【討論全文】請願第4号 「国が主食の需給に責任をもち、国民への安定供給を支えるに十分な備蓄水準への早期回復と米価下落阻止を求める意見書提出に関する請願書について」に対する反対討論

ブログ 敦賀市議会

以下、令和8年第4回(9月)敦賀市議会定例会最終日に自身が行った、請願第4号「国が主食の需給に責任をもち、国民への安定供給を支えるに十分な備蓄水準への早期回復と米価下落阻止を求める意見書提出に関する請願書について」に対する反対討論(全文)を掲載いたします。
 
<討論全文>
 
私は、会派を代表し、「請願第4号「国が主食の需給に責任をもち、国民への安定供給を支えるに十分な備蓄水準への早期回復と米価下落阻止を求める意見書提出について」を不採択とする委員長報告に賛成、すなわち原案に反対の立場で討論いたします。
 
まず冒頭、米農家の皆様が厳しい経営環境に置かれていること、そして食料安全保障の観点から国内農業を守ることの重要性については、私も十分認識しており、その問題意識には共感するものであります。また、農業者が将来に希望を持ち、安心して営農を続けられる環境づくりは極めて重要であります。
 
しかしながら、本請願で求められている事項については、極めて慎重に検討する必要があることから賛同することができません。
 
第一に、政府備蓄米制度の目的についてであります。
政府備蓄米は本来、不作や災害などによる供給不足に備え、国民への安定供給を確保するための制度であります。備蓄制度は食料安全保障のための仕組みであり、本来、米価を維持するための価格政策として運用されるべきものではありません。(請願の委員会審査での紹介議員への質疑では、備蓄米の買い戻しは米価調整だ)備蓄水準までの回復は必要であっても、米価下落の阻止を目的として大量の買入れや買戻しを行うことには慎重であるべきと考えます。
 
第二に、請願では「米価下落の阻止」を強く求めていますが、農業政策として重視すべきは「米価の維持」ではなく、「農業所得の安定」であると考えます。
市場価格を行政が直接支える政策は、短期的には効果があっても、将来的には需給のゆがみや財政負担の増大を招くおそれがあります。農家の経営を支えるのであれば、価格への過度な介入ではなく、所得安定支援や直接支払いの充実など、持続可能な仕組み構築に取り組むべきと考えます。
 
第三に、本請願で求めている「国による需給コントロール」の実施について、これまでの農政の経緯を考えれば、強い行政統制に戻ることが直ちに農業の発展につながるとは言えません。
現在、国は需要に応じた生産や生産性向上を重視しながら、食料安全保障の強化を図る方向で政策を進めています。今後必要なのは、生産者の創意工夫や経営努力を支えながら、所得向上と持続可能な農業を実現することであると考えます。
 
さらに、請願では流通・集荷業者への支援も求めていますが、民間事業者が抱える在庫リスクまで一律に公費で負担することについては慎重であるべきと考えます。限られた財源の中では、まず生産基盤を支える農業者への支援を優先すべきであります。
 
以上申し上げましたが、冒頭に述べましたよう、私は決して農業支援そのものに反対するものではありません。むしろ、食料安全保障の確立と農業所得の向上は今後ますます重要になると考えております。
 
しかし、本請願が求める「価格維持を目的とした備蓄米の運用」や「国による強い需給コントロール」については賛同できず、より持続可能な所得安定策や生産基盤強化策を優先すべきであるとの立場から、本請願には反対いたします。
 
議員各位のご賛同をお願い申し上げます。
 
以 上