日は正副議長、正副議会運営委員長と議会事務局にて最終日の議会運営について打合せを行いました。
 
元々提出された議案も多いところ、議員提出の追加議案(B議案)も複数あること、事前通告のあった採決前の討論通告数も多いことなどから、内容盛り沢山の最終日になろうかと思いますが、従前と同様、市議会インターネット中継や嶺南ケーブルネットワーク(議会チャンネル)などにてご視聴いただければ幸いに存じます。
 
さて、議案に加え、本日採決を迎える請願1件、陳情2件のうち、請願1号「選択的夫婦別姓制度をただちに導入するよう求めるよう国に意見書採択を求める請願」に関しては、これを反対とする委員長報告に「賛成」、すなわち原案に「反対」することで会派として意思統一をしているところ。
 
選択的夫婦別姓制度を「ただちに」導入すべきだとする内容に対し、まず大きな問題は「子どもの姓の扱い」。
 
父母どちらかの姓を引き継ぐか出生時に決める場合、父母が争った場合、あるいは家庭裁判所に委ねようにも合理的な判断材料がないことから氏名が宙吊りになり、子どもの尊厳を脅かす恐れがあり、いま現在、これの解決策が示されていないこと。
 
また、「旧姓の通称使用」に関しては、政府の第5次男女平等参画基本計画(2020年)で「婚姻により改姓した人が不便さや不利益を感じないよう、旧姓使用の拡大や周知に取り組む」と規定した上で、マイナンバーカードや運転免許証、パスポートで併記できることになっており、法的位置付けが曖昧な現状を改め、法律で使用の権利を担保することで、地方自治体や企業が推進する責務を定めれば、より旧姓を使いやすくなる。
 
すなわち、旧姓の通称使用拡大で不便を解消する方が妥当とも考えられます。
 
加えて、私の中では、鳩山紀一郎衆議院議員(国民民主党・東京2区)が述べた、以下の考えに共感するもの。
 
<以下、鳩山議員のXポスト引用>
 
選択的夫婦別姓の議論で、多くの人々が見落としているのは、これは「論理」だけの問題ではないということです。根本的な「価値観」が異なる相手を「論理」で説得しようとしてもムダです。賛成派も反対派も、お互いに「自分の価値観が絶対的正義だ」という考え方だけはしないでいただきたいと思います。
 
日本は基本的に自由主義の国家であり、私も自由主義を大切にしていますが、「自由」という概念は、常に「自己矛盾」の瀬戸際にあることには注意が必要です。
 
私の政策顧問である長島令和氏も「『自由』という概念が非常に難しいのは、『自由を放棄する自由』や『自由を強制する自由』も成立し得るからだ」とコメントしていました。
 
たとえば、選択的夫婦別姓の賛成派の一般的な主張は「別姓にするかどうかは、あくまで選択的で自由なのだから、それで良いに決まっているではないか」というものです。
 
しかし、これは賛成派による『自由を強制する自由』の行使であり、それに対して反対派は『自由を強制するな』と言っているわけです。
 
一方で、たとえば、選択的夫婦別姓の反対派の一般的な主張は「別姓が増えて、家族の一体感が薄れやすくなるのは、社会全体として大きな損失だから、そんな制度変更はすべきではない」というものです。
 
しかし、これは反対派による『自由を放棄する自由』の行使であり、それに対して賛成派は『自由の放棄を強制するな』と言っているわけです
 
なお、ここで賛成派が反対派を論破しようとして「自由主義」という基本原則を持ち出しても、それは基本的に無力だと言えます。
 
なぜなら、政治的決定に基づくすべてのルールやシステムは「強制」になり、最終的には「自由」に反しているからです。
 
つまり、賛成派が「自由主義」を持ち出しても、たとえば反対派から「そんなに自由主義を突きつめたいなら、そもそも一夫一婦制や結婚という制度が自由に反するはずだから、やめてしまおう」と反論されれば、基本的に再反論の余地はないということです。
 
以上、議論が長くなってしまいましたが、私の主張の本質は冒頭部分に凝縮されています。
 
そもそも民主主義は、多様な価値観をもつ人々が、一つのルールやシステムに合意しようという難しい挑戦なのですから、「自分の価値観が絶対的正義だ」という考え方は捨てた上で、議論・対話・説得をしていただきたいと願います。
 
<引用終わり>
 
最後の考えは、例えば「再エネは良くて原子力はダメ」、またこれの逆然りといったエネルギー政策の議論で考えていただくと分かりやすいのかと思いますが、私自身、様々な意見が割れる事案にぶつかった時も「価値観の絶対的正義」に陥らないよう留意する所存です。
 
