成長に必要なことは「辛抱」と「高き目標」

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人を育てるには辛抱がいるとは良く言いますが、プロ野球の世界でもようやく期待に応えた選手が。
 
投手を含めた連続無安打のセ・リーグのワースト記録を更新中であった、阪神の佐藤輝明選手が5日のDeNA23回戦の1回にライト前タイムリーを放ち、記録を59打席でストップ。
 
途中、2軍での調整期間も経てとはなりますが、安打を放ったのは何と8月21日の中日13回戦以来とのこと。
 
ビッグルーキーとして開幕スタメンで登場して以降、序盤は大活躍、ルーキーらしからぬ堂々とした風体は、阪神ファンでなくとも打席を見てみたいと思わせる選手でしたが、ここ最近はさすがに自信なさげなスイングであったところ。
 
それだけに昨日のタイムリー後、一塁ベース上で見せた安堵の笑顔に、どこか私もホッとした次第。
 

【記録をストップするタイムリーを放った佐藤選手】
 
冒頭に「辛抱」と書きましたが、その言葉通り、結果が出ず「辛く」とも出場機会を与え続け、佐藤選手を「抱えた(見守った)」矢野監督の我慢と愛情には驚きました。
 
プロであるが故、結果至上主義のこの世界において、このルーキーの起用は異例と思われまずが、それも将来を見据えた期待の裏返しといったところでしょうか。
 
記録をストップし、重圧から解放された佐藤選手においては、この期待に応え、今後は是非とも賞賛される側の記録に挑戦する選手に育って欲しいと願うとともに、企業においても、結果が出てないとすぐに社員を見切るのではなく、成長に期待し、あたたかく見守る育成方法が必要だと、この事例からしみじみと感じた次第です。
 
なお、プロ野球記録は1964年の嵯峨選手(東映)の77打席だそう。
 
さすがに、ここまで辛抱できる監督はいないかも。。。
 
さて、野球続きとなりますが、こちらは海を渡り、米大リーグ・エンゼルスで大活躍の大谷翔平選手。
 
3日には既に最終戦を終え、メジャー4年目の今季は投打の「二刀流」で9勝、46本塁打を放ったほか、安打、打点、得点、投球回、奪三振でいずれも100の大台に達する史上初の快挙と歴史的な活躍を見せ、シーズンを終えました。
 
本塁打では、日本人初の本塁打王は逃したものの3位と健闘するなど、常識を覆した好成績で、例年11月に発表される記者投票によるシーズン最優秀選手(MVP)の最有力候補に挙がっており、受賞すれば日本勢では2001年マリナーズのイチロー以来となるそうで、日本国内でも期待の高まるところです。
 
投打二刀流の大谷選手の活躍は、これ以上申し述べる必要がないほど周知の事実な訳ですが、プレーと同様、高い評価を受けているのがその人間性。
 
実力もさることながら、若くしてブレることのない信念、これほどまでに親しまれる選手は、二刀流と同じく、唯一無二の存在ではないかと思う訳ですが、こうした選手に育ったのは、先ほどの指導者の辛抱とはまた別に「大谷翔平目標達成シート」にあるそう。
 
これは有名な話でもあるので、知っている方も多いかと思いますが、別名「マンダラチャート」と呼ばれる、大谷選手が花巻東高校1年生の時に作成した目的達成表のことで、高校時代の監督・佐々木洋氏からの教えにより作成したこのシートは、強い目標(夢)を中心に置き、周囲9×9の合計81マスに細分化した目標を書き込んだものです。
 

【大谷選手の目標達成シート(手書きの原版をスポーツニッポンが書き直したもの)】
 
そして、大谷選手が中心に書いた夢は「8球団からのドラフト1位指名」でした。
 
大谷選手は目標達成シートを作成する際、なるべく具体的に、また少し高い目標を書き込むようにしたと話していて、ひとつの大きな目標を達成するために必要な要素を細分化し「叶えたいこと」への道のりを実践し、確立したことで今の活躍と人間性に到達したともいえるのだと思います。
 
このシートを知った際、私もエクセルで作ってみましたが、恥ずかしながら中心に書く「夢」が何なのかさえ悩んでしまう始末。
 
目標づくりに時間を掛けているようではいけませんが、それでも作らないよりマシとの考えのもと、その後も81マスを埋めるべく、思い浮かんだことを書き留めている次第です。
 
こうして考えると、一度にすべての要素をクリアしていくのは難しいものですが、具体性を高め、個別の目的を定めて取り組むことで、目標を見失わずに進むこと、見える化、仲間との共有化ができることは非常に有効な手段と考えます。
 
既にビジネスパーソンにも用いられている方法でもありますが、個々人のみならず、「まちづくり」についても作成してみると見えてくるものがあるのではと思った次第(総合計画や各種プランがこれに当たるのかとは思いますが)。
 
こうして大谷選手のような高みに行き着く方は一握りなのかもしれませんが、自分の目標に向かい、日々自己研鑽する姿勢こそ、人生をより良い充実したものにするものだと思い、私自身、早くシートを完成させて実践していきたいと思います。
 
本日は、気に掛けていた佐藤選手の話しから、やや取り止めのない話しとなりましたが、人生を豊かにするシートのご紹介も含め記載させていただきましたので、宜しければ皆さんにおかれてもご活用いただければ幸いに存じます。