原子力と北陸新幹線。安全より優先すべきものなし。

ブログ 北陸新幹線

菅総理の所信表明演説で「2050年温室効果ガス実質ゼロ」が述べられて以降、新聞で「温室効果ガスゼロ」の文字を見ない日はないような気がしている今日のこの頃。
 
この野心的目標の達成に向けては、超現実的で具体的な政策としなければならず、現時点においてその鍵を握るのは「原子力発電」と「再生可能エネルギー」であることは間違いありません。
 
そうした中、11日には東北電力女川原子力発電所2号機再稼働に向けた宮城県知事の地元同意、また昨日12日は、地元福井県では、高浜町議会が臨時本会議にて40年超えとなる関電高浜発電所1,2号機の再稼働を求める請願を賛成多数で採択。
 
全国初となる再稼働に町議会が事実上同意したこととなり、議長が月内にも正式表明する見通しとされています。
 
さらに、視察に伺ったばかりの美浜発電所3号機の再稼働に関しても、12月定例会で判断していく旨、町会議長が述べられたとの報道もあり、年内に方向性が示される可能性が高くなってきています。
 
もうひとつ、発電プラントではありませんが、11日の原子力規制委員会の定例会見において、リサイクル燃料貯蔵(RFS)の使用済み燃料中間貯蔵施設(青森県むつ市)が新規制基準に適合していると認める「審査書」を全会一致で決定し、事実上の「合格」。
 
RFSは2021年度の事業開始を目指す考えに「変更はない」と述べるなど、課題解決に向け、一歩づつ前進している状況にあります。
 
これら、原子力施設で物事を進めるにあたっては、もちろん民間企業である以上、目標とする完成時期や設定した工期はあるものの、従事する関係者皆の認識は、「工程ありきではなく安全最優先」。
 
言い換えれば「安全に勝る優先事項はない」のであり、従前より国民の皆さんからも求めれらてきたことでもあり、地元の皆さんのご理解なくして進まないとの思いと併せ、さらにこのことを文化(意識しなくても出来る)として醸成していくことが不可欠と考えるところです。
 
話しは変わり、地元新聞では連日1面を飾る「北陸新幹線敦賀開業の延期」問題について。
 
国土交通省の鉄道局長と鉄道建設・運輸施設整備支援機構の理事長が12日に福井県庁を訪れ、杉本知事並びに畑県会議長に対し、北陸新幹線金沢〜敦賀間について、2023年春の開業が1年半遅れ、建設費が2,880億円膨らむとの試算を報告し謝罪。
 
杉本知事は「何を守ろうとしていたのか」と厳しく批判、畑議長は「福井県はなめられていると感じる。是が非でもやるという態度が見えない」と強い不信感を示したとのこと。
 
また、その後の福井県議会に対して行われた説明会では、県会自民党が質疑を拒否し退席したとも報道がされています。
 
質疑拒否に関しては、地元の声なども踏まえ、こういう場面でこそ徹底質疑にて問題の本質を追及すべきではと思うところでありますが、県議会レベルでの意思表明とはこういうことなのでしょうか。
単なるパフォーマンスでないことを願いますが…。
 
本件に関しては、国政においても与党プロジェクトチームが「了承せず」とするなど、12月中旬までに示される詳細内容をもって、何らかの方向性が示されるのかと推定する訳でありますが、こちらは原子力と違い、元々設定した開業時期を「何が何でも守るべし」との雰囲気にあります。
 
計画のスパンが長期であることや、延期となった場合の沿線地域経済、受け皿づくりや第3セクター鉄道会社など、影響の範囲がとてつもなく大きいことから、感情的になるのも致し方ないのかも知れませんが、どこか私としては「何かを犠牲にしてでも工期は守れ」、「安全よりも工程最優先」と聞こえて仕方ありません。
 
この受け止めは、あくまでも報道を見る限りのものであり、工事を管轄する鉄道・運輸機構の説明資料は追って、我々市議会議員にも郵送されてくるとの連絡を受けましたので、自分の目で見、実態もお伺いしながら、遅れた理由は止むを得ないものなのか、設備としての「安全」と作業現場の「安全」、設計者の「安全」(いずれも過重労働や精神的な追い込みの観点を含む)をしっかり確保したうえで、「安全を蔑ろにしない適正な工期」が示されるよう確認していきたいと考えます。
 
原子力も新幹線も最前線の現場労働者の皆さんあって進むものであり、そこにある皆さんの思いや安全を踏みにじることだけは絶対あってはなりませんので。
 

【北陸新幹線敦賀駅周辺の上空写真(令和2年6月頃のもの)】