社会を取り巻く共通の課題は「科学リテラシーの底上げ」

ブログ 原子力 社会

多くの方が仕事始めとなった昨日。
 
あいにく冷たい雨が降るスタートとなったものの、今年初の週頭街頭を実施。
 
カッパ着用のうえ、いつも通り、車を停めさせてもらっている「ツルガ薬局」さんにご挨拶した後、街頭で話していると、同じくカッパを着て自転車通学(部活動かと)する高校生ともご挨拶。
 
雨をもろともせず、突っ走っていく姿を見送りつつ、約30分間、年頭の思いを伝えた次第です。
 
通勤、通学される皆様にはどう映っているか分かりませんが、「月曜日は必ず立つ」と決めている街頭活動。
 
天候に左右されることなく、自分で決めたことを今年も続けてまいる所存です。
 

【雨にも雪にも暑さにも負けず頑張ります!】
 
さて、その後は、カッパを脱いで市役所へ。
 
9時から行われた「仕事始め式」、続いて11時からはプラザ萬象での「新春市民交流会」に出席しました。
 
それぞれの場にて、米澤市長、中野議長のご挨拶を拝聴し、改めて敦賀の「今」と「これから」を考えたところですが、新春市民交流会の最後にご挨拶された敦賀商工会議所の奥井会頭からは、原子力の話題に多く時間を割かれ、第7次エネルギー基本計画案で示された建替え(リプレース)に関しては敦賀3,4号への第一歩、「福井県敦賀エリアを原子力・エネルギーの中核的研究開発拠点に整備していく」と明記(同計画P82)された点に関しては、敦賀市に設置する試験研究炉等へ寄せる大きな期待に加え、「このチャンスをまちづくりに生かしていきたい」と述べられました。
 
なお、敦賀2号の「再申請・再稼働」の言葉はありませんでしたが、これは言わずもがなと理解をし、エネルギーのまち「敦賀」にとって原子力は必要不可欠であるといった思いをありがたく受け止めるとともに、北陸新幹線効果、他産業の副軸化などによって、より強く、さらに発展するまちにとの考えを共有した次第です。
 
さて、原子力に関しては、エネルギー基本計画にもあるよう、将来に亘って利活用する大前提にあるのは「安全」と「国民理解」。
 
このうち、「国民理解」に関しては、昨日の福井南高校の調査結果にも表されるよう、原子力を「必要」と捉える方の割合が多数を占めるようになっているところですが、例えば放射線を「正しく恐れる」と言われるよう、根底にあるのは「科学的に」ご理解いただくことが肝要であることは、これまでも述べてきたところ。
 
これに関し、いつも拝読している「原子力産業新聞」の石井敬之編集長が昨日、同紙のWEB版 ABOUT from Editorsに「※科学リテラシーの底上げを」との記事を投稿。
 
※リテラシー:特定の分野に関する知識や理解力、それを活用する能力のこと
 
“2019年12月に「原子力産業新聞」を現在のWEBマガジン形式にリニューアルして以来、早くも5年が経過しました。かつては「業界内の壁新聞」との立ち位置であった「原子力産業新聞」ですが、今やGoogle検索のトップに躍り出るまでに成長しています。――「原子力」「新聞」で検索すると。”
 
との書き出しから、
 
“現在私たちの社会を取り巻く共通の課題は何か?それは科学リテラシーの底上げであることに、異論はないでしょう。や、もちろん他にもいろいろあるでしょうけれども。社会全体の科学分野のリテラシーを高めると、トンデモをトンデモだと見分けることができるようになりますよね。放射線で、食品照射で、ALPS処理水で、私たちを悩ませてきたトンデモを駆逐することができるはずです。”
 
“(中略)これからの「原子力産業新聞」は、社会全体の科学リテラシー向上に少しでも資するよう、貪欲に取り組んで参ります。そのためには原子力分野であろうがなかろうが、臆することなく積極的に取り上げていく所存です。すでに多くの企画が私の頭の中でゴウゴウと渦巻いています。あとは、実行に移す勇気のみ。”
 
と結ばれていました。
 
石井編集長とは、X(旧Twitter)でもつながる関係であり、社会全体の課題解決に向け、こうして臆することなく取り組まれていることに敬意を表する次第ですが、私自身、原子力産業新聞から多くのことを学ぶところであり、同じく「科学リテラシー」の底上げのため、微力ながら発信していく所存。
 
以下に、石井編集長の投稿ならびに原子力産業新聞のページをリンクいたしますので、それぞれご覧いただければ幸いです。
 
2025年も「原子力産業新聞」をよろしくお願い申し上げます。
 
 →2025年1月6日 原子力産業新聞 ABOUT from Editors(石井敬之編集長)
 
 →原子力産業新聞 WEBページ

『高校生の原子力に対する意識調査2024』が発行される

エネルギー ブログ 原子力

「小寒」の昨日は、終日冷たき風ながら、気持ちの良い快晴。
 
朝は神々しき野坂山を望み、夕方は金ヶ崎緑地でワンちゃんの散歩をした後、ランニングで自宅まで。
 
夕陽と重なる敦賀の景色で心身ともにリフレッシュしました。
 

【朝陽に照らされ、神々しき姿の野坂山】

【夕陽と重なる金ヶ崎緑地。多くの方が訪れていました。】
 
寒さ暑さはあるものの、今年も季節の移り変わりを楽しむ余裕をもって過ごせればと。
 
さて、話は変わり、昨日の福井新聞に掲載されていた、福井南高校の生徒たちが編集作成した『高校生の原子力に対する意識調査2024』について。
 
12月25日に発行されたこの調査は、埼玉県、東京都、福井県、京都府、兵庫県、島根県、鹿児島県、沖縄県、New Zealand(North IslandおよびSouth Islandで各1校抽出実施)を対象に2024年5月から6月にかけて一斉調査を行い、結果,国内外181校11,000名から得た回答を基に作成されたもの。
 
