地域の「知のインフラ」をイノベーションする

ブログ まちづくり


 
写真は、敦賀駅前にある知育・啓発施設「ちえなみき」(2025年2月15日撮影)。
 
開業以来、市内外から多くの来館者でにぎわう、「本屋でも図書館でもない」この空間と存在を、私自身も利用している中で、今ではすっかり自慢の場所に思うところ。
 
昨日午後はまさに、この「ちえなみき」の取り組みから、『地域の「知のインフラ」をイノベーションする』とのテーマにて、第2回敦賀まちづくりシンポジウムが開催され、参加してまいりました。
 

【会場のあいあいプラザ入口に掲げられた看板】
 
なお、参加対象は、まちづくりに関心のある企業・自治体関係者の方、教育関係の方、市民の方など。
 
敦賀市、大日本印刷株式会社(以下、DNP)、丸善雄松堂株式会社が主催、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が共催しての開催とあって、会場のあいあいプラザ1階ホール後方には各社のブースが設置され、DNPの「メタバース役所」やミサワホームの「MOVE CORE」(ムーブコア:移動する住空間)などのお話を聞き、シンポジウム開始前から新たな技術導入による「可能性」を感じた次第です。
 
シンポジウムは、3名の方からの基調講演とパネルディスカッションで構成され、それぞれ書き留めることができたポイントは以下のとおり。
※ワードのみの記載となっている点はご容赦ください。
 
<基調講演A 米澤光治 敦賀市長>
 
テーマ:敦賀の目指すまちづくりについて 〜知のインフラを中心に〜
 
1.「ちえなみき」が生まれるまで
・元々は、駅西地区を目的地とは想定していなかった
・学びや発見を促すことで、「将来の敦賀を担う人材を育てる」ことを目指す
・「敦賀で暮らすことが楽しい」と思える場の必要性
・本を通じて「人」と「地域」と「世界」がつながる
2.「ちえなみき」が生まれてわかったこと
・市民利用としての役割を果たす
・ワークショップ、イベントなどで市民が融合し、つながる
・市外の人との交流がひろがる
・「ちえなみきに泊まろう」の企画は、2年目で応募率8倍(160名)の人気
3.「チエナミキ・※インフラストラクチャー」とこれからのまちづくり
※インフラストラクチャー(infrastructure)とは、社会や産業の基盤となる施設や設備の総称で、略して「インフラ」とも呼ぶ
・敦賀市の課題と「ちえなみき的なもの」
・人口減少(少子化・高齢化)への対応
:新幹線時代の交流拠点都市
・市民の「ウェルビーイング重視」
 
<基調講演B 丸善雄松堂(株)地域共育事業本部長 兼 (株)編集工学研究所取締役 鈴木 康友氏>
 
テーマ:地域の知のインフラとは何か
 
・①知が活発に流通し、蓄積される地域は活性化する、②新しい知へのアクセシビリティ、③知と人の流れ
・選書と空間とコミュニティの掛け算
・地域の知のインフラの危機
 →人口が減少している、書店が減少している、図書館・文化施設は停滞している
 →知が停滞すると人も地域も停滞する
 →書店や図書館の減少は知との出会いを制限し、学びの機会を奪う
・「ちえなみき」から始まるイノベーション
・サードプレイスとしての活用
・「ちえなみきメソッド」で地域の知をイノベーションしていこう
 
<基調講演C 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 戦略コンサルティング 兼 イノベーション&インキュベーション部 プリンシパル 山本 雄一郎氏>
 
テーマ:知のインフラとしての「ちえなみき」の価値の捉え方
 
・ウェルビーイング起点で価値を測定する
・敦賀市総合計画における「雇用の創出」の観点
・新たな産業と求められる知のインフラ
 →産業が求める人材の育成
 →人材を核とした新たな産業の呼び込み
 →新たな産業×新たな産業が求める人→知のインフラによる雇用創出
 
<パネルディスカッション>
 
テーマ:“知のインフラ”により新たなコラボレーションを生み出す敦賀市のまちづくり
 
テーマ1:「チエナミキ・インフラストラクチャー」の重要な要素は何か
(市長)今あるものを「ちえなみきメソッド」でアップデートすることもできるのでは。
(丸善)本の独自選書や企てにより「知的好奇心」を生む。学習環境をデザインする。情報と空間、活動と共同体の4つから成り立つ。「ちえなみき」には全てが揃っている。「ちえなみきメソッド」としてはうまく回っているが、どれか一つでもかけると回らなくなることに留意が必要。歴史や伝統芸能は重要な掛け算の要素。
 
テーマ2:新たな「サードプレイス」創出に向けた知のインフラのリアル/バーチャルな拡大。増幅の具体案は?
(DNP)デジタル空間で享受できる、敦賀市は交通の結節点として域外の方がつながる可能性あり。「ちえなみき」にあるリアルとつなげていければ、メタバース空間で予期せぬ可能性を生み出すことも考えられる。リアル側が活性化すれば、それを見たいという人も増える。世代間を超えて、デジタル空間に集まってコミュニケーションを図ることで、「ちえなみき」をサードプレイスにもできるかと。
(ミサワホーム)敦賀市の絶景のところに、ムーブコアを使って「ちえなみき」を搭載することも可能。
(市長)デジタル空間はアートなどとも親和性が高い。一方、リアルのムーブコアは社会実験などで試してみることも考えられる。
 
テーマ3:本日講演内容の実現に向けたアクションの方向性・検討材料は?
(丸善)将来に向けての公共インフラにどう位置付けていくか。図書館象を示していくことはこれからできる。
(市長)「ちえなみき」のような“突然変異”がこれからひろがる。中身が空の「箱モノ」ではなく、「コンテンツ付き箱モノ」には価値がある。
 
こうして約2時間のシンポジウムを拝聴し、「ちえなみき」をベースにしたまちづくりへの期待、可能性を大いに感じるとともに、知のインフラによる雇用創出やメタバース・ムーブコアとの連動などの新たな視点、知識を得ることができ、大変有意義な時間となりました。
 
実際、私自身も気比史学会の「ミニ歴史講座」にて、ちえなみき2階のセミナー&スタディをお借りする際、特に休日は予約で埋まっており、大変盛況な市民利用を実感。
 
まさに市民の「普段使い」によって、コンセプトである「知の拠点」となっていることを、議員、利用者双方の立場から嬉しく思うところです。
 
結びに、シンポジウムの中で何度も出てきた「ちえなみき的な」発想や考え方は、まちづくりの様々な面で応用できることも併せ、「知のインフラ」の成長とともに、敦賀の発展ありと感じるとともに、そうしていかねばと感じた次第です。
 
(おまけでお誘い)
 
気比史学会では、3月23日(日)10時30分より、ちえなみき2階セミナー&スタディにて『ミニ歴史講座』を開催します。
楽しく敦賀の地域史を学んでいきたいと思いますので、お時間ある方はぜひお気軽にお越しください。
 

 
 →「ちえなみき」HPのイベント開催情報(3月分)はこちらから。気になるジャンルがあればぜひ!

