学び多き最終日。6月定例会は閉会。

ブログ 敦賀市議会

6月8日より、22日間に亘り開催された敦賀市議会第4回定例会(6月定例会)が閉会しました。
 
最終日となった昨日は、先週金曜日に送付のありました理事者からの追加議案、議員提出議案(両方とも27日のブログで説明したものです)が加わったこともあり、時間を延長し18時過ぎまでの審議と中身の濃い1日となりました。
 
議会で過ごす時間は、議員となって1年ちょっとの私にとっては、すべて学びの場であると言っても過言ではないのですが、最終日もやはり勉強になることが多々ありました。
 
1点目は、議案の審査方法について。
 
この日、正式に提出された新型コロナウイルスに関する補正予算案2議案は、審査を予算決算常任委員会に付託され、その委員会(全体会)の冒頭、当該委員会運営要項の規定にある「緊急の追加補正予算案等を審査する場合は、委員会に諮り設置しないことが出来る」に照らし、分科会の設置を省略し委員会(全体会)にて討論・採決までを行う旨、委員長から委員にお諮りしたところ、1名の委員が挙手し「分科会を開催してください」との意見。
 
敦賀市議会においては、前述の「設置しないことが出来る」との記載を踏まえ、委員会での運営についての諮りごとについては「全会一致」で決定することが理想であるとの考えのもと、全員の了解を得ることが出来なかったことを踏まえ、通常通り分科会を開催することとしました。
 
当たり前と思われるかも知れませんが、私はこの「全会一致」で決定するとの理想に沿って判断されたこと自体に、民主的且つ審査の過程を重んじる議会であるとの認識を強く感じた次第です。
 
2点目は、審査の深さについて。
 
1点目で述べたように、全体会での基本質疑の後、所管する「文教厚生分科会」並びに「総務民生分科会」が開催された訳でありますが、通常ですと自分自身も「産経建設分科会」に出席するところ、この日は所管案件なしということで、両分科会の傍聴をさせていただきました。
 
他の分科会での審査をじっくりと見聞きするというのは中々無いことなのですが、とりわけ審査する事業の多かった「文教厚生委員会」では、福祉保健部、教育委員会、病院事業に関わる案件に関し、提案プロセスなども含め、各委員からより詳細に多角的な視点から質疑がなされていました(学校ICTとネット依存症との関連を問うていた点は、少し本筋からズレた論点と感じたりしましたが…)。
 
もちろん自身も「手を抜かない」と肝に銘じ審査にあたっておりますが、分科会を開催する意味合い、つまり「徹底的な深掘り審査」の例を改めて見た気がしました。
 
最後3点目は、議会運営について。
 
共産党敦賀市会団以外の4会派連名で提出された議案「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の期限延長等を求める意見書」に関しては、本会議を前に開催された議会運営委員会にて、今大地晴美議員が「反対」の立場から、和泉明議員が、まさにそれを受けて立つ形で「賛成」の立場から討論を行う旨通告のあったところ。
 
正直、このお二人の討論、論戦を期待していた訳ですが、何と今大地議員が体調不良で議場にいらっしゃらないとの事態に。
 
討論通告もしている状況でこういった場合どう対処するのか、自分としては敦賀市議会「申し合わせ」にある「欠席などによる討論者の変更は議会運営委員会にて決める」に沿って行うべきかとも思っておりましたが、いざ討論の段に入ると、田中和義議長は淡々と「今大地晴美君」と呼び、返事なし(もちろん席にいないので)を受け、「通告の効力を失った」と宣告。
 
では、賛成討論だけ行うのかと思いきや、次に控える和泉議員に対しても「和泉明君」と呼び、すかさず挙手の無いことをもって「効力を失した」ととの宣告。
 
和泉議員はもちろん議場にいらっしゃったので、賛成討論だけ行うことも出来たのでしょうが、そこは「受けて立つ」形で通告された背景や和泉議員の心情も慮り(これは推測ですが)も踏まえつつ、臨機応変に機転を利かせて対応されたことに、習熟と申しますか熟練された議会対応であると胸の中で感嘆の声を挙げた次第です。
 
後で聞けば、やはり議長、議会事務局の連携プレーがあってこそということで、改めて敬意を表するところです。
 
私が学んだことを述べてきましたが、今定例会にて提案された議案は全て可決、請願1件(リラ・ポート早期再開)は不採択とし、議会を閉じました。
※リラ・ポートに関する請願不採択についての考えは20日のブログに記載しています。
 
渕上市長の閉会のご挨拶に「今年は海水浴場を開設しないなど、市民の健康に配慮した判断をしたところでありますが、身近にある敦賀の自然に触れていただく機会にもしていただければと思います。」との言葉がありました。
 
首長としての責任のもと苦渋の判断をされてきている様子とともに、「こういう時こそ、敦賀の良さをじっくり見つめよう」との市民に向けた前向きなメッセージと受け止めました。
 
この習熟された議会、そして理事者が緊張感を持ちつつ、ギヤを合わせて両輪として回転すれば、必ずや敦賀市は発展するとの思いをさらに強く持つことが出来ました。
 
定例会は終わりましたが、今日からの1日1日を大切に、ひとつでも多くの市民の皆さんからの声を反映出来るよう頑張ります。
 

【定例会を終えた本会議場。次回の定例会開会は9月1日となります。】