2024年7月31日
ブログ 原子力
昨日は「令和6年度嶺南市町議長会定例会」に中野史生議長とともに出席。
「嶺南」の由来は、木の芽峠を境に「木嶺以南」(嶺北は「木嶺以北」)、つまりは福井県の敦賀より南側(以西とも言う)を指し、議長会は敦賀市、小浜市、美浜町、若狭町、おおい町、高浜町の2市4町で構成。
国道27号や舞鶴若狭自動車道、JR小浜線の交通網でつながり、とりわけ、1市3町が原子力発電所の立地地域というのがひとつの特徴であるところ。
定例会ではまず、議長会会長の藤田靖人・小浜市議会議長からのご挨拶の後、開催市の松崎小浜市長より歓迎の言葉を頂戴しました。
先に行われた小浜市長選挙で敗れた松崎市長。
自らのことには一切触れることなくご挨拶される姿に、私心を捨て、最後まで公職を貫く、真摯なその姿勢に敬意を表した次第です。
定例会では、経過報告に続き、敦賀市及び小浜市、若狭地方町村議会議長会より提出の北陸新幹線の整備促進や原子力政策、地域医療の充実・強化など、7つの議案を承認。
なお、機を逸することなく取組む必要があるのは、北陸新幹線小浜ー京都ルートの早期事業化ですが、挙げられた嶺南地方にある地域共通の課題解決に向け、2市4町がこれまで以上に連携していかねばと改めて認識したところです。
さて、議案でも承認した原子力政策について、嶺南地域どころか、日本の原子力規制のあり方にも通ずる原子力規制委員会の対応について。
先週金曜日に開催された、敦賀発電所2号機に関わる原子力規制委員会の新規制基準に係る審査会合の結果を踏まえ、間を置くことなく、本日10時30分からの原子力規制委員会では、議題2として、「日本原子力発電株式会社敦賀発電所の発電用原子炉設置変更許可申請書(2号発電用原子炉施設の変更)に関する審査会合の審査結果及び今後の対応」について協議されることとなっています。
先の審査会合では「可能性を否定できない」、「不確かさ」などをもって、敦賀2号の原子炉建屋直下を走る破砕帯が活断層でないことを証明できていないと判断されつつある訳ですが、今回と同様の言い回しで「活断層」と判断したのは、以前の「法的根拠なく」原子力規制委員会が設置した有識者会合。
結局、振り出しに戻っただけではないかと忸怩たる思いですが、その際は、有識者会合が結論づけたことに対し、日本原電が猛反発したうえ、同社が提出した報告書(2013年7月)に対する国際レビューにより、明確にこれを否定しています。
このレビューチームは、英国シェフィールド大学のニール・チャップマン教授を始め、国内外の地質学、地震工学、リスクアセスメント、原子力を専門とし、政府機関、原子力産業、原子力規制機関及びIAEAのような国際機関とともに幅広く活動している科学者から成り、2013年3月と5月には敦賀発電所も訪れ評価したものですが、ここでは以下のように結果をまとめています。

【「敦賀発電所における破砕帯に関する日本原電の報告書(2013年7月)に対する国際レビュー」抜粋(日本原電HPより引用)】
なお、当該レビューの詳細は以下ご覧ください。
→敦賀発電所における破砕帯に関する日本原電の報告書(2013年7月)に対する国際レビュー(日本原電HPより)
国内外一級の有識者が出した評価結果をもって日本原電はこれを主張、あれほど「敦賀2号は立地不適格(建ってはいけない場所に建っている)」とのレッテル貼りをした有識者会合の評価は、公式のものではなく、いつの間にか「参考扱い」になり、その結果、敦賀2号は2015年11月に新規制基準への適合性確認審査を申請し今に至ります。
こうしたやり取りから始まった敦賀2号敷地内破砕帯を巡る議論は既に「9年」の歳月を経、このような変遷を辿っている訳ですが、本日開催の原子力規制委員会ではどのような対応方針が示されるのか。
まずは注視するしかありませんが、続くものと疑わない適合性審査においては今後、先にあったよう、国内外の有識者にも調査・評価いただくなどにより、明白な証拠をもって、必ずや「活断層でないこと」が立証されるものと信じるところです。
2024年7月30日
エネルギー ブログ
汗が滴る昨朝の街頭では、この厳しい暑さを踏まえ、熱中症対策の徹底を呼び掛けるとともに、対策にとっても大事な電気に関しては、令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた北陸電力の七尾太田火力1・2号(合わせて120万kw)が、夏季の電力高需要期前に復旧、運転再開いただいていること。
また、地元の敦賀火力発電所1・2号(同120万kw)等の順調な運転があって、北陸管内の安定供給が成り立っている旨ご紹介しました。
なお、北陸地方はまだ梅雨明けしていないものの、既に夏本番の様相を呈しています。
自身の発電所勤務時代、敦賀2号タービン建屋の瞬時に汗が噴き出すような高温の場所で点検や保守作業の立会いにあたったことを懐かしくも感じましたが、いずれにしても、汗して働く現場の方々を思えば何のその。
この程度の暑さには負けていられないと、ネジを巻いた次第です。
さて、冒頭、電力需要のことをお話ししましたが、厳しい状況が続いているのが関東エリア。
昨日、栃木県の佐野では何と午後2時に41.0℃を観測し、全国を通じて今年の最高気温を更新しましたが、こうなると、クーラーの使用などにより増加するのが電力需要。
溜めて置けない電気には「同時同量」の原則、つまりは「需要と供給のバランス」を常に取る必要がある訳ですが、昨日は需要に対し、供給が不足することも予想されたところ。
こうした状況から、広域で電力の需給調整を行う「電力広域的運営推進機関(OCCTO)」では、“需給状況改善のための発電設備焚き増しへのご協力のお願い(依頼)”を発出。
29日の東京電力パワーグリッド(以下、東京電力PG)管内の電力需給は、高気温影響による冷房需要等の需要の増加が予想され、広域予備率が5%を下回る厳しい見通しとなっていることを踏まえ、同機関会員に対し、下記の事項について、電気の需給状況の改善への協力をお願いしています。
<OCCTOからの協力依頼事項>
1.ご協力いただきたい事項
(1)東京電力PG管内において、各会員が所有している又は他者から電力買取契約により電力を調達している発電設備等について、可能な範囲で出力を上げた焚き増し運転をすること。ただし、当該発電設備等が他の小売電気事業者等と電力買取契約を締結している場合は、当該契約に従うことを優先し、その上で可能な範囲で出力を上げた焚き増し運転をすること。
(2)発電設備等の焚き増しによって生じた余剰電力は、卸電力市場(時間前市場)への供出を行うこと。小売電気事業者等との相対契約を持つ場合には、当該契約に従い電力の受け渡しを行うこと。なお、精算については、卸電力市場での取引又は相対契約に基づき行うこと。
2.ご協力いただきたい期間
2024年7月29日(月曜日)11時~21時半
また、同機関の会員以外の電気供給事業者に対しても、本依頼の直接の対象ではありませんが、こうした状況をご理解いただき、上記の依頼内容に準じて、電気の需給状況の改善への協力をお願いしています。
なお、以下は、本日の東京電力パワーグリッドの「でんき予報」ですが、東京エリアの使用率では、需要・使用率ピークともに「98%」(5時20分現在)となっています。

