2026年8月5日
「秦野市議会」及び「藤沢市議会」の取り組みを学ぶ
敦賀市議会 議会運営委員会の行政視察2日目は、神奈川県秦野(はだの)市と藤沢市へ。
それぞれの市議会における視察項目は以下のとおり。
<秦野市>
①委員会主導の政策提言について
②議会運営におけるICT利活用について
<藤沢市>
①カフェトークふじさわについて
②オンライン委員会について
③ハラスメント防止について
上記にあるよう、項目が盛りだくさんということもあり、概要のみとなりますが、本日も視察報告いたします。
<秦野市>
・昭和30年に市政施行。昨年70年を迎える
・令和8年7月1日現在の人口は、161,253人
・面積103.76平方キロメートル
・北は丹沢連峰、南は渋沢丘陵があり、神奈川県唯一の盆地
・地下には芦ノ湖の4倍ほどの水資源がある

【視察会場は、なんと本会議場でした】
議会改革に関しては、「議会基本条例」制定に向けて協議する「議会活性化特別委員会」を平成21年に設置して以降、継続的に取り組まれており、平成24年からは議会報告会を開催。
平成27年には、「委員会中心主義への転換」により、例えば特別委員会で決算審査してきたものを分科会審査方式に変更したり、平成28年には、全議員にタブレット配布と同時に資料投影のための大型スクリーン(150インチ)を本会議場に設置したこと、かなり砕けたものでPRしないと市民の関心は寄せられないとの思いで、議員自らマンガを作成し発信したところ、当該ページへのアクセス数が約100倍にするなど、積極的な取り組み展開がされていました。
①委員会主導の政策提言について
◉令和4年1月からの通年会期制の導入に伴い、常任委員会の機動性を活かし、各常任委員会で選定したテーマについて所管事務調査や関係団体等との意見交換を踏まえた調査研究をして、その成果を執行部に対して政策提言を行なっている。
◉メリットとしては、①議員個人による政策提言(一般質問等)よりも、議会の相違として提案することになるため、二元代表制のもと市長と議会が相互に抑制と均衡によって緊張関係を保つことができる、②議会による取り組みとして、メディアや市議会ホームページにおいて、市民に対して積極的に発信することで、市議会の存在意義をさらに高めることができること。
◉令和5年3月には、「議会からの政策提言書」を視聴へ提出する「第1回政策提言手交式」を実施。
◉以降、令和7年5月に第2回を実施。令和9年6月に第3回の政策提言を予定。
◉政策形成サイクルを回していく上においても、提言したことに対する「フォローアップ」をしており、確認結果は市長に提出している。理事者との最初の話は、提言に留めるということであったことも踏まえ、実施されるまで追いかけるようなことはせず、提言1年後に実施の状況を確認・検証し、市長に提出するところで一旦区切りをつけている。
②議会運営におけるICT利活用について
◉前述のとおり、平成28年にタブレット導入。
◉導入目的は、「議会機能の向上」と「市民サービスの充実」のための活用手段であり、議員・事務局双方の業務負担を軽減や市民に開かれた議会運営の実現に向けて取り組んでいる。
◉インターネット中継(ライブ・録画アーカイブ)は現在、本会議のみだが、今後は委員会も実施する方向で検討中。
<藤沢市>
・一言で説明すると「江ノ島」のあるまち
・年間観光客数 2,149万人(2025年)
・財政力指数1.08
・議員の平均年齢は53.1歳(若い)
・期数を重ねた議員と若い議員が切磋琢磨をし、円滑で活力ある議会づくりに取り組んでいる。

【藤沢市議会での視察の様子】
①カフェトークふじさわ
◉議会報告会にワールドカフェ方式を取り入れたもの。
◉経緯としては、2015年に牧瀬先生(法政大学大学院 公共政策研究科兼任講師)より、議会報告会に関して、対話型のワールドカフェ方式での実施を提案いただく(報告会というより意見収集・交換の位置付けに)。
