珍しい?電力供給過多による「下げ代不足融通」指示がされる

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【すべてが鏡のように映るかの昨朝の風景】
 
昨日は「こどもの日」にふさわしい、気持ちの良い青空広がる一日。
 
ゴールデンウィーク(GW)も終盤で、この天気を「待ってました」とばかりにお出かけになった方も多いのではないでしょうか。
 
わが家も妻、帰省していた長女、母、そして“きゅう”と一緒に、鯖江市の「つつじ祭り」へ。
 
例年よりあたたかい日が多く、つつじは“散り始め”との情報を把握していたものの、一部でも咲き誇る主役(つつじ)の姿を見ることができればと、多くの来場者でにぎわう西山公園に着くと、実際は“咲き終わり”。
 

【西山公園の眺望】
 
とはいえ落ち込むことなく(笑)、新緑の中、西山動物園(レッサーパンダも見ました)や園内を散策、まさに“花より団子”と、草団子や五平餅に舌鼓を打ちつつ楽しんだ次第です。
 

【せっかくなので、レッサーパンダと“きゅうちゃん”のツーショットをご紹介】
 
早いもので、世間でいうGWは今日で終わり。
 
最終日にお出かけになる方、または帰省等で運転される方は、くれぐれもご安全に。
 
さて、冒頭の写真から言えることは、豊富な水のありがたさですが、昨日は珍しいことがありました。
 
それは電力供給のことで、需要量>供給力の場合に、電力広域的運営推進機関(OCCTO)から各エリアで電力融通する旨の「指示」が出されたことは、これまで何度も紹介してきましたが、昨日あったのは逆の、需要量<供給力の場合の「電力融通指示」。
 
OCCTOが電気事業法第28条の44第1項及び業務規程第111条第1項の規定に基づき、北陸電力送配電供給区域の需給状況改善のため行った指示は以下のとおり。
 
◉指示をした日時及び内容
<指示日時> 5月5日 4時02分
・中部電力パワーグリッドは、北陸電力送配電から5月5日の6:30から8:00の間、最大11.5万kWの電気の供給を受けること
・中国電力ネットワークは、北陸電力送配電から5月5日の7:30から8:00の間、0.94万kWの電気の供給を受けること
・北陸電力送配電は、中部電力パワーグリッド、中国電力ネットワークに5月5日の6:30から8:00の間、最大11.5万kWの電気を供給すること
 
◉指示をした理由
北陸電力送配電供給区域において、水力発電の自流増(※)により、需給バランスを保つための下げ代が不足するおそれがあり、広域的な融通を行うことによって、電気の需給状況を改善する必要があったため。
 
(※)自流式とは“流れ込み式”ともいい、河川を流れる水を貯めることなく、そのまま発電に使用する方式。この方式の発電所は出力の小さい発電所が多い。
 
また、指示を受けた北陸電力送配電のホームページ(プレス)によれば、“北陸エリアの火力発電設備や再生可能エネルギーの出力抑制などの対応を行ってもなお、供給が需要を上回り(下げ代不足)、電気の需給状況が悪化するおそれがあったことから、「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法施行規則」および電力広域的運営推進機関の「送配電等業務指針」において定められている「優先給電ルール」に基づく需給調整措置を講じたものです。当社は引き続き、電力の安定供給に努めてまいります。”とありました。
 

【参考:電力需給と必要性のイメージ図(北陸電力送配電HPより引用)】
 
元々、電源構成における水力発電の割合が約25%と、日本の大手電力会社(旧一般電気事業者)の中でもトップクラスの同社においては、もしやこれまでも経験されていることなのかもしれませんが、あらためて、北陸地方の豊かな水資源を活かしたエネルギー源のありがたさを感じたところです。
 
今冬の大雪などによって、山々に蓄えられた恩恵とも言えますが、こうしてあらゆる電源を活用して「安定供給」に努めてきたことに感謝と敬意を表するもの。
 
この時期は、需要量<供給力であったとしても、これから増す需要増により、夏季は需要量>供給力となることが考えられます。
 
その時に、北陸の水力が貢献することを期待するとともに、同エリアにおいてはやはり、ベースロードとしての志賀原子力発電所の一日も早い再稼働を願う次第です。

東京管内の電力需給改善に大きく貢献する「柏崎刈羽原子力発電所6号機」の営業運転開始

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中東情勢の影響によるホルムズ海峡周辺の通航制限等に伴う、原油やナフサ等一部素材の調達の不安定化により、様々な製品への影響が出ており、バス・トイレ関連商品に関しては次のような報道が。
 
“TOTOが4月13日に公式サイトにおいて「一部の部材不足により弊社の受注システム上での注文が適切に行えないため」として、システムバス・ユニットバスの新規受注を一時的に見合わせていると発表した”
 
また、LIXILについても“10日に公式サイトで、今後の情勢変化よっては、生産や受注の調整・制限を行う可能性や、価格改定を行う可能性があると発表した”とありましたが、一次情報の確認が大事と、各公式サイトを見るにい、TOTOでは同13日の(中東地域情勢)第2信の冒頭にまず「現在、通常通り生産・出荷は継続しております。すでに納期回答を行っているご注文につきましては、予定通り出荷させていただきますので、ご安心の程お願い申し上げます。」との言葉がありました。
 
