日本原子力研究開発機構の「HTTR」が約10年半ぶりに運転を再開!

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外にいると「溶けるような」という表現がピッタリの昨日の暑さ。
 
それもそのはず、敦賀の最高気温は34.9度(14時11分)まで上昇したとのことで、発電所へ向かう西浦の海水浴場には色とりどりのパラソルやテントが並び、コロナ禍を忘れさせるかの光景。
 
青い空に映える、「北陸のハワイ」水島を横目に車を走らせ、お昼休みには敦賀発電所の協力会事務所にて市政報告をさせていただきました。
 

【あまりの綺麗さに車を停め撮影。ハワイだけあって、やはり夏が一番似合うかも。】
 
お昼休みの中、報告会には、労組役員さんを中心にお集まりいただきましたが、昨日は女性参加の割合がいつもより高く、違った視点で聞いてもらえるということを嬉しく思いつつ、話しを進めさせていただきました。
 
参加された皆さんは、発電所構内でお勤めの方ばかりということで、若干最近の国のエネルギー政策に関する動きなども絡めながら、6月定例会で一般質問した、敦賀市が進める調和型水素社会やスマートタウンの内容や駅西地区開発、市庁舎建設の状況など市政のトピックスについて、いつものパワーポイント形式でご紹介。
 
伝えたいことを盛り込み過ぎて、意見交換する時間が短くなってしまったことは反省点な訳ですが、子育てに関するご意見、ご要望などもお聞かせ願いたいとお伝えをし、報告会を終えました。
 
引き続き、発電所で働く皆さんとは緊密な連携を図っていきたいと思います。
 

【市政報告会の様子】
 
さて、報告会とも関連するエネルギーの分野に関しては、ここ最近では関西電力の美浜発電所3号機の再稼働など、原子力発電でも軽水炉のことをお伝えをしてきた訳ですが、この7月30日には、日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)の高温工学試験研究炉「HTTR」(茨城県大洗町、高温ガス炉、熱出力3万kW)が、約10年半ぶりに運転を再開しました。
 
「HTTR」は、2011年初頭の第13サイクル運転終了後、東日本大震災を挟み、新規制基準対応に伴い停止していたとのことですが、原子力機構では再開に向けて、2014年11月に新規制基準適合性に係る審査を原子力規制委員会に申請。
 
2020年6月に原子炉設置変更許可に至った後、安全対策工事が行われ、2021年7月に入り原子炉起動までに実施すべき検査を終了しこのほど運転再開し、今後は、運転状態において原子炉の性能を確認するための検査を順次実施、9月末には原子炉出力100%の状態での最終検査を行い本格運転となる予定とのこと。
 
これに関しては軽水炉と同じく、運転再開に向けて約10年の月日を掛けての原子力機構の皆さんのご尽力あってのものであり、心より敬意を表するところです。
 
「HTTR」、いわゆる高温ガス炉は、水素製造などの多様な産業利用の可能性が期待されており、開発に関しては、原子力産業分野の取組みの一つとして、「2050年カーボンニュートラル」に伴うグリーン成長戦略で、「2030年までに大量かつ安価なカーボンフリー水素製造に必要な技術開発を支援していく」とされているほか、7月21日に資源エネルギー庁が示した次期エネルギー基本計画の素案でも水素社会実現に寄与する有望性が述べられているもの。
 
「HTTR」の運転再開を受け、萩生田文科相は、「各種試験が順調に進み、高温ガス炉に関する技術が蓄積され、『HTTR』を活用した水素製造に係る要素技術開発を始め、各種分野への応用に向けた取組が進展することを期待」との談話を発表。
 
梶山経産相も、高温ガス炉が産業分野の脱炭素に資する可能性を述べたうえで、「カーボンニュートラルに向けた取組が進展することを期待」とのメッセージを寄せたとのことですが、こうした新たな技術の研究、検証を確実に進めていくことは、少資源国の我が国だから尚のこと、重要で必要なことと考える次第です。
 
原子力機構によれば、今後はより厳しい条件を付加した試験を段階的に進め、高温ガス炉に関する安全基準の国際標準化にも貢献していくとのこと。
 
こうして日本の原子力技術を将来に亘って活かしていくことを思えば、より一層安全性を高めた軽水炉建設を進めていくことも同義だと思う訳ですが、国としてはこちらはタブーのよう。
 
先の報告会でも述べたのですが、こと国の根幹に関わるエネルギー政策については、頭の中が「お花畑」のような夢物語では決していけないのであり、確実性を高めた真に現実的なものでなければならないとの思いが一人でも多くの方にご理解いただけるよう、引き続き自身の役割を果たしていく所存です。

日本では「タブー?」な、脱炭素化に向けた「世界の共通認識」

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「しびれる試合」というのは、こういう試合を言うのでしょう。
 
昨晩の東京五輪ソフトボール決勝。
 
宿命のライバルで、一昨日は今大会唯一の黒星をつけられた米国との試合は、日本が2-0で「しびれる試合」を制し、金メダル獲得。
 
ソフトボールが五輪競技に復帰したのが13年ぶりであっただけに、選手の喜びもひとしおのように映りました。
 
また、試合後のインタビューでは、上野投手が「(13年ぶりの五輪金メダルに)諦めなければ夢は叶うということをたくさんの方に伝えられた。」、宇津木監督は、「正直に言うとこの1週間、怖かった。このご時世の中で開催する(ことについての)迷いもあった。でも国民の皆さんが支持してくれたことが一番我々の力になった」とチームへの応援に感謝する言葉を述べられました。
 
宇津木監督の言葉にあるよう、コロナ禍での五輪開催に反対する国民の声は、こうも選手や指導者を苦しめていたことを改めて知ると同時に、逆も然り、選手の後押しは、これまた国民の声でしかない訳であり、やはり自国民が自国の選手を苦しめることだけはするべきでないと思う次第であります。
 
昨日は、ソフトボールのほか、お家芸の男子柔道では、4階級連続の金メダル、さらには新種目のサーフィンなどでもメダルを獲得し、新旧競技で上手く噛み合った活躍により、日本の金メダル獲得数は10個。
 
現在のところ中国を抑えトップに立った訳ですが、今日も引き続きの快進撃を期待したいと思います。
 
気づけば、毎日同じような期待のコメントをしていますが、その点ご容赦のほど。。。
 
さて、昨日は「予定」としておりました関西電力美浜発電所3号機(定格電気出力82万6千kw)ですが、27日17時00分に総合負荷性能検査を終了し、無事に営業運転を再開しました。
 
営業運転再開にあたり、関西電力がコメントを発表していますので、ご紹介させていただきます。
 
(以下、関西電力コメント)
新規制基準施行後、全国で初めて、40年を超えての再稼動に向け、立地地域をはじめ、これまで一方ならぬご尽力を賜りました皆さまに、あらためて心より厚く御礼申し上げます。
40年を超えて原子力発電所を最大限活用していくことは、「電力需給の安定化」や「ゼロカーボンの推進」の観点から、非常に有意義であると考えています。
当社は、美浜発電所3号機において、16年前に発生させた重大な死傷事故の反省と教訓を深く心にとどめ、安全性をたゆまず向上させていくとの強い意志と覚悟のもと、安全・安定運転の実績を一つひとつ積み重ねてまいります。
 
ここに書かれていることをつなぎ合わせていくと、原子力発電は今後も、我が国のエネルギー政策の基本にある、安全を大前提に、電力の安定供給と環境面を同時達成する「S+3E」(もうひとつのE:経済性の記載はありませんでしたが)に貢献していくとの姿勢を改めて示されたものと、私は理解したところです。
 
