原油、天然ガス価格高騰の背景にあるのは、熾烈な「エネルギー資源獲得競争」

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国会の方は衆参両院での代表質問を終え、いよいよ本日衆議院解散。
 
31日の投開票までは選挙モード一色になると思われますが、同じ盛り上がりでも、どこまで上がるか分からないのが原油価格。
 
経済産業省が13日発表した11日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は、4日時点の前回調査と比べて2円10銭高い162円10銭となり、平成26年10月以来約7年ぶりの高値となりました。
 
これで値上がりは6週連続となり、調査を委託された石油情報センターによると、世界経済の回復基調を背景に原油の需要が高まる中、天然ガスなど他のエネルギー価格の高騰や米国でのハリケーンによる石油生産設備への被害の影響で原油の需給逼迫感が高まり、原油価格が上昇しているとのことですが、私も長期トレンドを確認すべく、経済産業省発表データを基にプロットしてみるとやはり、今年に入ってからは常に上昇傾向を示していることが良く分かります。
 

【2021年に入ってからの給油所レギュラーガソリン価格推移(経済産業省 給油所小売価格調査データを基に自身で作成)】
 
経済活動の再開と見事にシンクロし、世界的に高騰する原油価格ですが、国内のガソリン価格は今後170円を突破する可能性が高いとあり、家計や企業にとっての逆風が新型コロナウイルス禍からの経済回復に水を差しかねないことを危惧するところです。
 
また、価格が上昇しているのは原油に留まらず、天然ガス、さらに原子力発電所の稼働に必要なウランも値上がりしているという報道も相次いでおり、アメリカでは先んじて値上がりしていた天然ガスが13年ぶりの高値となっていて、ガスの価格上昇が原油価格をさらに押し上げるのではないかという見方もあるとしています。
 
つまりは、これから寒さが深刻になれば、天然ガスの代替手段として原油を使って火力発電所を稼働する動きが出てくる可能性もあり、そうなれば原油の需要が高まるという訳だそうです。
 
一方、EU(ヨーロッパ連合)の執行機関であるのEC(ヨーロッパ委員会)は今週、高騰する天然ガスに対して、自らの身を守るために共同で購入することを検討していると報じており、電気代が急激に上昇するスペインなどが提案しているとのことですが、ドイツでは、風力発電が期待した発電量を賄えないことによる代替エネルギーの問題(頼みの綱であるロシアとのパイプラインの関係)などが顕在化しています。
 
さらに、脱炭素化への転換を見越して、CO2を排出しない原子力発電所の稼働への期待をもとに、その燃料であるウランに対する注目が集まり、ヘッジファンドがウランを大量購入する中でウランの価格が37%上昇しているとも伝えられており、見た目から「イエロー・ケーキ」とも呼ばれるウランの先物価格は、2012年以来の1ポンド=50ドルの高値に迫ったとしています。
 
なお、リーマンショック前の2007年6月には1ポンド=136ドルまで挙がったという実績もあるとのこと。
 
こうして、原油、天然ガス、ウラン、さらには石炭の世界的な価格上昇は、グリーンエネルギーだガーボンニュートラルだと口では言いながら、自国の電力安定供給や経済活動を維持するためには脇目もはばからず化石燃料を使うというのは、まさに綺麗事ではない、熾烈な「エネルギー資源獲得競争」な訳であります。
 
こうした状況は、言わずもがな日本も同じ。
 
昨冬に経験した電力需給逼迫は、経済産業省の見通しにおいて、実はこの冬も東京管内ほかで厳しい需給となると予想されています。
 
加えて、このエネルギー資源価格高騰。
 
コロナ第5波が落ち着き、経済活動を徐々に再開していくことに明るさを取り戻す一方、経済活動は愚か国民生活に影響する電力需給逼迫がこの先待ち受けていることは大きなリスクであり、私自身はこうした点をしかと認識するとともに、この後の衆議院選挙においては、こうした「綺麗事」では済まされない「エネルギー資源獲得競争」の世界の中で、日本がどうして生き残っていくのか。
 
将来のことの前に、目の前に横たわる危機に「理想論」ではなく「現実論」で論戦を繰り広げられることを切に期待するところです。

気候変動について考える(後編)

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早速で恐縮ですが、昨日に続きテーマは「気候変動」について。
 
「気候変動について考える」などと大そうなタイトルとしておりますが、私自身、自論を述べるほどの専門知識を持ち合わせてはいませんので、これまで様々な有識者の見解を調べる中で、「なるほど」と思ったことを書き留めておく程度となることをまずお断りさせていただきたく存じます。
 
そのうえで、物事を正しく見るときには、ミクロとマクロの視点が必要ですが、この気候変動に関しても、地球誕生から46億年の歴史を長い目で見ると、「ミランコビッチサイクル」にあるよう、特に日照量の変化が大きな原因とし、地球は約10万年ごとに暖かくなったり(間氷期)寒くなったり(氷期)を繰り返してきたことが分かっていて、そうした人間の力ではどうにもならない太陽と地球の関係の中にあって、この温暖化スピードや将来予測をどう捉えるのかが重要かと思うところです。
 
非常にスケールの大きな話しから入りましたが、このIPCC報告書に対しては、総論ではなく各論としての理解し易さとして、キャノングローバル戦略研究所主幹研究員の杉山大志氏が他の科学者の意見やデータと照らし合わせ、報告書の内容を丁寧に紐解き、25の論点(10月10日現在)を挙げ反証をしており、私も大いに共感する部分がありましたのでポイントを書き留めていきたいと思います。
 
以下、杉山氏の論点から主だった部分を以下に掲載します。
 
①まずはCO2等の排出シナリオについて。これまでCO2等の排出の多い「RCP8.5」シナリオがIPCCでは頻繁に使われてきた。だがこのシナリオは、高い経済成長と莫大な石炭消費量を想定したもので、現実との乖離が目立ってきた。諸国がカーボンニュートラルなどと言い出す前だった2019年時点から、特段政策を強化しなくても、2050年時点の排出量はその半分以下に収まる、というのが、いま主流の見方(が、日本の環境省は排出量の多いRCP8.5のシナリオに基づき、被害予測を計算している)
 
②IPCCの報告では、20世紀に起きた地球規模での気温上昇は、その殆どがCO2等の温室効果によるものだとしている。だがこれは、太陽活動の変化が殆どなかったとするデータセットに基づいている。別の、NASAの人工衛星観測によるデータセットを用いると、太陽活動は大きく変化しており、地球温暖化の大半はそれで説明できてしまうため、CO2等の寄与は小さいという論文がある。
なお、IPCCが気候変動における太陽活動の役割を軽視しているという指摘は複数の研究者から挙がっている。

 

【「世界の気温変化の歴史と近年の昇温の原因」:同報告書政策決定者向け要約(SPM)暫定訳(2021年9月1日版)より抜粋】
 
③IPCC報告では、この陸と海での除去、つまり「吸収源」は、CO2排出量の増加にほぼ比例して増加しており、2010年から2019年の間に排出量の31%(陸)と23%(海)を吸収している。両者を足すと54%になる。ということは、大気中のCO2濃度を安定化させるためには、人類はCO2排出を半減させればよいのであって、ゼロにする必要は無い。
化学平衡で考えれば、産業革命前に280ppmだったCO2濃度が、いま410ppmになっている。この差がある限り、陸上にも海にもCO2は吸収され続ける。だから吸収された分だけは人間が排出しても、濃度は増えないことになる。
 