その上で、「一部の部材不足により弊社の受注システム上での注文が適切に行えないため、やむを得ず一時的に現在の受注方法での受注見合わせを行っております。」、続いて「サプライヤーを始め関係各社とも協力の上、一日も早く通常通りの注文をお受けさせていただくべく、他の受注方法の検討含め鋭意努めているところでございます。」とあり、やはり報道とはどこかニュアンスが異なるもの。
 
なお、TOTOでは15日の第3信においても2信と同じく、「現在、通常通り生産・出荷は継続しております。すでに納期回答を行っているご注文につきましては、予定通り出荷させていただきますので、ご安心の程お願い申し上げます。」とした上で、「また、4月20日(月)から段階的に新規受注のお受付けを再開すべく、サプライヤー始め関係各社にも順次説明をしながら早急に準備を進めております。」とありました。
 
意図してか否かは分かりませんが、言葉ひとつの抜き差し、切り抜く箇所の違いによってニュアンスが変わります。
 
一連の中東情勢による影響に関しても、どこか「◯◯不足」「▲▲が高騰」など、不安を煽るかの報道が見受けられますので、こうした報道を鵜呑みすることなきよう、前述のとおり、一次情報の確認により正確な状況把握に務める所存です。
 
一方、同じく中東情勢の影響が懸念されるエネルギーに関しては、昨日朗報がありました。
 
それは、東京電力ホールディングス(以下、東京電力HD)が、原子力規制委員会より柏崎刈羽原子力発電所6号機(以下、柏崎刈羽6号機)の使用前確認証、使用前検査合格証の交付を受け、午後4時00分に営業運転を再開したこと。
 
これに東京電力HDは、安全に終わりはなく、引き続き、発電所で働く全員が心を一つに、現場重視のワンチームの取組を拡大し、安全性の向上に不断に取り組むこと、新たな知見が得られた場合には、適切に活かすとともに、地域に根差した事業者として、ご意見をお伺いしながら、新潟県内の安全・安心な暮らしのための基盤整備や地域経済の活性化に取り組み、地域との共生に取り組んでまいると同社ホームページでプレス。
 
私自身、この営業運転開始を心より嬉しく思うとともに、今回の再稼働は、独立性と透明性を確保した厳しい安全基準に応え続けてきた成果であり、現場で懸命に働く皆さまのたゆまぬ努力と、原子力の安全性確保に対する強い決意の証であると受け止め、最大限の敬意を表する次第です。
 

【営業運転までのプロセス(東京電力HD 柏崎刈羽原子力発電所ポータルサイトより抜粋引用)】
 
なお、営業運転が現実のものとなったことにより改善されるのが“電力需給”。
 
柏崎刈羽6号機が再稼働する前の昨年10月に発表した東京電力管内の電力需給の見通しでは、今年7月から9月にかけて、10年に1度の厳しい暑さを想定した場合には、供給の余力を示す「予備率」は、いずれの月も電力の安定供給に最低限、必要とされる「3%を下回る」と予想されていましたが、先月の国の発表では、同6号機が営業運転した場合は電力の供給状況が改善し、同期の予備率はいずれの月も「4%以上」になると予想されていました。
 

【2026年3月27日開催の経済産業省 第5回 次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会提出『2026年度の電力需給見通しについて』(資源エネルギー庁資料より抜粋引用)】
 
こうして、原子力発電所1基(定格電気出力:136万kw)の運転再開により、エリア予備率で2.2%もの改善が図られ、首都圏における電力の供給状況が改善するとともに、この夏の安定供給に大きな貢献を果たすこととなります。
 
こう考えればやはり、資源に恵まれないわが国は、エネルギー安全保障の観点から将来にわたり安定的にエネルギーを確保し、持続可能な供給体制の構築に向け、着実に取り組む必要があり、そのためには、特定の電源や燃料源に過度に依存しない、バランスの取れた電源構成を目指しつつ、国産電源である原子力や再生可能エネルギーなどを最大限活用する事が不可欠であると確信するところです。
 
結びに、東京電力HDが昨日発表したプレス文の最後にはこうありました。
 
当社の経営、安全の原点は、福島第一原子力発電所事故の反省と教訓です。この反省と教訓を胸に刻み、引き続き、安全最優先の発電所運営を行ってまいります。
 
この考え、思いは東京電力HDのみならず、全国の原子力発電所に従事する者に共通すること。
 
安全を何よりも最優先する考えのもと、私自身も引き続き、原子力発電の理解促進に努めてまいります。

柏崎刈羽原子力発電所6号機「再稼働」のLNG節約効果は「年約110万トン」に相当

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「春霞(はるがすみ)」
 
春に景色がぼんやりと白くかすんで見える現象のことで、春の季語としても使われるため、「風情がある」と思ったほうが良いのかもしれませんが、昨日のように、せっかくの晴れが台無しになってしまうばかりか、今からシーズンの桜も映えないのが何とももったいない。
 

【霞がかった昨夕の野坂山】
 
AI検索で「春霞」の原因を調べると、春になると気温が上がり、空気中の水蒸気が増えることや、黄砂、花粉、微粒子などが浮遊しやすくなることで、空気の透明度が下がるために起こるとあります。
 
何かと浮遊したものによって霞が発生していると思うと尚のこと、早くクリアな視界にと願うところですが、こればかりはお天道様が決めること。
 
芭蕉さんではありませんが、願っても叶わぬものは楽しむ(愉しむ)ことにしたいと思います。
 
さて、春の空とは逆に、視界がクリアになったのは東京電力 柏崎刈羽原子力発電所6号機(以下、柏崎刈羽6号機)。
 
柏崎刈羽6号機は、定格熱出力一定運転を実施していた3月12日午後4時頃、発電機から微少な地絡(※)を示す警報が発生したため、13日午後6時25分に発電機を送電系統から切り離し(発電機解列)て調査し、対応を実施。
 