新幹線開業は「卒業のない入学式」 〜北陸新幹線敦賀開業から今日で1年〜

ブログ まちづくり 北陸新幹線

まさに「漫画の主人公のような」の形容詞がつくスーパースター「大谷翔平」選手。
 
昨日行われたドジャースvs巨人の米大リーグプレシーズンゲームの3回には、快音を残した打球がライトスタンド中段へと吸い込まれ、満員の東京ドームには大歓声が降り注ぎました。
 
これにドジャースのロバーツ監督は、「いつも期待に応えるし、期待を超えてくる。素晴らしい打席だった」とコメント。
 
あれだけの成績を納めながら、幼少期からの夢「世界一の野球選手」になることを追い求め、進化し続ける大谷選手には賞賛の思いしかありませんが、いよいよシーズン開幕。
 
今年はさらに、どんな「度肝を抜く」プレーを見せてくれるのか、世界中の大谷ファンとともに応援したいと思います。
 
さて、ここ最近は周年ごとが続いておりますが、本日3月16日は「北陸新幹線敦賀開業1周年」。
 

【JR敦賀駅構内に飾られた、開業1周年を祝うモニュメント】
 
敦賀市内では「つるが街波祭」が開催されるなど、この週末は県内各地でも1周年を祝うイベントが行われているところですが、昨年の今ごろは、東京初の一番列車「かがやき501号」が出発していたことを感慨深く思う次第です。
 

【開業時の東京初一番列車の出発表示。東京の知人がわざわざ撮影し送ってくれたことに感動してから1年。】
 
開業1周年を前に、昨日の福井新聞には関連記事が掲載されるところ、「なるほど」と納得する内容がふたつありましたのでご紹介いたします。
 
ひとつは、データ分析による開業前後の変化。
 
2024年度の都道府県別観光来訪者数のオープンデータによると、福井は前年同期比113%(2月末現在)となり、増加率が全国で最も高かったことが福井新聞の分析で分かったとあり、新幹線による一定の誘客効果が示された形。
 
都道府県別や市町村別の観光来訪者数を毎月公表している日本観光振興協会の「デジタル観光統計オープンデータ」を使い、23年度と24年度の4~2月の11カ月分の来訪者数を比較。
 
県内4駅周辺(半径500メートル)に滞在した県外者を分析すると、人数は福井、敦賀、芦原温泉、越前たけふの順に多く、芦原温泉駅は大阪を出発した人が減り、福井駅周辺の滞在者は終着駅の敦賀駅の約2倍という特徴が分かった。
 
また、4駅周辺からの移動先を地図上で可視化、駅や主要観光地からの行き先が分かるデジタルマップが福井新聞ホームページで公開しているということで、リンク先から敦賀駅からの移動先マップを見てみると以下のとおり。
 

【デジタルマップで出発地点を「敦賀駅」とした結果】
 
 →「駅や主要観光地からの行き先が分かるデジタルマップ」はこちら
 
県外者の移動の可視化には、スマートフォンの位置情報や人工知能を活用した人流分析を手がける東京の企業「GEOTRA(ジオトラ)」のサービスを利用し、独自のプライバシー保護技術を活用した高粒度人流データ「GEOTRAアクティビティデータ」を用いたとあり、こうした技術やデータを生かして、次の施策を考えることが重要と感じた次第です。
 
ふたつ目は、以前よりご示唆をいただいている櫛引素夫 青森大学教授(新幹線学)による寄稿。
 
タイトルは『安心感と自信が地域に』とあり、北陸三県の真ん中にあった「壁」が取り払われた解放感、敦賀まで延びた新幹線は再び北陸を一つに結ぶと同時に、交通地図の上で福井県の位置が解像度を増したとの書き出しから、「1年という節目は、新幹線の本来の効果や影響を論じるには早すぎる。特需が一段落する2年目以降こそ真価が問われる。」。
 
人口減少と高齢化が労働力を目減りさせる環境下、新幹線延伸と「持続可能な地域づくり」をどうかみ合わせていくか。最大のポイントは暮らしやすさ、近隣県にない「福井らしさ」だろうか。
 
人の動きや経済活動をめぐるデータを収集・分析し、その上で「つながりとは何なのか、その変化が地域にどんな不利益をもたらすのか」をきちんと検証する必要がある。
 
(小浜・京都ルートを念頭に)整備新幹線構想は隣り合った府県単位の利害関係を想定しておらず、感情の正面衝突に出口はない。状況の克服に向け、「政治」の本質的な存在意義が問われる。
 
そして結びには、「新幹線開業は「卒業のない入学式」だ。1周年を一つの通過点に地域や社会、政治の仕組みをどうバージョンアップしていくか。昭和が生んだ“夢の超特急”の先を目指す、ビジョンと覚悟が問われる。」とありました。
 
寄稿のサブタイトルは『「福井らしさ」で人口減克服を』。
 
『「敦賀らしさ」で人口減克服を』に置き換えた次第。
 
また、以前に櫛引先生から教わって以降、肝に銘じていることは「新幹線は目的ではなく手段」、「真の新幹線効果は、地域住民の利便性を向上させ、自分ごとと感じてもらうこと」であるということ。
 
真価が問われるのはこれから。
 
ポテンシャル十分の「敦賀」の発展に向け、気持ち新たに頑張ります。

加賀市学校教育ビジョン『BE THE PLAYER』

ブログ まちづくり

「年収103万円の壁」引き上げに続き、今度は「ガソリン税の暫定税率廃止」。
 
ガソリン税中、半世紀に亘り“暫定的に”課税されている25.1円の税率を「廃止」することについて、昨日、国民民主党は、これを来年度(2025年度)から行うとする法案を、立憲民主党と共同で国会に提出しました。
 
再来年度(2026年度)以降の廃止はすでに自公国の三党幹事長間で事実上合意しているので、焦点は来年度から(2025年度から)の減税ができるかどうかでしたが、日本維新の会の理解が得られず、2党での提出となったところ。
 
一方、日本維新の会の吉村代表は、「ガソリン減税に賛成だが、仮に野党で衆議院で通っても参議院で否決されて法案は通らない。ガソリン減税は実現しない。手取りも増えない。「実現」が目的なら、粘り強く交渉し、合意形成を目指し、暫定税率廃止を目指した方がいい。」と自公維、暫定税率廃止を巡り協議することを確認したとのこと。
 