【7月30日5時20分現在の東京電力PG「でんき予報」】
使用率は、電気の使用量(総需要)を電気の使用可能量(総供給力)で割って算出していますので、この数字からも昨日と同様、大変厳しい状況であることが分かります。
足りない供給力にあって、東京電力と中部電力が折半出資する発電会社JERA(ジェラ)は26日、五井火力発電所(千葉県市原市)で建て替えた1号機を8月1日に稼働させると明らかにしました。
猛暑で電力需要が高まる中、当初予定より約1ヶ月早めて稼働する五井火力1号機の出力は78万キロワット。
新たな設備は液化天然ガス(LNG)を燃料とする世界最高水準、高効率の最新鋭発電設備で、二酸化炭素(CO2)の排出削減にも貢献するとのこと。
このような状況に鑑みれば、東京電力PG管内にある、柏崎刈羽6・7号(ともに135.6万キロワット)や東海第二など、100万キロワットを超える原子力発電所が使えればと、忸怩たる思いが立ち上がってきますが、これまでも、そして今もなお、日本はこうした火力発電所に助けられて成り立っていることを忘れてはなりません。
今日も電力の安定供給を果たすとの思い一心で現場でご奮闘いただいている皆様、そしてトラブルなく運転する発電所各設備・機器に心より敬意を表するとともに、綱渡りの電力需給を一日でも早く改善せねばとの思いが一層募る次第です。
2024年7月29日
ブログ 敦賀の歴史・文化
「妹の分まで兄が頑張らないと」
序盤から日本選手の活躍が続くパリ五輪ですが、昨日、印象に残ったのはやはり阿部きょうだい。
柔道男子66キロ級で見事、阿部一二三選手が金メダルを獲得。
妹の無念も晴らすべく、合わせ技一本で勝ち切った一二三選手には「あっぱれ!」の言葉しかありません。
そして、女子52キロ級2回戦で敗れた妹の詩(うた)選手。
なんと、国際大会では5年ぶりの敗戦、しかも一本負けに限れば2016年グランドスラム東京大会で角田夏実選手(前日に48キロ級で金メダル)に屈して以来となる「負け」がこのオリンピックになるとは、人生とは時に非情でもあり。
敗れた後、泣き叫ぶ姿に、詩選手の悔しさが痛いほど伝わってきましたが、この涙の分だけ強くなれると信じ、次のロサンゼルスでは是非とも雪辱を果たされることを期待し、応援する次第です。
さて、こうして阿部きょうだいのことは、オリンピック史に刻まれる歴史になるのだと思いますが、こちらは敦賀の歴史。
先日ご紹介した、今期第2講となる気比史学会主催の「敦賀市民歴史講座」を7月27日(土)に開催しました。
大変暑い日にも関わらず、講師には、昨年11月のNHK「ブラタモリ」(新幹線開業!敦賀)にゲスト出演された南出眞助氏(追手門学院大学名誉教授)とあってか、はたまたこの日「松原客館の謎」が解けるとの期待もあってか、90名を超える聴講者にお集まりいただき開催することができました。

