北陸新幹線敦賀駅工区の現場を視察

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天気予報はズバリ当たり、昨日の敦賀は夜になって雪。
 
夜半には道路もうっすらと白くなりました。
 
ここ2年、雪のない生活でしたので、今日は特に車の運転などに注意いただきたく存じます。
 
昨日は午前中に福井新聞の速報メールが届き、コロナ情報かと思えば「原子力規制委員会が日本原子力発電本社に立ち入り調査開始」とのタイトル。
 
敦賀発電所2号機の審査資料を書き換えた問題を巡り、事業者に立ち入り調査をするのは規制委員会発足後初めてということで注目されていることは理解しますが、速報にまですることかといささか狙いを勘繰ってしまったところ。
 
日本原電のほうは「丁寧且つ誠実に対応する」との発言に基づき、本日も続く検査に対応するとしておりますので、その結果を冷静に見守っていただきたいと思うところです。
 
さて、今定例会でも5人の議員が一般質問で取り上げました北陸新幹線敦賀開業の工期延期問題ですが、昨日は敦賀市議会にて北陸新幹線整備状況に関する行政視察を行いました。
 
本件に関しては、市の都市整備部より、国の検証委員会による工期短縮、費用縮減についての検討状況などを適宜情報提供いただいており、机上のイメージは出来ているものの、議員の立場で現場視察するのは、ほぼ1年ぶりでありました。
 
視察の方は現場メインということで、坂ノ下から道口へと続く「車両基地」、そして工期遅れの大きな要因ともなっている「敦賀駅工区」へと進みました。
 
まず、12両(長さ300m)7編成の北陸新幹線を納める「車両基地」については、盛土が7割完了。
 
2日に1回検査を行う「仕業検査庫」や「総合事務所」など、これから20棟もの建設工事を行うとのことでしたが、こちらは計画通り工事を進めているとのこと。
 


 
続いて「敦賀駅工区」においては、国内最大級の1000tクレーンを据え、河川(木の芽川)を跨ぎ桁を掛ける工事、駅幅40mに特殊な大型桁を掛ける工事等が技術を要する難工事となっているとのことで、その状況を間近で確認するとことが出来ました。
 


 
敦賀駅舎に関しては、決して弁明のために用いた訳ではありませんが、工事の規模感に関して言えば、富山駅と比較すると敦賀駅の高さ37mは1.5倍。
 
阪神・淡路大震災、東日本大震災を踏まえ、設計上の強度を増した構造に関しては、鉄筋量が富山駅の3.3倍、コンクリート量は2.6倍、45m地下まで打ち込んでいる柱の太さは2.0m(富山駅は1.2m)とのこと。
 
また福井駅と比べると、1面2線の福井駅に対し、敦賀駅は2面4線。
 
高さは、福井駅19m、敦賀駅は37m。
 
1階コンコース、2階新幹線ホームの福井駅に対し、1階在来線、2階乗換コンコース、3階新幹線ホームの敦賀駅は構造的にも複雑であるとの説明がありました。
 
検証委員会においては、現在工期については1年半から1年に短縮、費用に関しては2880億円増から222億の縮減との中間報告がされていますが、この敦賀駅舎工事では、クレーンなど重機や作業人員の増、土木工事と建設工事の工程効率化、工法の見直しなどを行うとのこと。
 




 
なお、この日説明対応をされた鉄道建設・運輸施設整備支援機構の大阪支社長さんからは工期遅れ、地元への報告遅れに対して謝罪の言葉がありました。
 
こうして正味1時間ほどの視察でありましたが、現場を間近に見て、悪天候の中でも作業されている様子や真摯に説明対応される関係者の皆さんの姿を拝見するに、この難を極める工事をとにかく安全第一で進めていただくことを願う次第。
 
聞くところによれば、現在駅舎工事で働く作業員は、土木・建築を含め300人とのこと。
 
国土交通省自らが、建設現場の働き方改革を謳っておりますので、その点にも十分配慮された管理を併せてお願いしたいと思います。
 
何はともあれ、本視察により、机上と現場のイメージが合致しましたので、今後本件に関する動きに対しては、より冷静に現場実態や思いとの乖離なきよう留意し、自身の立場においても対応していきたいと考えます。