請願の話に戻しますと、こうした考えに基づく会派の賛否は先に述べたとおりですが、皆さんはどう思われるでしょうか。
 
少なくとも、敦賀市議会として「ただちに導入」を国に意見するのは時期尚早ではないかと。
 

【カーテンを開けるとわずかに積雪。この後は、昨日できなかった街頭活動に出掛けてまいります。】

ゆうあい倶楽部の「施設訪問」

ブログ 社会

石破総理が自民党議員15人に「お土産がわり」に渡した「10万円の商品券」について。
 
国民民主党の玉木雄一郎代表はXで次のようにポスト。
 
<以下引用>
 
石破総理は「会食のお土産代わりに家族へのねぎらいなどの観点から、私自身の私費、ポケットマネーで用意をした」と述べた。
確かに、政治資金規正法第21条の2 は「政治活動に関して」の寄付を禁止しているので、「お土産代わりに家族へのねぎらいなどの観点から」の寄附は法令に抵触しないとの理屈だが、開き直りにしか聞こえなかった。
そもそも、10万円の商品券が果たして「お土産がわり」と言えるのか。15人に渡したというので合計150万円にもなる。問題ないなら、15人全員なぜ返したのか。
これだけ物価高で国民が苦しむ中、財源が無いだの、再来年度まで待ってくれだの放っておいて、自党の議員にはお土産代わりに10万円。
この感覚を国民は理解してくれるだろうか。
 
<引用終わり>
 
私自身は、「政治と金」の問題によって政治への信頼を失墜させたことからすれば、疑義が取り上げられること自体遺憾であるとともに、未だ世間の感覚と乖離した行為がされていること自体が問題と考えるところ。
 
石破総理は「法律のどこに抵触するのか」と記者に逆質問までしたようですが、「開き直っている」場合ではないとだけ申し上げておきます。
 
さて、ポンとお土産がわりに出てくる「10万円」を思えば、より尊いものと感じるのが街頭などでご寄附いただく募金。
 
自身が顧問を務める「ゆうあい倶楽部」では毎年、年末に市内スーパー前での街頭カンパ活動ならびに加盟労組における職域カンパを行い、そこで頂戴した浄財を原資とし、敦賀市・美浜町の養護施設や社会福祉協議会に寄贈(ご希望の品に代え)する福祉活動を続けているところ。
 
前身である「嶺南地区友愛会」時代から続く、この活動の歴史は30年以上。
 
昨日は、同倶楽部の代表、事務局長に同行をし、※7つの施設をお伺いしてきた次第です。
 
※市立やまびこ園、ワークサポート陽だまり、特養老人ホーム常盤荘、市立子ども発達支援センターパラレル、美浜町社会福祉協議会、白梅学園、特養老人ホーム渓山荘
 
寄贈品をお渡しするスタイルは、コロナ禍においては恐る恐る各施設の玄関先であったことを思えば、職員さんあるいは通所者やお子さんなどにお声掛けしながら、直接手渡しでお届けできるというのは嬉しいもの。
 
代表が寄贈される姿をそういった思いで見守ったところです。
 
各施設で皆さんからいただいた「ありがとう」の言葉を、ご寄附いただいたすべての皆様にお届けしたいと思い、このブログでも紹介するところですが、改めてカンパ活動にご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
 
また、いくつかの施設では暫し懇談のお時間も頂戴し、現況や課題などについてお話を伺うことができました。
 
これに関しては、行政の方でも把握され、既に対応している面もあるものの、議員の立場として課題認識を共有した次第です。
 
なお、各施設との事前調整をはじめ、ワンボックスカーの荷室が一杯になるほどの寄贈品を準備された事務局長に心より感謝申し上げます。
 
そうしてすべての施設の訪問を終え、最後の渓山荘(泉ケ丘)を出るとこの景色。
 

【目の前はJR敦賀駅(やまなみ口)。奥に広がるは敦賀湾。】
 
「そういえば、昨年は北陸新幹線開業の前日でしたね」と、一年前の訪問を振り返ったところです。
 
開業1周年記念に関していえば、開業から1年にあたる明日16日を前に、今日から開催される「つるが街波祭(まちなみさい)」が盛り上がることを祈念する次第ですが、改めてこの一年。
 
 →北陸新幹線敦賀開業1周年記念「つるが街波祭」の詳細はこちらから
 
物価高騰により、食材ひとつ買うにも躊躇するような国民生活の中において、「人のために役立てて」とカンパいただいたことの重みを改めて思い返した訳ですが、冒頭の件と重ね、同じお金であっても価値のある、思いの込められた「生きたお金」を大事にせねばと、強く胸に置いた次第です。

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