地球温暖化による大雨の激甚化など起きていない。今回のIPCC報告はそれをはっきり書いている。政策決定者向け要約にある図SPM.3がそれを示している(訳は気象庁)。日本以外の地域を見ても、殆どが「人間の寄与の確信度は低い」となっている。大雨のたびに温暖化のせいにする人がいるが、IPCCはそんなことは言っていない。
 
⑤地球温暖化したといっても、江戸時代から比べて1℃ぐらいという僅かなものだ。過去の再現ですらこんなに誤差が大きいのに、あと0.5℃や1℃の気温上昇やそれによる気候の変動の予測なんて、本当に当たるのか、疑問に思う。少なくとも、どのような予測結果を見る場合でも、「そのモデルはどのぐらい過去を再現できているのか」、1つ1つよく確認する必要がある。
 
⑥IPCC報告は、一方ではモデルにこれだけ問題があることを認めながら、他方ではそのモデルによる予測を滔々と説明している。だがこの予測は信頼に値するのだろうか。モデルにこれだけ問題があれば、本来なら、予測結果はいったん取り下げて、やり直すべきではないか。衛星観測の第一人者である元NASAのジョン・クリスティはそう主張している。
 
⑦IPCC報告書では、京都の桜の開花日が早くなっているという図が出ている。IPCC報告はこれが地球温暖化によると言いたげである。(そうはっきりとは書いていないが、普通の人が読むとそう読んでしまうように書いてある)。だがこの理由は、地球温暖化による気温上昇とは限らない。まず都市熱は大きい。気象庁のデータを見ると、京都は地球温暖化を上回るペースで気温が上昇している。
 
⑧2100年時点の海面上昇は、2050年の排出ゼロといった極端に脱炭素を進めるシナリオ(SSP1-1.9)では55cmぐらいになっている。他方で、高い排出の場合はどうか。SSP5-8.5とSSP3-7.0は、何れも排出量が多すぎて現実的ではないことは論点①(筆者HP上の)で述べた。2019年以降、特段の温暖化対策強化をしなくても、SSP2-4.5とSSP3-7.0の中間ぐらいになる。2100年時点で両者の中間を読むと海面上昇は75cmぐらいになっている。
すると、極端な脱炭素に励むことで、2100年の海面上昇は75cmから55cmへ、20cmばかり抑制される訳だ。20cmの差というのは僅か過ぎて、脱炭素に伴う莫大なコストを正当化することは出来ない。なお最後に付言すると、論点③(筆者HP上の)で述べた様に、気候モデルは明らかに温暖化を過大評価しているものが多くある。
 
⑨IPCC報告には地球の平均気温がぐんぐん上昇しているという図が出ているが、イギリス気象庁による最新のデータでは、2000年から2014年ごろまでは、気温上昇はほぼ止まっていた。これはハイエイタス(停滞)と呼ばれるものだ。その後2016年から2020年までは高温の年が続いた。2021年に入って、気温は急降下。2021年は、2014年以来、もっとも寒い年になるかもしれない。何が起きてきたかというと、2016年から2020年までは強いエルニーニョだった。それが2021年になってラニーニャになった。(ちなみにこのラニーニャは太陽活動の変化に連動して起きるという予言が当たった)。
今後気温が上がるか下がるか、予断は出来ない。気候モデルを信じるなら「何れ急激に上がる」ということになるが、この連載でも縷々述べてきたように、筆者はそこまでモデルの信頼性は高くないと見ている。
 
⑩いまの世界では暑さで亡くなるよりも寒さで亡くなる人の方が遥かに多い。そのため、過去の地球温暖化の帰結としては、世界の人間の寿命は伸びた。寒さによる超過死亡率は減少し、暑さによる超過死亡率の増加を上回ったのだ。これは日本でも同じことで、地球温暖化によって寿命は伸びている。
図2を見ると、日本は緑色になっていて、死亡率が減少していることが読み取れる。我々は温暖化のお陰で少しばかり長生きしている。地球の気温は感じることも出来ないぐらいゆっくりと上昇したが、人類を脅かすような「広範囲かつ急速な変化」などという程のことは起きていない。
 
私が捉えた論点のいくつかを挙げさせていただきましたが、杉山氏は総じた見方として、論点のいくつかでこのように結んでいます。
 
◉おどろおどろしく「気候危機」というなら、自然災害のデータはさぞや急激な右肩上がりで、誰の目にも明らかで文句無しなのかと思えば、そうではない。実態はこの程度のことで、たいていは誤差の内か、せいぜい、かろうじて判別できるぐらいだ。冷静になって数字を見ると、「人類の危機が迫っている!」という様な話からは程遠いことが分かる。
 
◉地域ごとに見ると、気温は大きく変動してきた。そして人類はそれに対処して逞しく生きてきた。地球全体の平均で100年かけて1℃気温が上昇してきたといっても、それで「人類が存亡の危機に立っている」などという訳ではない。そのくらいの変化は、我々の先祖はとっくに経験済みで、問題なく対処してきた。
 
論点を全て読み感じたことは、過去を確実に再現した予想モデルでなければ意味をなさず、特に不確実性の高い気候変動の分野においては、評価モデル次第でいかようにも将来の予想は変わる。
 
裏を返せば、導きたい答えに合わて作ることだって出来てしまう世界でもあるということ(IPCC報告書がそうであるという意味ではない)。
 
どうかで聞いたことと思えば、これは日本の第6次エネルギー基本計画案策定の際にあった「太陽光のコストが初めて原子力を下回った」試算モデルがまさにこれであり(太陽光を安くするために有利な条件をセット)、さらに言えば基本計画自体が「野心的=不確実性が高い」ものであることは周知の事実であります。
 
このIPCC報告書については、杉山氏のみならず、国内外の有識者、科学者が異論を唱えてもいることから、改めて全て鵜呑みにすることはせず参考程度に捉えておきたいと思いますが、こうした将来予想に連なって締結される国際協定、脱炭素化の世界の潮流、そしてその中で2050カーボンニュートラルを目指す日本という現実。
 
冒頭の大きなスケールに照らせば、太陽系の惑星のひとつに過ぎない地球号、太陽の影響に比べれば、この地球上に住む人類の力など無力に近いものだとすれば、同じく地球上にあり続ける炭素を躍起になってゼロにする必要なんてあるのか、しかも今後、国民や企業に巨額の経済負担を強いてまで行うべきことかと考えてしまいます。
 
「じゃあ指を咥えて何もしないのか!」と叱られるかもしれませんが、ここは受け止めのひとつとして、出来る範囲でやれば良いのではと、感じたことに感じたことに関してはお許しいただきたく。
 
本日は、自身の勉強のような内容となり失礼しましたが、これまたスケール大きく言わせていただくと、同じ地球上に生きる皆さんに少しお知りいただきたかったことでもあり、長文、駄文をお許しいただきたく存じます。
 
最後に論点掲載しましたキャノングローバル戦略研究所主幹研究員の杉山大志氏の投稿をリンクいたしますので、関心のある方はさらにお読み取りいただければ幸いです。
 →→→ご紹介した杉山大志氏の「論点」はこちらから

気候変動について考える(前編)