こうして美浜発電所3号機の営業運転再開を踏まえ、世界全体の脱炭素化、日本がめざす2050カーボンニュートラルに向けての原子力発電の位置付けを考えるに、
 
◉脱炭素化に向けた原子力の長期運転の重要性は世界の共通認識であり、現在多くの国々では、高経年化に伴う許認可の更新や健全性の確認を行ったうえで、既設原子力発電所の運転延長が進められており、例えば米国では運転中94基のうち9割超が60年までの運転延長が認可され、うち6基が80年までの認可を取得していること。
 

【原子力のポテンシャルの最大限発揮と安全性の追求(令和3年4月14日 資源エネルギー庁資料より抜粋)】
 
◉こうした中、ドイツなど一部の国を除き、消費電力量が大きくカーボンニュートラル(CN)を表明している国の多くが将来にわたり原子力を利用する方針を掲げており、国際エネルギー機関(IEA)も、脱炭素目標の達成とエネルギー安定供給に大きく貢献している原子力の利用無くして、クリーンエネルギーへの移行は困難としていること。
 
◉また、IEAは、低炭素電源の中で既設原子力発電所の運転期間の延長が最も費用対効果が高いと評価し、今後世界各国において、新規建設等とともに運転期間の延長が進まなければ、追加的なコスト負担が急増しCNの実現可能性が低下すると指摘するなど、脱炭素化に向けた原子力の長期運転の重要性は世界の共通認識となっていること。
 
などが、世界の常識になっている訳ですが、先の次期「エネルギー基本計画(素案)」然り、エネルギーコスト検証結果を見るに、日本においては、こうした潮流を敢えて聞かないようにしているのではと疑いたくなる内容となっています。
 
少資源国の我が国にとって、足元の構造的課題である電力需給ひっ迫やエネルギーコストの高止まりの解消はもとより、将来にわたり低廉かつ安定的にエネルギーを確保しつつ、今後の脱炭素社会やデジタル社会を実現するためには、再生可能エネルギーの適切な範囲での導入拡大、火力発電の一層の高効率化や技術開発等とともに、既に確立された脱炭素技術である原子力を最大限に活用していくことが不可欠と考えるものであり、とりわけ、原子力に関しては、より安全性に優れた技術を用いた新増設・リプレース等、将来に向けた明確な道筋を国が示さなければ、「尻すぼみ」となることは火を見るより明らか。
 
こうして考えるに、美浜発電所3号機の営業運転開始は、我が国のエネルギー政策を考えるにあたって極めて大きいことであり、関西電力のコメントにもあったよう「安全・安定運転の実績を一つひとつ積み重ねていく」ことが、原子力に対する国民からの信頼と、将来に亘り最大限活用していくことへの理解につながるものであり、私自身、現場第一線で働く皆さんとともに、その取り組みに汗をかいていきたいと考えます。

夏季の電力需給を支える発電所。美浜発電所3号機は本日、営業運転再開予定。

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閉会中の敦賀市議会ですが、昨日は広報広聴委員会を開催。
 
この委員会は、私が委員長を務めさせていただいている訳ですが、広報活動に前向きな他の委員の皆さんや議会事務局担当のご協力のお陰で、毎回有意義な議論をさせていただいているところ。
 
昨日は、先に行われた6月定例会に関する「議会だより」について、各常任委員会・特別委員会からの報告や各議員の一般質問内容など、原稿の一字一句を皆で確認し合いました。
 
この議会だよりに関しては、他議会を参考に見てみると、カラー刷りで写真を多用したタウン情報誌のようなスタイルのものがあったりもしますが、敦賀市議会の場合は、至ってシンプルな二色刷り、文字メインとしているもの。
 
これは、審議、審査の内容をなるべく詳細に有権者の皆さんへお伝えするとの意が込められたものと考えるため、先輩方の思いを尊重、継承しつつ、引き続き、少しでも読みやすい誌面に改善していくことが役割と認識のもと取り組んでいきたいと思います。
 
また、敦賀市議会にて検討が進められる議員定数検討にも関連しますが、やはり一層必要なのは、議会活動の「見える化」かと思います。
 
これに関しても広報広聴委員会の中で、さらなる広報活動の充実の観点で、SNSの活用や委員会の録画放映などの意見が挙がっていることから、慎重を期すのは当然のこととして、目的と効果を明確にしたうえで「どうしたら出来るか」のスタンスで検討していきたいと考えます。
 
さて、東京オリンピックのほうは、昨日も日本人選手が大奮闘。
 
13歳と思えない堂々と技術を披露した女子スケートボード(ストリート)、柔道男子73キロ級の息詰まる死闘、そして見事な逆転劇の卓球混合ダブルスで金メダルを獲得。
 
とりわけ、卓球の混合ダブルスでは、水谷選手が「五輪ですべてをリベンジできた」と語ったよう、五輪では1988年ソウル大会から実施されている卓球で、計32個の金メダルのうち28個を獲得してきた、途方もなく高く厚い壁、中国を破っての金メダルは本当に嬉しく、その戦いぶりに感激しました。
 
その壁を破った2人は、ともに静岡県磐田市出身で実家も近く、交流は15年以上で、混合ダブルスが初採用された自国開催の五輪に同郷ペアで挑むストーリーに、水谷選手は「後にも先にもこんな奇跡的な巡り合わせはない」と感慨を込めたそう。
 
一昨日の阿部きょうだいの同日同時金メダルなど、どこかこの東京五輪のメダルには、それぞれの人間模様、ドラマがあり、単に競技の強さだけではない部分に心動かされるというもの。
 
毎日、こう感動、感激ばかりしていたらどうなるのだろうと思いつつ、本日も日本人選手の大活躍を期待したいと思います。
 
話しは変わり、奮闘していると言えば、この猛暑、五輪需要を支える電力。
 
ここ若狭管内では、7月4日に定格熱出力一定運転を開始した関西電力美浜発電所3号機が、本日総合負荷検査を実施し、合格すれば本格営業運転に入る予定となっています。
 
新規制基準下では国内初となる40年超運転というプレッシャーに負けず、ここまで工程を進められてきたことに心から敬意を表しつつ、無事の検査合格と夏場の電力供給体制に戦線復帰する姿を応援したいと思います。
 
現時点での全国の電力需給予備率は、やや裕度があるとはいえ、ひとたびどこかの発電所でトラブルが発生すれば、安定供給への影響が生じるリスクを抱えていることは紛れもない事実であり、そうした今の電力供給環境も念頭に、美浜発電所3号機を始め、全国各地で奮闘する発電所、それを支える電力関連産業に勤める皆さんにも、五輪と同様、感謝とエールを送りたいと思います。
 

【本日の電力使用状況(でんき予報):電力広域的運営推進機関(OCCTO)ホームページより)

「野心的」≒「非現実的」→矛盾だらけの「エネルギー基本計画(素案)」

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同じ嶺南の小浜市では36.9度と全国で2番目の気温を記録した昨日でしたが、私のほうは毎週水曜日の朝は辻立ちデーということで、7時過ぎから8時過ぎまでの約1時間、海辺の心地良い風が吹く時間帯に元気に挨拶させていただきました。
 