【会場がほぼ満員となった敦賀市民歴史講座(第2講)】
テーマは「歴史地理学からみた古代・中世の敦賀」。
歴史地理学の第一人者である南出先生は、かつて(大学の卒論で書かれた1978年のこと)、古代敦賀に東西2つの入江を想定し、ラグーン(潟湖)内と外浜とに2つの船着場を持つ「敦賀津(港)」を考えられました。
また、近世「京街道」の延長に当たる三島地区に、北陸道「松原駅」を比定したものの、「松原客館」の位置については、松原駅より西方の微高地という以上に特定し得なかった訳ですが、その後『敦賀市史』『福井県史』の史料編が次々と刊行、近世奉行所跡の発掘調査成果も得られ、国土地理院GISマップを用いて、より精度の高い地形復原を試みた結果、旧稿を一部修正する必要が生じたとのこと。
講座では、平安時代中期に律令の施行細則をまとめた法典「延喜式」(えんぎしき:927年成立。50巻にも及ぶ。)の規定から紐解き、当時は北陸道と都を結ぶ旅客と貨物を運ぶルートが異なっていたことや、「凡そ越前国松原駅館。氣比神宮司に検校令むる」との記載から、松原客館は当時「※松原駅館」と呼ばれていて、氣比神宮司が管理していたことを説明。
※その後、駅制が廃止されたことから客館と呼ぶようになったのではとの説あり。
地図や空中写真(1948年米軍撮影空中写真)から過去の地形を推定のうえ、国土地理院vector地形データを用いて作成した「色別標高図」から、氣比神宮の北側(東のラグーン)、来迎寺から結城町に掛けて(西のラグーン)、井ノ口川河口周辺(第三のラグー)と古代の敦賀には3つの入江があったことを特定。
さらには、県などが実施したボーリングデータや笙の川断面図などの、いわゆる土木技術の面から、丁寧に調査を進められたことを知りました。
また、もう一方の歴史史実の観点からは、延喜19(919)年の渤海使来着時における松原客館滞在の様子が書かれた『扶桑略記』では、今でいう丹生(美浜町)に漂着した渤海使が、松原客館に到着した際、「門戸は閉封され、行事官人等人無く、況や敷設の薪炭更に儲備なく」とあり、つまりは「門戸に鍵が掛かっていて入れない、人もいない」状況であったことから、管理していた氣比神宮より、やや遠い位置にあったのではないか。
敦賀湾側から来ると思っていたところ、丹生から馬背峠を越えて陸路で来たことから、気付かなかったのではと想定されるとありました。
このほか、松原客館は、迎接館であり、今で言う入国審査所や検疫所を兼ねる場所であったことから、厳重な警戒態勢を敷く意味で、国内の一般交通・流通から隔離できる距離と空間が必要であり、その点、ラグーンの突起形状、言わばボトルネックになっているのは、西のラグーンであること。

【西のラグーンに半島状に突き出た来迎寺(講座資料抜粋)】
氣比神宮と来迎寺間は最短で結ぶ道があったであろうことなどから、歴史地理学における「空間的合理性」の観点や「松原」という呼称からみて、松原客館は「西のラグーン西方の微高地上」に求めるのが蓋然性が高い、つまりは来迎寺あたりにあったのではないかとの考えが示されました。
松原客館に関しては、7つの候補地があると言われる中、先生からは、あくまでも歴史地理学における考えであり、他の論考や意見を否定するものではありませんとの言葉がありましたが、この他者や地元への配慮、奥ゆかしさこそが、先生の歴史を学ぶ姿勢なのでしょう。
その姿に敬意を表した次第です。
こうして、様々な観点から先生の考えをお伺いし、大いに納得した次第ですが、30年以上前から「松原客館の謎」に迫ってきた気比史学会。
今回のお考えも重要な参考情報とし、会のメンバー自身、あるいは市民の皆さんにも参加いただきながら、今後もこの謎を解き明かしていければと考えるところです。
結びになりますが、長年に亘り、敦賀の地に思いを馳せ、詳細且つ膨大なデータをもってご講義いただきました南出先生、大変暑い中お集まりいただいた聴講者の皆様に心より感謝申し上げます。

【やさしい関西弁で、時折ユーモアを交えお話しいただいた南出先生。本当にありがとうございました。】
次回、第3講は9月7日(土)、射水市新湊博物館学芸係長の松山充宏氏をお招きし、「足利一門桃井(もものい)氏について 一越前・若狭に残された足跡ー」をテーマに開催しますので、奮ってご参加いただけますようお願いいたします。
2024年7月28日
ブログ 原子力
必殺のともえ投げと腕ひしぎ十字固め。
鮮やかに技を決める姿に、思わず「カッコイイ!」と声を挙げたのが、パリ五輪の柔道女子48キロ級に出場した角田夏実選手。
準決勝こそ苦戦したものの、決勝もともえ投げで技ありを奪い、見事金メダルを獲得しました。
この金メダルは、今大会の日本選手団第1号で、通算500個目のメダルというメモリアルを達成。
柔道の日本女子史上最年長金メダルともなったとのことで、記録尽くしの角田選手ですが、実は社会人になるまで、五輪を考えたこともなかったとのこと。
大舞台で頂点に立った31歳が、メダル獲得後に述べた言葉は「諦めないでよかった」。
もちろん、凄まじい努力と鍛錬あってのことでありますが、何事も「諦めなければ」叶うことを証明してくれたことに力が湧いてきた次第です。
鉄道の破壊行為などもあって心配したパリ五輪ですが、この後も日本選手団の大活躍を期待し、応援したいと思います。
さて、私のほうは昨日午前、敦賀市あいあいプラザで開催された「関西電力労働組合 第55回 美浜支部定時大会」にお招きいただき出席。
同じく来賓として出席された北川博規 福井県議会議員に続き、ご挨拶の機会をいただきました。