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8日に所信表明を行った岸田首相。
 
所信表明に対する与野党それぞれの見方は既に新聞報道等にあるところですが、期待した岸田政権を担う一部閣僚に対して早や懸念の声が挙がっているところ。
 
その矛先は山口環境大臣で、原子力発電を可能な限り低減、レジ袋有料化見直しには慎重など、前小泉大臣の考えを踏襲するかの発言に落胆するばかりか、「スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんと温暖化に対する実感を共有している」との認識に対しては、有識者から「新環境大臣は前任者と同じで科学音痴。中学高校の理科を理解していないと自白しているようなもので、それではまともな環境政策はできない」とまで揶揄されるなど、一難去ってまた一難。
 
仮に衆議院選挙で政権を維持し岸田政権が続いたとて、このまま環境大臣を留任させるようでは、理想論の前大臣への批判が相次いだよう、政権の「新たな火種」になることは間違いないでしょう。
 
そもそも、環境省の所管するのはエネルギーではなく環境問題であることからすれば、確立した脱炭素電源である原子力発電を「可能な限り低減させる」というのは、「原子力発電が環境的に好ましくない」と考えているから言っているのかどうか、深く突っ込んで伺ってみたいものです。
 
その環境問題に関して、山口大臣も当然熟読されているであろう「IPCC」の報告書。
 
正式には「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(AR6)第1作業部会報告書(自然科学的根拠)」(以下、AR6/WG1報告書)といい、少し前になりますが、今年の8月9日に公表されたもの。
 
気候変動分野において重要な政府間組織であるこのIPCCでは、2015年2月に開催された第41回総会において、第6次評価報告書(AR6)は第5次評価報告書(AR5)と同様、5~7年の間に作成すること、18ヶ月以内にすべての評価報告書(第1~第3作業部会報告書)を公表することなどが決定され、今回はその第1作業部会の自然科学根拠が示されたという位置付けになります。
 
ちなみに3作業部会の構成は以下の通り。
第1作業部会(WG1)- 自然科学的根拠
第2作業部会(WG2)- 影響・適応・脆弱性
第3作業部会(WG3)- 気候変動の緩和
 
AR6/WG1報告書の政策決定者向け要約(SPM)の承認、同報告書の本体等が受諾されたIPCC第54回総会及び同パネル第1作業部会第14回会合は、報告書各国政府の代表並びに世界気象機関(WMO)、国連環境計画(UNEP)、気候変動枠組条約(UNFCCC)など国際機関等より300名以上が出席、日本からは外務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、気象庁、環境省などから計21名が出席し、7月26日から8月6日にかけてオンラインで開催されました。
 
ここで承認された気候変動の自然科学的根拠に関する最新の科学的知見がまとめられた「政策決定者向け要約(SPM)の概要」(ヘッドライン・ステートメント)は、以下4つのカテゴリーごとに示され、
A. 気候の現状
B. 将来ありうる気候
C. リスク評価と地域適応のための気候情報
D. 将来の気候変動の抑制
 
例えば、
A.1では「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない。大気、海洋、雪氷圏及び生物圏において、広範囲かつ急速な変化が現れている。」
 
B.1では、「世界平均気温は、本報告書で考慮した全ての排出シナリオにおいて、少なくとも今世紀半ばまでは上昇を続ける。向こう数十年の間に二酸化炭素及びその他の温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、21世紀中に、地球温暖化は1.5°C及び 2°Cを超える。
 
D.1では「自然科学的見地から、人為的な地球温暖化を特定のレベルに制限するには、CO2の累積排出量を制限し、少なくともCO2正味ゼロ排出を達成し、他の温室効果ガスも大幅に削減する必要がある。メタン排出の大幅な、迅速かつ持続的な削減は、エーロゾルによる汚染の 減少に伴う温暖化効果を抑制し、大気質も改善するだろう。」
など、脱炭素化による地球温暖化対策の必要性を謳う拠り所がここになっていると言えます。
 
詳細は、環境省ではなく気象庁HPに和訳版が掲載されていますので、以下リンクよりお読み取りください。
 →→→IPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書(AR6)和訳版はこちらから
 
世界各国の関係者、科学者が示した報告書ですので、私なんぞが意見を述べる知識も術もない訳ですが、ひとつあるとすれば、この報告書を全て丸呑みして良いのかという疑問。
 
これに関しては、各分野より、こちらも有識者の方が異論を唱えたりもしている訳ですが、一方の考えを鵜呑みにしないという意味において、私の勉強も兼ね紹介できればと思います。
 
と、ここまで記載をしておきながら何ですが、その紹介をすると長くなってしまいますので、続きは明日にさせていただきます。
 
秋晴れが続いた敦賀の天気も、明日からは下り坂のようです。
 
既にやや風が強い朝となっておりますが、貴重な日曜日を有意義にお過ごしください。
 

【写真は昨朝の散歩で出会った風景。秋の雲、青空に映える野坂山。何とも胸の澄く景色が近くにあることに感謝です。】

夢物語、幻想の「再エネ100%」

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9月定例会閉会後、最初の週末は快晴。
 
まずは滞っていた家のことをと、外では草むしり、中では書類の分別と、身の回りの整理を行いました。
 
当たり前のことながら、整理整頓をするというのは、気持ちの整理にもなるということで、心もスッキリ。
 
常にこのような状態にしたいものです。
 
そしてこの日、14時からは美浜町生涯学習センター「なびあす」で開催された「嶺南原子力フォーラム」に出席。
 
本フォーラムを主催する実行委員会・発起人代表は、山口治太郎前美浜町長で、敦賀、美浜、大飯、高浜の原子力発電所立地地域の議員を始め、関係者の皆さんにお声掛けされ開催されたとのことでした。
 
冒頭、山口前町長、先般、自民党国対委員長に就任された、地元選出の高木毅衆議院議員よりご挨拶があり、お二人の切り口はやや異なるものの、今後も日本には原子力発電が絶対に必要と、力強くお話しされました。
 
また、その後は、東京大学公共政策大学院特任教授の有馬純氏より、「カーボンニュートラルを巡る内外動向と原子力政策の課題」と題した基調講演を拝聴。
 
パリ協定の仕組みから始まり、世界各国の地球温暖化対策の状況、日本の2050年カーボンニュートラルや2030年CO2排出量46%削減(2013年比)の位置付けやコストの問題、そして第6次エネルギー基本計画案についてなど、多岐に亘る内容を要点を絞ってお話しいただき、改めて置かれている環境と自分の考えの正当性を確認することが出来ました。
 
こちらは、これまでのブログでも取り上げてきたことではありますが、とりわけ、
◉カーボンニュートラルを目指す欧米は「使える脱炭素オプションを総動員」していること
◉同じく、カーボンニュートラルを目指す国の中には原子力発電を将来に亘って活用する国の割合が高く、「脱原子力は国際的潮流ではない」こと
◉第6次エネルギー基本計画策定論議の過程であった、2050年カーボンニュートラルに向けた複数シナリオのうち、「再エネ100%」は、現状より電力コストが約4倍に跳ね上がるため「夢物語」であり(他のシナリオでは約2倍)、エネルギー安全保障の面からいっても「幻想」に過ぎないこと
◉脱炭素化に向けては、原子力の活用と新増設・リプレースが必要
◉原子力利用のためには、「核燃料サイクルと「最終処分」が不可欠であること
 