WEBに公開されているのは「調査概要及び結果」のみでしたが、早速拝見すると、「はじめに」には、“福井県内の原子力に対する意識差、という疑問を出発点に始まったこの調査も4回目を迎えました。調査対象地域の拡大とともに、その中身も大きく変更を重ねてきました。今年度は、「同世代の方々にエネルギー安全保障や原子力のバックエンドについて関心を持ってもらえるものにしたい」という私たちの思いを形にするために、掲載する情報やコンテンツも皆様が回答くださった自由記述欄を参考に試行錯誤を重ねました。”
 
“エネルギーや原子力、環境問題について考えるのは、難しいと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、この冊子を通じて「意外と身近だな」と思っていただけたり、「自分の生活や将来にどう関係しているのだろう」と考えるきっかけになれば幸いです。”
 
との生徒さんからの言葉がありました。
 
なお、意識調査のWEB公開版は、以下リンクよりご覧ください。
 
 →『高校生の原子力に関する意識調査2024』WEB公開版はこちら
 
国内合計や各都府県ごとの集計結果では、原子力発電にどの程度関心を持っているか、原子力へのイメージ、今後日本はどのようなエネルギーを利活用していけば良いか、原子力発電の廃炉に関連するクリアランス制度・資源についてどの程度知っているか、日本のエネルギー事情や原子力・教科書へのご意見などの設問があり、興味深く拝見。
 
とりわけ、原子力のイメージに関しては、「必要」とする回答が、“そう思う”、”ややそう思う”を含め68.3%である一方、今後のエネルギー利活用のトップは「太陽光」など再生可能エネルギーが上位を占める結果となっていました。
 

【WEB公開版より、上記設問部分を抜粋引用】
 
こうしたことを自身のXで紹介投稿すると、エネルギー関係にお詳しい方からは、「当たり前ですが、太陽光発電では日中した発電出来ない。一方使う側は24時間使いたい。そのギャップを埋めるのは何、って考えを進めて欲しいですね。高校生なら分かるでしょう。」とのご意見。
 
私からは、「自由記述欄も読みましたが、現時点では必ずバックアップ電源が必要なことまで理解して再エネを選択したか否かまでは?なお、東京や京都+福井ほか5県にニュージーランドまで、原子力立地・消費地を問わず、こうして高校生達がエネルギー安全保障やバックエンド等について考えることに意義があるものと感じました。」とお答えした次第。
 
各電源のメリット、デメリットは設問前にどこかで触れているのかもしれませんが、お答えしたとおり、まずは日本のエネルギー事情について関心を持っていただくこと、その次にS+3Eの基本的考え方を踏まえ、電力システム全体として何が最適解か考えていくことが肝要と感じた次第です(大人も然りですが)。
 
いずれにしても、次代を担う高校生の意識を知れることは、私にとっても意味のあることであり、本編も含めた調査資料をどこかで拝見したいと思います。
 
こうして毎年、テーマや規模を拡大し探求を進める福井南高校の生徒さん、先生方には頭が下がる思いであり、ここに敬意を表するとともに、今後も同世代の皆さんとともに、小資源国日本にとってのエネルギー・原子力について、意識を高める取組みを継続いただくことをお願いする次第です。

敦賀発電所2号機審査に関する二つの識者コラム

ブログ 原子力

昨日は、もんじゅ敷地内に設置する新試験研究炉について残念とするブログを書きましたが、一方、ここ数日、既設原子力発電所に関しては良いニュースがあったところ。
 
ひとつは、中国電力の島根原子力発電所2号機(以下、島根2号)が23日、約13年ぶりとなる再稼働(発電開始)を果たしたこと。
 
ふたつ目は、北海道電力 泊原子力発電所3号機(以下、泊3号)の新規制基準審査について、24日に開催された原子力規制員会(以下、規制委)の審査会合で全ての説明を終え、約11年に及ぶ審査を事実上終了。
 
今後は、安全対策などを修正した補正書を規制委に提出し、来年中に「合格」を得たい考えとありました。
 
島根2号の再稼働は、女川2号に次ぎBWRで2基目、泊3号は東日本で同じく女川2号、柏崎刈羽6、7号に次いで4基目の審査合格に向け見通しが立ってきたとあり、大変喜ばしく思うとともに、ここに至るまでの関係者のご尽力に心から敬意を表する次第です。
 
さて、そうした中、原子炉設置変更許可申請書の許可が認められなかった敦賀発電所2号機(以下、敦賀2号)においては、再稼働を目指すことに変わりなく、現在、再申請に向けた追加調査の検討を進めるところ。
 
私自身、一旦、法に基づく判断が下されたことを真摯に受け止めていることを前置きした上で、敦賀2号審査を巡る規制委の対応に関し、ここ最近あった、客観的視点からの識者コラムを2件ご紹介いたします。
 
時系列的に紹介しますと、1件目は、国際環境経済研究所 天野 健作氏(大和大学社会学部教授)が2024年11月14日に同研究所ホームページに投稿した『敦賀2号「不合格」にみる公正審査の疑わしさ』。
 