【抜けるような青空のもとでの辻立ち風景】
 
今日から4連休前ということもあってか、出勤される皆さんの表情も普段より明るく、手を振り返していただける方もいつもより多かったような気がします。
 
また、暑いは暑いでも、こちらは「熱い」戦いが繰り広げられた夏の甲子園を懸けた福井県大会。
 
昨日は、敦賀気比vs金津の決勝戦が行われ、大本命の敦賀気比が投打に圧倒、7-0のスコアで勝利し、見事甲子園の切符を掴み取りました。
 
選抜優勝経験のある敦賀気比にとっての悲願は、やはり「夏の全国制覇」。
 
もちろん強豪ひしめく甲子園の中で、福井県勢を代表して1戦1戦戦い抜き、球都敦賀の名が全国に轟くことを、私も応援したいと思います。
 
さて、明るい話題を二つ続けましたが、こちらは何でこうなるのかと、全く腑に落ちない話題。
 
これまでも注視をしてきました、国の中長期的なエネルギー政策の方向性を示す「エネルギー基本計画」について、経済産業省は21日、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(第46回)を開催し、「素案」を示しました。
 
素案は、資料1の概要版と資料2の本編から成りますが、全体構成は以下の通りです。
 

【エネルギー基本計画(素案)の構成:分科会(第46回)資料1より抜粋】
 
昨日の分科会自体の論議をライブで視聴することは出来ませんでしたが、この資料1に加え、119ページに及ぶ資料2の本編をざっと目を通してみましたところ、結果、2030年におけるエネルギー需給の見通し(いわゆる電源構成)を示す考え方、数値は次の通りでした。
 
正確を期すため、資料2「エネルギー基本計画(素案)」のP102〜P103に掛けての記載を抜粋します。
 
その上で、電力供給部門については、S+3Eの原則を大前提に、徹底した省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの最大限導入に向けた最優先の原則での取組、安定供給を大前提にできる限りの化石電源比率の引き下げ・火力発電の脱炭素化、原発依存度の可能な限りの低減といった基本的な方針の下で取組を進める。
 
まず、再生可能エネルギーについては、足下の導入状況や認定状況を踏まえつつ、各省の施策強化による最大限の新規案件形成を見込むことにより、約3,120億kWhの実現を目指す。その上で、2030年度の温室効果ガス46%削減に向けては、もう一段の施策強化等に取り組むこととし、その施策強化等の効果が実現した場合の野心的なものとして、合計約3,300~約3,500億kWh程度の導入、電源構成では約36~38%程度を見込む。なお、この水準は、キャップではなく、今後、現時点で想定できないような取組が進み、早期にこれらの水準に到達し、再生可能エネルギーの導入量が増える場合には、更なる高みを目指す。その場合には、CO2排出量やコストなどを踏まえて他の電源が調整されることとなる。
再生可能エネルギーの導入拡大に当たっては、適地の確保や地域との共生、系統制約の克服、コスト低減などの課題に着実に対応するため、関係省庁が一体となって取り組む。
 
原子力発電については、CO2の排出削減に貢献する電源として、いかなる事情よりも安全性を全てに優先させ、国民の懸念の解消に全力を挙げる前提の下、原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進め、国も全面に立ち、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組み、電源構成ではこれまでのエネルギーミックスで示した約20~22%程度を見込む
 
火力発電については、再生可能エネルギーの更なる最大限の導入に取り組む中で、当面は引き続き主要な供給力及び再生可能エネルギーの変動性を補う調整力として活用しつつ、非化石電源の導入状況を踏まえながら、安定供給確保を大前提に、非効率石炭のフェードアウトといった取組を進め、火力発電の比率をできる限り引き下げる。その際、エネルギー安全保障の観点から、天然ガスや石炭を中心に適切な火力ポートフォリオを維持し、電源構成ではLNG火力は約20%程度、石炭火力は約19%程度、石油火力等は最後の砦として必要最小限の約2%程度を見込む
 
更に、今後の重要なエネルギー源として期待される水素・アンモニアの社会実装を加速させるため、電源構成において、新たに水素・アンモニアによる発電を約1%程度見込む
 
これらの需給の見通しが実現した場合、エネルギー起源CO2は、2013年度比で約45%程度削減の水準、エネルギーの安定供給を測る指標としてのエネルギー自給率は、2015年に策定した長期エネルギー需給見通しにおいて想定した概ね25%程度を上回る約30%程度の水準を見込む。
 
以上が、示された結論とも言える部分であります。
 

【2030年の電力需給・電源構成:分科会(第46回)資料1より抜粋】
 
これに対しては、様々な有識者や専門家がコメントを述べられており、私もいくつか拝見するに、受け止め的に合致したのは、基本政策分科会の委員でもある橘川武郎国際大副学長の話しでしたので、こちらも併せて掲載させていただきます。
 
(以下、橘川副学長のご意見)
全体的に無理のある数字が並んでおり、示された2030年度のエネルギーミックス(電源構成)達成は非常に厳しいだろう。特に原子力の目標値が据え置かれた中で、原子力発電のリプレース(建て替え)を盛り込むことを先延ばしにしたのは影響が大きい。長期的に原子力を推進するとの政府方針が明確にならず、再稼働に向けて地元に理解を求めづらくなる。
最終的に再生エネルギーと原子力を合わせた目標値は15%ほど未達になるだろう。結局は火力を使わざるを得なくなり、国費で(CO2)排出権を購入することにもなりかねない。
 
そのほか、液化天然ガス(LNG)火力の目標を大幅減の20%としたが、これでは産出国に「今後は買わなくなる」と誤解される。中国や韓国など他の輸入国に比べ、悪い購入条件を突きつけられる恐れが出てくる。石炭なども同様でミスリーディングな数値が並んでおり、調達にも影響が出てくるかもしれない。
 
そもそも「野心的」との言葉が多く出てくるが、それは「非現実的」という意味に近く、達成できなくても誰も責任を取らないということ。2050年に向けて取り組みを進めるにあたり、2030年度のミックスなんて作らない方がよかったのではないか。
 
重要と思う部分を太字で強調している訳ですが、全文太字にしたいくらいの的確な見方かと思うところです。
 
とりわけ原子力発電に関して、この素案では「必要な規模を持続的に活用していく」(資料2:P23)とあったと思えば、次のページには、「可能な限り原発依存度を低減する」(資料2:P24)とあったり、2ページの中でも思わず「どっちやねん!」の言葉が飛び出るほど矛盾を感じることに加え、新規制基準下で国内初となる原子力発電所の40年超え運転判断を行う際に、梶山経産大臣が杉本福井県知事に仰った約束とも言える、「確立した脱炭素電源である原子力発電は今後も最大限活用していく」はどこに行ってしまったのか、これこそ立地地域との信頼関係に影響する大きなミスリードではないかと強く思います。
 
また、信頼関係で言えば、素案の中でも原子力政策を進めるうえでの重要事項として記載されているものの、上記理由により、それこそ既に矛盾、別の項目では、国内の原子力環境が先細り感が否めないにも関わらず、国際的な原子力技術には貢献していくという矛盾、しかも中国や韓国の名前まで挙げており、この点は全く理解できるものではありません。
 
そして何より、原子力立地自治体はもとより、基本政策分科会の中でも多くの委員から必要性が挙げられた「新増設・リプレース」の記載が見送られたことは、本計画が2050年を見据えた2030時点と位置付けるのであれば尚のこと、原子力発電所の今後の稼働予想を見れば、その必要性は誰が考えても明らかであるのに全く触れられていないことは、現実逃避としか言えず、これで「原子力の将来を明確にした」とは決して言えるものではありません。
 
これについては、敢えて分かっていながら生じさせている「矛盾」と言わせていただきます。
 
ざっと読んだだけでも思うところだらけな訳ですが、これまで真に現実的な計画策定に向け議論されてきた、先の橘川委員などの気持ちを踏まえれば、「何のための議論だったのか」と言いたいところかと推察するものであります。
 
本日の新聞報道などにどう表現されるかは分かりませんが、私自身は119ページの素案をさらに読み込み、決して傍観者や評論家になることなく、意見提起ができるよう準備していく所存です。