【あいあいプラザで開催された大会の様子】
冒頭、安定運転を続ける3号機を始め、廃止措置を進める1・2号機と美浜発電所の運営に魂を込めてご尽力いただいている皆様に敬意と感謝をお伝えするとともに、敦賀発電所1号機と美浜発電所1号機は、今から54年前の1970大阪万博の会場に「原子の灯(ひ)」を届けたプラント同士であり、私自身、美浜発電所には大変親近感をもっていることをご紹介。
また、せっかくの機会ということで、一昨日ありました敦賀発電所2号機の審査会合の状況をご説明した後、敦賀市議会として、先の6月定例会において「エネルギー基本計画見直し」に向けた意見書を採択し、既に内閣総理大臣や経済産業大臣らに送付をしていること、さらには副議長として出席(議長代理)した「全国原子力発電所立地市町村議会議長会」の場において、経済産業省資源エネルギー庁に対し、今後の原子力発電の必要容量や時間軸を示すこと、事業者が予見性を高めて設備投資などが行えるよう、一層の事業環境整備を求めたこと等についてお話しした次第です。
結びに、この大会で活発な議論が行われ、美浜支部がますます団結力と連帯感を高められることをご祈念申し上げ、挨拶を終えましたが、何といっても、低廉で安定した電気の供給は、こうして昼夜分かたず、汗して働く現場の皆さんのご努力あってのこと。
とりわけ、関西エリアにおいては、関西電力の原子力プラントが全機稼働を果たしたことにより電気料金上昇も低く抑えられており、「低廉な電気」を実現する上での原子力発電の役割を実感するところ。
改めて、この暑さでの電力需給ピークにおいても安定供給を支える皆様に心から敬意を表します。
私自身、今後も現場の思いを受け止め活動にあたるとともに、わが敦賀2号も必ずや同じ役割を果たせるよう、「諦めることなく」取り組むとの思いを一層強めた次第です。
2024年7月27日
ブログ 原子力
4時間近くに及んだ、昨日の敦賀発電所2号機に関する原子力規制委員会(以下、規制委)の新規制基準に係る審査会合(第1272回)。
K断層の「連続性」を論点に、日本原電からの説明の後、質疑が繰り返されましたが、結果、「不確かさ」「曖昧さ」等を挙げ、規制委として従来の考えを変えることはないとのこと。
また「活動性」に関しても日本原電から再説明がされものの、こちらも同じく「可能性を否定することは困難」との答えは覆らず。
なお、日本原電からは、これまでの調査・データで明らかにできていないこと、審査会合における規制委のコメント等を踏まえ、追加調査並びに再補正申請についても言及、申入れがされ、これらのことも含め、次週7月31日(水)の原子力規制委員会に審査の結果として報告されることとなりました。
これを受け、日本原電は以下のコメントを発表していますのでご覧ください。

【7/26 日本原電プレスリリースより】
敦賀2号審査を巡る、昨日から今日に掛けての報道を見ると、「廃炉を迫られる可能性」「廃炉となる可能性が高い」とのタイトルでセンセーショナルに記載されていますが、一体誰が「廃炉」を決めるんでしょうか。
7月24日に原子力規制員会の山中委員長も会見で述べている通り、あくまでも「廃炉は事業者の判断」。
当の日本原電は、上記のコメントにもあるよう、これまでの審査会合や現地調査での議論を踏まえ、今後も追加調査やデータの拡充をし、「稼働に向けて取り組む」としています。
審査会合の場で規制委のコメントに反証仕切れなかった以上、それが「悪魔の証明」であったとしても、規制委が言う「可能性を否定することは困難」を「可能性を否定」に、「不確かや曖昧」なものを「確かな」ものにし、「活断層ではないこと」を立証するのは他ならぬ日本原電であり、何としてでも今後の追加調査で明らかにしていただきたい。
次の注目は、7月31日の原子力規制委員会となりますが、審査チームからどのような報告がされるのか、日本原電が申入れたことが受け入れられるのかを見守る次第です。
(参考)
敦賀2号の審査不合格、廃炉の可能性ばかりが報じられるなか、産経新聞の論説「主張」はド「正論」でしたので、以下にリンクいたします。
→<主張>敦賀原発2号機 初の不適合は理に合わぬ 規制委は審査の継続に道開け(2024年7月27日 産経新聞)
2024年7月26日
ブログ 原子力 防犯/防災
人間の生活に欠かせないものと言えば「水」と「電気」であることは万人共通かと思いますが、ここ敦賀とも大きく関係することで、まず「電気」に関して注目すべきは、本日開催される原子力規制委員会の新規制基準に係る審査会合(第1272回)。
ここで議題2として挙げられているのが「日本原子力発電(株)敦賀発電所2号炉の敷地内のD-1トレンチ内に認められるK断層の連続性について」。
本件に関しては、7月24日のブログでご紹介した通り、政治家や複数の有識者から「違和感あり」の声が挙がっている一方、あたかも日本原電の負け戦のような報道がされていますが、私自身、今日で結論付けられるとは微塵も思っていません。
活動性に関しては、「可能性を否定できない」のであれば、データを拡充するため、事業者が申し出ている追加調査を確認すべきだと思いますし、「これで最後」と仰る現申請書についても、審査の過程で必要になったものがあるのであれば、再補正することは至って健全なプロセスと考えるところです(あくまでも私見です)。
また、24日に行われた原子力規制委員会の定例会見で、「悪魔の証明」について問われた山中委員長は、「非常に証明が困難で時間がかかったサイトもあるが、丁寧に評価をしていけば、事業者はキッチリとそれを証明することができるという問題なので、あくまでもこれは悪魔の証明ではないという、私はそういう見解です。」と述べています。
その言葉に沿えば、「丁寧に評価をする機会」を排除することのなきよう対応いただきたいと思いますし、何より原子力規制委員会自らが掲げる「活動原則」、
「(1)独立した意思決定」として「何ものにもとらわれず、科学的・技術的な見地から、独立して意思決定を行う。」
「(3)透明で開かれた組織」では、「国内外の多様な意見に耳を傾け、孤立と独善を戒める。」
に基づく姿勢と規制行政をお願いする次第です。
審査会合は以下のリンク(YouTube)よりご覧になれます。
規制側と事業者のコミュニケーションが取れた「違和感」を感じない審査になっているのか否か、より多くの方にご覧いただけますようお願いいたします。
→原子力規制委員会「第1272回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合(2024年07月26日)」はこちらから
続いて「水」に関しては昨日午後、敦賀市水道部主催の「上下水道施設見学会(市議会議員対象)」に出席。
出席は任意であるものの、4名ほどを除き出席ということで関心の高さを感じたところですが、天筒浄化センターに集合した後、①水道、②下水道、③上下水道事業の経営状況の3部構成で事業概要説明。
敦賀市の水道事業、下水道事業は、病院事業と並ぶ、地方公共団体が行う「地方公営企業」であり、独立採算を原則とし、事業ごとに経営していますが、水道に関しては、第8次拡張事業(平成20年3月31日)をもって拡張事業を完了し、現在は施設の老朽化(既に更新時期に入っている)や耐震化を進めるものの、人口減少に伴う収入源や職員の減少、高齢化などの課題が挙げられる状況にあります。
下水道事業については、令和4年度末整備状況で汚水処理普及率95.1%(公共下水道では88.3%)となっており、未普及地域(残り約3,000人)の早期解消を図るべく検討を進めるほか、課題に関しては水道と類似した状況であるとのこと。
なお、下水道では、少ない人材リソースの中で事業を継続するため、様々な関連業務を包括的に委託する「包括的業務委託」について検討を進めており、本年6月には、いわゆる「ウォーターPPP」と呼ばれる国土交通省「下水道分野のPPP/PFI(官民連携)」のモデル都市(令和6年は全国で20都市)に選定されたところ。
経営状況説明では、受益者負担の原則のもと、急速に進む人口減少下で料金収入が減少していることや、国からの財源措置も減るなか中にあっても「将来に亘って安定的に事業を継続する」ため、今年度は「経営検討委員会」を設置し、上下水道事業計画の改定及び経営について検討を行うとしています。
その後は、下水事業として、天筒浄化センターと松島ポンプ場、上水道として昭和浄水場の各施設をご案内いただきました。
どの施設においても、大変丁寧で分かりやすい説明をいただき、設備や業務内容まで把握できた次第です。