およそ12年間に及ぶ長期にわたる論争が決着した。とはいえ、何か腑に落ちない。日本原子力発電(以下、原電)が擁する敦賀発電所(福井県敦賀市)2号機は2024年11月13日、原子力規制委員会(以下、規制委)により、再稼働に向けた審査において、正式に「不合格」となった。新規制基準に照らし、敦賀2号は直下に活動層があることを「否定できない」と判断されたのである。規制委は2013年からこれまで、各地の原子力発電所27基を審査してきたが、初めての“落第”だ。
 
筆者は、2012年の規制委の発足直後から、記者として約4年にわたって東京・六本木にある規制委のビルに日夜通い続け、規制委の審査を見続けてきた。現地での活断層調査にも同行するなど、規制委の実態をつぶさに観察してきた経験がある(拙著『原子力規制委員会の孤独』に詳しい)。現在は大学教員として、環境問題の研究や教育に携わっているが、“古巣”の動向については、常に是々非々の立場で見守り続けてきた。果たして、今回の規制委の判断は胸を張って「公正」「中立」と言えるだろうか
 
とのイントロダクションにはじまり、「悪魔の証明」を求める規制委、「活断層は否定できない」、論調分かれるメディア、原電の逆襲は?の項目立てで述べられ、以下の通り結んでいます。
 
近く次期(第7次)エネルギー基本計画が策定されるが、原子力発電所の活用は増えこそすれ、減ることはない。規制委の審査への欺瞞が解消しない限り、こうした不幸な結論が今後も出てくる可能性がある。発足から12年経った規制委は、公正な審査のあり方を再検討し、規制委それ自体の組織を見直す必要があろう
 
→『敦賀原発「不合格」にみる公正審査の疑わしさ』全文はこちら
 
2件目は、クリスマスの昨日、原子力産業新聞に掲載された小島正美氏(元毎日新聞社編集委員)のコラムで、タイトルは『敦賀2号機の不許可理由「可能性を否定できない」は科学的な判断か?』
 

【同コラムのインターネット表示画面】
 
原子力関連で令和六年(二〇二四年)最大のニュースと言えば、福井県の敦賀2号機の再稼働の不許可だろう。「不許可」自体もビッグニュースだが、それを決めた原子力規制委員会の「活断層の可能性は否定できない」という主観的な判断理由も、歴史に残るだろう。ただ何か釈然としない気持ちがわいてくるのはなぜだろうか
 
との書き出しから、不許可の理由は「活断層の可能性を否定できず」、処理水に反対した地方紙はおおむね不許可を称賛、「悪魔の証明」は危うい論理、産経新聞だけは果敢に反対の論陣を張る、「予防原則の乱用」が怖い との構成にて述べた後、こちらも以下の通り結んでいます。
 
最後にひと言。今回の不許可報道で私が危惧の念を抱くのは「予防原則の乱用」が広がる恐れだ。「良くないことが起きる可能性が否定できない」という論理がまかり通れば、どんなテクノロジーも為政者の思うままに規制できてしまう
(中略)
もう一言。原子力発電所を動かすかどうかは、日本全体の未来を左右する極めて社会経済的な問題である。原子力規制委員会(五人の委員)に経済学やエネルギー、社会心理学など社会工学的な専門家がいないのはどうにも腑に落ちない。国民の代表である政治の側からの参戦をもっと期待したい
 
→『敦賀2号機の不許可理由 「可能性を否定できない」は科学的な判断か?』全文はこちら
 
(注)コラム中の「原発」は「原子力発電所」に、「敦賀原発」は「敦賀2号」に置き換えていますのでご承知置きください。
 
以上、本日は2件のコラムをご紹介しました。
 
規制委が、極めて「独立性」の高い3条委員会であるが故、「独善性」に陥らないようにとはこれまでも述べているところ。
 
欧米諸国の例も参考に、日本の原子力規制のあり方、改善すべき点等については引き続き、自分なりに研究してまいります。

もんじゅ敷地内に設置する「新試験研究炉」の建設予定地、設置許可申請見込み時期の公表が延期

ブログ まちづくり 原子力

昨日午後は、今年最後の会議となる嶺南広域行政組合議会定例会に出席した後、敦賀市議会の議員説明会へ。
 
文部科学省(以下、文科省)より、「新試験研究炉の建設予定地、設置許可申請見込み時期公表に係る対応について」説明を受けました。
 

【議員説明会開始前。自席にて。】
 
廃止措置作業が進む高速増殖炉「もんじゅ」の敷地内に新設する試験研究炉は、長らく原子力施設の新設がない中で計画されていること、廃止を迎える京都大学の試験研究炉KURに変わる役割を果たすこと、敦賀を「西の原子力研究拠点」に位置付けるものであり、私としては大いに期待しているもの。
 
「試験研究炉 山本たけし」でインターネット検索していただくと、私の過去ブログが4〜5件ほどヒットするので、経過はぜひそちらからご覧いただきたく存じますが、直近では、2023年の11月30日に「三菱重工業が『試験研究炉』の主契約者に選定」のタイトルにて、「試験研究炉」に関し、設計、製作および据付を実施する主契約企業に三菱重工業が選定され、実施主体である日本原子力研究開発機構(以下、JAEA)との間で基本契約を締結し、今後はJAEAの下で新試験研究炉の整備に係る事業を一括して取りまとめ、建設を推進していくことを掲載していたところ。
 
その試験研究炉に関しては、「もんじゅ」敷地内の具体的な建設地選定ならびに原子炉の設置許可を原子力規制委員会に申請する見込みの時期を今年中に公表するとしており、先の敦賀市議会12月定例会の原子力発電所特別委員会においてもそのように説明されていたところ。
 