以前にも「やるなら今でしょ」と書きましたが、そもそも“暫定”であり、今や道路特定財源ではなく、一般財源にも充てていることも踏まえれば、燃油価格ならびに物価高騰下において実効的に「手取りを増やす」方策として速やかに実施していただきたいと考えるところです。
 
なお、財源について、国民民主党としては、約1兆円使い残している激変緩和措置の補助金を回せば、来年度から(本年4月1日から)の減税は可能としていることも併せてお伝えしておきます。
 
さて、そうしたなか、昨日は以前に、国民民主党の小竹凱(おだけかい)衆議院議員(石川1区)よりお声掛けいただきました石川県加賀市の学校教育視察に行ってまいりました。
 
昨年秋の衆院選で26歳の若さで当選(比例復活)し、石川県政史上最年少衆議院議員となった小竹議員とは、議員を目指し始めた頃に敦賀までお越しいただき、一緒に街頭演説した仲ということもあって今回お声掛けいただいたもの。
 
こうしたご縁をありがたく思うところですが、同じく小竹議員がお声掛けされた西岡義高議員(衆院:神奈川18区)、日野紗里亜議員(衆院:愛知7区)、今夏の富山県参議院選挙区候補予定者の庭田幸恵さん、国民民主党長野県連幹事長で4月の佐久市議会議委員選挙に挑戦する四登(しのぼり)なつきさんとともに、視察を進めた次第です。
 
工程を組んでいただいた視察先は、加賀市の「山中小学校」と「かがにこにこパーク」、間に宮元加賀市長ならびに島谷教育長と意見交換を行うというもの。
 
先進的に教育分野の改革を進める加賀市ですが、教育長(2年前に文部科学省より派遣)によれば、元々コロナによって温泉観光が大打撃を受けたことをきっかけに、市長が他の産業を育成することを打ち出し。
 
そのためには、人材育成と子育て支援が重要との考えのもと、2年前に一本釣りで文科省より(自分が)派遣され、公立の学校教育を変えていくと『加賀市学校教育ビジョン』を策定。
 
スローガンは『BE THE PLAYER』。
 
待っているのではなく、自分で考え、動くとの意味を込めたこのスローガンを掲げ、教育ビジョンは市内全戸に配布するなど、市民を巻き込んだ取組みを進めているとのことでした。
 

【教育長室に貼られていた『BE THE PLAYER』のポスター】
 
今では全教職員に浸透しているという教育ビジョンは、①学びを変える、②誰一人取り残さない、③未来は自分で創る、④地域と一緒に の4項目で構成され、それぞれの考え方や取組みは以下をご覧いただきたく。
 

【『BE THE PLAYER』の概要パンフレット(全戸に配布したもの)】
 
また、教育委員会の“こだわり”として、「モデル校」は設けず、全小中学校・全教職員で、「マニュアル化はせず」手法の目的化を回避する、研修観を転換し、子どもの学びと相似形を目指すことをもって取り組んでいるとあり、とりわけ、通常ありがちな「モデル校」を設けず一気に改革を進めた際のハレーションはなかったのかと質問した次第。
 
教育長曰く、教職員の皆さんは元来、子ども達に向き合い、質の高い教育をしたいという思いを持っているため、その点を伸ばすという観点からも一斉に展開することにためらいはなかった。
 
加えて、“自分で自分の首を絞める”マニュアルは作らず、研修などで底上げしていくとの考えに、教職員への信頼を含め、感銘を受けたところです。
 
実際、山中小学校で全学年の授業を拝見しましたが、まさに「BE THE PLAYERP」さながらに、どのクラスも子ども達が伸び伸びと、自由進度学習や協働学習で個々のペースを尊重した授業を実施しており、不登校児童支援や多様な学びの場を整備やプログラミングを軸とした「加賀STEAMプログラム」で創造性や問題解決能力を育成、さらには子どもたちの成長を地域全体で支える体制を構築することに取組んでいることなどを校長先生よりお伺いした次第です。
 
学校教育現場視察の後は、「かがにこにこパーク」へ。
 
市営体育館を改装した日本海側最大級の大型ネット遊具のある屋内児童遊戯施設(市内は無料、市外は400円)を拝見し、現在約9万5千人、65%が市外から訪れる人気のスポットになっているとあり、子育て環境整備に先見の目をもって取り組まれたものと感じた次第です。
 

【「かがにこにこパーク」視察の様子】
 
こうして、すべての視察を終え、小竹議員ならびに小竹事務所の方にお礼を申し述べ、とりわけ選挙に臨むお二人に必勝のエールを送りお別れした訳ですが、貴重な機会、そして貴重な人脈ができたことに心より感謝する次第。
 
結びに、人材定着について私から質問したことにお答えになった教育長の考え、「子ども達から見てイキイキとした大人がいるまち。自分の子どもがまた、加賀で教育を受けさせたいと思えるような環境にすることで人は戻ってくる。」との言葉を胸に、学んだことを敦賀でも生かせるよう思考する所存です。
 

【数々の教えをいただきました島谷教育長(前列中央)を囲み記念撮影】

『金ヶ崎周辺魅力づくり事業 公園整備基本計画(案)』の市民説明会が開催される

ブログ まちづくり

2月2日のブログでお声掛けしました『金ヶ崎周辺魅力づくり事業 公園整備基本計画(案)』の市民説明会。
 
趣旨や概要については、以下再掲のとおりですが、昨日は19時から、プラザ萬象小ホールにて開催されました。
 
 →2月5日は「金ヶ崎周辺魅力づくり事業」の市民説明会(2025年2月2日ブログ)
 
今シーズン最強の寒波襲来、吹雪の中での開催となり、参加者を心配していましたが何のその。
 
人数まではカウントしていないものの、準備した席がほぼ埋まるほどの参加があり、関心の高さを感じたところ。
 
説明会では冒頭、市のまちづくり推進課よりご挨拶と趣旨説明があったうえで、パワーポイント画面に沿って15分程度、
 
 1.金ヶ崎地区について
 2.金ヶ崎周辺魅力向上デザイン計画について
 3.金ヶ崎周辺エリアの整備について
 
説明があり、その後、意見交換に。
 

【説明会で配布された資料】
 
なお、説明の中で、以前に伺った赤レンガ倉庫の横に設置の「キハ」の鉄道公園移設に加え、本町第3公園の蒸気機関車「C58」も移設するとあり、これまで移動は不可と言われていただけに、この説明に驚いた次第です。
 