【天筒浄化センターの反応槽、最終沈殿池エリア。この下で沈殿、ろ過が繰り返される。】

【下水処理された水はここまでの透過度に。】

【豪雨時など、二夜の川の水位に応じ運転される「松島ポンプ場」。手前に除塵機、その奥にポンプあり。】
お忙しい中ご対応いただいた、山田部長をはじめ、水道部の皆様に感謝申し上げます。
これまでの取組みはもとより、昨日ご対応いただいて改めて感じたのは、職員の皆さんの「敦賀の上下水道を守り抜く!」との気概と誇り。
上水道では、敦賀の自慢の「美味しい水」を、下水道では安全安心の市民の暮らしを守るため、今後とも宜しくお願いいたします。
2024年7月25日
ブログ 敦賀の歴史・文化
事実と異なる発信は、場合によって誹謗中傷や名誉毀損、負のレッテル貼りなどにもつながることからやってはいけないこと。
とりわけ、SNSの中でも拡散性の強い「X」(旧Twitter)へのポスト(投稿)には細心の注意を払う必要があるところ、最近ある方の事実誤認ポストが炎上、投稿主も誤認を認め、X上で撤回したものの批判は収まらず、ポストの的となった団体に直接謝罪するに及んだケースを目の当たりにしました。
この方は一般の方でしたが、こうした光景を見るに、公人である各級の議員は、一層の留意が必要であることを改めて認識するところであり、事実に基づく発信を徹底する所存です。
さて、事実に基づくを「史実」に置き換え、その積み重ねから生まれるのが「歴史」の世界。
「歴史は作ったもの勝ち」などと仰る方も過去にいましたが、それは言語道断。
私が所属する敦賀の市民歴史団体「気比史学会」は、こうしたことを徹底的に排し、「史実に基づく」歴史、地域史を学び、再発見し続け、昭和52(1977)年から連綿と活動を続けていますが、そのポリシーは不変のもの。
そんな気比史学会が主催する「敦賀市民歴史講座」は今年度で40期を迎え、7月6日(土)の第1講を皮切りに、全5講の構成で進めるところ。
本日は、同講座のご紹介となりますが、今年度第2講となる講座を以下の通り開催いたします。
講師には、昨年11月のNHK「ブラタモリ」(敦賀編)にも出演された、追手門学院大学名誉教授の南出眞助氏をお招きし、「歴史地理学からみた古代・中世の敦賀」をテーマにご講義いただきます。
歴史地理学の第一人者であり、大学の卒論にここ「敦賀」を取り上げたというくらい、関心と熱意をもって調査研究し続けてこられた南出先生。
今回は、あったことは間違いないが、証拠が明らかとなっていない、いわゆる「敦賀の三大謎」(松原客館、愛発関、敦賀城)のひとつで、7つの候補地があると言われながら場所が特定されていない「松原客館」について、歴史地理学における、先生のこれまでの豊富な知見を踏まえた上でのご見解を伺えるとのことであり、私自身、今からワクワクしていますが、ぜひ皆さんとともに松原客館の謎に迫っていければと思います。
<開催概要>
◉日 時:令和6年7月27日(土)14:00〜
◉場 所:敦賀市立図書3階 研修室
◉定 員:100名(事前予約なし、当日先着順)
◉受講料:200円(講座協力金として)
なお、これまでも多くのお問い合わせをいただいていますが、当講座は事前予約制ではなく、「当日先着順」となっています。
満員をご心配な方は、過去の経験上、13時30分頃までにお越しいただければ間違いないかと思いますので宜しくお願いいたします。
先生のプロフィールなど、詳しくは下記パンフレットをご覧ください。