エネルギー政策は、S+3Eのバランスを取り続けることが大前提

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梅雨が明けたという気分のせいでしょうか、吹く風もどこか乾いたように感じた昨日。
 
気温のほうも待ってましたとばかりに上昇し、新潟県新津では35.0度と北陸初の猛暑日となり、15日15時時点の気温としては全国最高になったとのこと。
 
敦賀の最高気温は31.9度(15時38分)ということでしたが、ここからは軒並み30度超えの天気が続くことから、こまめな水分補給など体調管理に留意していきましょう。
 
さて、国の政策議論の動きと連動し、私のブログもエネルギー関係が続き恐縮ですが、本日は13日に行われました次期「第6次エネルギー基本計画」策定に向けた検討を進める、経済産業省総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会(第45回会合)について、確認した論議の内容を書き留めておきたいと思います。
 
まず、一昨日、同調査会の「発電コスト検証ワーキング(以下、コストWG)」で報告された内容を踏まえ、「太陽光が初めて原子力のコストを下回った」との報道があったことへの考えを記載しましたが、これに関しては、この日出席されたコストWGの山地座長より、「個人的な見解だが、技術経済的に見れば、再稼働待ちの原子力発電所は、追加安全対策も既に投資済であり、追加コストの点でも、最も安い脱炭素電源になると思っている。」とのコメントがありました。
 
「前提を変えれば、結果が変わる」という前提のもとでの試算であることからすれば、さらに原子力の稼働率を試算モデルの70%でなく、現在実績の80%に置けば、さらにコストは下がることは明白でありますが、エネルギーはコスト至上主義ではありませんので、これ以上論ずるのは止めておきます。
 
ただ、個人的見解としながらも、座長ご自身が発言されたことについては、事実として認識しておきたいと思います。
 
「今後のエネルギー政策に向けた検討」を議題に置いた基本政策分科会は、座長含む24名の錚々たる顔ぶれの有識者が集う中、①2050年シナリオ分析の結果比較、②発電コスト検証における議論について(先のコストWG報告)、③2030年に向けたエネルギー政策の在り方に関する資料説明がされ、そのうえで各委員からは闊達な意見提起がされました。
 

【第45回基本政策分科会 資料3「2030年に向けたエネルギー政策の在り方」より抜粋】
 
挙げられた意見を全て拝聴し、私の視点でしかありませんが、議事メモ的にポイントだけ書き留めさせていただきます。
 
◉杉本委員(福井県知事)
2050年カーボンニュートラルという、より高い目標を達成したり、原子力発電の安全性をより一層高めて立地地域や国民の理解を得ていくためには、原子力の技術革新に向けた研究を計画的に進める必要がある。この点について現行のエネルギー基本計画では具体的に書かれていないが、次期計画では2050年に向けた政策対応として原子力の研究開発や人材の確保育成策をもっと具体的に示して頂く必要があると考えている。
 
◉豊田委員(日本エネルギー経済研究所 理事長)
・発電コストに関する山地座長の説明を大変興味深く伺った。一部のマスコミは、「太陽光が最も安価な電源であることが示された」と報道しているが、不正確な報道だと思った。2030年に新設された伝統的な脱炭素電源の中で原子力が最もコストが低いグループの一つであるということは確認されたといって良いと思うが、資料をよく見ると、また山地座長の説明を伺うと、脱炭素電源の中でも依然として原子力が最も安いと言っているように私には思えた。
・再エネは大きな幅があるが、このインプリケーションは何かと言うと、全ての地域においてこの安い再エネのコストでは発電しないということを言っているわけで、どの地においてどのコストになるか、やってみないと分からない。その意味では、脱炭素電源の中で原子力が最も安いと言っていると思う。 
 
◉工藤委員(三井住友銀行専務執行役員)
・再エネの最大限導入に賛成の立場であるが、拙速な導入に伴うレジリエンスの脆弱化を懸念している。再エネ設置による国土への負担、例えば国立公園などへの自然環境、斜面の新規造成、農業への影響というのは十分検討いただきたい。3E+Sがあくまでも前提だと思うので、これを堅持したエネルギー政策を検討していかなければいけないと思う。
NDC達成に向け、再エネの最大限導入を前提としても、原子力に対する期待は大きい。加えて、化石燃料の価格が高騰していることや、夏に向けて国民の安定供給への意識が高まることから、政府と事業者が協力して原子力発電の信頼回復に向けて努めていき、エネルギー政策の中に反映していくものと思う。
 
◉柏木委員(東京工業大学 特命教授)
計算すると発電量が9,500億kWhで1割減る。熱と電気の最終エネルギー比率は25%である。今、25%が電力で、74%が非電力である。ほとんど2030年でも変わらない。そうすると熱はどうするのかという話になるので、熱の脱カーボン化ということも併せて考えていかないと、電力ばかりがいっても、たかだか25%の話の中の話になってしまうので、併せて考えるべきである。
 
◉崎田委員(ジャーナリスト・環境カウンセラー)
地域とのコミュニケーションということを強くお話する。特に原子力だけでなく全てのエネルギー源のことを入れて、やはり地域でのコミュニケーション、エネルギーに対する全体的なそういう場を作っていくということは大変重要だと思っているので、変わらずに皆で考えていきたいと思っている。
 
◉隅委員(東京海上日動火災保険㈱ 相談役)
資源や立地に恵まれない我が国のエネルギーコスト、これは現在も含めてもともと高い訳である。国際競争力を維持するのは、原子力などの自前のエネルギーで供給の安定とコストの低減を図ることは不可欠である。過度の再エネ依存や統合費用の増加により、エネルギーコストが更に大きく上昇すれば、日本の主要製造業の海外流出による産業の空洞化を再び招くことになる。原子力の人材や技術の維持・向上のためにも、より安全な軽水炉へのリプレース、更に新型炉や小型炉の開発と導入、これを計画にしっかり盛り込んで頂きたい。
 
◉松村委員(東京大学社会科学研究所 教授)
・統合コストがとても重要で、ここに注目が集まるように工夫しなればならない。ガス火力、現状ではLNG、将来的には2050年を目指せばゼロエミッション水素を使ったガス火力というのが統合コストを考えると重要な電源ということが改めて明らかになったと思う。2030年のことを議論しているわけだが、私たちは2050年にネットゼロを目指すことをコミットしているわけで、その途中経過としてバックワードで解いていって、これくらい必要だという側面も計画に入っているのだと思う。その点で2030年は途中経過に過ぎないので、その2030年として打ち出したものが、仮に達成が2031年になった、2032年になったということがあったとしても、2050年に向けての着実な歩み、効率的な歩みになっているであれば、低く評価する必要はないと思う。ここではあくまでも通過点としての2030年を議論していることを私たちは忘れてはいけないと思う。
 

【第45回基本政策分科会 資料3「2030年に向けたエネルギー政策の在り方」より抜粋】
 
◉山口委員(東京大学大学院工学系研究科 教授)
エネルギー政策基本法によれば、エネルギーは国民生活の安定性、経済の維持に不可欠であるので、経済と環境の好循環、環境の保全と経済社会の持続的な発展を両立させるということが重要だと示されている。それをどうやって示すのかというとエネルギー選択の一つのポイントになるわけだが、それぞれのエネルギー、シナリオの3E+S、レジリエンスという視点を加えた特性評価をしっかり行わないといけないと考える。
特に原子力については控えめな条件としているように思う。例えば、原子力の稼働率、世界では2000年以降、ずっと80%を超えているし、日本も90年代から2000年頃にかけては80%の水準にあった。豊田委員からもご指摘あった通り米国ではこの10年、90%程度の水準をずっと維持している。原子力は信頼回復を努め、安全優先で再稼働するという方針を今日示して頂いたが、それについては極めて適切だと思う。また、説明でもあったが、原子力発電、これは新しい規制基準のもとで安全性が著しく向上と言える。それは確率論的リスク評価が義務付けられ定量的に示された、このことはしっかりお伝えしないといけないと考える。
・2030年から先、あるいは2050年から先、失速してしまうようではダメで、そのためには適切なエネルギーポートフォリオ、それによってリスクに備える、そういったものを用意しておくことが重要だし、とりわけ建設に時間はかかるわけだが、建設されれば60年に渡ってカーボンフリー電源である原子力、それの依存度低減というのは論外で、最大限活用という意味では新増設・リプレースに取り組まないといけないと思う。このエネルギー政策の長期に渡る持続性の視点を重視すべきと考える。
 