こうした中、国土地理院が今年10月に「もんじゅ」の敷地内に活断層の可能性がある「※推定活断層」が存在することを示す活断層図を公開したことを受け、11月に開催された原子力規制委員会の定例会合では、もんじゅの廃止措置作業については安全上問題ないとした上で、山中伸介委員長は記者会見で「新しい研究炉を設置するのであれば、事業者がきっちりと断層の活動性を否定することを申請書の中で示してもらうことが第一」と指摘していたところ。
 
※推定活断層とは?
地形的な特徴により活断層の存在が推定されるが、現時点では明確に特定できないもの。
 
この日の文部科学省、JAEAからの説明では、主に以下の内容が示されました。
 
◉推定活断層の取扱いも含め、原子力規制庁と意見交換を行い、もんじゅ敷地内に設置するのであれば、地盤調査等をしっかり進め、客観的なデータ等のエビデンスを用意し審査基準への適合性を示す必要があるとの見解が原子力規制庁から示された。
◉技術的な観点から必要な対応について検討したが、安全性の確保を最優先に考え、しっかりとした検討・調査等が必要と判断した。このため、建設予定地及び設置許可申請見込み時期の公表を延期させていただきたい
◉推定活断層については、位置が不明確であるなど不確定要素が多く、必要な調査項目や調査期間が見通せない状況であるため、今後のスケジュールについて現段階で具体的なことを申し上げることは困難であるが、原子力機構内での検討状況について適宜地元に説明するとともに、建設予定地及び設置許可申請見込み時期決定の公表時期については、調査の進展を踏まえて改めてお示しする。
 
その後の質疑では、複数の議員から、特別委員会の時と見解が180度変わったことを遺憾とする厳しい意見があったところ。
 
私は、11月の原子力規制委員会定例会合での議論経過も把握した上で質疑しましたが、そもそも商業用原子炉か試験研究炉か否か、出力の大小によらず、原子力施設の設置基準で定める「地盤」に係る要求事項は同じ。
 
(参考)
試験研究の用に供する原子炉等の位置、構造及び設備の基準に関する規則
 
(試験研究用等原子炉施設の地盤)
第三条 試験研究用等原子炉施設(水冷却型研究炉、ガス冷却型原子炉及びナトリウム冷却型高速炉に係るものを除く。以下この章において同じ。)は、次条第二項の規定により算定する地震力(試験研究用等原子炉施設のうち、地震の発生によって生ずるおそれがあるその安全機能の喪失に起因する放射線による公衆への影響の程度が特に大きいもの(以下「耐震重要施設」という。)にあっては、同条第三項の地震力を含む。)が作用した場合においても当該試験研究用等原子炉施設を十分に支持することができる地盤に設けなければならない。
2 耐震重要施設は、変形した場合においてもその安全機能が損なわれるおそれがない地盤に設けなければならない。
3 耐震重要施設は、変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければならない。
 
とりわけ、3項にある基準が、さらに噛み砕いた「規制基準の考え方」において「(後期更新世以降の)活動性の可能性を否定できない」ものは適合しないとするしており、敦賀発電所2号機もこれに当たるとされているもの。
 
ついては、「推定活断層」が公開された以上、最新知見を取り込んで評価することは、現行規制の考えからいって致し方ないことであり、文科省やJAEAを責めるのは筋違いかと思うところ。
 
地点選定と設置許可申請見込み時期の公表が延期されることは、誠に残念であるものの、今後は、調査に関する必要な体制や予算を確保のうえ、早期の調査完了と一日も早い両項について公表いただきたく存じます。
 
前述のとおり、JAEA、京都大学、福井大学の3者連携のもと、コンソーシアム形式にて検討を進める本計画の先には、「西の原子力研究拠点」と位置付けられる敦賀の将来があります。
 
将来的には、多くの産業利用をはじめ、若い学生や国内外の研究者が集い、学び、磨いた技術や成果をもって、ここ敦賀から世界で活躍する。
 
そのような環境が構築されることへの期待に変わりありませんので、引き続き、今後の取組みを確認していく所存です。

『第7次エネルギー基本計画』の原案が示される

エネルギー ブログ 原子力

先日発行した「やまたけNEWS(第22号)」でも触れた、次期『第7次エネルギー基本計画』について。
 
恒常的な電力需給ひっ迫と電気料金高騰に喘ぐわが国においては、安価で安定的な電力供給が強く求められるところであり、「原子力か再エネか」の不毛な二項対立ではなく、他国依存度の低い脱炭素電源を幅広く確保していくことが、日本再生の生命線。
 
加えて、2017年以降、世界で建設された32基の原子力発電所のうち、27基がロシアと中国であり、このままでは早晩、原子力技術分野が中露に掌握されてしまうことから、「エネルギー安全保障」の観点からも、現行計画にある「原子力依存度を可能な限り低減」の文言を削除することによって、将来に亘って活用する意思を明確にすべきと述べたところ。
 
その『第7次エネルギー基本計画』が17日、総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会計画にて原案が示され、全文に目を通しました。
 
 →「エネルギー基本計画(原案)の概要」はこちら
 →「エネルギー基本計画(原案:全文)」はこちら
 
部分的に『第6次』とも見比べながら読み進めましたが、前回と同様、エネルギー政策の原点としてまず「福島第一原子力発電所事故の経験、反省と教訓を肝に銘じて取り組む」ことを第一に挙げつつ、基本的視点に掲げる「S+3E」(安全性、安定供給、経済効率性、環境適合性)の観点では、置かれた状況を含め、より丁寧に書かれている印象を持ちました。
 
