今冬に続き「姉崎火力発電所5号機」が再稼働!

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最近、私の辻立ちシーンなどの報告がないことにお気づきの方がいらっしゃるかと思いますが、公職選挙法では、国政選挙期間中は、「個人の政治活動」を禁止はしていないものの、許可を受けた確認団体以外の「選挙運動」は禁止されていることから、例えば街頭で「個人の政治活動」といって「特定政党」ののぼり旗を立てたり、特定の候補者への「投票を呼び掛ける行為」はアウト。
 
つまりは、私が従来行ってきた辻立ちや街頭行動は極めて紛らわしい行為となるため、「疑わしきは行わない」との考えのもと活動を休止しているもの。
 
決して暑いからサボっている訳ではありませんので、その点ご理解いただければと思います(誰もそんなこと思ってないか…)。
 
さて、ご理解いただきたいことと言えば、電力需給逼迫改善に向けた取組み。
 
東京電力グループ、中部電力グループの強みを一つにし、日本へ国際競争力のあるエネルギーを供給する「JERA」ですが、このJERAが保有する「姉崎火力発電所5号機」が30日運転を再開しました。
 
徐々に出力を上げていく必要があるため、最も電力需給が厳しい30日夕方の時間帯には、最大出力60万キロワットの半分程度で稼働することとなったとのことですが、この「姉崎火力発電所5号機」は運転開始から45年が経過したプラント。
 
高経年化のため(敢えて「老朽化」とは言わない)、今年3月から運転を停止していたものの、この夏の電力供給を増強するための対策として運転再開したものですが、実は同じように、長期停止を経て今冬においても、元旦に起動操作、1月4日から発電を開始した、つまりは「正月返上で」再稼働いただいた発電所。
 
「動かせるものは動かすのが当たり前だろ」と思われるかもしれませんが、本来「電力自由化」の競争環境の中にあって、採算性の低い発電所をリスクとコストまで掛けて動かす必要のないところ、こうして運転再開に必要なメンテナンスのうえ、需給改善のため稼働いただいたことに感謝しかないもの。
 
是非皆さんには、これが「当たり前」のことではないとともに、今の厳しい需給を支えるのは「安定供給」への使命感のもと懸命に努力する現場あってのこととご理解いただければ幸いです。
 

【姉崎火力発電所(千葉県)】

葛西氏が「国家観」をもって貫いた「エネルギー安全保障」

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旧国鉄の分割民営化で中心的役割を果たし「改革3人組」の一人と呼ばれたJR東海名誉会長の葛西敬之氏がお亡くなりになったことが大きく報じられた昨日。
 
「卓越した国家観を持った経営者」、「稀有な憂国の経営者」とも呼ばれた葛西氏は、国鉄の民営化では日本の鉄道の将来を憂い、民営化の実現に奔走。
 
その後、自らリニア中央新幹線計画を主導したのも、大地震で東海道新幹線が被災した際の影響を憂慮したことや、新幹線の技術を海外に売り込む際、当時の財界内で要望が強かった中国への技術移転に強く反対したのも、中国への技術流出を懸念したからであり、ビジネスの前に国の安全保障の姿をいつも考えていた人だったとも。
 
また、鉄道事業だけではなく、東京電力福島第1原子力発電所の事故後、多くの財界人が世論の反発を恐れ、原子力の話題に触れるのを避ける傾向が強い中にあっても、葛西氏は正面から、資源小国の日本における原子力発電の必要性を説き、議論から逃げなかったことはやはり、我が国のエネルギー安全保障のあり方を、信念をもって貫いた態度であったと深く感銘するところです。
 
偉大なる葛西氏のこれまでの国家への多大なる貢献に敬意を表するとともに、ここに心よりご冥福をお祈りいたします。
 
さて、そのような日に開催された「第50回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会」ですが、経済産業省資源エネルギー庁はこの中で「2022年度の電力需給見通しと対策について」との資料を提示し、各エリアで予備率3%を切る今夏、さらには東京管内などではマイナスとなる今冬の深刻な電力需給逼迫が見込まれる状況に対し、大規模停電の恐れが高まった場合、大企業などを対象に「電力使用制限」の発令を検討すると明らかにしました。
 
違反すれば罰金が科される強制的な措置で、実際に発令されれば東日本大震災の影響で計画停電に続き実施した平成23年7~9月以来となり、幅広い経済活動に影響が及ぶ可能性が生じることとなります。
 
同じく、需給ひっ迫警報等の国からの「節電要請」の手法の高度化やセーフティネットとしての「計画停電」の準備状況の確認なども記載されたことは、供給力を増すための手立てを講じることに限界が来ている状況を露呈するものであり、「深刻」を通り越し、「危機的」状況にあると同時に、このような言葉が並ぶこと自体、もはや先進国と言えないのではないかと自虐的な念さえ覚える次第です。
 

【「原則実施しない」と整理される「計画停電」にまで踏み込んだ記載(同会議における資源エネルギー庁提出資料「2022年度の電力需給見通しと対策について」より:2022年5月27日)】
 
なお、本年4月8日の岸田総理会見でありました「夏冬の電力需給逼迫を回避するため、再エネ、原子力などエネルギー安保及び脱炭素の効果の高い電源の最大限の活用を図ってまいります」との発言を受けては、申し訳なさげに以下のスライドのように記載されていて、特に原子力に関しては、何をもって「最大限」とするのか、具体的なことは一切書かれていないという状況となっています。
 