◉白石分科会長(熊本県立大学 理事長)
・本日の議論を踏まえると2050年のカーボンニュートラルに向けて2030年に2013年比で46%削減することを考えるのは、2030年はあくまでトランジションである。私としては国としてかなり大きな投資をしなくてはいけないと思っているが、そういうことも踏まえて考えることが非常に重要だと痛感している。
発電コストについて、私も本日出た数字が独り歩きすることについては、非常に心配している。さらに2030年を考えると率直なところ、原子力は頑張れば、現行の目標を何とかやれるかなと、そういう感じがないでもないが、同時に資料を見ると太陽光にしても陸上風力にしても地熱にしてもバイオマスにしてもあらゆるところで環境省の関連するところが非常に多い。やはり環境省が中心となってどうやってやるのか、そもそもできるのか、きちっと考えていただきたい。
 
◉保坂資源エネルギー庁長官
レジリエンスの観点、ミックスの数字が独り歩きすると困るというか、この国の安定供給をどういう形で達成していくかも含めて、懐の深いエネ基にしておく必要があると強く思っているので、引き続き皆さんのご意見を踏まえながら、そういうエネ基ができるかどうかということをご議論いただければと思う。
 
以上、端折ると意味合いが変わってしまうこともあるため、議事的に書き留めましたが、実際にはこのような意見がある中において、第6次エネルギー基本計画の中身が策定されつつあるということになります。
 
会の冒頭で梶山経産大臣は「エネルギー政策を進める上では、3E+Sのバランスを取り続けることが大前提である」と述べられました。
 
次の21日の会合にて、その案が提示されるとも言われていますが、大臣の言葉に沿った、真に我が国の国情に見合ったエネルギー政策となるのかどうか、引き続き注視をしつつ、自分なりの考えも持ち合わせておきたいと思います。
 
 →→→基本政策分科会(第45回)の全ての資料はこちら
 
(参考まで)
「2050年シナリオ分析の結果比較」はこのようになっていますので、イメージだけでもお知り置きください。
 

いよいよ夏本番。今夏の電力需給予想は?

エネルギー ブログ

毎週水曜日の朝は、名子ヨットハーバー前での辻立ちからスタート。
 
昨日も一緒に立ってくれる労組役員と「朝から陽射しが強いね〜。そろそろ梅雨明けかな〜。」などと会話をしていた訳ですが、その後何と、午前中のうちに気象庁が「北陸が梅雨明けしたとみられる」と発表しました。
 

【名子での辻立ちの風景(昨日の相方が撮影)】
 
北陸地方においては、平年(7月23日ごろ)より9日早く、昨年(8月1日ごろ)より18日早い梅雨明けとなり、梅雨入りが発表された6月18日から、一昨日7月13日までの降水量は、福井で279.5ミリ(この期間の平年値は222.2ミリ)となったそう。
 
幸にして、ここ敦賀では梅雨時期に大きな災害は発生しなかったものの、こうして降水量が50ミリ以上も増加していることを見るに、安堵することなく夏場以降のゲリラ豪雨や台風も想定しておく必要があるものと考えます。
 
さて、とはいえ、いよいよ季節は夏本番。
 
猛暑への警戒とともに、やはり気になるのは電力需給であります。
 
この電力需給に関しては、今冬、全国各地で予備率3%を切るなど極めて深刻な需給逼迫となったことは記憶に新しいかと思いますが、こうした状況を踏まえ、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が4月7日に「2021年度夏季及び冬季の計画的な供給力確保に係る小売電気事業者への送付文書」を発出し、要請を行っています。
 
【送付文書のポイント】
◉高需要期までに電源トラブルなど供給力の減少や厳気象などにより、需給ひっ迫が生じる可能性も否定できないと考えている。
◉供給力減少の要因として高需要期に電源補修停止が多く計上されたことにあり、本機関としても発電事業者に対して電源補修時期を変更するなどの調整を申し入れているところですが、仮に発電事業者が売り先の決まっていない電源を停止した場合、需給ひっ迫が発生しても直ちに起動できないおそれもある。
◉このため、小売電気事業者の皆様におかれましても高需要期において調達先未定の供給力確保が難しくなることも想定されることから、可能な限り取引所を介した先渡取引や相対取引などを活用した早期の供給力の調達に努めていただくようお願いする。
 
また、その後、5月25日には、経済産業省総合資源エネルギー調査会「電力・ガス事業分科会電力・ガス基本政策小委員会」(以下、小委員会)において、「2021年度夏季の需給見通し・対策」が取りまとめられ、今夏は、安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できる見通しにあるものの、例年どおり、無理のない範囲での効率的な電力の使用(省エネ)をお願いするとしています。
 
この長い名前の委員会は、電力需給対策に万全を期すため、電力広域的運営推進機関(先ほどのOCCTO)において、全国の電力需要が高まる夏と冬の電力需給について検証を実施しており、この検証結果を踏まえ、小委員会において、検証の妥当性の結果を確認し、需給見通し・対策を取りまとめるというもの。
 
こうした背景・目的を踏まえ、5月25日に開催した第35回小委員会にておいて確認された、「2021年度夏季の電力需給見通し・対策のポイント」では以下のように述べています。
 
(1)2021年度夏季の電力需給については、全国で電力の安定供給に最低限必要とされる予備率3%を確保できる見通しです。ただし、昨年度の冬に需給のひっ迫を経験した中で、安定供給の確保に万全を期す観点から、一定の対策をとります。
 
(2)電気事業者(発電・小売電気事業者)に対しては、供給対策・市場対策に関する要請を行います。また、需要家の方々に対しては、節電要請は行わず、ここ数年と同様に無理のない範囲で効率的な電力の使用(省エネ)への協力を呼びかけます。需要家の皆様におかれては、普段どおりの生活を続けていただきつつ、電力の効率的な使用を心がけていただくようお願いします。
 

【2020年度冬季の電力需給実績の振り返り及び2021年度夏季の需給見通し・対策について(2021年5月26日 経済産業省資源エネルギー庁資料より抜粋)】
 
小委員会における電力需給検証結果の確認時点から、原子力発電では関西電力の美浜3号機、大飯3号機が再稼働を果たしたことや、計画外停止中の火力発電(電源開発橘湾1、仙台4)の復旧前倒し等により、主に中西エリアで予備率が改善しているとはいえ、上表の数値は、エリア間での融通を勘案したものとなっていることなど、やはり予断を許さない状況にあると認識しておくべきと考えるところです。
 
こうした中にあって、効果は小さくとも、家庭においても効率的な電気の使用を心掛けるとともに、いかなる厳暑になろうとも電力の安定供給、ライフラインを守るため尽力されている電力マンの存在があることを忘れずに、この夏を過ごしていきたいと思います。