【第40期 敦賀市民歴史講座パンフレット(第2講までを掲載)】
なお、松原客館に関しては、本年5月26日に開催した「NHK大河ドラマ『光る君へ』パブリッビューイング」(@粟野公民館)にあたり、当会にて「平安時代と敦賀」をテーマに「ミニ歴史講座」を実施したところ。
古代から現代に掛けての海岸線の位置や、氣比神宮近くには「東の入江」、来迎寺近辺の「西の入江」、花城(はなじり)辺りの「第三の入江」と三つの入江があったことなどから、松原客館があったとされる候補地も7つとなっている訳ですが、こうした時代ごとの地理的変化から史実を解き明かそうというのが、まさに「歴史地理学」であり、今回説明されること。
ミニ歴史講座で使用したパワポのスライドをいくつかご紹介しますが、南出先生から「新説」が出るやも知れぬ「第2講」。
まさに、「松原客館の謎に迫る!」
敦賀の悠久の歴史、ロマンを探究に、27日はぜひ敦賀市立図書館にお越しください。

【古代から現在に至る海岸線と「三つの入江」】

【松原客館があったとされる7つの候補地】

【松原客館のイメージ。NHK大河「光る君へ」に出てきた客館と比べていかがでしょう?】
2024年7月24日
ブログ 原子力
昨日は、粟野交番前での街宣活動からスタート。
開始時点の7時半前で30℃近くまで気温上昇ということもあり、服装もポロシャツに白スニーカーで暑さ対策を講じました(特にスニーカーは快適でした)。
街宣では、主に一昨日発生した東海道新幹線トラブル(保線車両脱線事故に伴う大混乱)を踏まえた国土軸多重化(北陸新幹線小浜-京都ルートなど)の必要性やエネルギー基本計画見直しなど、これら国家的課題はいずれも、敦賀と大きく関わることである旨お伝えしました。
引き続き、少しでも政治や市議会のことが市民の皆様に伝わるよう活動に励んでまいります。