※地絡:電気が本来の回路から地面へ漏れ出る現象
 
22日には発電機の再並列操作を実施していましたが、27日午後3時00分には定格電気出力(約135.6万KW)、そして同日午後9時00分には定格熱出力(約392.6万kW)に到達しました。
 
 →東京電力ホールディングス「柏崎刈羽発電所 情報ポータル」はこちら
 
なお、単純計算では、柏崎刈羽6号機1基が稼働することで年間約1,000億円〜1,500億円程度の燃料費削減インパクトがあり、大型のLNG船(1隻あたり約7万トン積載として)で、年間約15〜20隻分に相当するとのこと。
 
我が国の電力供給の約3割を占めるLNG火力については、ホルムズ海峡を経由する輸入は、我が国の輸入量全体の6%程度(400万トン)であり、現在、電力・ガス会社は、この年間輸入量とほぼ同水準の在庫を有していることに加え、代替調達も着実に進んでいるというものの、政府においてはさらに万全を期すため、石炭火力の稼働を高め、LNGの使用を節約するとしています。
 
具体的には、経済産業省の審議会での議論を踏まえて、石炭火力の稼働抑制措置を2026年度は適用しないこととし、年約50万トンのLNG消費を節約するほか、柏崎刈羽6号機が定格出力で稼働した場合の節約効果(LNG年約110万トンに相当)も合わせれば、ホルムズ海峡経由のLNGを約4割節約できることになります。
 
これから夏季ピークに向かう電力需要のなかで、電力の安定供給を果たすことはもとより、130万キロワット級原子力発電所1基が稼働することによる、我が国のエネルギー政策上の効果をつくづく感じるところです。
 
こうして約14年にもわたる努力によって、国策に貢献する柏崎刈羽6号機に携わられたすべての関係者に心より敬意を表するとともに、理解し、お支えいただいた地域の皆さまに感謝申し上げます。
 
混迷を極める中東情勢にあって、我が国における原子力発電の役割と位置付け、そして期待は明確。
 
続く柏崎刈羽7号機の再稼働をはじめ、他の眠ったままの宝についても「視界をクリア」(見通しを立てるという意味で)にしていくことが最重要なことと、あらためて認識を強める次第です。

2027年度以降の「地上設置型の事業用太陽光発電(メガソーラー)」への支援廃止が決定

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今般の中東情勢によってあらためて認識を強めるとおり、少資源国で、エネルギーの大半を海外の化石燃料に依存する我が国において、国富流出の抑制やエネルギー安全保障の観点から、国産エネルギーの確保が極めて重要であることは言うまでもないところ。
 
加えて、DX・GXの急速な進展によって電力需要の増加が見込まれる中で、産業の競争力強化の観点から、脱炭素電源の確保が求められており、こうした中で、再エネや原子力などを最大限活用していくことが重要であることが国のエネルギー政策の基本となっています。
 
そうした中、令和7年12月23日の『大規模太陽光発電事業に関する関係閣僚会議決定』では、「再生可能エネルギーについて、2012年のFIT制度開始以降、特に太陽光発電の導入が急速に拡大した一方で、自然環境、安全、景観などの面から地域において様々な懸念が生じる事例がみられている。再生可能エネルギーの導入にあたっては、地域との共生や環境への配慮が大前提である。地域との共生が図られた望ましい事業は促進する一方で、不適切な事業に対しては厳格に対応する必要がある。」とし、政府として「不適切事案に対する法的規制の強化」「地域の取組との連携強化」「地域共生型への支援の重点化」という3つの柱からなる「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ」を策定されていました。
 
→『大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ』(原文)はこちら
 
この対策パッケージの中で、「3.地域共生型への支援の重点化」の項目であったのが「再エネ賦課金を用いたFIT/FIP制度による支援(経済産業省)」について。
 
原文では、「2027年度以降の事業用太陽光(地上設置)については、技術の進展によるコスト低減の状況や、太陽光発電に係る課題や特性を踏まえた支援策の重点化の方向性を念頭に、支援の廃止を含めて検討する。(令和7年度中に方針を決定予定)」としていましたが、3月19日には、2027年度以降に新設される“10キロワット以上の地上設置型の事業用太陽光発電”については支援しないことを正式に決定。
※住宅用や事業用の屋根設置型の太陽光発電は支援を続ける
 
経産省においては、再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価設定の公表とともに、これを明らかにしました。
 

【FIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価(2026年3月19日:経産省HPより抜粋引用)】
 
私自身、災害リスクに起因するような相次ぐ森林破壊や文化財保護の観点、さらには地域住民とのトラブルなど、こうした無秩序なメガソーラー開発を抑制するためには、当該事業に対する賦課金の廃止が最も効果的と考えてきたことろであり、今般の政府の判断を大いに評価するところです。
 
なお、上表に記載の「買取価格」は、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号。以下「再エネ特措法」という。)の規定に基づき、毎年度、当該年度の開始前までに、再エネ電気の供給が効率的に実施される場合に通常要する費用等を基礎とし、適正な利潤等を勘案して経済産業大臣が設定。
 
設定にあたっては、再エネ特措法の規定に基づき、調達価格等算定委員会の意見を尊重しているとあります。
 
固定価格買取制度導入以降、日本の再エネ導入は急速に拡大し、国際機関の分析によれば、日本の再エネ導入容量は世界第6位、このうち太陽光発電容量は世界第3位となっています。
 