言うならば「原子力のコストに大幅な上昇なし」〜総合資源エネルギー調査会「発電コスト検証ワーキンググループ」議論を踏まえ〜

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2030年に向けたエネルギー政策、いわゆる次期「第6次エネルギー基本計画」策定に向けた検討を行っている、経済産業省総合資源エネルギー調査会(経産大臣の諮問機関)「基本政策分科会」が昨日開催され、「2050年シナリオ分析の結果比較」や「発電コスト検証に関する議論」などに関する報告資料をもとに議論がされました。
 
共同通信配信のネット記事によれば、
 
エネルギー基本計画の改定案を21日開催の有識者会議に提示する方針を固めたことが13日、分かった。
併せて示す2030年度の電源構成目標で太陽光や風力など再生可能エネルギーの比率を引き上げ、脱炭素社会の実現に向けた姿勢を明確にする。
有識者会議での議論を踏まえて8月上旬に改定案を決定し、パブリックコメント(意見公募)を経て10月までに閣議決定する見通しだ。
基本計画の土台となる30年度の電源構成目標は、再生エネを現行目標の22~24%程度から36~38%程度に引き上げる方向。原子力は20~22%程度の目標を維持し、残りを火力などで補う考えだ。
 
とあるものの、これに関してはまずYouTubeでも配信されている「基本政策分科会」での議論を正確に把握することに努めたいと思います。
 
さて、昨日の基本政策分科会でも報告された「発電コスト検証に関する議論」ですが、実はこれは、その前日12日に開催された同省総合資源エネルギー調査会の「発電コスト検証ワーキンググループ」(WG、座長=山地憲治・地球環境産業技術研究機構理事長・研究所長)でこれまでの議論を暫定的に取りまとめたものについて報告がされたもの。
 
2030年のエネルギーミックス確定後に再度WGを開き、発電コスト検証を正式決定すると位置付けているものですが、昨日の新聞各紙には、この暫定取りまとめの結果を受け、「太陽光が初めて原子力のコストを下回る」との見出しで掲載されていました。
 
本WGで提示された資料は、既に経済産業省ホームページに掲載されているため、こちらも正しく事実を把握する観点から全て目を通した訳ですが、この日までに6回に亘り行われてきた131ページに及ぶ内容は読み応えがあるとともに、複雑且つ多岐に亘る前提条件設定、モデル試算のうえに算出されていることが改めて分かりました。
 
 →→→総合資源エネルギー調査会「発電コスト検証WG」第7回会合 資料2はこちら
 
資料は、「総論」として、考え方や概要を示したうえで、「各論」で再エネや火力発電、原子力発電など各電源ごとの試算結果を報告する形で構成されおり、先にありました「太陽光が原子力のコストを下回る」と表現された電源別のコスト一覧は以下のスライドにまとめられていました。
 

【2030年の電源別発電コスト試算の結果概要】
 
これで見るとおり、原子力発電が11円台後半〜に対し、太陽光(事業用)は8円台前半〜11円台後半、また初期投資や事故補償などの政策経費(グラフの緑色)を除いた分では、原子力発電が10円台後半〜に対し、太陽光(事業用)は7円台前半〜11円台前半となっていることが分かります。
 
また、太陽光(事業用)の設備利用率17.2%は、低く見積もって70%の原子力と比べ大変に効率が悪い訳ですが、資料では、再生可能エネルギー(太陽光:住宅用・事業用)の将来(2030年)の発電コストの考え方については、「設備利用率については、近年上昇が進んでいるものの、将来的には立地制約によって設置可能面積が限定されることや出力制御による影響も考えられ、これらの影響を織り込んで一概に予測することは困難であることから、一定とすることとした」、「なお、(太陽光)パネルの出力劣化については、設備利用率の実績や一意に特定することの困難さ等をふまえて、考慮しないことを基本としつつ、参考として、IEA/OECD NEA「Projected Costs of Generating Electricity 2020」をふまえて、パネル出力劣化率 0.5%/年を仮定した機械的な試算結果を示すこととした」などとされています。
 
私は、再生可能エネルギー否定論者でも何でもありませんが、こうして見ても、この極めて不安定で設備利用率の低い太陽光発電を優先して使用していく、いわゆる「主力化」していくことは、例えば、本来ベースロードの原子力などの深夜電力を用いる水力の揚水を、昼間の太陽光で余った分を充てることによるロス、逆に供給不足になる際に必要となるバックアップ電源である火力発電の起動停止回数増による負荷増大、トータル設備容量としての増、そして再エネ賦課金など国民負担増など、あらゆる負荷が生じることを分かっていて、非効率な電源供給とするおかしな構造になることも良く分かります。
 
その証拠に、資料では、「直接の経済的影響」とし、電力システム全体のコスト (Grid-level System costs)のうち、プロファイルコストについて、
• 再エネ発電量が不確実なため、システム全体として多くの発電設備容量が必要になる。
• 既存の発電設備の利用率が低下する。
• 平均的な電力価格は下がるが、価格変動幅は非常に大きくなる。
• 投資の予見可能性が損なわれ、発電設備投資が進みにくくなる。
• 長期的にはベースロード電源が減りピーク電源が増えるため電力価格が高くなる。
と括られています。
 
さらにここには、バランシングコストや系統・接続コストなども掛かることも併せて認識しておきたいと思います。
 
新聞にはこうした詳細まで表現されていない訳ですが、それにしても見出しの「太陽光が原子力のコストを下回る」に関しても、正しくは「試算の前提を変えれば、結果は変わる」ということ。
 
これは、同じく試算の大前提となる「発電コストの計算方法」の一番最後で、このワーキンググループ自体が明確に述べていますので、本件を理解するうえで重要な点かと存じます。
 

 
【モデルプラント方式①(発電コストの計算方法)】
 
つまりは、これはひとつの仮定のもとでの評価であり、コスト評価に関して、まだまだ不確実性の高い太陽光(複雑な前提条件があり過ぎる)、ある程度確実性の高い原子力(福島第一原子力発電所事故を踏まえた補償費用の実績反映など)をどう捉えるかによって、表現も変わるに過ぎないということかと考えます。
 
今回も見出しの付け方を変えれば、「原子力のコストに大幅な上昇なし」とすることも出来ます。
 
電気新聞では、エネ庁担当者も「この数字をもって高い安いは言えない」、この日の会合でも有識者からは「数値の独り歩きを懸念」する声が目立ったとの記載がありました。
 
実際のデータ、議論から見えることと報道の表現はここでも違うということが改めて良く分かったのと、事実を正確に把握することで自分の考えに軸を持つとの観点から、次は、昨日の「基本政策分科会」の内容もしっかり確認していきたいと思います。

apple社のサプライヤーへの要求事項から思うこと

エネルギー ブログ

毎週水曜日は、西浦県道での辻立ちということで、昨朝も名子のヨットハーバーまで。
 
この日は若干雲の多い空模様ながらも、毎回表情を変える飽くなき敦賀湾を望みつつ、安定供給の一翼を担うべく発電所に向かう皆さんにご挨拶させていただきました。
 
回を重ねるごとに、手を振り返していただける方が増えている気がしており、今後も「継続は力なり」の思いのもと続けていく所存です。
 


【写真は自撮りで恐縮です】
 
さて、以前にApple社が発表したニュースで、製造パートナー110社以上がApple製品の製造に使用する電力を100%再生可能エネルギーに振り替えていくとし、同社が2030年までに目指す、事業全体でのカーボンニュートラル達成に向けた一歩となることや今回の計画が実現すれば、二酸化炭素(CO2)換算で年間1500万トン分の温室効果ガス削減に寄与し、これは毎年340万台以上の自動車を排除することに匹敵するとありました。
 