以上の点は事実に基づく内容であり、改めて認識を強めておきたいと思います。
 
また、まとめでは、
◉国内資源を有さず、海外との連携線を持たない日本は、脱炭素化のために持てるオプションは全て使うべきであり、国産技術である原子力の長期活用は、エネルギー安全保障、温暖化防止、経済効率の面で合理的な手段
◉「40年上限」の規制見直し、「原子力依存度の可能な限り低減」の方針見直し、原子力の新増設をオプションとして位置付けるべき
◉「原子力」か「再エネか」の不毛な二者択一論から脱却すべき
 ※原子力推進の方で再エネを否定する人は聞いたことがないが、再エネを推進する方は、ほぼ原子力を否定する
◉放射線廃棄物の最終処分は不可欠で、これまで原子力発電を利用してきた現代世代の責任
 
「エネルギーの議論を不健全にしている」二者択一論から脱却しなければとの言葉もあり、全くもって共感。
 
自分自身も決して「再エネ否定論者」ではなく、追求するのはあくまでも「現実的なエネルギーミックス」であることを理解いただかなくてはならないとも感じた次第。
 

【基調講演にて、ポイントを分かりやすく説明される有馬教授】
 
こうして基調講演も終わり、最後には、新増設・リプレースを含むエネルギー政策の修正を今後も求めていくこと、原子力立地の立場からも理解醸成など、最終処分の問題に関して取り組みを進めることなどを含むアピールが提案、拍手をもって採択の後、閉会となりました。
 
世界の潮流の話しを思えば、先日は、中国政府が環境対策として、石炭を主燃料とする火力発電所の抑制に動いたことが主な要因で、全国の約3分の2の地域で電力供給の制限が実施される異常事態となっていることや産業活動にも大きな影響が出ているとのニュースがありましたが、欧州では、冬の需要期を控え天然ガス価格が高騰し、消費者の生活や電力会社の経営を圧迫しているとのこと。
 
気候変動対策を強化する欧州諸国で脱炭素化が進む中、CO2排出量が比較的少ない天然ガスの需要が急速に拡大しましたが、主な供給元であるロシアが天然ガスの輸出を制限しているとの疑惑も広がっており、欧州は新型コロナウイルス禍から経済を回復させる計画が狂いかねない事態に直面しているとあります。
 
基調講演でもあったよう、多くの欧州諸国はCO2の排出量が多い石油や石炭から脱却する過程で、発電燃料を天然ガスに切り替え、風力発電などの再生可能エネルギーの活用を増やしている状況にあるものの、イギリスなどでは最近穏やかな天候が続き、風力発電が十分に機能せず、その不足分を補うために天然ガス発電で対応しており、その影響で9月に入り、価格が急騰。
 
新型コロナ対策の規制緩和により、電力使用料が増えたことも価格を押し上げる要因となったようです。
 
こうした状況は、対岸の火事ではなく、この日本でも、このままのエネルギー政策では起こり得ることでもあります。
 
そう思えば、カーボンニュートラルを目指し、「使える脱炭素オプションを総動員」する欧米でもこのような状況となるのに、主力化どころか2050年「再エネ100%」を目指すとする政策を打ち出した政党がありました。
 
第6次エネルギー基本計画策定論議の中でも、先に述べたコスト或いは安全保障の関係などから「論外」とされ、有馬教授の言葉を借りれば「夢物語」であり「幻想」の「再エネ100%」。
 
掲げるのは自由ですが、達成への道筋やS+3Eの同時達成をどう考えるのか、是非聞いてみたいものです。
 
この先行われる衆議院選挙において、この福井2区、とりわけ嶺南地域においては、エネルギー政策が大きな焦点になることから、立候補される方、所属政党の考えのどちらが現実的か、しっかり見極めていかねばなりません。
 
最後は横道に逸れましたが、昨日お聞きしたポイントを今一度念頭に置き、自身もエネルギー政策に対する国民理解の一助となるよう、微力ながら尽力していきたいと考えます。

「野心的であるが故」の言葉で全てを片付けていいのか

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「失ったものを数えるな、残されたものを最大限に生かせ」。
 
これは有名な、パラリンピックの父と呼ばれる英国の医師、ルードウィッヒ・グットマンの言葉。
 
少し調べてみると、そのグットマン医師が、1948年にロンドン郊外のストーク・マンデビル病院で、戦争で負傷した退役軍人らを対象に開いたアーチェリー大会がパラリンピックの発祥とされ、その後、大会は発展、1960年からは4年に1度、ほとんどが五輪開催国で開かれ、第2回大会が1964年の東京だったとのこと。
 
そのパラリンピック東京大会が、以来57年ぶりに昨日、国立競技場で開幕しました。
 
史上最多58個のメダルを獲得した東京五輪後、日本国内では、新型コロナウイルス感染の「第5波」が急拡大し、報道などでは開催に疑問の声が挙がっていることや原則無観客とするなど、東京五輪に続き異例の大会となります。
 
それでも160を超える国と地域から、史上最多の4403人のパラアスリートが東京に集うとのことであり、先の五輪とはまた一味違う、決して諦めなかったからこの場に立つという、人間が持つ強さや可能性に私たちが気づき、その気づきが社会を変えていく原動力になるものと信じ、日本選手はもちろん、世界各国のアスリートの皆さんが心置きなく力が発揮できることを願い、応援したいと思います。
 
さて、話しは変わり、一昨日の午後は、敦賀市議会の議員説明会が開催され、「国のエネルギー政策」について、経済産業省資源エネルギー庁の原子力立地政策室長より説明を聞きました。
 
約30分のエネ庁からの説明は、現在のエネルギー事情と第6次エネルギー基本計画素案(主に原子力政策)のアウトラインを通り一遍に述べるに留まり、原子力立地地域の議員と分かって説明しているのか、スタートから疑問が湧きましたが、他の議員の皆さんももちろん同じように感じておられ、その後の質問時間では、とりわけ原子力政策に対する国の姿勢、エネルギー基本計画の内容について多くの批判の声が挙がりました。
 
質問に先立ち、冒頭議長より、第6次エネ基策定にあたっては、敦賀市議会から意見書も提出しているが、そのことも認識したうえで、何を説明しに来たのかとの問いに対し、エネ庁側はどうも、意見書の内容すら把握していない様子であったことに、私も呆れ返ってしまった訳ですが、その後複数の議員から挙げられた主な意見は以下の通り。
※私のメモベースにつき、一字一句合致しているものではありません。
 
(主な意見)
エネ基を見る限り、今後、大型軽水炉は不要と思っているように映るがどう考えているのか。
◉前回のエネ基には、敦賀を原子力研究拠点にとの文言があったが、どうなったのか。
◉再エネ、特にFITによる賦課金により国民負担が増大しているが、今後さらに増加すると思うが、どう対応していくのか。
原子力を「活用」していくとの文言と「依存度低減」が混在しており、全くもって矛盾している。
◉信頼回復、信頼回復と言うが、誰の責任で誰がやるべきだと考えているのか。これまで協力してきた立地としては、梯子を外された思いである。
◉立地地域には丁寧な対応とあるが、全くもってそうは思えない。もんじゅの時も、そう言いながら、突如の廃炉を通告されたような形でもあった。国は信頼できない。
杉本知事が関電の40年超プラントに同意した際に、国は、将来に亘る原子力政策を明確にすると約束したはずだが、既に反故にされている。都合の良いことだけ言って進めさせ、約束を守らないのは、まさに後で梯子を外しているのと同じである。
 