一方で、資源エネルギー庁資料によれば、2025年度(予測)の買取総額は4.9兆円。
 
国民お一人おひとりから、毎月の電気料金支払いに併せて徴収されている「再エネ発電賦課金」(国民負担)は3.1兆円に及んでいます。
 

【『国内外の再生可能エネルギーの現状と 今年度の調達価格等算定委員会の論点案』(2025年10月 資源エネルギー庁)より抜粋引用】
 
今後も、この規模の国民負担を強いて再エネを拡大していくのか否か。
 
我が家の先月の電気料金明細を見て、あらためて考える次第です。
 

【我が家(オール電化住宅)本年2月の明細。再エネ賦課金の割合は「17%」でした。】

ドイツと事情が異なる日本の選択肢

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東日本大震災から15年の昨日。
 
活動は普段どおり、朝の辻立ちから議会へ。
 
敦賀市議会では、10時に開会した本会議の冒頭、浅野議長より、犠牲となった方々に謹んで哀悼の意を捧げるとの言葉に続き、議場の全員で黙祷を捧げました。
 

【昨日の辻立ちは、震災の記憶を思い返しながら。】
 
その後は代表・一般質問2日目の議事に入り、日本共産党敦賀市会議員団の代表質問、6名の一般質問が行われました。
 
各議員が取り上げた主な質問項目は、市長の基本認識、人間ドック拡充の取組、障がい福祉サービスの改善、今冬の大雪への対応、5歳児健診導入、ご当地ソング、子育て支援についてなど。
 
それぞれの視点や切り口、思いを拝聴いたしました。
 
なお、質問最終日の今日は、残る5名が登壇されますので、従前同様に注視いいただければ幸いです。
 
さて、3.11と重なった質問の中に、「再生可能エネルギーへの本格的な転換を進め、原子力発電ゼロ(※)の日本を目指すべきと考えるが市長の見解を伺う」との問いがありました。
 
※本ブログでは、原文中(発言含む)の「原発」はすべて、「原子力発電(所)」に置き換えていることをご了承ください。
 
これに米澤市長は、国のエネルギー政策も踏まえつつ、我が国にとって原子力発電は今後も必要と、明確に答弁された訳ですが、「原子力発電ゼロ」でよく例に出されるドイツを見てみると、ちょうど「エネルギーレビュー vol.540 2026年1月号」に国際環境経済研究所所長で常葉大学名誉教授の山本隆三氏の記事が掲載されていました。
 
記事を抜粋すると、ドイツは2023年4月15日に最後まで稼働していた3基の原子力発電所を停止し、11年の福島第一原子力発電所事故直後に決めた脱原子力を実行した。
 
ドイツ経済は不振だ。その原因のひとつは、ロシアから半世紀にわたり供給され、産業と生活を支えた安価な天然ガス供給が失われたことによるエネルギー価格の高騰だ。もうひとつの原因は、輸出入を通じ深い関係にある中国経済の不振の影響だ。ドイツの実質国内総生産(GDP)の伸びは、2023年、24年と前年比マイナスだ。
 
エネルギー価格の上昇はエネルギー多消費型産業を直撃し、2018年からの化学産業の生産量の落ち込みは2割を超えた。ドイツ産業の柱である自動車業界も、電気自動車(EV)市場の読み間違い、中国市場での不振があり、生産と雇用の維持に四苦八苦している。
 
そんな状況下で、電力需要は大きく増加すると予測されている。前政権は2030年の電力需要を、今のほぼ5割増の7500億キロワット時としていたが、低成長に加え、EV市場の伸び悩みもあり、現政権は6000億から7000億キロワット時の間になると予想を引き下げた。
 
電源確保のため、ドイツ政府は1200万キロワットの天然ガス火力の導入を計画しているが、温暖化の観点から欧州委員会との議論になり、導入は不透明だ。閉鎖予定の石炭火力を予備電源として確保する可能性もあるとされるが、事業者が満足する費用が支払われるのかはっきりしないので、これも不透明だ。
 
再稼働が可能であるならば、安定電源として原子力発電を使うべきだろう。2025年4月の世論調査では、原子力発電への回帰賛成55%、反対36%、分からない9%だ。
 
経済が低迷する中とはいえ、電気料金と安定供給の面で再稼働がなくても大丈夫とするのは解せないが、エネルギー水産業協会(BDEW)と日本の経団連に相当する産業連盟(BDI)との会話から共通して読み取れたのは、周辺諸国が原子力発電の新設に力を入れているから、ドイツがあえて原子力に乗り出さなくても、当面は周辺国からの原子力の電気を輸入すれば良いとの発想だ。ドイツの新政権と同じく日本の高市新政権も、競争力ある電気料金と安定供給を掲げている。ドイツと事情が異なる日本の目標達成の道は、原子力発電所の再稼働、建て替え、新設しかない
 
<引用終わり>
 
国民生活も経済活動も、電気料金の高騰に喘ぐドイツの状況は把握していましたが、「ドイツに学べ」と声高に唱える「再エネ100%」論者の方は上記の状況をどう説明されるのか。
 