意見交換の場ではまず、「この説明会はどういう位置付けなのか。意見は反映されるのかも分からない。」との問いに対し、市からは「基本計画案の段階でご意見をいただいて、今後基本設計・詳細設計に進む中で反映していきたいと考えている。今の段階でそれはダメだという考えはない」と広くご意見を伺う機会であることの回答がありました。
 
その後、いわゆる「鉄道公園」の基本計画(案)に対し、参加者からは次々に手が挙がり、多くのご意見、アイデアがありましたので、以下抜粋にてご紹介します。
 
※それぞれのご意見に対し、担当の皆さんは丁寧に対応されていたものの、前述のとおり、現段階では「承る」あるいは「今後検討したい」との受け答えががほとんどでしたので、回答については割愛いたします。
 
<主なご意見>
 
◉自分たちの金ヶ崎エリアはどうなってしまうとの声を聞く。観光振興の観点と地元市民にとってのバランスをもって検討いただいていると思うが、その辺りの説明をお願いしたい。
◉市民が理解しながら進むようお願いしたい。
◉金ヶ崎の歴史。悲史という言葉は使わず、今は「恋の宮」。できればそういう部分を生かして欲しい。金ヶ崎公園と金崎宮をうまく結び付けていくことはできると考えている。
◉金ヶ崎周辺整備に関しては、これまでも計画があったが何度もポシャったことを経験している。本当にちゃんとやってくれるのかという心配がある。
◉金崎宮の駐車場をロータリー式(大型バス)にして欲しい。
◉鉄道公園の引き込み線(廃線敷)は生かして開発していくのか。
◉イベントでのミニSLは、子どもや親子連れで賑わっている。鉄道公園にもぜひミニ鉄道を。(鉄道公園内の)桜公園やメモリアル公園を一周するような、300メートル程度のミニSLコースを設置いただきたい。大分県の豊後森機関庫公園のレイアウトも参考に。
◉ミニSLに関しては、費用対効果はないと思うが、他の県では成功している団体もたくさんある。クロスランド小矢部は料金を取って運行している。子ども達の興味が湧くような鉄道公園を作っていただきたい。
◉メモリアル公園が書き込まれているが、出来上がったら終わりというふうにはして欲しくないので、どんどん刷新していけるようにして、ここに来れば金ヶ崎の歴史が分かるという施設にしていただきたい。
◉金ヶ崎〜天筒山〜中池見湿地を走ったりしているが、県内外から、特に「海なし県」から多くの方が訪れている。残念なのは、景色を見ながら休憩するスペースがないこと。
◉観光客を優先するのではなく、敦賀市民のことを一番に考えて、整備を進めて欲しい。敦賀市民が行きやすく、ちょっとした休憩ができてリピーターとなるような場所にして欲しい。
◉幅広い年齢層が行けるような場所にして欲しい。
◉地元の皆さんが、「金ヶ崎は良いところだ」と言える場所にして欲しい。
◉回遊性、周遊性を考えるのであれば、ノースパーキングから鴎ヶ崎(かもめがさき)ショートカットでつなぎ1周できるようにすれば、金崎宮との一体感につながる。
◉鉄道遺産を活用できる場所にしたいとある。軌道は埋め込み型でも良いので残して欲しい。
◉金崎宮に行く人が増えると思うが、バリアフリーの考えは。観光バスで来たものの、あの階段では行きたくても行けないという人もいるのではないか。
◉屋内施設的なものは計画しているのか。ファミリー層のことを考えると、子どもが屋内施設で遊べると良い。
◉金ヶ崎の町内は高齢化している。人口を増やして、こういう計画を進めていただきたい。
◉C58とキハを移設するとあったが、移設展示する際は屋根をつけるなどして大切にして欲しい。理想は長浜のように。キハを見た鉄道ファンからは「かわいそうだ」との声が挙がっている。
◉海辺なのに、金ヶ崎の桜は「磯の匂い」がしない。見えない魅力なので、そのあたりも生かしていただきたい。
◉このあたりは非常に風が強いので、一度調べていただきたい。移設する機関車をどこに置くのかの参考にもなる。金ヶ崎特有の風、塩気と匂いを生かせばいい公園になるのでは。
 
ざっとメモした主なご意見は以上。
 
以前より、ぜひミニSLを設置すべきと考える私ですが、こうして様々な角度からのご意見・アイデアは勉強になった次第です。
 
この日は、市議会議員の皆さんも多く参加されていましたが、今後の議員説明会や一般質問などでも建設的に意見していければと考えます。
 
こうして説明会が終了したのが20時26分。
 
その後、熱心な参加者と会場外で話していましたら、家に着いたのが21時過ぎ。
 
寒さも時間も忘れて?話せることの裏返しは「期待」であり、名実ともに、歴史と鉄道遺産を生かした「世界と未来に開く鉄道と港のまち」の形成に資する「鉄道公園」にせねばと、思いを強めた次第です。
 

【気温が氷点下となるなか帰宅。今朝は凍結注意です。】

2月5日は「金ヶ崎周辺魅力づくり事業」の市民説明会

ブログ まちづくり


 
写真は、昨日朝の野坂山。
 
最高気温は9.8℃と、10℃に満たないものの、お日様が出ているだけで体感的に暖かく感じるもの。
 
明日には「立春」を迎え、このまま春へと行きたいところですが、4日以降は寒波襲来により記録的な大雪となるおそれがあるとのこと。
 
鬼と違って、豆を撒いても逃げてくれないのが天気であり、過去にも経験している「節分時期の大雪」に警戒ですね。
 
さて、昨日のブログでも、敦賀のまちづくりに資するアクションプログラムのことを書きましたが、本日もその関連のご紹介。
 
敦賀市においては、北陸新幹線敦賀開業が迫る令和5年11月、敦賀駅が北陸新幹線の当面の終着駅であり、嶺南地域の広域観光の玄関口となることから、開業効果を最大限に発揮できるよう、来訪者にとって魅力あるまちづくりが必要であるとし、敦賀商工会議所、敦賀市、福井県が連携し、金ヶ崎及び氣比神宮エリアを中心に、今後の魅力づくりのプランをとりまとめた「金ケ崎魅力向上デザイン計画」を公表しました。
 
 →「金ヶ崎周辺魅力向上デザイン計画」はこちらからご覧ください
 
その後、課題であった金崎宮下のJR貨物所有の用地取得などを進めるのと並行し、金ヶ崎緑地周辺エリアの整備については、「金ヶ崎周辺魅力向上デザイン計画」におけるイメージスケッチをもとに、この度、敦賀市において整備を予定している(鉄道)公園・駐車場整備の基本計画(案)を策定したとのこと。
 