また、基本的考え方の総論では、「DXやGXの進展による電力需要増加が見込まれる中、それに見合った脱炭素電源を十分確保できるかが我が国の経済成長や産業競争力を左右する状況にある。脱炭素電源を拡大し、我が国の経済成長や産業競争力強化を実現できなければ、雇用の維持や賃上げも困難となるため、再生可能エネルギーか原子力かといった二項対立的な議論ではなく、再生可能エネルギーと原子力をともに最大限活用していくことが極めて重要となる。」と、まさにNEWSで述べたことと同じ認識に立っていることを確認。
 
原子力に関しては、同じく冒頭述べた、これまでの「原子力依存度の可能な限りの低減」の文言を削除したことは良かったと。
 
原子力発電の「優れた安定供給性、技術自給率を有し、他電源とそん色ないコスト水準で変動も少なく、一定の出力で安定的に発電可能」とのメリットを強調した上で、立地地域との共生、国民各層とのコミュニケーションの深化・充実、バックエンドプロセスの加速化、再稼働の加速に官民挙げて取り組む。
 
新増設・リプレースについては、「廃炉を決定した原子力を有する事業者の原子力発電所サイト内での、次世代革新炉への建て替えを対象として、(中略)具体化を進めていく」と記載されたほか、次世代革新炉の開発・設置に向けては、研究開発を進めるとともに、サプライチェーン・人材の維持・強化に取り組むことが明記されました。
 
一方、『既設炉の最大限活用』の項では「再稼働加速タスクフォース」等の取組み、『次世代革新炉の開発・設置』では〝規制当局と共通理解の醸成を図る”とありましたが、主語はいずれも事業者。
 
とりわけ、喫緊の課題である電力需給の改善に向けては、長期化している適合性審査を加速させることが不可欠であり、規制機関の体制強化や審査の効率化を図ることが必要と考えますが、計画にこれを書くことはタブーなのか。
 
また、他の電源についても同様、考え方が示された上で、2040年のエネルギー需給見通しに関しては、発電電力量は1.1~1.2兆kWh程度、電源構成では、再生可能エネルギーが4~5割、原子力が2割程度、火力が3~4割程度と提示されました。
 

【参考:2040年度におけるエネルギー需給の見通し(令和6年12月17日 基本政策分科会資料より抜粋)】
 
電源比率に関しては、2040年までの既設原子力の再稼働、次世代革新炉によるリプレースなどの進捗予想の中で脱炭素電源比率を引き上げねばならないことを考えれば、「致し方ない」と思いつつも、主力電源を「再エネ」に置くことにはやはり違和感を唱えるところ。
 
先日、各電源のコスト試算も発表されましたが、重く乗っているのは、再エネ比率上昇に伴う統合費用の増加であり、さらには、年間約3.5兆円にも及ぶ、国民の皆さんかが負担している「再エネ賦課金」を思えば、将来主力にすべきはやはり「原子力発電」と考える次第です。
 
とはいえ、火力発電の活用なども含め、前回に比べれば「現実的」となった基本計画案であり、引き続き、年内にも最終原案を固める見通しとされる今後の議論を注視する所存です。

カナダで深地層処分場サイトが決定

ブログ 原子力

これまでも、原子力発電を巡る開発や規制に関し、日本と海外諸国との違いを紹介してきましたが、本日は原子力産業新聞の記事で知った、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物の地層処分について。
 
日本においては、令和6年11月22日、原子力発電環境整備機構(NUMO)が、北海道寿都郡寿都町及び北海道古宇郡神恵内村における文献調査の報告書及び要約書を公表し、同日、NUMOの山口理事長が鈴木北海道知事に報告書等を手交したところですが、一方カナダ。
 
カナダの核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は11月28日、同国の使用済み燃料を処分する深地層処分場の建設地をオンタリオ州北西部のワビグーン・レイク・オジブウェイ・ネーション(WLON)イグナス地域に決定したと発表しました。
 
カナダでは、原子力発電所の使用済み燃料を再処理せずに深地層処分する方針であり、2002年に設立された NWMOが、カナダの中・高レベル放射性廃棄物の安全かつ長期的管理を任務とし、2010年から使用済み燃料の深地層処分場のサイト選定プロセスを開始していたところ。
 
当初、22自治体が処分場の受け入れに関心を表明し、NWMOは集中的な技術研究を重ね、2地点に絞った結果、今年11月中旬には、先住民族であるWLONがイグナス地域の西およそ48kmのレヴェル湖エリアに処分場の誘致意思を示したと発表。
 
なお、イグナスの議会は今年7月、住民投票の結果、処分場の誘致に前向きであることを決定していました。
 
今後は規制評価段階に入り、NWMOは処分場の建設許可が2033年までに発給されると見込んでおり、以降の建設期間を経て、2040~2045年に操業を開始したい考えで、サイトとなるレヴェル湖エリアの結晶質岩層の特性にもよりますが、処分場は地下約500m、面積約6㎢に建設される予定とのこと。
 
サイト決定を発表したNWMOのL.スワミCEOは、その意義を強調するとともに、誇りをもって、「本プロジェクトはカナダの環境問題を解決し、気候目標を支援するもの。カナダ人と先住民が主導し、同意に基づく立地プロセスで推進された。これが歴史を作るということだ」と発言しています。
 