「原子力ゼロ」を目指せと問わねばならない立場は立場として、近年の国内外の情勢から、「原子力か再エネ」かの二項対立論者は明らかに減少していると認識する次第です。

エネルギー輸送の要衝「ホルムズ海峡」が事実上封鎖

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月曜恒例の街頭活動からスタートした昨日。
 
本格的な寒さは緩み、活動しやすくなってきたのがありがたいところ。
 
主には、開会以降の敦賀市議会3月定例会の状況をお伝えした後は市役所(議会)へ。
 
10時からの予算決算常任委員会(全体会)ではまず、先週審査した令和7年度補正予算案7件について、分科会長報告から採決までを行い、結果、全件ともに「原案のとおり認めるべきもの」と決しました。
 
続いて、令和8年度当初予算案9件に対し、事前通告のあった50件について、部局ごとに基本質疑を行いました。
 
本日は、同じく当初予算案審査のための分科会が開催されますので、他の委員の皆さんとしっかり確認してまいります。
 
さて、話題は「ホルムズ海峡」。
 
以前にも書いたことがあったと、自身のブログを遡りましたところ、今から約7年前の2019年6月13日に『高まる緊張、原油輸送の大動脈ホルムズ海峡での砲撃事件』と、何とも物々しいタイトルで書きつづっていました。
 
内容は、ホルムズ海峡で日本関係の荷を積んだ船2隻が砲撃されたこと。
 
当時、安倍元首相のイラン訪問や対米感情との因果関係があるのではと憶測が飛び交いましたが、ペルシャ湾沿岸で産出する原油の重要な搬出路で、世界の約3割、日本が輸入する原油の約8割が通過する、原油輸送の大動脈である「ホルムズ海峡」で発生した事件に、ひとたび中東で何か起きれば、日本のエネルギー問題に直結することを痛感したことを思い返した次第です。
 

【約7年前のブログに掲載した「ホルムズ海峡」の位置図】
 
時を経て、突如として始まった米国とイスラエルによるイラン攻撃を受け、国内海運大手は事実上封鎖された海上交通の要衝ホルムズ海峡の航行を取りやめました。
 
実際、イラン革命防衛隊は1日、ホルムズ海峡でタンカー3隻をミサイル攻撃したと明らかにするなど、エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡は事実上の封鎖状態に陥っており、原油タンカーなど200隻以上が周辺海域で停泊しているとされています。
 
既に原油価格は上昇しており、世界経済への影響が拡大する恐れがあるとも。
 
同海峡を通じて原油や液化天然ガス(LNG)が運ばれている日本においては、原油の場合、日本の主要調達先であるサウジアラビアであれば、西側の紅海から迂回する方法も考えられますが、その場合は輸送日数が余計にかかり、船も足りなくなりかねないばかりか、結果運賃がはね上がり、荷物への価格転嫁につながる恐れもあるとされています。
 
国内需要の254日分の官民備蓄などを背景に、日本政府は「直ちに影響はない」と説明していますが、事態が長引けばエネルギーの安定供給に支障をきたす恐れがあることは言うまでもありません。
 
そうした事態に陥らないことを願うばかりでありますが、あらためて思うのは、先の大戦から変わらず「エネルギー争奪戦」の世界において、資源を持つ国は強く、持たぬ国は弱いということ。
 
その経験と学びから、わが国が選択した準国産エネルギーが「原子力発電」であることは言うに及ばず。
 
原子力発電所を運転することによる「リスク」を極めて低く抑えつつ、こうした局面に陥った際の国民生活や企業活動に与える「リスク」に備えるのが、まさにエネルギー安全保障であり、7年前の思いと重なる次第です。

AI向けの電力需要増に求められる政策対応(原子力など脱炭素電源導入)の加速

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日本では、熊本県に2つの工場(第2工場は建設中)が進出している半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(以下、TSMC)。
 
そのTSMCが、人工知能(以下、AI)向けの需要増を見込み、台湾の生産拠点で回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)相当の最先端半導体の量産を始めたとのこと。
 
TSMCが今後完成させる熊本第2工場でも2ナノ相当の半導体生産を視野に入れていると報じていますが、日本企業では、先端半導体の国産化を目指すラピダス(北海道に工場建設中)が2ナノ相当の量産を目指しているところ。
 
なお、半導体は微細化が進むほど性能が向上することから、最新のスマートフォンなどにも使われるなど、世界ではAI向けに高性能な半導体の需要が急激に伸びており、これに対応すべくTSMCは対応を急いでいる訳ですが、一方、これに必要なのが電力供給。
 
微細化により生産の難度が増すため、なおのこと莫大な、しかも品質が安定(周波数が安定している)した電力が必要不可欠であり、台湾はもとより世界が、その需要を賄う電源として「原子力発電」の最大限活用に進んでいることはこれまでも述べてきたことであります。
 
そうした中にあって、ちょうど25日に開催された経済産業省・資源エネルギー庁の「※総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会」では、エネルギー政策の課題と方向性について議論がされ、第7次エネルギー基本計画で最大限活用すると定めた脱炭素電源の導入ペースが足元で鈍る中、政策対応の加速を訴える意見が相次いだとのこと。
※経産相の諮問機関
 
また、国産エネルギー技術を社会実装していくことの重要性も指摘されたとあり、言い換えれば、ようやく判断がされた泊発電所や柏崎刈羽の如く、“眠ったままの宝”とも言える、長期化する審査などで停止中の既設原子力発電所を早期再稼働させることが必要不可欠であると、あらためて考える次第です。
 