また、Appleは、サプライヤーが各社の再生可能エネルギーの目標を達成し、新しいクリーンエネルギーを世界中のコミュニティに届けられるよう支援するため、新たなツールの継続的開発、トレーニングなどの支援をしているともありました。
 
この際のリサ・ジャクソン副社長のインタビューでは、「取引先からは提案(100%再エネ切替え)にどんな反響があったのか?」との問いに対し、「ためらいが生じるのは理解できたし、驚きはしなかった。私たちと、決して脅しや二者択一を迫るのではなく、一緒にやっていきたいと考えている」とあり、この言葉が特に印象に残った訳ですが、「一緒にやっていきたい」という提案に関して、日本の取引先は以下のように述べています。
 
◉日東電工
「最大限、自己調達をできるような形で取り組んでいるところ。最終的には、この投資が、経済価値として、企業価値として返ってくると信じて進めている」
 
◉村田製作所
「(アップルの求めは)決して低い目標ではなくて、かなり難しい目標。これから国内外の企業が、サプライヤー(取引先)に対しても、いろんなことを求めてくると考えているし、そこにどう対応していくかというのが各企業の課題」
 
そんな矢先、ちょうど昨日は、電機関連産業で働く皆さんより、産別大の課題などについてご説明いただく場があり、その後の意見交換で私のほうからは、せっかくの機会ということで、サプライヤーとして電機業界全体としてapple社の要求をどのように受け止め、対応しているのかについて質問させていただきました。
 
福井県内でもappleのサプライヤー企業の工場が多くあり、既にこうした要求に応えるべく、自社の設備対応や非化石由来電力の調達にあたっているとのことでしたが、やはり認識としては、応えなければ従前同様の関係でなくなるとの危機感でした。
 
また、appleからは、エネルギーのことならず、時間外労働などの働き方に対しても厳しい要求があるということを聞き、驚きました。
 
こうして、部品調達の段階から世界標準としていることは、高い品質を目指すことの表れということが良く理解できた訳ですが、最後のオチには、「もちろん納期の要求も厳しい」と。
 
いずれにしても、世界の大企業の発想は一歩も二歩も先を行く、独創的なものであり、こうしたところから技術革新は生まれるものとも受け止めた次第です。
 
国内でもTOYOTAなどが、取引企業に対してクリーン電源調達を要求する動きがあるとも聞きますが、これからは使用している電気が何由来か、労働に対しても適正か否かで企業や製品の価値が変わる時代、世界の潮流となることは間違いないところ。
 
各自治体においても最近、「ゼロカーボン宣言都市」に手を挙げたとの記事を多く見ますが、中身を見ると「省エネを推進します」、「紙の使用量を低減します」の取り組みを掲げるのみであったりもして、ややパフォーマンス感が否めない部分もあります。
 
本質的な点を理解すればするほど、達成の困難さから、相当な覚悟なくば手など挙げれないと思うところでありますが、ここ敦賀はどうか。
 
確立した脱炭素電源である原子力発電の再稼働、力を入れて取り組んでいる水素(グリーン水素)の供給力拡大などにより、エネルギーに関して真の意味で価値を高められる都市、先のappleやTOYOTAのサプライヤーにとってもインセンティブが得られるエリアになるのではと考えるところであり、そうした点も頭に置き、現在、そして将来に向けた施策について考え、提言していきたいと思います。
 
なお、こうしたことに取り組むための基盤には必ず「人」の存在がありますので、「人への投資」がますます重要であることを付け加えさせていただき、本日のブログを閉じさせていただきます。

今夏、今冬に再び迫る「電力需給逼迫」の本質的な要因は何か

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これまでもお伝えしてきています、国の根幹を成す次期「第6次エネルギー基本計画」策定に向けた論議も佳境を迎え、いよいよ骨子案が公表されるであろう段階に入ってきています。
 
そうした中、本基本計画見直しに向けては、自民党の総合エネルギー戦略調査会が25日、党本部で会合を開き、原子力発電所のリプレース(建て替え)や新増設を可能とする対策を政府に求める提言を大筋で了承し、計画への反映を目指すとのこと。
 
また、2030年度の原子力発電比率は現行目標(20~22%)の維持・強化を掲げるとともに、原則40年としている原子力発電所の運転期間の在り方も含め、長期運転の方策についての検討を求めつつ、再生可能エネルギーは主力電源として最大限導入するため、電力系統の整備やコスト低減に努めるともしています。
 
これらの提言も受けつつ、政府が、2050年カーボンニュートラルや2030年温暖化ガス排出46%削減(2013年比)など野心的な目標を掲げる中での、言わばエネルギー産業の激動期に、それら目標の達成に向け、政府がどのような10年後を描くのか、従前以上に注視をするところです。
 
さて、同じくエネルギーの話題ですが、何を置いても国民生活や経済活動に欠かせないのは「電力の安定供給」。
 
これに関しては、今年1月の電力需給逼迫が記憶に新しいところですが、経済産業省は25日、今年度の夏と冬の電力需給が逼迫する見通しとなっているとして、発電事業者に燃料の十分な確保を求めることや、利用者に無理のない範囲で省エネの協力を呼びかけることなどを柱とする対応策をまとめ、有識者会議に報告しました。
 
電力供給にどれだけ余裕があるかを示す予備率は最低3%は必要とされていますが、今年8月の夏のピーク時に、北海道や九州電力管内を除く各地域の予備率は3.8%になると予想されていて、新型コロナウイルス禍で引き続き在宅率の高い状況が続けば、家庭での電力需要も増え、予備率がさらに厳しいものになる可能性もあると指摘しています。
 
冬はさらに厳しく、来年2月のピーク時には東電管内で予備率がマイナスになるほか、北海道、東北を除き3.0%と切迫する予想で、予備電源は迅速に稼働でき発電量が安定する火力発電が適していることから、経産省は休止中のLNG火力などの再稼働を念頭に置くとのこと。
 
電力需給逼迫の背景には、液化天然ガス(LNG)火力を中心とする火力発電所が固定価格買い取り制度(FIT)で支援する再生可能エネルギーの発電量拡大に伴い、火力発電の取引価格が低迷し、事業環境が悪化していることやベースロード電源である原子力発電の再稼働が進まないことが大きく影響している訳ですが、何と言っても最大の課題は、現在の「LNG依存度の高さ」にあります。
 
国際環境経済研究所理事・主席研究員の竹内純子氏は、自身の寄稿の中で、以下のように述べています。
 
(以下、記事抜粋)
今般の電力危機の本質は、わが国の電力の約4割を依存するLNGの不足である。LNGは-162℃という超低温で液体にして輸送・貯蔵するので、長期保存に向かない。
わが国の発電事業者の備蓄は2週間分程度しかないことは周知の事実で、それだけに性急な脱石炭や脱原発で天然ガス依存を高めている現状にリスクがあることは、関係者から繰り返し指摘されていた。
調達不足に陥った原因は、需要予想の見誤りだったのだろうか。その可能性も否定できない。
しかしコロナの影響で2020年秋までは需要の停滞が続いていた。長期契約のLNGが受入基地のタンク容量を超えれば安価で転売せざるを得ず、九州電力は2019年度第2四半期決算において、下期発生見込み分を含め140億円程度の転売損失を計上したとされる。
国家備蓄を検討するか、民間事業者の燃料調達に余裕を見込むことを求めるなら手当をしたことで発電事業者が損失を被った場合の救済措置などをシステムとして構築すべきだろう。
(中略)
燃料不足が起これば燃料切れによる発電所脱落、ひいてはブラックアウトという最悪のシナリオがあり得る。具体的には、どこかのLNG基地の在庫が下限を下回れば発電所が停止する。
そうなれば、普段周波数調整等に使っている揚水発電を、kWhを得るために使わざるを得なくなるが、フルで発電すれば5~6時間程度で揚水発電の上池の水は尽きてしまう。
こうした最悪シナリオを回避するために、発電事業者はLNG基地へのLNG船入桟の遅れの可能性も考慮し(冬の荒れた海からLNGを荷揚げするのは予定通りいかないことも多い)、その分のマージンを織り込んで、早めに発電出力抑制をかけることとしている。
燃料不足が懸念される中では、火力発電所が出力を絞った運転をせざるを得ず、市場への投入量は減少する。
 