【写真左がNWMOのL.スワミCEO(原子力産業新聞より引用)】
 
このように、22の自治体が手を挙げたことはもとより、スワミCEOからあった、「カナダ人と先住民が主導し」の言葉の背景にあることが日本との違いと感じたところ。
 
そうした意味において、北海道の寿都町、神恵内村には改めて、心から敬意を表するところですが、高レベル放射性廃棄物の最終処分という国家的課題は、これまで原子力発電のメリットを享受してきた、日本国民全体で、且つこれ以上先送りすることなく解決すべき問題。
 
日本においては、この問題を「核のごみ」、「トイレなきマンション」(のトイレを意味する)などと揶揄する言葉ではなく、カナダのように、地層処分の意味合いを広く理解のうえ、科学的思考をもって、原子力立地地域であるか否かに関係なく、取り組んでいかねばなりません。

女川原子力発電所2号機が“約14年ぶり”に発電再開

ブログ 原子力

原子力の話題が続きますが、14日には、関西電力高浜発電所1号機(PWR,82万6千キロワット)が、稼働する国内原子力プラントで初めて運転開始から50年を迎えました。
 
商業用原子力発電所としては、国内で8番目に営業運転を開始して以降、こうして半世紀に亘り経済発展を支えるための貴重なエネルギーを送り届けてきた背景には、地域の皆様のご理解とご協力、そして発電所関係者の弛まぬ努力あってのことであり敬意を表するところ。
 
高浜発電所長の「国内外の知見を取り入れプラントの安全・安定運転を維持し、暮らしを支え続けたい」との言葉にあるよう、電力需要が一層高まる今後においても、貴重な脱炭素電源のひとつとして永く運転していただきたいと思います。
 
また、東北電力女川原子力発電所2号機(BWR、82万5千キロワット)は13日、原子炉を同日午前9時に再び起動した後、午前11時55分には核分裂反応が安定して継続する臨界に到達。
 
その後、原子炉の昇温・昇圧と原子炉格納容器内点検、タービン起動を経て、15日には発電機と系統を接続して並列し「発電再開」。
 
“約14年ぶり”に再稼働を果たしました。
 

【画面中央の黄色矢印の先が「出力表示」。発電機と並列し、0から「10MW」を表示しています。(東北電力のXポストを一部やまたけにて加工)】
 
私自身、中央制御室で発電機と並列する瞬間に何度も立ち会ってきた経験から、0表示から出力表示が出た瞬間(発電開始を意味)は毎回、達成感に満ち溢れる感動を覚えたことを思い返しましたが、東日本大震災で被災した地域の原子力発電所としても初、沸騰水型軽水炉(BWR)としても初となる再稼働を大いに喜ぶところです。
 
なお、これまで14年にも亘るご苦労とご尽力は言葉で表せないものがあったに違いありませんが、女川原子力発電所2号機の再稼働は、東日本の電力需給改善に大きく貢献することはもとより、「震災からの復興」という、日本にとって大きな意味があると考える次第。
 
東北電力はXで、「今後とも、原子力発電所の『安全対策に終わりはない』という確固たる信念のもと、原子力発電所のさらなる安全性の向上にむけた取り組みを着実に進めてまいります。」と発信しています。
 
先の高浜発電所長とも通ずる訳ですが、これは全国どの原子力発電所であっても同じ。
 
「何よりも安全を最優先する」との考えを第一義としていることをご理解いただければ幸いです。
 
さて、こうして嬉しい出来事が続く中、私の本日の予定は、10時30分より敦賀市議会の「議会報告会」、14時からは気比史学会主催の「敦賀市民歴史講座」となります。
 
会場はいずれも市立図書館3階 研修室ということで、1日図書館にて過ごすことになりますが、両方ともぜひお気軽に、多くの方にお越しいただけることを楽しみにしています。
 

【古くは平安時代の平重盛から、幾度も計画された「敦賀ー琵琶湖運河計画」。先人が考えた「壮大な計画」が聞けるとあって、議会報告会と併せ、ワクワク続きの一日になりそうです。】

「敦賀2号」の原子炉設置変更許可申請は許可されず 〜日本原電は今後も再申請、稼働に向けて取組む〜

ブログ 原子力

本日と明日は、敦賀市議会の「議会報告会」。
 
一人でも多くの方にお越しいただきたいとの思いを込めて、「広報つるが」や嶺南ケーブルネットワーク、敦賀FMなどでの広報宣伝に加え、先日は市内で開催されたイベントで各常任委員会にてチラシ配布を行ってきたところ。
 
本日15日(金)は18時30分からプラザ萬象大ホール、明日16日(土)は10時30分より市立図書館3階研修室の2回開催(議員も2グループに分かれて)しますので、ご家族、知人・友人お誘い合わせのうえ、ぜひご参加いただけますようお願いいたします。
 
※私は明日の報告会に出席します。
 
なお、開催チラシは、以下リンクよりご覧くださいませ。
 
 →11月15日・16日は敦賀市議会「議会報告会」(2024年10月25日 やまたけブログ)
 
さて、11月13日に開催された原子力規制委員会に「日本原子力発電株式会社敦賀発電所の発電用原子炉設置変更許可申請書(2号発電用原子炉施設の変更)に対する処分の案」が議題に供され、①審査書案に対する科学的・技術的意見(パブリックコメント)への考え方に関する原子力規制庁の方針について、②発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査の結果の取りまとめの決定、③発電用原子炉設置変更許可をしないことの決定について、いずれも規制委員会「全会一致」で決定されました。
 
この決定に関しては、インターネット、新聞、ニュースなど各媒体にて既に報道されていますが、同委員会での説明を拝見するに、審査書案に対して提出されたパブリックコメントは、提出意見として扱ったもの67件、該当しないと判断したものは215件とのこと。
 
