2026年9月21日
『氣比神宮古図』で大いに盛り上がる 〜気比史学会「ミニ歴史講座」を開催〜
敦賀の地域史は本当に面白い。
所属する敦賀の市民歴史団体「気比史学会」では連綿と、毎月第2木曜日の午後に「史楽庭」を開催していますが、タイトルに込められた意味は“地域史を楽しく学ぶこと”にあります。
これは昭和52(1977)年に、歴史好きな人たちで設立した当初からの、いわば同会のモットーともいえ、会を引き継いだ立場として重きを置いているもの。
「好きこそモノの上手なれ」の言葉がありますが、裏を返せば、“好きで楽しく学ぶ”からこそ、それが原動力となり約半世紀にわたって会が継続できているのではないかと。
常々そうしたことを思っているところでありますが、昨日はなお一層そのことを思う機会に。
それは、事前にご紹介しました同会主催の「ミニ歴史講座」。
どなたでも参加OK、飛び込み参加大歓迎のコンセプトのもと、昨日10時30分より、敦賀駅前知育・啓発施設「ちえなみき」2階のオープンスペースにて開催しました。
テーマは『越の日本海ネットワークと敦賀』と申し上げておりましたが、ちえなみきホームページ(HP)掲載の正しくは、『深遠の歴史・敦賀 〜古代から中世へ〜』。
敦賀の地域史を通史的に学ぶこのテーマは、スライド56ページのボリュームにつき、分割シリーズで開催しており、8月の第1回では、先史時代の敦賀から、渤海とのつながり(古より大陸に開けた敦賀)、松原客館あたりまで。
2回目の昨日は、”古代の北陸道”から入り、紫式部も越えた今に残る北陸最古の道「深坂古道」、北陸道総鎮守 越前国一之宮「氣比神宮」までを糀谷好晃会長よりお話しいただきました。
実はこのパワーポイント資料のベースは、8月に氣比神宮で開催された「全国一之宮会」で当会に歴史講演のオファーがあり、その際、糀谷会長が書いた原稿を元に、私の方でスライド化したもの。
ついては、手元に資料があるため、スライドベースで昨日の内容をご紹介しますと、まず「古代の北陸道」から入り、駅制を敷いていた当時は、現在の滋賀県湖北にある鞆結(ともゆい)から海津、そこから敦賀の松原駅へとつながる、いわゆる西近江路(七里半越え)が官道(今でいう国道)とされていた。
一方、同じ湖北の塩津から、深坂越え(滋賀県から敦賀市追分に抜ける)で敦賀に入る道を「深坂古道」と言い、平安時代には紫式部も超えた、“今も残る北陸最古のみち”であること。

【古代の北陸道(講座スライド抜粋)】
なお、深坂古道は、用途廃止に伴い荒廃していたところを、気比史学会が昭和57(1982)年より「深坂古道ある講」と題し、10数度にわたりウォーキングイベントを開催。
そうして機運が高まった後、平成4(1992)年には、敦賀みなとライオンズクラブの協力を得て、「史と詩の径(みち)」(歴史と詩が詰まったみち)として再生し、今に残されたこと。
続いて、話は、北陸道総鎮守 越前国一之宮である氣比神宮へ。
氣比神の神階の昇叙は、以下。
◉天平3(731)年・・・従三位、神封200戸
◉寛平5(893)年・・・正一位勲一等
数ある歴史の中でも主な出来事は、
◉延元元(1336)年・・・大宮司の気比氏春は、後醍醐天皇を奉じ、足利軍と対峙するも金ヶ崎城にて自害
◉元亀元(1570)年・・・信長の攻略で社殿焼失、古今の社領も没収 ※いわゆる元亀争乱
◉慶長8(1603)年・・・結城秀康が社殿造営(同19年竣工)社領を寄せる
とあり、以降の歴史は以下のスライドのとおり。

【講座スライド抜粋】
それまで“気比宮”であったのが、“氣比神宮”となったのは、意外や明治28(1895)年のことと認識したわけですが、一番盛り上がったのが、上記スライドにある「氣比神宮古図」。
先の大戦で多くの建物を失う中、奇跡的に残ったこの古図を元に、参加者同士で、自ら調査・研究した際の発見や考えを紹介し合うなど、大いに盛り上がり、さらには現在、策定委員会を立ち上げて検討を進める「氣比の杜整備構想」にも話が及び、歴史的背景や明治神宮(東京)が学びに来たとされる由縁などから、100年後に名実ともに“杜”として残すような考えがあって然りではないかとの声に、参加者一同、方向性が一致した次第です。

【スクリーンを前に盛り上がる様子】
あまりの盛り上がりに、昨日の話はここまでで終了。
1回目は11スライド、2回目で19スライドまで進みましたが、ゴールは56スライド。
やはり、“深遠”(はかりしれない)の敦賀の地域史と感じた次第です。
なお、講座閉会後も「氣比神宮古図」が映し出されたスクリーンを前に話が尽きず、冒頭に書いた「地域史を楽しく学ぶこと」とはこれにありと実感しました。
こうして2回目が終わり、次回、シリーズ3は10月25日(日)10時30分より、同じ会場にて開催いたします。
本当に面白いので、このブログをご覧になった皆様はぜひ、お気軽に足を運んでくだされば幸いです。