【政治は国民生活と直結。とりわけ、エネルギー・原子力は敦賀にとって切っても切れない課題。】
さて、エネルギーの関係については、地元敦賀にとってはもとより、さらには国にとっても、貴重な116万キロワット(定格出力)の電源を有効に使うか否かという点においても、大注目は日本原電の敦賀発電所2号機(以下、敦賀2号)。
その敦賀2号について、昨日、共同通信が報じたネットニュースに次の記事がありました。
<以下、記事引用>
原子力規制委員会は23日、日本原子力発電が再稼働を目指す敦賀2号(福井県)の審査会合を26日に開くと発表した。規制委の審査チームは原子炉直下に活断層がある可能性を指摘しており、結論を出す方針。活断層があると判断されれば新規制基準に適合できず、初の不合格となる。
原子力発電所の新規制基準では活断層の上に原子炉など安全上重要な施設の設置を禁じており、廃炉になる可能性も出てくる。
審査では
(1)原子炉の北約300メートルにある「K断層」が活断層かどうか(活動性)
(2)(※1)原子炉直下を通る「D―1断層(※2)」がK断層と一体で動くかどうか(連続性)
が焦点。審査チームは5月、(1)について「活動性は否定できない」と結論付けており、26日は(2)を判断する。原電は規制委からの指摘に回答した上で、改めて(1)(2)をともに否定するとみられる。
<引用終わり>
※1:連続性に関しては「K断層がD-1トレンチより先(原子炉建屋)まで連続しているかどうか」の表現が適切かと。
※2:D-1は、あくまでも「破砕帯」であって「活断層」ではない。
いつものことながら、報道機関はさも、審査不合格=廃炉の印象操作をしたいのでしょうが、審査結果を受けて発電所をどうするかは「民間企業」の経営判断で決めることであり、こうしたレッテル貼りをすることは、民間企業潰しの片棒を担ぐことにもなることから、いい加減、今後は止めていただきたい。
この記事にもあるよう、原電は「改めて(1)(2)をともに否定するとみられる。」という部分がポイントであり、公平を期す報道各社に置かれては、原電がなぜ否定するのかという点についても報じていただきたいと考える次第です。
一連の審査を巡っては、ここ最近、報道では産経新聞論説「正論」や複数の有識者が、一言で言えば、「規制委員会のやり方はおかしい」と指摘する意見を述べています。
すべて拝見し、それぞれ言い回しは違えど、指摘のポイントはおおよそ次の通りと認識するところです。
①なぜ、敦賀2号だけ幕引き(期限)ありきで拙速な判断をする必要があるのか。
②以前の有識者会合(法的根拠なく原子力規制委員会が設置した)と同じく、「可能性を否定できない」の論法を駆使し、事業者に「悪魔の証明」を突き付けている。
③事業者からの、追加調査をし、データを提出したいとの申し出を「勝手にすれば」と突き放していること。
④専門家の多様な意見を聞かずに判断しようとしており、独善的である。
⑤規制委員会は独立性を与えられていても国の行政機関であり、その使命は原子力発電所の安全性を高めて活用することにある。発電所を止めて安全性を高めようとするなら「独立」を「独断」「独善」と履き違えての本末転倒である。
⑥この不安定な国際情勢の中で、エネルギーという生命線を確保する上で、(敦賀2号の件は)極めて重大な判断であり、政府・国会でもきちんと議論すべき。
各記事における、筆者それぞれの主張は以下のリンクより、ぜひご覧ください。
◉産経新聞論説「正論」(2024年7月17日)
→<主張>敦賀2号機の審査 「悪魔の証明」は禁じ手だ 規制委はなぜ幕引き急ぐのか(2024年7月17日)
◉国際環境経済研究所に投稿した石井孝明氏(経済記者)の意見
→敦賀2号機 原子力規制委の適切な審査を期待(2024年7月19日)
◉NewsPicks記事に対する竹内純子氏(国際環境経済研究所 理事・主席研究員)のコメント
→敦賀発電所敷地の活動性否定できず 規制委結論 廃炉可能性も(2024年5月31日)
→敦賀2号 規制庁 26日に審査 再稼働初めて認めない可能性(2024年7月23日)
さらに、昨日行われた国民民主党の定例記者会見において玉木雄一郎代表からは、「大切な決断がこの週末に迫っている」との危機意識のもと、次の発言あり。
<以下、YouTubeをもとに自身で文字起こし、一部文語調に修正したもの>
大切な決断がこの週末に控えている。それは敦賀2号に関する審査に関して、ひとつの判断が下されようとしていること。
12年ぐらい審査してきて、原電側は追加の調査を求めている中で、今月末だと言って期限を区切って結果を出そうとしているが、私は正直、この規制委員会のやり方には違和感を感じている。12年、時間を掛けて時間を掛けてやっておきながら、原電側が追加の断層の調査をしたい、あるいは7月末ではなく、9月末まで延ばしてくれ、追加の資料を出したいと言っているのを打ち切って、敢えて7月末に結論を出そうとすることは、私は非常に不自然だし、違和感を感じる。
あまり憶測でモノを言いたくはないが、間も無く任期を迎える規制委員会の委員の一人が、ある種自分のレガシー(遺産)にするという観点から、12年掛けてきた審査を今月で切って結果を出そうとする。一方で、事業者側はまだ追加の情報を出したいと言っている時に、これもダメだ、再稼働を認めないという結論になる場合、これは敦賀2号のみならず、他の原子力発電所にも大きな影響を与えることになる。よく規制側と事業者側がコミュニケーションをとってやっていくことが必要であり、こういったことを冷静に科学的に客観的にやっていくべきではないかと思いますので、少し違和感を感じること、懸念は申し上げておきたい。
(終わり)

→【YouTube】国民民主党・玉木代表会見(2024年7月23日)
※敦賀2号に関する発言は、20分40秒あたりから
原子力規制委員会が独立性の高い第三者委員会であるが故、政治の場から意見することをタブー視する感は否めませんが、であったとしても、米国のように原子力規制行政をチェックする役割は政治(政府や国会)にあると考えるところ。
国民民主党の認識は玉木代表が述べた通りですが、岸田首相や関係閣僚、自民党を始め、与党の皆さんはいかがお考えなのか。
いずれにしても、敦賀2号の審査如何は地元敦賀のみならず、国際情勢や今の日本のエネルギー事情からすれば、日本再生に向けて鍵を握るもの。
大注目の審査は明後日26日(金)。
本日ご紹介したことも念頭に置いていただいた上で、この審査会合をご覧いただけますようお願いいたします。
2024年7月23日
ブログ 政治 敦賀市議会
二十四節気の「大暑」を迎えた昨日。
暑さのピークを迎えるのが「大暑」である一方、暦の上では夏の終わりだそう。
ここまで、節気とマッチした季節の移り変わりを感じてきたところですが、これから夏本番と言わんばかりの気温を見るに、云われとのギャップを思うところです。
いずれにしても、「暑い暑い」と言っていても涼しくなる訳ではありませんので、蝉時雨に入道雲、青い空に青い海と、今年の夏を楽しんでいきたいと思います。
さて、そんな昨日は、大阪市にある国土交通省近畿地方整備局へ。
こちらに来るのは、7月10日の「国道8号敦賀・南越前バイパス建設促進期成同盟会」等の要望活動に続いてということになりますが、今回は、大津市、高島市、敦賀市の市長・議長で構成する「国道161号改良整備促進期成同盟会」の要望活動のため伺った次第。
同期成同盟会に関しては、7月2日に大津市役所で開催された令和6年度総会にて国への要望事項を確認しており、その要望事項を所管する近畿地方整備局長らにお伝えした訳ですが、私に関しては、総会に続き、今回も議長代行として任を務めたところです。
国道161号の位置付けや要望の内容については、総会の報告として書き留めたブログをご覧いただきたいと思いますが、同道路の整備事業は、北陸圏と近畿圏を連携することにより、地域経済の活性化、産業の振興、文化の交流など都市機能の向上に寄与するとともに、大規模災害時の緊急避難道路や緊急輸送道路として、大きな役割を果たす重要な路線であり、平成31年4月1日には重要物流道路にも指定され、市民の生命・財産を守り、安全で安心できる社会づくりに必要な道路と位置付けられるところ。
→着手から50年が経過する「国道161号」の整備(7月3日「やまたけ」ブログ)
要望では、同盟会会長である佐藤健司 大津市長より趣旨や要望概要をお伝えした後、福井正明 高島市長、米澤光治 敦賀市長、幸光正嗣 大津市議会議長、廣本昌久 高島市議会議長、そして敦賀市議会からは私と順に、発言の機会をいただいた次第。