【同じく、資源エネルギー庁提出資料「2022年度の電力需給見通しと対策について」より】
 
※詳しくお知りになりたい方は、以下のリンクより資料お読み取りください。
 →→→「第50回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会」資料はこちら
 
なお、この日開催された衆議院予算委員会では、国民民主党の玉木代表が質問に立ち、古くなった原子力発電所を小型モジュール炉(SMR)や高速炉等へリプレース(建て替え)することを提案しましたが、岸田総理は「しない」と明言。
 
昨日、このブログでお伝えした通り、国民民主党は、電力の安定供給とともに技術や人材の確保のためにも、安全性の高い新型炉等へのリプレースは必要との方針を掲げていますが、短期的に見ても、中長期的に見ても、政府が原子力発電を「最大限」活用するとの具体的な意図が見えてこないのは、残念の極みとしか言いようがありません。
 
迫る電力需給逼迫の危機に加え、ロシアの関係も踏まえた資源価格、電気料金高騰はダブルパンチで国民生活や企業活動に大きな影響を与え続けています。
 
エネルギー安全保障の重要性を究極なまでに拘り続けた葛西氏であれば、この国難をどう乗り越えたであろう。
 
そんなことを思いながら、葛西氏が人生を通して貫いた、国家観をもって世論の反発を恐れず、議論から逃げない姿勢こそが「政治の役割」だと、肝に銘じる次第です。

「クリーンエネルギー戦略(中間整理)」のどこが「原子力を最大限活用」なのか

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4月8日の岸田総理会見において、ロシアへの経済制裁を踏まえた電力需給に関し、「夏や冬の電力需給ひっ迫を回避するため、再エネ、原子力などエネルギー安全保障及び脱炭素の効果の高い電源の最大限の活用を図ってまいります。」と発言されたことは記憶に新しいところですが、その直後の4月12日あった資源エネルギー庁の「2022年度夏季及び冬季の電力需給」に関する会合では、一言も「原子力」の文字がなかったことから、総理の本気度はいかにと思い、以降も注視していたところ、やはり言葉面だけでやり過ごす考えのようです。
 
脱炭素社会の実現に向けて、政府が掲げる新たな戦略「クリーンエネルギー戦略」の中間整理について、今後10年間に官民合わせて150兆円の投資が必要と試算されたことなどが既に報じられていますが、経済産業省産業技術環境局・資源エネルギー庁(2022年5月13日)の実際の資料を見るに、とりわけ原子力発電に関しては何も踏み込んでないことが分かります。
 
 →→→「クリーンエネルギー成長戦略 中間整理」(5月13日 資源エネルギー庁)はこちらから
 
中間整理は、まず「はじめに」で、クリーンエネルギー戦略においては、今後進めるエネルギー安全保障の確保と、それを前提とした 脱炭素化に向けた取組について、今回のウクライナ侵略や電力需給逼迫も踏まえた対応も整理すると記載。
 
また、戦略の「位置付け」に関しては、2050年カーボンニュートラルや2030年度46%削減の実現を目指す中で、将来にわたって安定的で安価なエネルギー供給を確保し、更なる経済成長につなげるため、「点」ではなく「線」で実現可能なパスを描くとしています。
 

【クリーンエネルギー戦略の位置付け(資源エネルギー庁資料より抜粋)】
 
資料は「1章.エネルギー安全保障の確保」で、ウクライナ危機などを踏まえた安定供給の重要性の再確認やエネルギー政策の今後の方向性について、「2章.炭素中立型社会に向けた経済・社会、産業構造変革」の2部構成となっており、順次読み進めたところ。
 
注視する原子力発電については、1章中の「エネルギー安全保障(安定供給)・脱炭素化の政策の方向性」に以下のように記載されていました。
 
再稼働の推進等
◉2030年度原子力比率目標達成に向け、安全性の確保を大前提に、地元の理解を得ながら、原子力発電所の再稼働を推進
◉安全性を確保しつつ長期運転を進めていくとともに、運転サイクルの長期化等による設備利用率向上の取組を推進
 
バックエンド対策
◉関係自治体や国際社会の理解を得つつ、六ヶ所再処理工場の竣工と操業に向けた官民一体での対応、プルサーマルの一層の推進。
◉北海道2町村での文献調査の着実な実施、全国のできるだけ多くの地域での調査の実現による最終処分の着実な推進及び廃炉の安全かつ円滑な実施。
 
研究開発の取組 サプライチェーンの強化
◉わが国が培ってきた革新炉技術の官民連携による研究開発の加速や米英仏等との戦略的連携による世界標準獲得の追求
◉革新炉の国際プロジェクトへのサプライヤ参入支援、技術・サービス継承等を通じた原子力産業基盤・研究機関等の維持・強化
 
ご覧いただく通り、原子力については、東日本震災後、新規建設がなくなり、技術や人材の維持が喫緊の課題としながらも、今後の方向性については、新型炉の研究開発や国際連携といった程度の記載に留められ、将来どのように活用していくかの具体的な内容に踏み込んでいないことがお分かりいただけるかと思います。
 