加えて、新たな電源開発に時間を要することは言うまでもなく、安全性を高めた次世代革新炉に関しては、既に世界に大きく遅れていることは周知の事実。
 
政治の世界では、国民民主党が国政選挙において明確にその点を公約に掲げ戦いましたが、現実路線、経済安全保障を最重要視する高市政権であれば、考えをともに、政策実現へのスピードを加速できると確信するものであり、日本が原子力をはじめ、科学技術の分野で再び「世界をリード」することを期待する次第です。
 

【夏の参院選における国民民主党公約】
 
さて、本日は大晦日。
 
本来であれば、一年を振り返るような内容が相応しいと思いつつ、今一度、エネルギーの重要性を述べた訳ですが、皆様方におかれましては今年も一年、思うがまま書きつづった、拙いこのブログをご覧いただき誠にありがとうございました。
 
市議会議員に初当選して以降、読んでくれている方がいることを励みに続けた「やまたけブログ」も本日の投稿で2,491日目。
 
三日坊主の私が、一日も休むことなく続けられていることが自分でも信じられませんが、これも皆様のおかげ。
 
また来年もご愛読賜りますようよろしくお願いいたします。
 
それでは、本年も大変お世話になりました、
 
皆様、良いお年をお迎えくださいませ。

「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ」が閣議決定

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振り返れば、令和3年第4回定例会において私は、その年の10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」(現在は第7次)において、2030年度の電源構成では22~24%から36~38%程度まで引き上げることとなった再生可能エネルギー(以下、再エネ)のうち、太陽光発電について一般質問。
 
質問では、2012年7月の再エネ固定価格買取制度(以下、FIT制度)の開始以降、太陽光発電の急速な導入拡大が進められてきたものの、これに伴い様々な事業者の参入が拡大した結果、景観や環境への影響、将来のパネルの破棄の問題、安全面、防災面等の面で深刻な問題が顕著化している状況にあるとし、敦賀市においても、再エネ特措法で可能としている、地域の実情に応じて条例を制定すべきではないかと意見しました。
 
結果、「新たに規制をする条例を設けるということは現在のところ考えておりません」との答弁だった訳ですが、これ以前からこのような点に関しては問題意識を持ってきたところです。
 
その後、敦賀市においては特段の問題発生はないものの、全国では急傾斜地のメガソーラー設置によって吸水量が低下し、大雨の際に山崩れが発生したり、また阿蘇山など有数の景観地での開発、さらに最近では、日本最大のラムサール条約登録湿地である釧路湿原国立公園周辺で太陽光発電施設の進出が続き、絶滅危惧種で天然記念物のタンチョウやキタサンショウウオが住む湿原の乾燥化に拍車がかかるとの懸念が高まるなど、問題がさらに顕著化しています。
 

【釧路湿原国立公園周辺に建設されたメガソーラー(東洋経済オンラインより引用)】
 
冒頭に記載しましたよう、そもそもこうした問題は、国のエネルギー政策で再エネの導入拡大を進めるとしたことが起因し、生じていることを考えれば、対策に関しても自治体任せにせず、国が責任を持って行うべきと常々思ってきた訳ですが、そうした中、昨日開催された「大規模太陽光発電事業に関する関係閣僚会議」において、「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ」が閣議決定されました。
 
対策パッケージでは、今後、DX・GXの進展によって電力需要の増加が見込まれる中で、産業の競争力強化の観点から、脱炭素電源の確保が求められており、こうした中で、再エネや原子力などを最大限活用していくことが重要であるとしつつ、再生可能エネルギーについて、2012年のFIT制度開始以降、特に太陽光発電の導入が急速に拡大した一方で、自然環境、安全、景観などの面から地域において様々な懸念が生じる事例がみられており、再エネの導入にあたっては、地域との共生や環境への配慮が大前提である。地域との共生が図られた望ましい事業は促進する一方で、不適切な事業に対しては厳格に対応する必要があること。
 
太陽光発電事業について、土地造成及び電気設備の安全性確保、生活環境及び自然環境・景観の保全など、各種の公益との調整を行う関係法令を遵守する必要がある。政府において、関係省庁の連携の下、太陽光発電に係る様々な地域の懸念や課題を踏まえて、 これらの関係法令について総点検を実施した。 その結果、制度改正により法的規制を一層強化する必要があると判断されたものや、各種の法的規制が自治体において実効的かつ円滑に行われるような環境整備を行う必要があると判断されたものが存在したとし、政府としては、この総点検の結果に基づき、順次、速やかに法的な規制措置を実施していくとともに、国と自治体との更なる連携を行っていくこととするとありました。
 
具体的には、政府として、①不適切事案に対する法的規制の強化、②地域の取組との連携強化、③地域共生型への支援の重点化の3つの柱からなり、様々な対策が講じられることを「英断」と評価するものであります。
 
とりわけ、先ほど例に挙げた釧路湿原国立公園に関しては、上記①の項目の中で、湿原環境等の保全強化を図るため、自然公園法に基づく釧路湿原国立公園の区域拡張(環境省)し、公園区域内の開発を適切に規制する(令和8年度中に区域拡張を目指す)としたことに安堵するほか、何といっても最も大きいのは、③項で「FIT制度」を抜本的に見直すこと。
 
再エネ賦課金を用いた「FIT/※FIP制度」による支援(経済産業省)に関し、2027年度以降の事業用太陽光(地上設置)については、技術の進展によるコスト低減の状況や、太陽光発電に係る課題や特性を踏まえた支援策の重点化の方向性を念頭に、支援の廃止を含めて検討する(令和7年度中に方針を決定予定)としています。
 