これに対し、室長は「野心的なエネルギー基本計画であるが故」との前置きばかりで明確な答えはなく、「ご意見ありがとうございます」に終始した感。
 
最後に議長からは、「立地地域から出された意見書の内容すら、計画に取り込まない国の対応に対し、元々ない国との信頼関係であるが、さらに原子力を分かっている人ほど、もう原子力は不要(協力できないとの意味と解釈)だと思う雰囲気もある。その点、国は重々認識しておくように。」との趣旨の言葉を、強い口調で伝え閉会となりました。
 
とりわけ、意見書でも強く要望した「新増設・リプレース」が一言も記載されていないことに対する国への不信感と受け取った訳ですが、これに関しては全くその通りと、大きく頷いた次第。
 
また、その後開催された、敦賀市原子力発電所懇談会も傍聴しましたが、ここでも市内各団体を代表する複数の委員から国のエネルギー・原子力政策に対する姿勢に懐疑的な意見が多数挙がったほか、座長である渕上市長からは最後に、
 
新増設、リプレースを行うことを示さないと、人材育成や技術が進まない。
裏付けのない「野心的」の言葉によって、このエネルギー政策は、理想と現実でいえば前者になっている。
◉国民のほうを向いているのかが疑問である。
◉原子力に関しては、いつまでに国民理解を得ようとしているのか。震災から10年が経つが(国を)信じていいとは言えない状況。
◉先に進むことのみならず、最終処分など、後始末を考えた時に間に合っていないことが多く、ちぐはぐに映るため、国には頑張っていただきたい。
 
との言葉がありました。
 
議会と同じような認識と受け止め、説得力ある言葉にこちらも頷いた次第。
 
こうして、他の原子力立地地域も回られるのかどうか分かりませんが、果たして意見を反映する気があるのか、単にガス抜きの場であってはならないことは確かであります。
 
2050年カーボンニュートラルの「野心的」、「おぼろげに浮かんだ」46%CO2削減の言葉に振り回され、2030年ですらバラ色の世界が待っているかのような、お花畑の理想論で日本はどうなってしまうのか。
 
有識者や原子力立地自治体、議会が何を言っても、決め打ちの政策に突き進む国の姿勢を憂いて止みません。
 

【国の根幹に関わる政策が「理想論」であって良いはずがない(やまたけ活動報告会資料のスライドより)】

日本の自然観と太陽光発電は共存できるのか

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記憶に新しい、静岡県熱海市で発生した大規模土石流災害に関しては、現在も県の「発生原因究明作業チーム」による調査が進められているところですが、起点付近にあった盛り土や太陽光パネルとの関係を含め、果たしてこの災害が「自然災害」であったのか「人為的災害」であったのか、私も関心をもって調査状況を注視しているところ。
 
そうした中、8月1日の福井新聞「現論」に興味深い記事が掲載されていました。
 
その記事とは、京大名誉教授の佐伯啓思氏が寄稿した「西洋と日本の自然観」。 
 
自分の知識にもとポイントをメモしておいたので、以下にご紹介させていただきますと、
 
自然災害にせよ、感染症にせよ、自然の脅威から身を守るための様々な試みが文明を作り上げてきた。その典型は、西洋の近代科学や現代医学で、自然現象の中にある隠された作用を人間の理性の力で取り出し、自然と対峙して、これを合理的に管理する、というものであった。その延長線上に、人間のゲノムや脳神経などの「自然」にまで手を入れようという今日の生命科学が登場する。要するに、西洋の科学や技術は、「人為」によって「自然」を利用しようとしたのである。
(中略)
ところが、自然の脅威に対抗するもうひとつ別の方向がある。それは人為を超えた自然の脅威をそのものとして受け止め、人の預かり知らぬ不可思議な作用に畏怖を覚え、一種の宗教的感情を持ち出す方向である。どうやら、昔の日本人はこの方向を向いていた
 
元々「自然」は、日本語では「自然(じねん)」であり、これは「おのずから」という意味であったことからも分かるように、人為を超えた自然の作用は、「おのずから働く」ものであって、人の意志に従って人の都合の良いものに改変できるものではない。これは、西洋のとりわけ近代以降の自然理解とは大きく違っている。
(中略)
その結果、日本では、自然災害にせよ、感染症のパンデミックにせよ、どこかやむを得ない自然現象であって、それと対峙して、人為の力で自然を克服するといった発想は弱い。「おのずから」の作用を及ぼす「自然」を人為によって人間の都合で変更することを良しとしない。こういう感覚が今日でも底流を流れている
 
どちらが良いというのではない。ただ私には、人間の作り出した合理的な科学や技術で自然を人為的に管理できるとする近代社会の発想は、それだけでは限界にきているように思われる。
 
今日、声高に叫ばれる、環境テクノロジーのイノベーションなどによる経済成長などとというやり方が「自然」の人為的な管理の延長線上にあることは明らかであろう。この二つの思考(人為orおのずから)をどのように調和させるかという難題の前に我々は置かれている。
 
なるほどと、確かに日本人が古より、自然にはすべて神が宿っているという「八百万の神」の考えを持ってきたことからすれば、熱海の一件とも照らし、思わず納得した次第。
 
そうして思うに、やはり頭に浮かんでくるのは、自然環境と太陽光発電との関係。
 
先般、素案の文字が取れた次期「エネルギー基本計画」における「再生可能エネルギーの主力電源への取組」では、以下のようにあります。
 
再生可能エネルギーは、世界的には、発電コストが急速に低減し、他の電源と比べてもコスト競争力のある電源となってきており、導入量が急増している。我が国においても、2012年7月のFIT制度の導入以降、10%であった再生可能エネルギー比率は18%にまで拡大した。導入容量は再生可能エネルギー全体で世界第6位となり、再生可能エネルギーの発電電力量の伸びは、2012年以降、約3倍に増加するというペースで、欧州や世界平均を大きく上回る等、再生可能エネルギーの導入は着実に進展している。特に、平地面積当たりの太陽光の導入容量は世界一であり、我が国は、限られた国土を賢く活用して再生可能エネルギーの導入を進めてきた
(中略)
具体的には、地域と共生する形での適地確保や事業実施、コスト低減、系統制約の克服、規制の合理化、研究開発などを着実に進め、電力システム全体での安定供給を確保しつつ、導入拡大を図っていく。
 
また、関連する団体の考えも調べてみると、2050年カーボンニュートラルの目標達成のために、太陽光発電協会(JEPA)は2050年の日本の太陽光発電を300GW超とするビジョンを掲げていることや、自然エネルギー財団は、同じく太陽光発電の設備容量を2050年には524GWとすることを提案しています。
 
※参考まで、上記2団体の考えを以下にリンクします。
 →→→2050年カーボンニュートラル実現に向けて(一般社団法人 太陽光発電協会)
 →→→脱炭素の日本への自然エネルギー100%戦略(自然エネルギー財団)
 
ちなみに、1GWは100万KWであり、大型の原子力発電所1基の設備容量(110万kw)に相当することから、そのために必要な太陽光パネルの面積は約60平方キロメートルで山手線の内側の面積に等しいと良く例えられます。
 
2019年時点での日本の太陽光発電の設備容量は56GWであり、既に狭い国土に平地面積当たり世界一の導入をしてきていることを思えば、これからどこに設置していくのかという疑問に陥る訳ですが、太陽光発電協会によれば、2050年に向けて(300GW超導入に向け)、増設する太陽光発電のうちその半分が需要地設置(住宅、駐車場・工業団地、自動車・電車・船舶など)、そして残りの半分が非需要地設置ということで、非需要地設置には、非農地(2019迄のFIT認定非住宅や水上空間等)と農業関連でほぼ半分を占めるとの考え。
 