再稼働に関しても、震災から11年が経過して10基の稼働に留まっている要因は、「地元の理解」ではなく「審査の長期化」であり、有識者や経済界、産業界、原子力立地地域が求めているのは、既に実績がある「軽水炉」での「新増設・リプレース」であるのに対し、先の長い「革新炉」に現実逃避しているようにしか思えないのですが、そう感じるのは私だけでしょうか。
 

【原子力発電所の現状。再稼働は遅々として進んでいない。(資源エネルギー庁資料より抜粋)】
 
いずれにしても、このクリーンエネルギー戦略なるものが、今回のウクライナ侵略や電力需給逼迫も踏まえた対応も整理すると言うのであれば、このような悠長な認識ではなく、今ある本質的な課題や要因を掘り起こし、一刻も早く解決に向けて進めるのが先決であると考える次第です。
 
つまりは、安全を何よりも優先することを大前提に、再稼働に関しては、原子力規制審査の迅速化(審査基準を緩めよとの意味ではなく、審査体制強化や並行審査を可とするなどの意)、短期的には軽水炉での新増設・リプレース、中長期視点では革新炉開発を進める。
 
ここまで述べてこそ、「原子力の最大限活用」と言えるのではないかと。
 
昨年秋に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」の域を出ない「戦略」では、日本の将来が危ういと真剣に考える立場として、国の本気の姿勢を政策に表して欲しいと考えて止みません。
 
ロシアのウクライナ侵略で状況は一変し、世界各国も「お花畑」の世界から「超現実」路線に舵を切っている訳ですから。
 

【我が国産業の課題。設備投資や研究開発に費用を投じなければ世界との差はどんどん広がるばかり。(資源エネルギー庁資料より抜粋)】

今年の夏も冬も「電気が足らない」

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毎週水曜日の朝に行なっている西浦での辻立ちですが、ここ最近は穏やかな春の天気に恵まれています。
 
始業前の7時頃から8時過ぎまでの約1時間に過ぎませんが、青空の下、アイコンタクトや手振りながら、通行者の皆さんと交わす挨拶は気持ちの良いもの。
 
また、この時間、のぼり旗を持ってお付き合いいただいている母体の原電労組敦賀分会の皆さんには大変感謝。
 
こうして仲間に支えられ、活動が成り立っていることを忘るることなく、何事も継続は力なりで臨む所存です。
 
さて、昨朝も辻立ちしている間、ロシア情勢やエネルギーの関係などの話題で会話していた訳ですが、予想の通り、数字で明らかとなったのが今年度の電力需給の厳しさ。
 
既に新聞報道もされているので、ご承知置きの方が殆どかと思いますが、4月12日に開催された経済産業省・資源エネルギー庁の総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の電力・ガス基本政策小委員会で需要対策検討の方向性が示されました。
 
同小委員会の資料を確認してみますと、まず2022年度「夏」の需給に関しては、最新の見通しにおいて、全エリアで10年に1度の厳しい暑さを想定した場合(厳気象H1)の需要に対して、安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できる見通しとしつつ、7月の東北・東京・中部エリアにおいては3%はかろうじて超えているものの、3.1%と非常に厳しい見通しとなっています。
 
そしてさらに厳しい「冬」ですが、現時点では2023年1月、2月に東京から九州の全7エリアで安定供給に必要な予備率3%を確保できない見通しであり、東京エリアは特に厳しく、1月がマイナス1.7%、2月がマイナス1.5%となるとのこと。
 
また、全国7エリアで予備率が3%を下回る現時点での来年2月の見通しは、2012年度以降で最も厳しいものとなっています。
 

【電力・ガス基本政策小委員会「資料4:2022年度夏季及び冬季の電力需給について」より抜粋】
 
需給ひっ迫の要因は様々ありますが、近年、電源の新設等による供給力の回復を上回る速度で、事業採算性が見込めない電源の休廃止が進んでいることや、例えば原子力で言えば、本年8月24日に特重施設設置期限を迎える玄海3,4号では工事工程の見直しがあり、特に9月以降の供給力が大幅に減少するなど、リスクが高まる要因は複合的に絡んでいるものと理解するところです。
 
この対策として、火力発電所の補修時期調整等の追加供給力対策や追加の供給力公募などが検討された訳ですが、見逃せなかったのがやはり国民生活や企業活動へ負担を強いること。
 
委員会では「2022年度高需要期に向けた需要対策等」の中で、
 
●夏季に向けては、より効率的、効果的に節電を行うための準備を進めるとともに、セーフティネットとしての計画停電についても実施の準備を進めていくこととしてはどうか
●加えて、全国的に深刻な供給力不足が明らかとなっている冬季に向けては、短期間で供給力の大幅な増加は見込めないことを踏まえ、電気事業法に基づく電気の使用制限も含めたあらゆる需要対策の準備を進めていくこととしてはどうか
 
との記載がありました。
 
本当にこのようなことが毎年繰り返されていては、この先日本に成長は見込めないどころか、あるのは衰退だけと強い危機感が募るばかりですが、今一度、4月8日にロシアへの制裁を発表した岸田総理会見を振り返ってみるとこう仰っています。
 
「第1に、ロシアからの石炭の輸入を禁止いたします。早急に代替策を確保し、段階的に輸入を削減することで エネルギー分野でのロシアへの依存を低減させます。夏や冬の電力需給ひっ迫を回避するため、再エネ、原子力などエネルギー安保及び脱炭素の効果の高い電源の最大限の活用を図ってまいります。」
 