すべての意見は机上配布資料として、同委員会のホームページに掲載されていましたので、ざっと目を通すとやはり、審査書案に異論あるいは強く説明を求めるものなどが多勢を占めていた訳ですが、「聞く耳」があるはずもなく。
 
パブコメに関しては、私も提出しましたので、以下に記録としてリンクしますので、関心のある方はお読みいただければ幸いです。
 
 →「第42回原子力規制委員会 令和6年11月13日 資料1 机上資料」はこちら
 
また、不許可処分を受け、昨日の福井新聞インタビュー記事にあった、今年9月に原子力規制委員を退任した石渡氏の言葉。
 
「これまでの審査で17基を許可した同じ基準で(事業者側が)それぞれ『悪魔の証明』を乗り越えている。たいした悪魔ではない。」
 
「グレーは全てクロ」の悪魔は本当に“たいした”ことないのだろうか。
 
そしてまた、「悪魔の証明」を求めてきた側の立場の方が、退任したとはいえ軽々にいう言葉なのか。
 
甚だ疑問、遺憾に思った次第です。
 
日本原電はこれを受け、「大変残念であります」とした上で、「当社としましては、敦賀発電所2号機の設置変更許可の再申請、稼働に向けて取り組んでまいります。申請に必要な追加調査の内容について、社外の専門家の意見も踏まえながら具体化してまいります。」とコメント。
 
杉本達治 福井県知事、米澤光治 敦賀市長はそれぞれ、次のように述べています。
 
杉本知事「事業者においては、安全を最優先に、今後の対応を十分検討し、地元に丁寧に説明していく必要がある。」
 
米澤市長「日本原子力発電株式会社は再申請に向けて、必要な追加調査の検討を進めるとのことであるので、真摯に取り組むともに、今後の取組について市民に丁寧に情報発情をいただきたい。また、原子力規制委員会においては再申請がなされた場合は、改めて審議を尽くしていただきたい。
 
厳に言葉を選びつつ、私としては、安全と地域を第一義に、日本原電に対しエールを送っていただいたものと受け止める次第です。
 
これまでも述べてきているよう、敦賀2号の審査に関しては言いたいことが山ほどあるものの、今回出されたのは「法に則った結論」。
 
原子力事業者が再稼働を目指す思い、目的は、原子力発電を通じて、我が国の「低廉な電気の安定供給」を果たすこと。
 
敦賀2号の申請は許可されませんでしたが、その大義まで失われた訳ではないことから、今後の追加調査、そして再申請による審査で“たいした悪魔でない”ことを何としてでも立証され、一日も早く、エネルギー危機にある日本の需給改善に向け戦線復帰されますこと、切に期待する次第です。
 

【絶対に諦められない敦賀2号の再稼働。日本の科学技術を守るためにも、ここで屈する訳にはいかない。】

「リサイクル燃料備蓄センター」が事業を開始

ブログ 原子力

先般、13年ぶりの原子炉起動を喜んだ東北電力の女川原子力発電所2号機。
 
既に報道にあるよう、11月3日、発電機試験併入中に、原子炉内の中性子を計測する検出器の校正用機器を原子炉内に入れる作業を行っていたところ、途中で動かなくなる事象が発生したため原子炉を停止。
 
東北電力はホームページで、「再稼働(発電再開)に向けた今回確認された事象の原因調査を行い、引き続き、安全確保を最優先に、一つひとつのプロセスをしっかりと対応してまいります。」とコメントしており、ここは焦ることなく、万難を備えて工程を進めていただきたいと思います。
 
一方、原子力に関しては、東京電力福島第一原子力発電所2号機で本年9月から行われてきた「※燃料デブリ」の試験的な取り出し作業が完了。
 
※燃料デブリとは
事故当時、1〜3号機は稼働中だったため炉心に燃料が格納されていました。事故発生後、非常用電源が失われたことで炉心を冷やすことができなくなり、この燃料が過熱、燃料等が溶融しました。その溶融した燃料等が冷えて固まったものを燃料デブリと言います。
 
東京電力によると、7日午前11時40分にデブリを格納した容器を専用のコンテナに移し、試験的取り出しが完了したとあり、廃炉の完了に向けては、総量で880トンにのぼると推定されるデブリの取り出しが最大の難関とされ、今回取り出したのは数グラムとみられるものの、今後の分析で得られるデータは、本格的な取り出し工法の検討に欠かせないとしていて、事故から13年半を経て廃炉は新たな段階に入ることになります。
 
ご参考まで、詳しくは東京電力HP「燃料デブリ取り出し状況」のページをご覧ください。
 
 →「燃料デブリ取り出し状況」のページはこちら
 
また、原子燃料サイクルの観点から大きなニュースとして、原子力規制委員会は11月6日、リサイクル燃料貯蔵(RFS)が青森県むつ市に立地する「リサイクル燃料備蓄センター」(むつ中間貯蔵施設)について、使用前確認証を交付。
 
同施設が、実質的な「事業開始」を迎えました。

【事業開始を迎えた「リサイクル燃料備蓄センター」のイメージ図(RFSホームページより引用)】
 
むつ中間貯蔵施設は、原子力発電に伴い発生する使用済み燃料(東京電力、日本原子力発電)を再処理するまで、最長50年間(順次設置する施設ごと、キャスクごと)、安全に貯蔵・管理するものですが、1990年代後半、使用済み燃料貯蔵対策について、官邸レベルで議論されるようになり、サイト外貯蔵に関しては「2010年までに確実に操業開始できるよう、国および電力事業者は直ちに所要の制度整備、立地点の確保等に取り組むことが必要」との報告書がまとめられました。
 