このような指摘がされている訳ですが、LNG依存度を上げざるを得なかったのは、国民に費用負担を強いてでも、太陽光など再生可能エネルギー比率を高めようとしたことや、環境面から石炭や石油火力をまるで悪のように言われ、環境負荷の低いLNGを優先して運転せざるを得ないこと、さらには先に述べた本来ベースロードとしてあるべき原子力発電の比率ががわずか6%でしかないことなど、複合した要因が挙げられます。
 
この需給逼迫のニュースを見ても、休廃止している火力発電を動かせばどうにかなるかのような雰囲気が漂っていますが、上記で述べたように、根本要因が、国が採った政策による供給構造自体の問題と考えることからすれば、決してそう簡単に解決する問題ではありません。
 
これが、わが国のエネルギー政策を考えるうえで基盤となる「S+3E」(安全を大前提に、エネルギー安全保障、経済性、環境の同時達成を果たす)のひとつの「E」(安全保障、安定供給)の実態であり、こうしたことも強く念頭に置き、エネルギー政策を考えねばならないと危機感すら覚えるところです。
 
私は、決して再生エネルギー否定論者ではありませんが、天候任せで不安定な太陽光や風力の比率を上げれば上げるほど、電気を溜めておける技術が確立するまでは、必ずそのバックアップ電源が必要であること、既存の確立した脱炭素電源である原子力発電を使わずしてまで、需給逼迫のリスクを負う必要がどこにあるのかということだけはお分かりいただければと思います。
 
こう憂えば憂うほど、次期「第6次エネルギー基本計画」の重要性は高まるばかりであり、政府は覚悟を持って、真に現実的な政策を国民に示すよう、切に期待して止みません。
 

【大変革期の日本のエネルギー政策をどう考えるのか(写真は、国際環境経済研究所HPより引用)】

2025大阪万博へ「敦賀から羽ばたく水素の翼」

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昨日ご紹介しました敦賀市の新型コロナウイルスワクチン接種についてですが、追加情報をひとつ。
 
現在行っている65歳以上の方の1回目と2回目の接種間隔を、4週間から3週間に変更したことに伴い、予約枠全体の調整を行った結果、集団接種会場について、「きらめきみなと館」で6日分、「市立看護大学」で2日分の計1268名分の予約人数枠を追加することにしたとのこと。
 
追加枠の予約受付開始は、明日5月24日(月)9時からということですので、希望される方はコールセンターまでお申し込みいただければと思います。
 
なお、くどいようですが、ワクチン接種に関しては、敦賀市ホームページに分かりやすく掲載されていますので、疑問点のある方は是非、以下までアクセスください。
 →→→敦賀市HP「新型コロナウイルスワクチン接種について」のページはこちらから
 
さて、話しは変わり、今日は未来に向けた夢のある話題。
 
昨日の新聞でご覧になった方も多いかと思いますが、国土交通、経済産業などの関係省庁と民間企業などが参加した「空の移動革命に向けた官民協議会」は5月21日、オンラインで会合を開き、垂直の離発着が可能で滑走路が不要な「空飛ぶクルマ」の実用化を後押しするため、2025年に開催予定の日本国際博覧会(大阪・関西万博)会場で飛行できるよう、必要な制度設計などを議論する作業部会「大阪・関西万博×空飛ぶクルマ実装タスクフォース」を設置することを決めたとのこと。
 
万博会場と周辺を「空飛ぶクルマ」で結び、来場者を輸送することなどを想定していて、空飛ぶクルマをアピールできるよう、離発着場の整備や運航ルールの設定といった点について議論する予定。
 
必要に応じて法制度の整備・改正も検討するとしています。
 
ここで登場します「空飛ぶクルマ」とは、正式名称を「電動垂直離着陸型無操縦者航空機(eVTOL(electric vertical takeoff and landing))」と呼び、電動化、完全自律の自動操縦、垂直離着陸が大きな特徴。
 
モビリティ分野の新たな動きとして、世界各国で開発が進んでおり、日本においても2018年から、先の「空の移動革命に向けた官民協議会」が開催され、都市部でのタクシーサービス、離島や山間部の新たな移動手段、災害時の救急搬送などにつながるものとして期待されていて、今後は、2023年度の事業開始、2030年の本格普及に向けたロードマップ(経済産業省・国土交通省)が制定されているというものです。
 
また、これに関しては、近畿経済産業局が「水素でつくる未来社会『水素×ドローン』〜2025大阪・関西万博の空へ〜 (関西スマートエネルギーイニシアティブ)」と題し、関西地域の中小企業等のチカラを集結し、地球にやさしい水素の翼を2025大阪・関西万博でのお披露目を目指し、水素ドローンの開発に取り組んでいるところ。
 


【大阪万博会場で飛ぶ水素ドローンのイメージ(出典:近畿経済産業局)
 
話しの味噌はここからでして、国や大阪だけが先走っているかのように見えるこの「空飛ぶクルマ」ですが、実は敦賀市とも関係がありまして、平成31年度には、市が掲げる「ハーモニアスポリス構想」先導事業の敦賀市産業間連携推進事業費補助金について、株式会社日東工作所による高効率水素エンジン利用ドローン研究開発を採択。
 
これはまさに、先ほどご紹介した近畿経済産業局が打ち出した水素を燃料とする高出力、高航続距離のドローンを開発するHyDrone(ハイドローン)プロジェクトの一翼を担うもので、株式会社日東工作所の提案ではありますが、近畿経済産業局との官民連携プロジェクトとなります。
 
つまりは、2025年の大阪・関西万博でのデモフライトを目指す、このHyDroneプロジェクトに敦賀市も協力しているという関係性を踏まえれば、より期待が高まるものであります。
 
敦賀市においては、市の「調和型水素社会形成計画」の中で、自前で製造したローカル水素を燃料とする水素ドローンを活用するという目標もあり、まさにその礎、第一歩となるのが、このプロジェクトにあると受け止めるところであります。
 
「空飛ぶクルマ」は、小さい頃に見たアニメの世界ですが、いよいよ実用化を目指す段階にまで来たことは、技術の進歩とともに何かワクワクするもの。
 
以前に渕上敦賀市長が記者会見で仰られた言葉は、「50年前の大阪万博では原子力の火を届けましたが、次の万博には「敦賀から羽ばたく水素の翼」をキャッチフレーズに敦賀から水素の翼を送り届けたいというふうに考えております。」。
 
半世紀の歴史を振り返ってのこの言葉に、私も大いに共感するところ。
 
古より交通の要衝として、さらにはエネルギーのまちとして栄えてきたこの敦賀が、先進的なエネルギー・モビリティ革新のまちを目指すことには、何か歴史的な意義を持つとともに、役割でもあるかと感じるところであり、私自身、もう少しこの分野(ドローンなど)の知識を積み重ね、未来に向けて建設的な意見提起ができるよう努めていきたいと思います。
 
本日は、少し明るい話題ということで、未来に向けた夢あるプロジェクトと敦賀の関係のご紹介まで。

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