「最大限の活用」の具体的意味は不明のまま、日にちだけが過ぎていっている訳ですが、まさに電力需給を検討するこの小委員会でも意図するところに触れられていないことを思えば、経産省にさえ指示がされていないのか、または政治判断と役所は知らんぷりなのか。
 
真意は分かりませんが、とにかく岸田総理も認識されている「夏や冬の電力需給ひっ迫」が数字で表された以上、「危機回避」のための政治判断を早期にしていただきたいと思う次第です。
 
でなければ、「節電」や「計画停電」が続く日本で、国民や企業に我慢と負担を強いながら、一方で総理が掲げるデジタル田園都市構想や電気自動車普及など、電力を大量消費するような政策が進むはずがない、理解されないことは明白なのですから。

労いの拍手を送る「9基の火力発電所」の「散り際」

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昨晩は、とある会合に出席するため福井市内へ。
 
この時期の福井市といえば「足羽川の桜」ということで、会合後に立ち寄ってみると、満開とまではいかないもののライトアップされた見事な桜に出会うことができました。
 
コロナ禍ということもあり、シートを敷いてまでの花見客はいないものの、多くの方が河川敷や堤防からの夜桜を楽しんでおられ、やはり日本の心ここにありと感じた次第です。
 

【画角一杯に広がる夜桜】

【ライトアップされた桜が並ぶ足羽川堤防と三日月】
 
さて、このように満開に向かう桜もさることながら、この後迎える「散り際」の美しさと重なることが昨晩の会合でも話題に挙がりました。
 
それは東京電力ホールディングス(HD)と中部電力が折半出資するJERAが3月31日に発表した、大井火力発電所1~3号機、横浜火力発電所5・6号機および知多火力発電所1~4号機の9基を廃止するとの件について。
 
いずれも長期計画停止していた発電所であるものの、廃止される9基の出力合計は383.3万kWに及ぶとのこと。
 
同社は同日公表した中において、「現在、他地点の火力発電所においてリプレース工事(計666万kW)を進めております。引き続き、地域の皆さまおよび関係各所のご理解・ご協力をいただきながら、エネルギーの安定供給に努めてまいります。」としており、電力自由化の競争環境の中、長期使用設備の維持費用や投資回収の面を考えれば、古い発電所を廃止し、新しいものに置き換えていくとの経営判断は致し方ないものと受け止めるところです。
 
廃止するのは原油や液化天然ガス(LNG)を使う発電所で、全て2016~17年から計画的に稼働を止めていた訳ですが、いずれも1960~70年代に運転を始めたものであり、稼働開始から約50~60年もの間、わが国の成長を支える電源供給を担ってくれたことに感謝しかありません。
 
こうして役割を果たし廃止に向かう9基の姿は、先ほどの「散り際」とまさに重なるものであり、私としては心から「お疲れ様でした」との思いを込め、労いの拍手を送りたいと思います。
 
なお、リプレースする横須賀火力(神奈川県横須賀市)や武豊火力(愛知県武豊町)、姉崎火力(千葉県市原市)、五井火力(同)の計9基出力は計666万キロワットで、今回廃止を決めた発電所の合計出力を上回るものの、全て稼働するには2年程度かかるため、すぐに供給力を増やせない状況となります。
 
3月22日にあった政府初の「電力需給逼迫警報」、東電PGや東北電力供給域内における企業や一般家庭にできる限りの節電要請など、ただでさえ電力需給は綱渡りの状態にあることは周知の事実ですが、資源エネルギー庁が2022年1月に公表した2022年度の電力需給見通しによると、2023年1~2月は東京と中部の2地域で電力の安定供給に必要な供給余力(予備率)が3%を下回り、2022年7~9月は3%を上回るものの「依然として厳しい」としています。
 
これらは3月16日の福島県沖の地震の影響(影響を受けた火力発電所の長期停止)は含んでおらず、この夏、そして次の冬も逼迫状況が続くことは明白な状況となっています。
 
供給力の予備力が低下する中、旧一般電気事業者(新電力でない元々の電力会社)が長期稼働停止中の火力発電所の再稼働などで必死の対応を図ってきましたが、常態化してしまった夏冬の電力安定供給への懸念をどう払拭していくのか。
 
私からすると、悠長過ぎ、危機感なさ過ぎ、旧一般電気事業者に頼り過ぎの3拍子揃った政府の対応には忸怩たる思いが募るばかりですが、原子力発電所の取扱いや環境性能の高い火力発電所の新設を後押ししていくような政策を含め、現状を打開する方向に舵を切るべきと考える次第です。
 
何度も言いますが、こうした政治対応の遅れの影響を受けるのは、国民生活や企業活動であり、ひいては国益を大きく失することにもつながりますので。

「値上げの春」にあたり「再エネ賦課金」もご確認を

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今日から新年度。
 
一時的に冬型の気圧配置となることから、全国的にやや寒い一日になるようですが、入社式を迎える皆さん始め、異動や進学、従前と同じ環境の方もそれぞれ、新たな気持ち、晴れやかなスタートの日になることを祈念する次第です。
 
私自身も議員任期の最終年ともなってきますので、悔いなきよう精一杯活動にあたる所存です。
 
さて、この4月1日は、成人年齢が18歳に引き下げられる民法改正など、法律改正等の起点の日でもあったりする訳ですが、家計への影響があるものとして油や小麦、乳製品など様々な商品が「値上がり」するため「値上げの春」とも呼ばれています。
 