※FIP制度(Feed-in Premium)は、FITからの移行制度。再エネ発電事業者への支援制度で、発電した電気を市場で売電した際の収入に、あらかじめ定められた「プレミアム(補助額)」を上乗せする仕組み。
 

【「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ概要版(内閣官房HPより引用)】
 
 →政策パッケージ(全文)はこちら
 
これにより、無秩序な開発の抑止につながるものと大いに評価するとともに、この制度の財源を生み出しているのは、国民民主党が徴収停止を求めている(主に物価高騰対策として)、各世帯が電気料金と合わせて収めている「再エネ賦課金」。
 
「FIT/FIP制度」が廃止される=再エネ賦課金も廃止になるのかまでは分からないものの、賦課金徴収額は400kWhの需要家モデルで月額1,592円、年額19,104円(2025年ベース:経済産業省)、国全体では約2兆7千億円(2024実績)となっています。
 
あらゆる電源には、リスクとコストがあります。
 
再エネの活用はもちろん重要なことであるとした上で、導入拡大のためにこれだけの国民負担を強いてきたことについても一旦立ち止まり考え直す。
 
昨日の閣議決定には大きな意義があると受け止める次第です。

泊発電所3号機の再稼働により家庭用電気料金を11%値下げ

エネルギー ブログ

秋晴れ広がる、三連休明け。
 
昨日は、母と一緒に市役所などでの各種手続きに回りつつ、議会での打ち合わせなど、活動も通常モードに切り替え。
 
市役所内や関係各所を歩くと、お会いする方皆から、父の急逝を惜しむ声や感謝の言葉をお掛けいただき、本当にありがたい限りですが、先般も述べたよう、私自身、父からの教えを胸に精進する所存であります。
 
また、昨日の夜は、以前から予定していた「エネルギーを真剣に考える仲間によるオンライン意見交換会」に出席。
 
記憶によれば、元々は東海村議会議員の吉田充宏(みちひろ)議員の声掛けで始まったこの意見交換会。
 
今回で5回目を迎え、私にとって大変貴重な機会となっているもの。
 
意見交換のメンバーは、前述の吉田議員、同じく東海村議会議員の寺門定範議員、水戸市議会議員の佐藤昭雄議員に私の4名の組織内議員と原子力ユニオン(日本原子力研究開発労組の略称)、東京電力労働組合、日本原子力発電労働組合の本店、茨城、敦賀など各支部役員の皆さん。
 
18時30分の開始時には、Zoomの画面に参加者がびっしりと埋まり、関心の高さが伺えたところです。
 
意見交換ではまず、①既設発電所等の再稼働に向けた取り組みの現状や②各発電所等における労働災害への対応に関し、各労組から説明があった上で、それぞれの議員から、説明の内容に対する質問や各議会における取り組みについて紹介。
 
詳細を申し上げることは差し控えますが、今回も課題を共有し、前に進むための意識合わせができたことは大変有意義であったと感じたところであり、以降はぜひ「リアル意見交換会」の開催をと、再会を期してお別れした次第です。
 
さて、こうして意見交換を重ねる中で思うのは、なぜ我々はエネルギー問題を真剣に考えるのか、とりわけ原子力発電を活用する意味合いについて、原点に立ち返って考える訳ですが、ちょうど10月31日に北海道電力が次のようなプレスをしていました。
 
<以下、北海道電力のプレス文引用>
 
当社は、泊発電所の再稼働に向けた取り組みを進めています。
本年7月30日には、泊発電所3号機の原子炉設置変更許可をいただき、再稼働に向けた大きな節目を迎えました。
 
当社は、泊発電所の再稼働後には電気料金を値下げすることをお約束しており、この度、一定の前提を設定し、泊発電所3号機の再稼働後の電気料金の値下げ見通しを取りまとめましたので、お知らせします。
 
泊発電所3号機の再稼働に伴う費用の低減効果を反映したうえで、今後の物価や金利の上昇による影響を緩和するためにカイゼン活動やDX推進等の経営効率化のさらなる深掘りによる費用の削減効果を最大限織り込んだ結果、規制料金では、ご家庭向け電気料金で11%程度の値下げ、自由料金全体では、平均7%(低圧自由料金:平均11%、高圧・特別高圧料金:平均6%)程度の値下げとなる見通しです。
 
エネルギー資源に乏しい日本において「S+3E」の観点を踏まえた泊発電所の必要性について、道民の皆さまにご理解をいただけるよう、安全対策の取り組みに加え、今回お示しした電気料金の値下げ水準についても説明を尽くしていくとともに、早期再稼働に向け総力を挙げて取り組んでまいります。
 
<引用は以上>
 
また、電気料金の引き下げを示す添付資料抜粋は以下。
 


【泊発電所3号機再稼働後の電気料金の値下げ見通しについて(2025年10月31日 北海道電力株式会社)より抜粋】
 
ご覧いただくよう、泊発電所3号機が再稼働した後の電気料金は、泊全基停止に伴う2013年9月の料金値上げ前からは1.2倍となるものの、2023年6月の料金改定(値上げ後)からは上述のとおり、大きく値下げとなることが分かります。
 
なお、2013年9月に「83円」であった再生可能エネルギー発電促進賦課金等(再エネ賦課金)は現在「915円」となっており、これは政府の政策経費として、重く国民負担を強いていることを注視いただかなくてはなりません(ちなみに、電気料金引き下げのため、国民民主党は、この再エネ賦課金の徴収停止を求めています)。
 