さらに農業関連とは、耕作地、耕作放棄地、その他畦畔などを示すものですが、ポイントは、増設分の5分の1程度を耕作地が受け持つことになっている点で、つまり60GW分、3600平方キロメートルは山手線内の60倍、言い換えると36万ヘクタールは日本の全耕作面積(田畑合計で438万ha)の約12分の1相当の面積に太陽光パネルを設置するということになります。
 
余談ですが、これに関連しては、菅直人元首相が、これから日本の選ぶべき電源構成は、原子力ゼロ、太陽光や風力の再生可能エネルギーが主役、しかも太陽光は営農型に大きな可能性がある旨の発言をしていますが、この営農型太陽光発電はソーラーシェアリングといい、田の上に太陽光パネルを張り、共存するのだそう(成立しないことは火を見るより明らかで、思わず笑ってしまいますが)。
 
山間地や傾斜地に無理くり設置されるメガソーラーが全国各地で問題化していることに加え、休耕地であったとしても限られた農地を太陽光発電に差し出すことは果たして現実的と言えるのでしょうか。
 
話しを冒頭に戻すと、こうして自然や豊かな日本の田園風景を壊してまで太陽光発電の導入拡大に躍起になることは、日本の自然観や古からの文化とは相反するものと考えるところであり、「自然」を人為によって人間の都合で変更することを良しとせず、山々や田畑を脈々と守ってこられた先人たちのご努力を無にするようなことは、絶対にしてはならないと強く思う次第であります。
 
何千年も培ってきた日本固有の文化や価値観まで投げ打って、太陽光パネル(ほぼ中国製になるのではと)を敷き詰めることは、聞こえの良い「脱炭素」と引き換えに日本の「魂」まで売ってしまうような気がしてならず、国情に見合う範囲を超えた太陽光発電の導入には、決して賛同することは出来ません。
 

【野坂の麓に広がる田園風景。心のオアシスでもあるこうした場所は日本人の原点でもあり、これからも大切に守らねばと心に誓う次第】

皆さんが支払っている「再エネ発電賦課金」はおいくらですか?

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野球の侍ジャパンが悲願の金メダル、女子ゴルフで銀となったほか、女子マラソンでも数大会ぶりの入賞を果たすなど、昨日も日本人選手の活躍に興奮と元気をもらう一日となりました。
 
早いもので、東京オリンピックも本日が最終日。
 
今日の男子マラソンでは大迫選手のラストラン、女子バスケットボールでは、王者アメリカとの決勝戦と続きますが、恐らく人生でもうないかもしれない自国開催のオリンピックを閉幕まで見届けたいと思います。
 
さて、話しは全く変わりますが、このオリンピックに紛れるかのように進んでいる、国のエネルギー政策論議。
 
既に新聞などでお知り置きの通り、まず8月3日には、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)発電コスト検証ワーキンググループにて経済産業省・資源エネルギー庁が、2030年の新たなエネルギーミックスを反映した電源別発電コストを提示しました。
 
個別電源(火力、原子力や太陽光)を電力システムに受け入れるための「統合コスト」は、主要電源全てで増加傾向がみられ、特に事業用太陽光は大幅な追加コストが生じる可能性が指摘され、これをいかに抑制しつつ、誰が負担していくのか問題提起がされました。
 
続いて、上記コスト検証ワーキングでの報告も踏まえ、8月4日には、総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会で、次期「エネルギー基本計画」の素案について大筋合意。
 
経済産業省・資源エネルギー庁の修正案については、橘川武郎委員(国際大学副学長)が強く反対しましたが、概ね委員の賛同が得られたとし、会長一任の結論を得、今後は、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)までの閣議決定に向け、今後パブリックコメントなどの手続きを進めるとのこと。
 
また、環境省と経済産業省は4日、両省合同の有識者会合で「地球温暖化対策計画」の案を示し、大筋で了承されました。
 
ここでは、温室効果ガスを2030年度に2013年度比46%削減する目標に向けて、産業や家庭など部門別の削減目標や具体策を盛り込み、排出削減によって経済と環境の好循環を推進していく方針を強調したとのことです。
 
詳細を述べることは致しませんが、主力化していこうという再生可能エネルギーについて、「エネルギー基本計画」素案では、今後発電量を200~400億KWhを積み増すことになっていますが、2030年までの9年間で即戦力として拡大できるのは実質的に太陽光に限られるため、これを実現するため60~76GWもの太陽光発電を新設することを想定しています。
 
これだけ大量の太陽光パネルを短期間で導入することについては、その実現性について有識者から様々な疑念や懸念が指摘されているのは事実であり、そのポイントについては、私が認識する限り以下の点かと存じます。
 
◉既に政府資料の中でも、再エネのFIT買取り費用について、2020年度の3.8兆円が約6兆円へと拡大することが示唆されており、現状で3.36円/KWhのFIT賦課金負担(平均的世帯の負担額が年間約1万円)が倍増近く拡大することが懸念される。
 ※言い換えれば、消費税5%以上にあたる国民負担が生じることとなる。
◉電気料金上昇圧力は、このFIT賦課金の負担増だけでなく、自然変動電源を大量に入れることに伴う系統安定化費用や、送電線増強費用なども上乗せされることになるが、最終的に国民や企業が負担することになる電気料金がどれだけ上昇することになるかについて、政府の素案では具体的に示されていない
◉また太陽光パネルの設置場所についても、平地の少ない日本の国土に既に面積当たり世界一太陽光パネルを設置している中、さらに設置拡大を続けることについて、山林を切り開いて設置することによる環境破壊や土砂災害への懸念、さらには寿命を迎えたパネルの大量廃棄問題への懸念が高まっている
◉ちなみに、新設する76GWの太陽光設置に要する面積は約760㎢であり、東京23区(638㎢)に全面的に敷き詰めても足りない計算となる。
◉政府はこの素案を最終的な基本計画にまとめていく中で、そうした懸念に真摯に向き合って、国民に対してそのメリットとデメリットについてわかりやすく説明する必要がある。
 

【ちなみにオール電化の我が家の電気料金明細(7月分)。電力使用料に応じて、国民皆に賦課される「再エネ発電賦課金等」は2,187円で、この月の電気料金の約14%。この先、これ以上負担していくとなることに皆さんはどう思われるでしょうか?】
 
日本国内でもこうした懸念の声が挙がっている訳ですが、他国に目を向けると、英国では脱炭素(ネット・ゼロ)政策を進めるボリス・ジョンソン保守党政権の家庭用のガス使用禁止やガソリン自動車の禁止等の具体的政策が明らかになるにつれ、その莫大な経済負担を巡って与党内からも異論が噴出しているとのこと。
 
野党労働党も黙ってはおらず、英国下院のビジネス委員会は、2050年までに脱炭素化するための「真の経済負担を政権は国民に説明していない」と非難。
 
これを受け、英国財務省は、29年後にネット・ゼロを達成するための経済負担は、累積で1.4兆ポンド(=210兆円)という試算を示したとのことです。
 
一口に210兆円と言いますが、とてつもない規模の数字であることは火を見るよりも明らかです。
 
とは言え、さすが民主主義国家の先輩の英国。
 
批判に晒されようと明確な試算値を国民に示したことは意味のあることと受け止めた次第。
 
こうして、国内での指摘、英国を始め脱炭素化を進める他国の状況を見るに、わが国にとっての電源構成のベストミックスは、長期に亘る影響を見据え、極めて現実的且つ将来に向けて胆力を持って策定することが肝要であることは言うまでもないところ。
 
そのうえで、陸続きや安定した資源確保が出来る他国と違い、島国で資源が少なく、四季のある日本が「再生可能エネルギーの主力化」をめざすという今の計画では、気候変動対策という世界的な潮流に飲み込まれて、二酸化炭素の排出抑制という命題と非現実的なコスト計算に目を奪われ、この国の進むべき道を誤ることになるのではないかと、心配で心配でなりません。

日本原子力研究開発機構の「HTTR」が約10年半ぶりに運転を再開!