ニュースでは、1979年の発売以来40年以上にわたり10円に据え置かれていたスナック菓子の「うまい棒」が12円の販売になることが報じられていましたが、特に家計に大きな負担となりそうなのが小麦とのことで、主な産地の北米が天候不良で不作だったことに加え、ウクライナ情勢による供給懸念が追い打ちをかけ、農林水産省は4月1日から輸入小麦の価格を17.3%引き上げると発表している状況にあります。
 
これにより小麦粉が原料となる麺類や菓子なども値上がりするということですが、ここまでの状況となると原材料費の価格転嫁は致し方ないと生産者、販売者の立場を慮るところです。
 
さらに生活に欠かせないものいえば、高騰が続いているガソリンや電気料金があります。
 
ガソリンについては、自民・公明・国民の三党による「トリガー条項凍結解除」の協議が続けられており、解除すれば25円安、併せて地方税収入への影響緩和策とセットで早期に対応いただきたいと考えるところ。
 
そして電気料金に関しては、先日の福井新聞に、「新電力」と契約する福井県嶺北地方の繊維関連企業が、燃料価格高騰を背景に昨秋以降急激に上昇し、割安だった昨春の電気料金に比べて今年1月分は約4倍となったとの記事が掲載されていました。
 
電力契約を「北陸電力」から「新電力」に切り替えたのは2020年10月で、「市場連動型」料金プランで1年契約したものの、市場連動型は、卸電力取引所の市場価格に連動して従量料金の単価が決まることから、燃料価格高騰による昨秋以降の卸電力価格の急激な上昇をもろに受け、会社存続が厳しい状況にまで陥ったため、新電力側に電話すると「解約金を払って他社に切り替えてもらって構わない」との対応だったとのこと。
 
急いで他の新電力を調べたが、新規受け付けしている会社が見つからず、北陸電力に連絡しても全面停止だとして断られたとの結びとなっていましたが、厳しいことを言えば、「安かろう良かろう」と新電力に切り替えた自己責任の範疇でしかないのですが、そもそもこのような市場環境にしてしまったことが問題の本質にあると考えるところです。
 
相次ぐ新電力の撤退で、全国にこうした思いをしている企業が多くあるのだと推察しますが、身の回りを顧みれば、各家庭の電気料金もそうであります。
 
とりわけ、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」によって電力の買取りに要した費用を、電気を使用する顧客に、電気の使用量に応じて負担させる「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」(国に代わって電気料金の一部とし徴収している)は、法令により3.36円/kWh、我が家の今月の電気料金では4,737円となっています。
 
3人居住のオール電化、冬は蓄熱暖房使用の我が家ですが、トータル25,755円の料金に占める再エネ賦課金の割合は18.4%に及んでおり、ぜひ皆さんもご自身の料金明細をご覧いただきたいと思うのですが、徴収した賦課金トータルは3.8兆円ともなっていることをどうお感じになるでしょうか。
 

【我が家の情報(北陸電力の「ほくリンク」料金明細)をフルオープンしますが、下の方の「再エネ発電賦課金」に注目ください】
 
エネルギー基本計画に示す太陽光などのさらなる再エネ導入拡大を目指すと、この額は6兆円を超えると試算されており、私はここまで国民負担を強いてまで進める必要性はどこにあるのかと以前から疑問視する次第です。
 
これについて書き出すと止まらなくなるので止めますが、前述の崩壊しつつある(と私が思っている)競争原理主義の「電力卸市場」、それに各家庭にも影響を与え続けている「再エネ賦課金」の存在は、殆どの国民が知らない中で国が進めてきた結果。
 
今後もこのような負担や不安を抱きながら、生活や企業活動を続けていくのか、それとも見直していくのか。
 
これも全て政治判断であり、小さいながら私は「見直していく」方向の声を挙げ続けたいと思います。
 
(投稿後追記)
この4月からは、再エネを主力電源としていくことが必要とし、そのための新たな方策のひとつとして、「FIP制度」がスタートします。
この制度は、FIP制度とは「フィードインプレミアム(Feed-in Premium)」の略称で、FIT制度のように再エネの電気を固定価格で買い取るのではなく、再エネ発電事業者が卸市場などで売電したとき、その売電価格に対して一定のプレミアム(補助額)を上乗せすることで再エネ導入を促進するとしています。
再エネ事業者の自立化を促すとされるこのFIP制度の動向にも今後注視するところです。

「電力融通」に「節電」、そして最終手段「揚水発電」で乗り越えた危機

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初の「電力需給逼迫警報」が東京電力パワーグリッド(東電PG)管内に続き、東北電力ネットワーク(東北NT)管内にも発出された昨日。
 
東北NTに対する警報は「電力需給が緩和された」とし解除されたものの、東電PG管内においては「引き続き、予断を許さない状況」として、23日も警報を継続すると経産省が発表しています。
 
使用率「100%」でも「超異例」のところ、日中は需要が供給力を上回る(100%を超える)という「非常事態」となった東電PG管内については、自社の火力発電所の焚き増しなどの出来得る限りの供給力アップを行いつつ、22日5時59分には、電力広域的運営機関(OCCTO)が電気事業法第28条の44第1項及び業務規程第111条第1項の規定に基づき、東電PG供給区域の需給状況改善のため、下記の電力に対して供給を指示。
 