こうした背景も踏まえ、2000年には、むつ市より東京電力に対して立地に係る技術調査の依頼があり構想が具体化し、その後、施設の建設工事が進捗するも、2011年の東日本大震災発生により停滞。
 
原子力規制委員会の審査を経て2020年11月に許可、RFS他事業者は2024年8月、青森県およびむつ市との間で、むつ中間貯蔵施設に係る安全協定を締結するなど、一つひとつステップを進め、ようやく「事業開始」となったものであり、地域の皆様のご理解とご協力に感謝申し上げるとともに、これまでの関係者の方々のご尽力に敬意を表する次第です。
 
RFSでは、「安全最優先で事業に取り組むとともに、事業の透明性を高め、地域に根差した事業運営に努めていく」とコメントしていますが、使用済み燃料を再処理し、回収されるプルトニウムをMOX燃料として加工した上で、有効利用する原子燃料サイクルの推進は、わが国のエネルギー政策の基本的な方針。
 
先の衆院選福井選挙区で複数の候補者が述べていた「使用済み燃料の問題が解決していないのに、リプレースなど無責任(進めるべきではない)」との考えに対しては、今の日本のエネルギー事情を考えれば、バックエンドのことを盾に、新たな電源開発をしないことこそが「無責任」と思うところ。
 
「原子力か再エネか」の不毛な議論ではなく、「原子力も再エネも」活用すべきとの考えと同様、原子力関連事業を進めるには相当な期間を要することを踏まえた上で、最終処分地選定を含む「バックエンド側も」、リプレースや新増設など「フロントエンド側も」同時並行的に進めることこそが、とりわけ国の舵取りをする政治の責任であると、RFSの「事業開始」にあたり、改めて思うところです。

女川原子力発電所2号機が本日「原子炉起動」

ブログ 原子力

第50回衆院選について、昨日ブログでお伝えした後知ったことで、北関東ブロックで1議席、東海ブロックで2議席、国民民主党が議席を獲得したにも関わらず比例候補者がおらず(名簿重複候補者が小選挙区で当選したため)、北関東は公明に、東海は自民と立憲にそれぞれ議席が譲られたとありました。
 
党ではこれを猛省していましたが、全国で得た比例票は自民、立憲に次ぐ660万票。
 
「幻の3議席」を加えれば、「31議席」であったと認識しておきます。
 
また、福井県内の分析で、同じ選挙制度の令和3年第49回衆院選と各党比例獲得票を比較すると、
 
・国民民主党 (第49回) 12,954票 → (第50回)34,069票  2.62倍
・立憲民主党 ( 〃 ) 74,957票 → ( 〃 )76,657票  1.02倍
・日本維新の会( 〃 ) 32,760票 → ( 〃 )29,558票  0.90倍
・自由民主党 ( 〃 )164,749票 → ( 〃 )115,562票  0.70倍
・れいわ新選組( 〃 ) 12,348票 → ( 〃 ) 23,915票  1.93倍
 
であり、変動率で言えば、ここでも最も大きく伸ばしたのは国民民主党、立憲はほぼ変化なし、自民が大きく減となっていることが分かります。
 
なお、れいわ新選組がほぼ倍増しており、国民民主党同様、票数自体少ないものの、支持勢力が拡大していることに留意しておく必要があります。
 
選挙が終わり、既に関心は今後の政局に移っていますが、自公連立政権に打診があったとされる国民民主党 玉木代表は「政策によって連携することはあっても、連立入りはない」と断言していますので、その点ご承知置きいただきたく存じます。
 
さて、衆院選ではあまり論点とならなかったエネルギー・原子力政策ですが、今日は福島第一原子力発電所事故以降、東日本で初、沸騰水型炉(BWR)で初となる東北電力女川原子力発電所2号機が原子炉を起動する予定となっています。
 

【原子炉起動を待つ女川原子力発電所(東北電力ホームページより引用)】
 
同発電所が講じた安全性向上対策、とりわけ電力需給が逼迫する中における同発電所再稼働の大きな意義については、以前にこのブログでも述べましたが、ここに至るまでの関係者の皆様のご尽力、地元地域の皆様のご理解とご協力に心より敬意と感謝を申し上げる次第です。
 
東北電力のホームーページ(HP)を拝見すると、再稼働に向けた思いとして、以下のように記載されていました。
 
<以下、HP引用>
 
安全確保を最優先に再稼働に取り組んでおります。
女川原子力発電所2号機は、国の新規制基準の適合性審査へ適切に対応し、2024年5月27日に安全対策工事が完了いたしました。
現在は2024年11月頃の再稼働(発電再開)を目指し、各工程を進めております。
私たちは今回の再稼働を、単なる発電再開ではなく、発電所をゼロから立ち上げた先人たちの姿に学び、地域との絆を強め、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を反映し、新たに生まれ変わるとの決意を込めて、「出発」と位置付けております。
引き続き安全確保を最優先に、再稼働に向けた一つひとつのプロセスをしっかりと進めてまいります。
 
<引用終わり>
 
いよいよ今日、その日がやってきました。
 
強い決意を込めた「出発」を見守るとともに、「より、そう、ちから」をキャッチフレーズに掲げる同社が、再び原子力の灯によって地域社会に貢献されますこと、心より期待し、応援したいと思います。
 
(参考)再稼働に向けた工程表・・・今日は③の工程に進みます

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