沙羅ちゃんの笑顔と日本人の心

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春の訪れを感じる季節のはずが、昨日は真冬に逆戻りしたかのような一日。
 
それでも朝は少し運動をと、スマホの情報を頼りに「今だ」とばかりに外に出ると、見事に予報は裏切られ、アラレと吹雪に見舞われた次第。
 
高精度な気象予報技術をも裏切るこの北陸の天気は凄いと妙に感心しつつ、今シーズン最後かもしれないアラレに吹雪を肌感覚で感じれたことは逆に貴重なことと思うことが出来ました。
 
嘆いても仕方のないことを悔やむのではなく、逆にそのことをも楽しみに変える。
 
そうポジティブに考えられるようになったのも「名月や北国日和定めなき」の句の意味を知ってからであり、改めて350年の時を超え芭蕉さんに感謝する次第です。
 
さて、そう思いを馳せながら家に帰ると、晴れ渡る青空のもとでの東京マラソンが流れていたことに思わず笑ってしまった訳ですが、男子女子ともに日本人選手が好記録を出す中、最後まで日本勢のトップ争いを演じていた新谷仁美選手のゴール後の言葉に驚きました。
 
タイムは日本歴代6位となる2時間21分17秒で自己記録を大きく塗り替え、2024年パリ五輪の代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を獲得、今夏の世界選手権代表入りの可能性も残した結果に普通は、「次に向けて頑張ります」かと思いきや、何と「二度と走りたくない。単純にきつい。2時間走ることが人生に必要ないと、はっきり決まった」との言葉。
 
新谷選手は、1万メートルの日本記録保持者なだけに、今後の生きる道をトラックかマラソンかで迷っていたのかも知れませんが、走ってみて再びトラック種目を主戦場とする意向を示したことに、どこか私も晴れやかな気持ちになったところです。
 
そしてもう一つ晴れやかと言えばスキージャンプの高梨沙羅選手。
 
ロシアの軍事行動に傾注してしまい、ブログで書きそびれていましたが、3月2日に行われたワールドカップ(W杯)ジャンプ女子の個人第14戦で見事、高梨選手が優勝。
 
今季2勝目でW杯通算62勝目を挙げました。
 
試合後には、「久しぶりに飛べて、純粋に楽しいという気持ちで試合に臨めた。自分の力ではなく、周りの人の力で勝ち取れた。五輪の後ということもあり、今までの中で一番うれしい優勝になった」と高梨選手自身も話しており、過度に自分を責める言葉と悲痛な姿を見せた北京冬季五輪からの復活を心から安堵し、喜んだ次第です。
 

【北京五輪以降、初の実戦で優勝した高梨沙羅選手。やはり沙羅ちゃんには笑顔が似合います。(ロイター通信写真を引用)】
 
スーツ規定違反の際に、欧州(国名は忘れましたが)の海外メディアが日本を称賛したのは、日本人が高梨選手を「非難」するのではなく「励ました」こと。
 
失敗に対し、人格や選手の存在まで否定した国もありましたが、そもそも日本人が備えている「他者を思いやる心」をそう評価していただけたことを誇りに感じたところ。
 
こうして、皆が待っていた高梨選手の笑顔は、失敗を力に変えた証であり、逆に元気をもらえるもの。
 
政治における失敗に甘えは不要とも思いつつ、自分自身も失敗に挫けず頑張らねばとネジを巻く次第です。
 
とにもかくにも、沙羅ちゃんが元気に復活した姿と笑顔が見れて本当に良かった!