<需給状況改善のための指示が実施された会員>
・東北電力ネットワーク株式会社
・中部電力パワーグリッド株式会社
・北陸電力送配電株式会社
・関西電力送配電株式会社
・中国電力ネットワーク株式会社
・四国電力送配電株式会社
・九州電力送配電株式会社
 
ご覧いただくよう、北海道と沖縄を除く全ての旧一般電気事業者を対象に「○時〜◯時の間、◯◯万kw供給」といった内容で指示がされた状況は、自社の予備率も厳しい中、さながら「日本全体で東電PGを助ける」という姿を見るに、電力自由化になったとはいえ、そこにあるのは利益追求ではなく、安定供給を担う「使命感」ただ一つであると受け止める次第です。
 
こうして全国から電力供給をしてもまだ供給力が不足することから、経産省や東電PGからは再三に亘り節電への協力依頼がされた訳ですが、100%を超えても停電に至らず乗り切れたのは、最終的な需給調整手段となる揚水発電所の電気を使用したことにあります。
 
揚水発電所は上下の2つの調整池を持ち、一定量の水を繰り返して使用する発電所であり、電力需要の少ない夜間帯に下部調整池から上部調整池に水をくみ上げ、電力需要が多い時間帯に上部調整池から下部調整池に水を流して発電するというシステム。
 
ちなみに、ベースロード運転の原子力発電所の夜間電力を用いて調整池にポンプアップして使う(溜める)ことでコスト面でも効率的な運用がされていましたが、東電PG管内で原子力は稼働していないため、現在はそうした使い方が出来ない状況にあることもお知りいただければと思います。
 
その「最後の切り札」とも言える揚水発電ですが、発電可能量100%からスタートをし、上池水量が枯渇すれば即ち停電を意味する緊迫感のもと日中も発電し続け、最終的(22時時点)に29%の発電量を残し、昨日の危機を乗り越えた次第です。
 

【何とか危機を乗り越えたことを示す想定、実績カーブ(東電PGホームページより抜粋)】
 

【22日22時時点の揚水発電可能残量。これが枯渇していたらと思うと寒気がします。(東電PGホームページより抜粋)】
 
東日本大震災時を除けば、これほど電力需給が逼迫したのは歴史上ないことであり、連日述べているよう、すぐにでも政策転換(今出来ることは原子力発電所の早期再稼働)を図らねば、次の夏も冬も同じことを繰り返すことになります。
 
本来、こうした厳冬期や猛暑期であっても国民が安全に過ごすため、製造業を始めとした企業活動の安定化を図るために「安定且つ低廉で品質の良い電気」を供給出来たことが日本の強みであったはずです。
 
そうしたことを皆、壊してしまった政策の責任の所在を明確にするとともに、政府においては胸を撫で下ろしている場合ではなく、この非常事態が現実となったことを「エネルギー危機」と受け止め、早期に政治判断をしていただきたい。
 
なお、国民民主党の玉木雄一郎代表は20日夜、ツイッターで「当面、国民の皆さんには節電をお願いせざるを得ませんが、本来なら国が責任を持って安全基準を満たした原子力発電所は動かすべきなのに、批判を恐れ誰も電力の安定供給に責任を持とうとしない現状こそ危険です」、別の投稿では「政府におかれては原子力発電所の再稼働を含めた責任あるエネルギー政策を示してください。国がやるべきは、節電より発電です。電力の安定供給が不可欠です。」と、全くもって私と同じ考えを述べられています。
 
私自身、国民民主党に参画した訳ですので、原子力立地県の立場として、地方からもこうした意見を挙げていく所存です。
 
さて、そうして迎える今日。
 
先に述べた揚水発電は、昨日の100%スタートと違い、42%の発電可能量しかありません。
 
予断を許さぬ状況と認識し、状況を注視するとともに、本日は敦賀市議会3月定例会の最終日。
 
自身は自身の役割をしかと果たしてまいります。

東京電力ホールディングス管内で「需給逼迫警報」

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昨日の福井県内の新型コロナウイルス新規感染者は115人。
 
1日当たりの新規感染者数が200人を下回るのは3日連続で、実効再生産数は「0.7」まで低下しています。
 
県の会見では「3連休明けに警戒」との認識も示されていましたが、4月10日まで延長した「福井県感染拡大特別警報」について、急減した状況を捉えどう判断されるかに注視しておきたいと思います。
 
さて、コロナの方は全国的に見ても状況改善の様相でありますが、一段と深刻さが増しているのが東京電力パワーグリッド(以下、東電PG)供給域内での電力需給逼迫。
 
本件、実は昨日も触れた訳ですが、同じ話題を繰り返すほど、とにかく厳しい状況であることは東電PGホームページを見ていただければ理解いただけるかと。
 
同ホームページには昨日同様、トップに緊急の「お知らせ」を掲載し、以下の要請をしています。
 
【3月22日の電力の需給状況と節電へのご協力のお願いについて】
電力の安定供給を維持すべく努めておりますが、22日の電力需給は極めて厳しい見通しであり、引き続き精査中ですが、想定される電力需要に対して供給力が十分確保できない見通しとなっております。
22日は朝から東京電力パワーグリッドサービスエリアで電気をご使用いただく皆さまにおかれましては、ご家庭や職場などにおいて、不要な照明を消し、暖房温度の設定を20度とするなど、節電にご協力いただきますようお願いいたします。
 