これを踏まえ、より多くの市民の皆様に説明し、意見交換することを目的に、同基本計画(案)に関する市民説明会を以下のとおり開催する運びとしています。
 

【議員宛に通知のあった資料抜粋】
 
簡単に申し上げますと、人道の港敦賀ムゼウムの背面からJR貨物用地エリア、赤レンガ倉庫エリアにかけての一体的な整備案に対するご意見を伺う場ということになります。
 
市民の皆様にとっても、敦賀を訪れる方々にとっても、今後の目玉ともなる鉄道公園整備。
 
今日の段階で、敦賀市ホームページを見ても案内がされておらず、広く市民に周知されているのか、また開催日の2月5日(水)は雪の状況がどうなっているか心配ではありますが、多くの皆様に参加いただければ幸いです。

『敦賀まちづくりアクションプログラム』が策定される

ブログ まちづくり

整備新幹線の社会的・経済的諸課題を研究する『新幹線学』研究の第一人者ともいえる青森大学の櫛引素夫先生。
 
これまで幾度もお話しをお伺いし、このブログはもとより、議会の一般質問でも引用したこともあるワードが「開業効果から新幹線効果へ」。
 
新幹線開業を単なる賑わい、お祭りごとで終わらせるのではなく、地域住民の利便性や地域の活性化につなげることによって、そこに住む人が「実感」し、まちを誇りに思えるように。
 
そのことが「真の新幹線効果」であると。
 
「新幹線は目的ではなく手段」であり、主体は「観光客」ではなく、「地域住民」であることも常々頭に置き考えるところ。
 
そうしたなか、昨日で1月も終わり、これで北陸新幹線敦賀開業から10ヶ月が経過するタイミングで、「新幹線効果」に向け、鍵を握るひとつである『敦賀まちづくりアクションプログラム』が策定されました。
 
これは、令和6年1月に設立された敦賀商工会議所・敦賀市・福井県の三者による「敦賀まちづくり協議会(以下、協議会)」において、経済界と行政が一体となり、新幹線効果の最大化と持続化を趣旨に、協議を重ね、取りまとめたもの。
 
昨日は、このアクションプログラム(案)の確認を行う協議会が開催されるということで傍聴してきた次第です。
 

【市役所講堂で開催された協議会。写真はアクションプログラムの表紙。】
 
このプログラムの目的は、①敦賀の鉄道や港、歴史・文化、食などポテンシャルが高いコンテンツを充実、連携させ、国内外から人を惹きつける場所をつくる、②まちなかに持続的な賑わいを生み出すとともに、その効果を市内全域あるいは嶺南地域全体に波及させること。
 
将来像は「世界と未来に開かれた 選ばれるまち敦賀 〜つるがファンの獲得へ〜」。
 
基本方針を「“オールつるが”で港まち敦賀の魅力を高め、多様な交流による賑わい創生と地域経済活性化」
 
に置き、施策の方向性は以下の4本柱。
 
Ⅰ. 歴史と文化を伝えるまちをつくる <歴史・文化振興>
Ⅱ. 多様な賑わいが生まれるまちをつくる <商業振興>
Ⅲ. 駅とまちの往来で人があふれるまちをつくる <駅周辺・交通対策>
Ⅳ. 国内外から訪れたくなるまちをつくる <交流拡大>
 
すべては書き切れないため割愛いたしますが、それぞれに将来イメージを掲げたうえで、具体的なプロジェクトを挙げる形でプログラムは構成されていました。
 
なお、「おわりに」では、“多くの市民、県民、団体、新たなプレーヤーがまちづくりに関わることで、さらに敦賀のまちの愛着と誇りを育み、まちの賑わいが創生される好循環を生むことができる”と。
 
様々思い、説明を聞いておりましたが、例えば、歴史や文化を一番最初に置いたことは評価するものの、その対象は氣比神宮周辺や神楽通りと限定的であり、豊富で悠久な敦賀の歴史・文化全体を生かす内容になっていないことなど気になった次第。
 
また、目的には「効果を市内全域に」とあるものの、主要プロジェクトマップを見るに、施策を講ずるエリアは中心市街地のみであり、以外の地域の皆さんにどう「実感」してもらうのか。
 
これらに関しては、また別に議会にも説明があるようでしたので、その場で確認していきたいと思います。
 
また、協議会の場では、事務局からの説明に対し、奥井会頭(敦賀商会議所)、米澤市長、中村副知事それぞれの視点から意見があり、興味深く拝聴したところ。
 
とりわけ、米澤市長の言葉から印象に残ったのは、冒頭の「開業効果から新幹線効果」の視点と「終着駅の間にどう頑張るか」。
 
後者は、敦賀以西の小浜・京都ルートに28年を要すると言われているものの、2000年から既に25年、半世紀を経過したことを思えば、そう長い期間ではなく、時間軸をもって取組みを進めていくとの意と受け止めましたが、この点に関してはまったく同感と頷いたところです。
 
なお、以前にも述べましたが、敦賀の盛衰の歴史を振り返れば、明治15(1882)年に日本海側で初めて鉄道が開通してから、「港と鉄道」で独占状態となった敦賀は繁栄、その後、北陸本線の延伸で衰退。
 
さらに明治45(1912)年の欧亜国際列車運行や国際港となった時には栄え、交通形態の変化や大陸から太平洋側へのシフトにより衰退と、まさに「独占的地位」にあるかないかが、盛衰の起点となっていることが分かります。
 
米澤市長におかれては、まさにこの視点を有しているからこその先の発言と認識した次第ですが、この先に訪れる起点は「北陸新幹線の敦賀以西」や「リニア開業」。
 
「賢者は歴史から学び愚者は経験から学ぶ」
 
盛衰の「衰」の文字が現れることのなきよう、自身も時間軸を意識して取組んでまいる所存です。

もんじゅ敷地内に設置する「新試験研究炉」の建設予定地、設置許可申請見込み時期の公表が延期

ブログ まちづくり 原子力

昨日午後は、今年最後の会議となる嶺南広域行政組合議会定例会に出席した後、敦賀市議会の議員説明会へ。
 
文部科学省(以下、文科省)より、「新試験研究炉の建設予定地、設置許可申請見込み時期公表に係る対応について」説明を受けました。
 

【議員説明会開始前。自席にて。】
 
廃止措置作業が進む高速増殖炉「もんじゅ」の敷地内に新設する試験研究炉は、長らく原子力施設の新設がない中で計画されていること、廃止を迎える京都大学の試験研究炉KURに変わる役割を果たすこと、敦賀を「西の原子力研究拠点」に位置付けるものであり、私としては大いに期待しているもの。
 