◉議会報告会では、議会活動の報告や市政の課題について、議員と市民で情報や意見交換を行う場としてきたが、カフェのようなくつろいだ雰囲気の中で少人数のグループに分かれて自由に対話を行う手法に切り替えた(2016年に導入し、これまで11回開催)
◉議会基本条例上は、「議会報告会を」となっていため、「等」を加える形で改正した。
◉チラシや会場の飾り付け、議員の服装もカジュアルに。
◉議会費予算から支出し、飲み物やお菓子も提供。議員個人ではなく、市議会として提供するため問題ない。
◉カフェの各テーブルホスト(仕切り役)は大学の(牧瀬)ゼミ生、書記役は議員、一般参加者とゼミ生、議員が対話に参加する形式。
◉カフェトークふじさわは解答を出すことが目的ではない。
◉開催ポスターも昨年は市内中学校に募集。10点ほど集まった。
◉託児サービスを設けているが、ここ2年は同じ方がお一人利用。
◉カフェトークに変更して、若い世代の参加者が増えた。
◉実施後のアンケートにおける満足度は、「満足・少し満足」が、29%から89%に大きく向上。
②オンライン委員会について
◉令和2年6月に新型コロナ禍における会議のあり方が提起され、半年の議論を経てオンライン委員会開催の条例改正(同年10月)
◉令和3年10月には「オンライン委員会開催要綱」を承認。
◉オンライン委員会の開催形式は、【パターンI】として、一部オンライン型(大多数の委員、市職員が招集場所に参集できる場合)と【パターンII】の全オンライン型(参集できない場合)の2種類がある。
◉藤沢市議会においては、新型コロナ禍において、常任委員会、特別委員会等、多数のオンライン委員会開催実績あり。
◉オンライン委員会の開催決定は委員長が行い、オンラインでの出席を希望する委員は、事前に委員長に申請、これを許可するルール。
◉毎年、実施後にアンケートを行い集約・検証をしており、次年度に活かしている。
③藤沢市議会ハラスメントの防止に関する条例について
◉2023年頃、全国的に議会でのハラスメントが問題化。
◉藤沢市議会でも市職員の管理職者を対象にアンケートを行ったところ、322人中、「ハラスメントを受けた」が23%、「見聞きした」が18%の結果に。
◉この状況を踏まえ、議長から条例制定に向けた提案があったものの、議会運営委員会で協議を進めるとの合意に至らず(全会派の賛同が得られなかった)。
◉このため、有志議員での検討会(3会派)を立ち上げ、条例制定に向けて協議。
◉2024年12月定例会にて、32対2の賛成多数で可決され、2025年4月に条例施行。
◉条例施行後、相談窓口への相談は“0件”ながら、アンケートでは「ハラスメントを受けた」10%、「見聞きした」が22%であり、相談のあり方等について再考も必要かと認識している。
◉ハラスメントの対応にあたっては、相談者の意向を最大限尊重している。
◉条例は、議員提案ということもあって、まずは「自分たちの条例をしっかり作る」というのが基本的考えにあったことから、対象はあくまでも議員同士あるいは議員から市職員に対してのものとしている(理事者と一緒にという考えはない)。
◉アンケートは4年に1回実施しているが、先進地の柏市議会は毎年実施とあるので、個人的には(説明者である議会運営委員長の)そうした頻度も必要かと考えている。
まだまだ質疑の内容等もありますが、ご報告はこれまでに。
神奈川県の二つの議会にて大いに学ぶ一日となりました。
「知って行なわざれば、知らぬことと同じなり」
「知行合一」の考えに基づき、これらの取り組みを持ち帰り、敦賀市議会の議会改革と議会力向上、ひいては市民の皆様にとって身近で分かりやすく、そして「頼られる議会」となるよう、議会の一員として取り組んでまいります。