話を「なぜエネルギー問題を真剣に考えるのか」に戻せば、北海道電力が答えを述べているよう、エネルギー資源に乏しい日本において「S+3E」の考えを第一義に置いたうえで、特に「低廉な電気の安定供給」のためには、原子力発電を最大限活用していくことが必要不可欠と思うから。
 
九州や関西など、原子力比率の高いエリアは電気料金が相対的に安価であること、今回の北海道の試算を見てもそのことは明らかであり、皆様方におかれましてはあらためて、こうした現実的観点をご理解いただければ幸いに存じます。

世界の潮流は「原子力への投資支援」

エネルギー ブログ 原子力

「秋分の日」の昨日は、あいあいプラザで開催された、関西電力労働組合 第56回美浜支部定期大会に出席。
 
休日にも関わらず、多くの代議員が出席のところ、挨拶では、大会のご盛会をお慶び申し上げるとともに、美浜3号の安全・安定運転はもとより、1、2号の廃止措置を着実に進める職場の皆様に感謝の思いをお伝えしました。
 
また、原子力における「世界の潮流」をご紹介したうえで、現在そしてこの先の日本の電力需要増を考えれば、原子力発電による新規電源開発が必要不可欠であり、美浜でのリプレースや敦賀3、4号機を含めた次世代革新炉の建設にあたっては、規制サイドにおいて審査基準を明確にすること、事業者が予見性をもって投資できるような環境整備を「国が」率先して、早期に行うことが重要であること。
 
これらの進展に向けて、微力ながら、先の敦賀市議会6月定例会の一般質問でも意見したこと、職場の皆さんの思いを受け止めながら、引き続き取り組むことをお誓い申し上げた次第です。
 
なお、今大会で56回目を迎える、歴史と伝統ある美浜支部は、美浜1号が、1970大阪万博会場に「原子の灯」を届けてから55年。
 
じっとこちらを見つめる代議員の皆さんの表情から、わが国の原子力黎明期から続くスピリットを感じた次第です。
 
さて、挨拶でご紹介した「世界の潮流」に関しては、これまでも度々お伝えしてきているところ、以降も次々と進展が。
 
トランプ米大統領の訪英に先立つ9月15日には、「原子力の黄金時代」と称される両国企業間の複数の合意を発表。
 
そのうえで、両国は18日に調印した技術協定にて、原子力分野では、先進炉、先進燃料、核融合の分野での連携を深め、核分裂および核融合のイノベーションの最前線に留まり続けることを目指すとし、両国において原子力発電所の増設を推進し、クリーンエネルギー分野への数十億ポンドの民間投資を後押しすることになるとありました。
 

【米英政府による調印式の様子(原子力産業新聞より引用)】
 
続けて、世界の原子力産業を代表する9業界団体(※)も18日、エネルギー安全保障の強化とクリーンで豊富な電力供給に対する世界的な需要の高まりに対応するために、各国政府に対して原子力への投資支援を呼びかける共同声明を発出。
 
※9業界団体
日本原子力産業協会(JAIF)の他、カナダ原子力協会(CNA)、米国電力研究所(EPRI)、仏原子力産業協会(GIFEN)、韓国原子力産業協会(KAIF)、米原子力エネルギー協会(NEI)、英国原子力産業協会(NIA)、欧州原子力産業協会(Nucleareurope)、世界原子力協会(WNA)の計9団体。
 
原子力産業新聞によれば、2023年、2024年にも開催されたこの年次ハイレベル会議には、政府と産業界のリーダーが一堂に会し、原子力に対する世界的な期待の高まりに応えるべく、必要な規模とペースで新規原子力発電所を建設するために必要な喫緊の課題について協議。
 
今回の会議では、多国間開発銀行やここ数か月間に原子力融資を発表した主要な民間資本関係者も参加し、原子力発電の規模拡大に不可欠な政策と資金調達のほか、タイムリーな建設や熟練した労働力の育成、燃料供給の確保、原子力部門のサプライチェーンに焦点を当てた協議が行われたとありました。
 
同声明では、各国政府に対して、様々な分野で具体的な行動を起こすように提起した訳ですが、その中で、私がポイントと感じたのは以下3点。
 
<共同声明抜粋>
 
◉クリーンエネルギー源に対して技術中立性を適用し、エネルギー部門の拡大を成功させる。これはエネルギーの最終消費者にとって不可欠であり、原子力部門への投資に対して明確なシグナルを送るためにも必要。さらに、原子力が国際的な炭素削減メカニズムにおける正当な取引手段として認められるようにする。
◉世界銀行が原子力プロジェクトへの資金提供に前向きな姿勢を示していることを踏まえ、民間の資金調達も促進するため、国内および多国間レベルでの公的資金へのアクセスを可能にする
規制当局間の連携強化により、設計のさらなる標準化を可能にし、コストの削減、フリートの展開を促進する。
 
美浜支部の大会で述べたことが、さながら世界規模で協議されているものですが、ふと、他国の民間企業が日本のメーカーやサプライチェーンに投資をし、「技術を金で買われる」ことになりやしないかと不安がよぎったところ。
 
東日本大震災以降、原子力比率が極端に低くなった(火力の比率増)日本においては、エネルギー源の海外依存によって「国益をたれ流し」続けていることに加え、今度は「技術まで他国に奪われる」ことは言語道断。
 
先の大戦がエネルギー争奪戦争であったことを忘るることなく、そうしたことに強い危機感をもって「政治が」早急に対応せねばと、重ねて思う次第です。

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