「試験研究炉 山本たけし」でインターネット検索していただくと、私の過去ブログが4〜5件ほどヒットするので、経過はぜひそちらからご覧いただきたく存じますが、直近では、2023年の11月30日に「三菱重工業が『試験研究炉』の主契約者に選定」のタイトルにて、「試験研究炉」に関し、設計、製作および据付を実施する主契約企業に三菱重工業が選定され、実施主体である日本原子力研究開発機構(以下、JAEA)との間で基本契約を締結し、今後はJAEAの下で新試験研究炉の整備に係る事業を一括して取りまとめ、建設を推進していくことを掲載していたところ。
 
その試験研究炉に関しては、「もんじゅ」敷地内の具体的な建設地選定ならびに原子炉の設置許可を原子力規制委員会に申請する見込みの時期を今年中に公表するとしており、先の敦賀市議会12月定例会の原子力発電所特別委員会においてもそのように説明されていたところ。
 
こうした中、国土地理院が今年10月に「もんじゅ」の敷地内に活断層の可能性がある「※推定活断層」が存在することを示す活断層図を公開したことを受け、11月に開催された原子力規制委員会の定例会合では、もんじゅの廃止措置作業については安全上問題ないとした上で、山中伸介委員長は記者会見で「新しい研究炉を設置するのであれば、事業者がきっちりと断層の活動性を否定することを申請書の中で示してもらうことが第一」と指摘していたところ。
 
※推定活断層とは?
地形的な特徴により活断層の存在が推定されるが、現時点では明確に特定できないもの。
 
この日の文部科学省、JAEAからの説明では、主に以下の内容が示されました。
 
◉推定活断層の取扱いも含め、原子力規制庁と意見交換を行い、もんじゅ敷地内に設置するのであれば、地盤調査等をしっかり進め、客観的なデータ等のエビデンスを用意し審査基準への適合性を示す必要があるとの見解が原子力規制庁から示された。
◉技術的な観点から必要な対応について検討したが、安全性の確保を最優先に考え、しっかりとした検討・調査等が必要と判断した。このため、建設予定地及び設置許可申請見込み時期の公表を延期させていただきたい
◉推定活断層については、位置が不明確であるなど不確定要素が多く、必要な調査項目や調査期間が見通せない状況であるため、今後のスケジュールについて現段階で具体的なことを申し上げることは困難であるが、原子力機構内での検討状況について適宜地元に説明するとともに、建設予定地及び設置許可申請見込み時期決定の公表時期については、調査の進展を踏まえて改めてお示しする。
 
その後の質疑では、複数の議員から、特別委員会の時と見解が180度変わったことを遺憾とする厳しい意見があったところ。
 
私は、11月の原子力規制委員会定例会合での議論経過も把握した上で質疑しましたが、そもそも商業用原子炉か試験研究炉か否か、出力の大小によらず、原子力施設の設置基準で定める「地盤」に係る要求事項は同じ。
 
(参考)
試験研究の用に供する原子炉等の位置、構造及び設備の基準に関する規則
 
(試験研究用等原子炉施設の地盤)
第三条 試験研究用等原子炉施設(水冷却型研究炉、ガス冷却型原子炉及びナトリウム冷却型高速炉に係るものを除く。以下この章において同じ。)は、次条第二項の規定により算定する地震力(試験研究用等原子炉施設のうち、地震の発生によって生ずるおそれがあるその安全機能の喪失に起因する放射線による公衆への影響の程度が特に大きいもの(以下「耐震重要施設」という。)にあっては、同条第三項の地震力を含む。)が作用した場合においても当該試験研究用等原子炉施設を十分に支持することができる地盤に設けなければならない。
2 耐震重要施設は、変形した場合においてもその安全機能が損なわれるおそれがない地盤に設けなければならない。
3 耐震重要施設は、変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければならない。
 
とりわけ、3項にある基準が、さらに噛み砕いた「規制基準の考え方」において「(後期更新世以降の)活動性の可能性を否定できない」ものは適合しないとするしており、敦賀発電所2号機もこれに当たるとされているもの。
 
ついては、「推定活断層」が公開された以上、最新知見を取り込んで評価することは、現行規制の考えからいって致し方ないことであり、文科省やJAEAを責めるのは筋違いかと思うところ。
 
地点選定と設置許可申請見込み時期の公表が延期されることは、誠に残念であるものの、今後は、調査に関する必要な体制や予算を確保のうえ、早期の調査完了と一日も早い両項について公表いただきたく存じます。
 
前述のとおり、JAEA、京都大学、福井大学の3者連携のもと、コンソーシアム形式にて検討を進める本計画の先には、「西の原子力研究拠点」と位置付けられる敦賀の将来があります。
 
将来的には、多くの産業利用をはじめ、若い学生や国内外の研究者が集い、学び、磨いた技術や成果をもって、ここ敦賀から世界で活躍する。
 
そのような環境が構築されることへの期待に変わりありませんので、引き続き、今後の取組みを確認していく所存です。

期待高まる「こどもの国リニューアルに関するワークショップ」

ブログ まちづくり

上皇様が本日、91歳の誕生日を迎えられました。
 
宮内庁によれば、10月に上皇后様が骨折で入院された際にはたびたび見舞いに訪れた上皇様。
 
最近では、つえを使わずに歩けるようになるまで回復された上皇后様と、お二方での散策も再開されているとのことであり、この先もご健康で私たちを見守っていただけますよう願う次第です。
 
さて、昨日は終日、みぞれ混じりの雨が降ったり止んだりの敦賀でしたが、午後には「こどもの国リニューアルに関するワークショップ」の様子を拝見してまいりました。
 
県からの支出金1億円も活用し、現在展示設計などを進める「こどもの国リニューアル計画」。
 
スケジュールでは、令和7年度(2025年)の10月下旬から3月末まで工事を行い、翌8年度春の開館予定となっています。
 
なお、計画の概要は、以前に紹介しました以下ブログをご覧いだきたく存じます。
 
→「こどもの国(屋内プレイエリア)リニューアル計画」について説明を受ける(2024年3月23日ブログ)
 
12月21日(土)、22日(日)の2日間開催されたこのワークショップ。
 
入口に掲示されていたチラシに「『教賀市こどもの国』をもっと使いやすくするため、施設を使っているみなさんから意見を聞いて、より良い場所にするためのアイデアを集めます。みなさんの意見をもとに、これかつ改計を進めていくので、ぜひ参加してくださいね!」とあったとおり、お子さんや保護者のより多くの声を吸い上げ、計画に反映することを主旨とするもの。
 