【要望活動の様子。左側が国交省近畿地方整備局の方々。】
また、私からは、京阪神地域と敦賀を結ぶ国道161号の整備は、とりわけ敦賀港の利用を踏まえた物流効率化、災害時の代替避難道路の機能等、人命と物流を預かる大変重要な事業であり、ぜひとも早急に進めていただきたい旨求めました。

【敦賀市議会を代表し、私からも発言。】
近畿地方整備局の長谷川朋弘局長からは、いわゆる3ケタ国道で国直轄管理というのは重要路線の幹線道路であることを意味するとの前置きがあった後、同道路の整備促進の重要性は十分認識しており、これまでも脈々と事業を実施してきたが、余力と体力をつけながら展開していきたい。
国の国土強靭化計画が5カ年の最終年となり、策定される新たな計画に事業を盛り込めるかどうかは、9月以降が勝負になると考えているとの見解がありました。
こうして要望活動を終え、整備局を後にしましたが、古より「交通の要衝」として栄えた敦賀として、道路でつながる滋賀県湖西の2市と連携のもと、整備促進を求め続けることの重要性、認識を一層強めた次第です。

【要望書と参考資料の一部(敦賀港とも関わる物資・人の輸送効率化)】
なお、以前の総会の際、ご親戚の関係で敦賀と縁があると伺っていた大津市議会の幸光議長。
昨日お話しすると、小学生の頃は、夏休みになると1週間ほど敦賀に滞在し、松原の海で泳いだとの思い出を語ってくれました。
そう考えれば、滋賀県の湖北・湖西(となると湖南・湖東もですが)にお住まいの方々にとって、国道161号を進めば「そこに敦賀の海がある」。
それぞれの思い出が詰まったこの道路がより便利で安全に走ることができるようにとの、新たな気持ちにもなった次第です。
(おまけ)
冒頭、季節と暦のギャップと書きましたが、朝散歩に出るとどこか秋の空(うろこ雲)。
暦は嘘をつきませんねということでご紹介しておきます。

2024年7月22日
ブログ 地域コミュニティ
連日の暑さのなか繰り広げられた、任期満了に伴う小浜市長選。
なんと20年ぶりの選挙戦ということも加わり注目されていましたが、21日投開票され、無所属新人で前市議の杉本和範氏(44)が8,291票を獲得し、初当選。
5選を目指した現職の松崎晃治氏(66)を990票差で下し、小浜市においては16年ぶりの新市長誕生、杉本氏は県内9市で最年少の首長となりました。
なお、今回の投票率は68.02%で、前回を9.44ポイント下回ったとのこと。
多くの団体、現職優先の連合も支援した松崎氏が敗れるという結果となったものの、まずは激戦を戦われた両候補に敬意を表するとともに、市議としては私と当選同期、以前から交流のある杉本氏の今後のリーダーッシップ、手腕に期待する次第です。
さて、朝から晴天、30℃を超える天気となった昨日は、ひばりケ丘町「ふる里まつり」の本祭。
前日の宵宮を泣く泣く欠席したことはブログで述べた通りですが、この日は副区長として早朝より出席。
ジリジリと照り付ける太陽のなか、8時30分からは、区の役員、育成会会長らが参列のもと、ひばりケ丘神社にて神事を執り行いました。
御神輿巡行の安全を祈願した後は、大人神輿、子ども神輿それぞれ一騎づつが出発。

【安全祈願を終え、出発を待つ御神輿】
コロナが明け、4年ぶりに開催した昨年に続き、多くの子ども達が参加してくれたことだけで大変嬉しく感じた次第です。
私は、御神輿に合わせ御神酒を振る舞う係、指揮を執る笛吹係。
大人、子ども神輿それぞれ盛り立てて回りましたが、とりわけ、小さな子ども達の元気な「ワッショイ!」、それを見守る親御さんの笑顔を微笑ましく拝見した次第です。
なお、この暑さ。
途中の休憩はもとより、親御さんらが準備したウォーターミスト(霧吹き)で熱中症対策も講じながらの巡行。
町内の大通りをぐるり一周し、響き渡る笛と「ワッショイ!」に、町内の皆でお祭りの雰囲気を楽しめたものと感じました。
御神輿の方は、何とか無事に約1時間半の巡行を終え、奉納。
こうして無事にすべての工程を終えましたが、宵宮、御神輿はもとより、準備から片付けまで、本当に多くの住民の皆さんと作り上げた「ふる里まつり」。
その後の「打上げ」を含め、開催できたことを心から喜ぶとともに、改めて、お祭りは「地域コミュニティ」の原点と感じた次第です。
少子高齢社会が叫ばれる中にあって、ますます大事になってくるのは、町内、ご近所同士のつながりと助け合う気持ち。
最も身近で小さな自治単位である町内活動の活力や活気を持続し、一層あたたかみのあるものにしていければと思い、今後も町内の皆さんと協力、知恵を出し合っていければと思います。

【前日の宵宮で描いていただいたチョークアート作品。つがいの「ひばり」のように、ますます羽ばたきますように。】
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