また、「でんき予報」では、「『本日の電力使用見通し』には、供給力よりも大きな予想電力の設定ができないことから、予想電力と同じ値を供給力に入力し使用率を100%として表示しております」と補足のうえ、このような表示となっています。
 

【東電PGの「でんき予報」。100%を示す予報は見たことがありません。】
 
この逼迫状況は、先般発生した地震の影響で東北、東京エリアの火力発電所6基(計約330万kW)が引き続き停止していることに加え、今日は特に東日本で気温が低く、悪天候が予想されており、電力需要が大きく増加することが見込まれていることによります。
※根本的な電力システムや自由化の問題については、昨日記載の通り。
 
これを受け、電力広域的運営推進機関(OCCTO)は、同機関による需給状況改善のための電力融通の指示や一般送配電事業者による火力発電所の増出力等の供給力対策を実施していくとしたうえで、①同エリア内の会員に対し、所有する電源設備の焚き増し運転、②各小売電気事業者は、それぞれが締結した需要家などへの節電依頼等により可能な範囲で電力需要を削減、③焚き増しや電力需要の削減等によって生じた余剰電力は、卸電力市場(スポット市場・時間前市場)への供出を行うことについて協力依頼をしています。
 
→→→需給状況改善のための発電設備焚き増し・電力需要削減へのご協力のお願い(依頼)について【OCCTOホームページ】
 
そして、所管する経済産業省といえば、東電PGと同様な節電の「ご協力」をホームページ掲載しています。
 
→→→3月22日は電力需給が厳しくなる見込みのため東京電力管内で節電のご協力をお願いします【需給ひっ迫警報:経産省プレスリリース】
 
需要が供給力を上回る非常事態にも拘らず、「節電要請」ではなく「ご協力」に留まっていることを皆さんはどうお感じでしょうか。
 
私は、こうした言葉ひとつ取っても、事業者任せで「責任を取らない」よう立ち回る国、いや政治の姿を感じざるを得ない訳であります。
 
こうしてブログを書いている間にも朝が訪れ、人々の生活が始まり、既に電力使用量のグラフが立ち上がってきています。
 
今日はこのグラフと睨めっこになろうかと思いますが、とにもかくにもこの逼迫状況を乗り切ることを願うばかりであります。
 

【同じく東電PGの「でんき予報」。ちなみに太陽光発電(オレンジ線)は本日全く期待できません。】

独、安全保障もエネルギーも「現実が変わった」

エネルギー ブログ

昨日の敦賀市議会は来年度当初予算審査のため、予算決算常任委員会(分科会)を開催。
 
総務民生、産経建設、文教厚生の3つの分科会に分かれ、前日にあった全体会での基本質疑の内容も踏まえつつ審査を行いました。
 
私が所属する産経建設分科会では、産業経済部、観光部、建設部、都市整備部、水道部が所管する事業や債務負担行為、継続費について確認を行った訳ですが、一般会計予算以外にも港湾施設事業、産業団地整備事業、国道8号防災道路に係る公共用地先行取得事業などの特別会計も含まれることから、審査自体多岐に亘るもの。
 
分科会までを終えた当初予算審査については今後、3月17日開催の予算決算常任委員会(全体会)にて各分科会長から審査結果の報告をした後、委員会採決に進むことから、まずは、分科会長として報告する内容を精査するとともに、一議員としては採決に向けた判断材料を揃え、決定権者としての役割を果たしていきたいと思います。
 
さて、私のような一地方議員とは比較にならない大きな政治判断をせねばならないのは一国のリーダーですが、いま世界で驚かれているのがドイツのオラル・ショルツ首相。
 
BBCが「ドイツが劇的な政策転換」とまで報じ、2月27日はドイツにとって歴史的な日だったとされるのがまず外交安全保障政策で、連邦議会の緊急審議にてショルツ首相は2022年予算から1000億ユーロ(約13兆円)を国防費に追加し、連邦軍の装備強化などに充てると報告。
 
これにより国防費は国内総生産比で2%以上へと大幅に引き上げることになるとのことですが、これまで他のNATO加盟国に求め続けられても応じなかった国防費引き上げを1日にして大胆に転換したことを捉え、「NATOの長年の目標をプーチンが数日で実現させた」と揶揄する声もあるようですが、これがまず驚きの第一点。
 

【連邦議会で対ロ政策の転換を発表するショルツ首相(ロイター通信の写真を引用)】
 
二点目はエネルギー・原子力政策。
 
2011年の福島第一原子力発電所事故を受けて決めた脱原子力については、2022年末に全17基の原子炉廃止が計画通り実現することで進んでいましたが、この政策に関してもショルツ首相は、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシア産ガスへの依存度を引き下げるためにエネルギー政策を大きく転換する方針を示しました。
 
国内エネルギー需要の約半分をロシアからのガスに依存するドイツは、他の西側諸国からロシア産ガスへの依存度を引き下げるよう求める圧力を受けても、脱原子力に加え、石炭火力発電所も2030年までに段階的に廃止するとしていることから、ほとんど選択肢がない状態となっている状況を踏まえ、原子力発電所と石炭火力発電所の運用期限を延長することを表明。
 