【玄関に掲示されていたチラシ】
 
お伺いしたのは14時半頃でしたが、駐車場にも多くの車が停まっており、館内も親子、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんとお孫さんなどで賑わっていたところ。
 
受付にて、資料とアンケートをいただいた後、早速館内をご案内いただきましたが、リニューアルの内容を具体的にイメージしてもらうため、※AR(Augmented Reality)やデジタルサイネージを活用した展示がされ、目玉でもある、吹き抜けを活かした「エントランス空間」や遊んで体感できる立体遊具と水槽展示をする「つるがネイチャールーム(仮称)」(現アトムASOBOランド)、プラネタリウム入口などのリニューアル前後を比較視できたことは大変有効と感じました。
 
※ARとは?
現実世界にデジタル情報を重ね合わせて表示する技術で、日本語では「拡張現実」と呼ばれる。スマートフォンやタブレット、ARグラスなどを通じて利用でき、ゲームや教育、観光、広告など様々な分野で活用されている。
 

【水槽が設置される「つるがネイチャールーム(仮称)のAR】

【プラネタリウム室入口。壁が宇宙空間になればワクワク感が増しますね。】
 
特に、エントランスに設置予定のシンボルツリーを壁面に投影し、そこに撮影した来場者を重ね合わせていくアイデアは面白く、将来の姿が目に浮かぶようでした。
 

【壁面に投影されたシンボルツリー。映っている人は動いているので見ているだけでも面白かったです。】
 
こどもの国を出ると、しぐれ模様から青空が覗く天気に変わっていましたが、私にとっては、紙の上の二次元ではなく、空間と重ね合わせた三次元でイメージできたことは、今後議論する上での糧となったものであり、大変有意義な機会となった次第です。
 
なお、自分のこども達もお世話になったことを思えば、「こどもの国」は市内外の多くの皆さんの思い出が詰まった「玉手箱」。
 
リニューアル後ふたを開けて、こども達がワクワク、笑顔になる。
 
そしてまた次の、新たな思い出を詰めていく。
 
そんな「こどもの国リニューアル」となることを期待して止みません。
 

【今も昔も、このゲートをくぐれば、皆んなのワクワクと笑顔あり。】

「主観的な幸せの実感(ウェルビーイング)」を考える

ブログ まちづくり 人生観

昨日は、福井県嶺南振興局共創文化創出事業の一環「REINANゆるピッチコンテスト」で採択された、養生デザイン(敦賀市)の「※ウェルビーイングや幸せの実感を高める事業」の取組みにお声掛けいただき参加。
 
※ウェルビーイング(Well-being)とは?
well(よい)とbeing(状態)からなる言葉。世界保健機関(WHO)では、ウェルビーイングのことを個人や社会のよい状態。健康と同じように日常生活の一要素であり、社会的、経済的、環境的な状況によって決定されると紹介しています。
 
こちらは、8月に東京渋谷のQWSで行われたワークショップ「北陸新幹線の終着駅から考える、地方ビジネスの可能性とは?in SHIBUYA QWS」にて、養生デザインが提案したプランをブラッシュアップする観点から、8月のワークショップに参加された方に実際敦賀にお越しいただき、地元の様々な職種の皆さんとともに、「ウェルビーイングツーリズムを入口にしたウェルビーイングな働き方と経営へ導く提案になるのか」をテーマにフィードバックするというもの。
 

【養生デザインからのプレゼンの後、皆で意見交換しました】
 
事業の軸を「身体のサインをひろう」、「健康をデザインする」に置く養生デザインが考えるウェルビーイングツアーとは、いま在る暮らしや日常を大切にし、健康について知ることによって自分の身体に気付く+他のコンテンツを結びつけ、付加価値とすることで、より高い意味合い、関係者とのより広いつながりを目指すものであり、他の参加者と意見交換する中で私自身、大変勉強になった次第です。
 
私は、約3時間のフィードバックセッションのみの参加でしたが、その後ご一行様は若狭町に移動しお食事、本日は嶺南地域をフィールドワークされるとのこと。
 
「雪が降るかも」という天気回りではあるものの、まさに「北陸の冬の日常」を実感いただくことで客観的な気付きやヒントをいただくとともに、何より安全に行程を進めていただくことを願う次第です。
 
さて、「ウェルビーイング」や「幸せ」に関していえば、「全47都道府県幸福度ランキング2024年版」(一般財団法人日本総合研究所編)において、福井県が総合1位と10月に発表。
 
幸福度ランキングとは、一般財団法人日本総合研究所が、一人あたり県民所得などの基本指標と分野別指標(健康、文化、仕事、生活、教育)など全85指標により都道府県の幸福度を算出するもので、福井県はなんと、2014年版、2016年版、2018年版、2020年版、2020年版に続き、6回連続の「幸福度日本一」。
 
繊維・眼鏡などのものづくり産業を中心に安定した雇用環境があり、失業率が低く、働く女性や高齢者の割合が高いことや子どもたちは家族や地域に見守られながら安心して勉強や運動に打ち込める環境があり、学力・体力の高さにつながっていること。
 
こうした環境で育った優秀な人材がまた福井県を支えるという好循環が、「幸福度日本一ふくい」の基盤になっていると評価されています。
 

【「全47都道府県幸福度ランキング2024年版」における福井県の評価】
 
一方、全47都道府県幸福度ランキングの調査結果は、各種客観指標による客観的幸福度を統計データから数値化したものであり、県民一人ひとりの主観的な幸福感、すなわち主観的ウェルビーイングを県民に尋ね反映したものではないことに留意が必要であることも背景に、福井県では、こうした客観的な幸せ指標に加え、主観的な幸せの実感(ウェルビーイング)を高める取組みにも力を入れており、幸福度日本一の福井県と一緒に、幸せ実感・ウェルビーイングの向上に向けた「幸せ実感プロジェクト」に取り組んでいただける企業、大学、公的機関を募集するところ。
 
なお、世界の幸福度に関する潮流を捉えると、人々の幸福・幸せへのアプローチのメインストリームは、主観的ウェルビーイングの測定にあり、昨今、様々な国際機関・国・地域にてその実践が見られています。
 
また,「全47都道府県幸福度ランキング2020年度版」では、幸福度ランキングの進化として「自らの行動による幸福実感」をメッセージに掲げ、客観的指標だけでは捉えることのできない、主観的なウェルビーイングの重要性にも言及していることなども踏まえ、福井県では「県民ウェルビーイングに関する調査」を行なっています。
 