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外にいると「溶けるような」という表現がピッタリの昨日の暑さ。
 
それもそのはず、敦賀の最高気温は34.9度(14時11分)まで上昇したとのことで、発電所へ向かう西浦の海水浴場には色とりどりのパラソルやテントが並び、コロナ禍を忘れさせるかの光景。
 
青い空に映える、「北陸のハワイ」水島を横目に車を走らせ、お昼休みには敦賀発電所の協力会事務所にて市政報告をさせていただきました。
 

【あまりの綺麗さに車を停め撮影。ハワイだけあって、やはり夏が一番似合うかも。】
 
お昼休みの中、報告会には、労組役員さんを中心にお集まりいただきましたが、昨日は女性参加の割合がいつもより高く、違った視点で聞いてもらえるということを嬉しく思いつつ、話しを進めさせていただきました。
 
参加された皆さんは、発電所構内でお勤めの方ばかりということで、若干最近の国のエネルギー政策に関する動きなども絡めながら、6月定例会で一般質問した、敦賀市が進める調和型水素社会やスマートタウンの内容や駅西地区開発、市庁舎建設の状況など市政のトピックスについて、いつものパワーポイント形式でご紹介。
 
伝えたいことを盛り込み過ぎて、意見交換する時間が短くなってしまったことは反省点な訳ですが、子育てに関するご意見、ご要望などもお聞かせ願いたいとお伝えをし、報告会を終えました。
 
引き続き、発電所で働く皆さんとは緊密な連携を図っていきたいと思います。
 

【市政報告会の様子】
 
さて、報告会とも関連するエネルギーの分野に関しては、ここ最近では関西電力の美浜発電所3号機の再稼働など、原子力発電でも軽水炉のことをお伝えをしてきた訳ですが、この7月30日には、日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)の高温工学試験研究炉「HTTR」(茨城県大洗町、高温ガス炉、熱出力3万kW)が、約10年半ぶりに運転を再開しました。
 
「HTTR」は、2011年初頭の第13サイクル運転終了後、東日本大震災を挟み、新規制基準対応に伴い停止していたとのことですが、原子力機構では再開に向けて、2014年11月に新規制基準適合性に係る審査を原子力規制委員会に申請。
 
2020年6月に原子炉設置変更許可に至った後、安全対策工事が行われ、2021年7月に入り原子炉起動までに実施すべき検査を終了しこのほど運転再開し、今後は、運転状態において原子炉の性能を確認するための検査を順次実施、9月末には原子炉出力100%の状態での最終検査を行い本格運転となる予定とのこと。
 
これに関しては軽水炉と同じく、運転再開に向けて約10年の月日を掛けての原子力機構の皆さんのご尽力あってのものであり、心より敬意を表するところです。
 
「HTTR」、いわゆる高温ガス炉は、水素製造などの多様な産業利用の可能性が期待されており、開発に関しては、原子力産業分野の取組みの一つとして、「2050年カーボンニュートラル」に伴うグリーン成長戦略で、「2030年までに大量かつ安価なカーボンフリー水素製造に必要な技術開発を支援していく」とされているほか、7月21日に資源エネルギー庁が示した次期エネルギー基本計画の素案でも水素社会実現に寄与する有望性が述べられているもの。
 
「HTTR」の運転再開を受け、萩生田文科相は、「各種試験が順調に進み、高温ガス炉に関する技術が蓄積され、『HTTR』を活用した水素製造に係る要素技術開発を始め、各種分野への応用に向けた取組が進展することを期待」との談話を発表。
 
梶山経産相も、高温ガス炉が産業分野の脱炭素に資する可能性を述べたうえで、「カーボンニュートラルに向けた取組が進展することを期待」とのメッセージを寄せたとのことですが、こうした新たな技術の研究、検証を確実に進めていくことは、少資源国の我が国だから尚のこと、重要で必要なことと考える次第です。
 
原子力機構によれば、今後はより厳しい条件を付加した試験を段階的に進め、高温ガス炉に関する安全基準の国際標準化にも貢献していくとのこと。
 
こうして日本の原子力技術を将来に亘って活かしていくことを思えば、より一層安全性を高めた軽水炉建設を進めていくことも同義だと思う訳ですが、国としてはこちらはタブーのよう。
 
先の報告会でも述べたのですが、こと国の根幹に関わるエネルギー政策については、頭の中が「お花畑」のような夢物語では決していけないのであり、確実性を高めた真に現実的なものでなければならないとの思いが一人でも多くの方にご理解いただけるよう、引き続き自身の役割を果たしていく所存です。

日本では「タブー?」な、脱炭素化に向けた「世界の共通認識」

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「しびれる試合」というのは、こういう試合を言うのでしょう。
 
昨晩の東京五輪ソフトボール決勝。
 
宿命のライバルで、一昨日は今大会唯一の黒星をつけられた米国との試合は、日本が2-0で「しびれる試合」を制し、金メダル獲得。
 
ソフトボールが五輪競技に復帰したのが13年ぶりであっただけに、選手の喜びもひとしおのように映りました。
 
また、試合後のインタビューでは、上野投手が「(13年ぶりの五輪金メダルに)諦めなければ夢は叶うということをたくさんの方に伝えられた。」、宇津木監督は、「正直に言うとこの1週間、怖かった。このご時世の中で開催する(ことについての)迷いもあった。でも国民の皆さんが支持してくれたことが一番我々の力になった」とチームへの応援に感謝する言葉を述べられました。
 
宇津木監督の言葉にあるよう、コロナ禍での五輪開催に反対する国民の声は、こうも選手や指導者を苦しめていたことを改めて知ると同時に、逆も然り、選手の後押しは、これまた国民の声でしかない訳であり、やはり自国民が自国の選手を苦しめることだけはするべきでないと思う次第であります。
 
昨日は、ソフトボールのほか、お家芸の男子柔道では、4階級連続の金メダル、さらには新種目のサーフィンなどでもメダルを獲得し、新旧競技で上手く噛み合った活躍により、日本の金メダル獲得数は10個。
 
現在のところ中国を抑えトップに立った訳ですが、今日も引き続きの快進撃を期待したいと思います。
 
気づけば、毎日同じような期待のコメントをしていますが、その点ご容赦のほど。。。
 
さて、昨日は「予定」としておりました関西電力美浜発電所3号機(定格電気出力82万6千kw)ですが、27日17時00分に総合負荷性能検査を終了し、無事に営業運転を再開しました。
 
営業運転再開にあたり、関西電力がコメントを発表していますので、ご紹介させていただきます。
 
(以下、関西電力コメント)
新規制基準施行後、全国で初めて、40年を超えての再稼動に向け、立地地域をはじめ、これまで一方ならぬご尽力を賜りました皆さまに、あらためて心より厚く御礼申し上げます。
40年を超えて原子力発電所を最大限活用していくことは、「電力需給の安定化」や「ゼロカーボンの推進」の観点から、非常に有意義であると考えています。
当社は、美浜発電所3号機において、16年前に発生させた重大な死傷事故の反省と教訓を深く心にとどめ、安全性をたゆまず向上させていくとの強い意志と覚悟のもと、安全・安定運転の実績を一つひとつ積み重ねてまいります。
 