先のEUタクソノミーを巡る原子力の取扱いの際、反対国の筆頭であったのがドイツであったことを考えると、「舌も乾かぬうち」の政策転換に複雑な思いも抱く訳ですが、今回のウクライナ侵攻はそれだけのインパクトがあるということに尽きるのかと。
 
ショルツ首相は現に、「ここ数日の動きにより、責任ある、先を見据えたエネルギー政策が、わが国の経済と環境のみならず、安全保障のためにも決定的に重要であることが明らかになった」と指摘したうえで「わが国は個別のエネルギー供給国からの輸入に依存している状況を克服するため、方針を転換しなければならない」と訴えていることが、それを証明することかと思います。
 
一国のリーダーに失礼ながら、「現実を直視」したエネルギー政策でなければ国益を失することは、私からすれば至極当然のことであり、ようやく「脱原子力という幻想」から覚め、現実の世界に戻られたことを評価する次第です。
 
振り返り日本。
 
先日は経済産業省が電力各社に資源調達の確保要請をしていましたが、ただでさえ電力需給が逼迫する中でのこの情勢は、脅しではなく本当にエネルギー危機であり、お願いベースで乗り切れるものではない、と私は考えます。
 
これまで「ドイツを見習え」としてきたのであれば、今回のショルツ首相の採った判断も見習い対応いただきたいと、岸田総理に対して強く思う次第です。
 
兎にも角にも「現実が変わった」のですから。

「原子力由来」第4の水素は敦賀市が先駆者に

エネルギー ブログ

世界各国が「あらゆる脱炭素オプションを総動員する」との考えに基づき、それぞれの取組みを進めていることは、これまでもご紹介してきているところ。
 
技術革新が進む中、注目されるエネルギー源のひとつに「水素」がありますが、昨日の日経では、「“原子力由来”第4の水素、米欧が実用化へ日本出遅れ」との記事が掲載されていました。
 
「原子力発電所の電力で製造する水素が、米欧などで実用化に向け動き始めた。夜間など電力需要が少ない時間帯の余剰電力を活用し比較的低コストで量産できる点や、エネルギーを自給できる利点がある。もっとも、反原発感情や安全基準の厳格化に伴うコスト増など懸念や課題も多い。日本では商用化のメドが立っておらず、出遅れている。」(原文そのまま抜粋)
 
反原子力感情を煽り続け、実際、現時点において最もコスト安の原子力より、あたかも太陽光発電の方が安いなどと報じ、「出遅れさせたのは誰だ」と思わず憤りを感じてしまいましたが、日経新聞でさえどこか他人事で記事を書かれているようです。
 

【日経電子版の当該記事より引用】
 
コスト比較についてはご覧の通りですが、水を電気分解して生成する水素は、生成プロセスや原料で便宜上の呼称(色分け)があり、化石燃料で二酸化炭素(CO2)を回収・貯留(CCS)しない場合は「グレー」、化石燃料からをCCS付きで生成すると「ブルー」、再生可能エネルギーで生成する場合は「グリーン」、そして原子力発電由来は「イエロー」(パーブルの場合もあり)などに分類されています。
 
水素を色分けするのは、脱炭素化への寄与度を念頭に何由来かをはっきりさせるためで、「グレー」はコスト安だがCO2を排出する、「グリーン」や「イエロー」はコスト高だがCO2は排出しないということで、産業化に向けた課題はこのあたりの兼ね合いであることがお分かりいただけるかと思います。
 
原子力と水素で言えば、昨年10年ぶりに再稼働した日本原子力研究開発機構(大洗研究所)の高温ガス炉試験研究炉(HTTR)があり、原子炉から熱を取り出し、主原料の水を化学反応させて水素を生む技術の開発、知見の蓄積をしているところですが、こと「原子力発電所の電力で製造する水素」といえば、ここ敦賀市であります。
 
元々、福井県の嶺南Eコースト計画と連動する中で、関西電力のメガソーラーで発電した電気で水素を生成する(グリーン水素)バーチャルパワープラントに向けて取組みを進めている敦賀市ですが、2022年度からは、原子力発電所で発電した電力で水素を生成する実証実験を始めるとのこと。
 
実は私自身、昨年の議会一般質問にて、嶺南エリアのまさに地産であり、安定的に供給できる「原子力由来」で水素生成することを提案した訳ですが、こうして何由来の電源かを特定するシステムが構築されつつある中、嶺南地域にある原子力発電所とで実証が進み、国内の先駆者となることを期待するところであります。
 
なお、水力の揚水発電所(原子力の夜間帯の余剰電力を用い揚水、昼間に発電)がそうであるよう、効率性とコストを考えれば、あくまでも余剰電力で生成することがポイントと考えるところであり、産業利用に拡大していくための課題などについては、自身も把握していきたいと思います。
 
こうして、水素生成の分野でも活用されつつある原子力発電ですが、現行のエネルギー基本計画では、「革新的な水素製造技術の開発などに取り組む」と研究開発を謳う一方、「原子力依存度は低減する」との文言も並び、分かりにくさこの上ない玉虫色の記載となっています。
 
本業の原子力発電のあり様や将来に困惑しているようではいけませんので、こうした動きも念頭に、やはり基本計画へは「原子力を最大限活用」と明確に記載いただき、人材も技術も次代につないでいかねばと、強く思う次第です。

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