調査は、福井県在住の満18歳以上の住民基本台帳から福井県内市町の人口割にて無作為抽出した3,000人を対象、2022年10月28日から11月18日までの期間で実施。
 
福井県立大学が、本調査結果を考察した研究論文『ウェルビーイングの視点からの福井県の地域づくりの課題と可能性』のまとめには、以下のようにありました。
 
「主観的ウェルビーイング度と居場所と舞台の実感に関しては、正の相関関係が見られた。県民が心身の健康と社会のつながりを実感しよりよく生きるために、居場所と舞台という二つの場の重要性を確認することができた。今回明らかになった「仕事」分野と「文化」分野の課題に対しても、居場所と舞台という場づくりは「仕事」分野では、働く環境・職場において、ほっとできる居場所や自分らしく活躍できる舞台。また「文化」分野においては、文化芸術活動を通じてともに居合わせる居場所や自己表現ができる舞台と効果が期待される具体的なアプローチである。居場所と舞台という2つの場の概念は、ウェルビーイング社会に向けた媒介目標としての展開可能性を有していると考える
 
 →ウェルビーイングの視点からの福井県の地域づくりの課題と可能性(研究論文:福井県立大学)
 
個のみならず地域社会全体で取り組む今後のキーワードは「ウェルビーイング」ではないかと。
 
養生デザインの取組みの進化、深化を祈念しつつ、昨日は自分自身も意識転換を図る、契機の日となった次第です。

ゆうあい倶楽部の視察研修にて「地域創生」と「地震への備え」を学ぶ

ブログ まちづくり 防犯/防災

議会が休会の昨日は、自身が顧問を務める「ゆうあい倶楽部」の視察研修に参加。
 
「ゆうあい倶楽部」とは、旧同盟系労働組合で構成する「嶺南地区友愛会」の発展的解散を受けて設立され、東洋紡労組や日本原電や北陸電力をはじめ電力関係労組、敦賀フィルム労組などで構成する団体。
 
私は「嶺南地区友愛会」時代に事務局長を3年間務めていたこともあって思い入れが強く、後輩の皆さんが、こうして理念を継承しながら、活動を続けていただいていることを大変嬉しく思うところです。
 
年に一度の視察研修は、各労組より参加者を募り、昨日は18名が参加。
 
7時30分に敦賀を発ち、舞鶴若狭自動車道を経て、明石海峡大橋を渡り淡路島へ。
 
淡路市で展開されている、人材派遣会社で有名なパソナグループの「地域創生」の取組み、阪神・淡路大震災発生時にできた野島断層を保存する「北淡震災記念公園」にて、それぞれ学んでまいりました。
 
視察先それぞれであったポイントを以下に記載いたします。
 
<パソナグループが挑戦する地方創生>
 
◉1976年創業、社員25,046人のパソナグループの企業理念は「社会の問題点を解決すること」と「人を活かす」こと。
◉パソナグループにおいては、淡路島をはじめ東北・京丹後など、全国で自治体や地元企業を連携しながら、「人材誘致」による独自の地方創生事業を展開。
◉文化・芸術・食・健康・教育など、国内外からたくさんの人が集まる「夢のある新産業」を創出し、地域の活性化と雇用創造に挑戦している。
◉様々な事業がある中で、人材誘致型の地方創生ソリューション事業には約2000人が所属している。
◉淡路島での活動のきっかけは、創業者の思いと日本の農業活性化、独立就農支援に向けて「パソナチャレンジファームin淡路」をスタートしたことにあり、最初は農業の雇用創出や農家インターンプロジェクト、農業ビジネススクールなどから始めた。
◉耕作放棄地約2.3ヘクタールの農地リースなどもあり、3年雇用7名からのスタートであったが、その後事業拡大。
◉淡路市が廃校になった野島小学校の利活用を公募(無償譲渡)した際、20年契約で手を挙げ、「食・農・学・芸」をキーワードとし施設として2012年にオープン。地域活性化の情報発信基地として、また地域の交流の場として、様々なイベントを開催している。
◉観光GDP割合は15%と高く、1300万人/年訪れている。
◉自治体との補助や官民連携という関係ではなく(一部、県や市の補助金制度に応募することはあるが)、ほぼ自前の投資で事業を行っている。
◉パソナグループの本社も淡路島に移転。本社の人員1300人に地元や周辺地域からの雇用者約700名を加え、島内勤務者は約2000名となっている。
◉廃業したホテルやスーパー、イオンの一角をパソナの事務所あるいはワーケーション施設に改装。子育てや芦屋インターナショナル(学びの場)を併設し、社員の福利厚生も充実させている。
◉地元商工会議所にも加盟するとともに、展開する各事業における食材の提供や修理工事などの発注はすべて地元。地産地消の経営をしているため、Win-Winの関係にある。
◉新たな雇用先が生まれ続けており、UターンやIターン者も増加。アバターワークサービスも手掛けており、障がい者の雇用にも愛tながっている。
 
<北淡震災記念公園>
 
◉平成7年(1995)の阪神・淡路大震災は、活断層である「野島断層」が動いたことにより発生したが、その際、北淡町(現淡路市)内に10kmに亘って現れた断層による地表面のズレが国指定天然記念物「野島断層」とされ、そのままの形で屋内保存している。
◉記念公園のある小倉地区では、道路や畑の畦、生垣のズレなどの断層による様々な地形の変化を保存し、地震のエネルギーの大きさと自然の脅威を伝えている。
◉メモリアルハウスでは、地震断層が横切る民家をそのまま保存。敷地内を走る断層や震災当時の様子を公開。また、「地震直後の台所」も展示されている。
 
こちらに関しては、言葉より以下の写真をご覧いただきたく。
 

【入館してすぐに飛び込んでくる国道43号の倒壊再現模型】

【ガイドさんによる、パネルを使った震災と活断層の関係説明】


【地表面のズレがそのまま保存される屋内展示】

【隆起した断層の断面】

【施設の脇にある民家もそのまま保存。塀のズレから敷地内を断層が走った様子が分かります。】

【地震直後の台所(再現)】
 
言葉は不要ということになりますが、自然災害の凄まじさと脅威、地震に備える大切さを考えました。
 
二つの視察先にて大いに学び、帰路の車内では私の活動報告の時間をいただき、敦賀市政の近況や課題、国民民主党の政策などをご説明。
 
昨日は口頭ベースでしたので、また改めて加盟労組さんにお伺いしたい旨お伝えしました。
 

【拙い報告で失礼しました】
 
改めて、ゆうあい倶楽部の皆さんは、友愛の理念を引き継ぐ仲間であり同志。
 
参加された皆様におかれましては、早朝より大変お疲れ様でした。

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