ここに書かれていることをつなぎ合わせていくと、原子力発電は今後も、我が国のエネルギー政策の基本にある、安全を大前提に、電力の安定供給と環境面を同時達成する「S+3E」(もうひとつのE:経済性の記載はありませんでしたが)に貢献していくとの姿勢を改めて示されたものと、私は理解したところです。
 
こうして美浜発電所3号機の営業運転再開を踏まえ、世界全体の脱炭素化、日本がめざす2050カーボンニュートラルに向けての原子力発電の位置付けを考えるに、
 
◉脱炭素化に向けた原子力の長期運転の重要性は世界の共通認識であり、現在多くの国々では、高経年化に伴う許認可の更新や健全性の確認を行ったうえで、既設原子力発電所の運転延長が進められており、例えば米国では運転中94基のうち9割超が60年までの運転延長が認可され、うち6基が80年までの認可を取得していること。
 

【原子力のポテンシャルの最大限発揮と安全性の追求(令和3年4月14日 資源エネルギー庁資料より抜粋)】
 
◉こうした中、ドイツなど一部の国を除き、消費電力量が大きくカーボンニュートラル(CN)を表明している国の多くが将来にわたり原子力を利用する方針を掲げており、国際エネルギー機関(IEA)も、脱炭素目標の達成とエネルギー安定供給に大きく貢献している原子力の利用無くして、クリーンエネルギーへの移行は困難としていること。
 
◉また、IEAは、低炭素電源の中で既設原子力発電所の運転期間の延長が最も費用対効果が高いと評価し、今後世界各国において、新規建設等とともに運転期間の延長が進まなければ、追加的なコスト負担が急増しCNの実現可能性が低下すると指摘するなど、脱炭素化に向けた原子力の長期運転の重要性は世界の共通認識となっていること。
 
などが、世界の常識になっている訳ですが、先の次期「エネルギー基本計画(素案)」然り、エネルギーコスト検証結果を見るに、日本においては、こうした潮流を敢えて聞かないようにしているのではと疑いたくなる内容となっています。
 
少資源国の我が国にとって、足元の構造的課題である電力需給ひっ迫やエネルギーコストの高止まりの解消はもとより、将来にわたり低廉かつ安定的にエネルギーを確保しつつ、今後の脱炭素社会やデジタル社会を実現するためには、再生可能エネルギーの適切な範囲での導入拡大、火力発電の一層の高効率化や技術開発等とともに、既に確立された脱炭素技術である原子力を最大限に活用していくことが不可欠と考えるものであり、とりわけ、原子力に関しては、より安全性に優れた技術を用いた新増設・リプレース等、将来に向けた明確な道筋を国が示さなければ、「尻すぼみ」となることは火を見るより明らか。
 
こうして考えるに、美浜発電所3号機の営業運転開始は、我が国のエネルギー政策を考えるにあたって極めて大きいことであり、関西電力のコメントにもあったよう「安全・安定運転の実績を一つひとつ積み重ねていく」ことが、原子力に対する国民からの信頼と、将来に亘り最大限活用していくことへの理解につながるものであり、私自身、現場第一線で働く皆さんとともに、その取り組みに汗をかいていきたいと考えます。

夏季の電力需給を支える発電所。美浜発電所3号機は本日、営業運転再開予定。

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閉会中の敦賀市議会ですが、昨日は広報広聴委員会を開催。
 
この委員会は、私が委員長を務めさせていただいている訳ですが、広報活動に前向きな他の委員の皆さんや議会事務局担当のご協力のお陰で、毎回有意義な議論をさせていただいているところ。
 
昨日は、先に行われた6月定例会に関する「議会だより」について、各常任委員会・特別委員会からの報告や各議員の一般質問内容など、原稿の一字一句を皆で確認し合いました。
 
この議会だよりに関しては、他議会を参考に見てみると、カラー刷りで写真を多用したタウン情報誌のようなスタイルのものがあったりもしますが、敦賀市議会の場合は、至ってシンプルな二色刷り、文字メインとしているもの。
 
これは、審議、審査の内容をなるべく詳細に有権者の皆さんへお伝えするとの意が込められたものと考えるため、先輩方の思いを尊重、継承しつつ、引き続き、少しでも読みやすい誌面に改善していくことが役割と認識のもと取り組んでいきたいと思います。
 
また、敦賀市議会にて検討が進められる議員定数検討にも関連しますが、やはり一層必要なのは、議会活動の「見える化」かと思います。
 
これに関しても広報広聴委員会の中で、さらなる広報活動の充実の観点で、SNSの活用や委員会の録画放映などの意見が挙がっていることから、慎重を期すのは当然のこととして、目的と効果を明確にしたうえで「どうしたら出来るか」のスタンスで検討していきたいと考えます。
 
さて、東京オリンピックのほうは、昨日も日本人選手が大奮闘。
 
13歳と思えない堂々と技術を披露した女子スケートボード(ストリート)、柔道男子73キロ級の息詰まる死闘、そして見事な逆転劇の卓球混合ダブルスで金メダルを獲得。
 
とりわけ、卓球の混合ダブルスでは、水谷選手が「五輪ですべてをリベンジできた」と語ったよう、五輪では1988年ソウル大会から実施されている卓球で、計32個の金メダルのうち28個を獲得してきた、途方もなく高く厚い壁、中国を破っての金メダルは本当に嬉しく、その戦いぶりに感激しました。
 
その壁を破った2人は、ともに静岡県磐田市出身で実家も近く、交流は15年以上で、混合ダブルスが初採用された自国開催の五輪に同郷ペアで挑むストーリーに、水谷選手は「後にも先にもこんな奇跡的な巡り合わせはない」と感慨を込めたそう。
 
一昨日の阿部きょうだいの同日同時金メダルなど、どこかこの東京五輪のメダルには、それぞれの人間模様、ドラマがあり、単に競技の強さだけではない部分に心動かされるというもの。
 
毎日、こう感動、感激ばかりしていたらどうなるのだろうと思いつつ、本日も日本人選手の大活躍を期待したいと思います。
 
話しは変わり、奮闘していると言えば、この猛暑、五輪需要を支える電力。
 
ここ若狭管内では、7月4日に定格熱出力一定運転を開始した関西電力美浜発電所3号機が、本日総合負荷検査を実施し、合格すれば本格営業運転に入る予定となっています。
 
新規制基準下では国内初となる40年超運転というプレッシャーに負けず、ここまで工程を進められてきたことに心から敬意を表しつつ、無事の検査合格と夏場の電力供給体制に戦線復帰する姿を応援したいと思います。
 
現時点での全国の電力需給予備率は、やや裕度があるとはいえ、ひとたびどこかの発電所でトラブルが発生すれば、安定供給への影響が生じるリスクを抱えていることは紛れもない事実であり、そうした今の電力供給環境も念頭に、美浜発電所3号機を始め、全国各地で奮闘する発電所、それを支える電力関連産業に勤める皆さんにも、五輪と同様、感謝とエールを送りたいと思います。
 

【本日の電力使用状況(でんき予報):電力広域的運営推進機関(OCCTO)ホームページより)

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