「切り取り」を通り越した「真逆」の報道には要注意!

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国内における不一致課題でもある原子力や国家安全保障などに対しては、これまでも客観性と公平性を欠く、テレビ番組での「切り取り」報道がされてきたことは周知の事実でありますが、いよいよ今回の新型コロナでは、「切り取り」を通り越し「真逆」の報道がされました。
 
ご存知の方も多いかと思いますが、5月7日放送のテレビ朝日の情報番組「グッド!モーニング」で、新型コロナウイルス感染症におけるPCR検査の必要性について取材を受けた澁谷泰介医師の発言が問題になったところ。
 

 
放送後に大きな違和感を感じた澁谷医師が、Facebook上で異論を唱えたことから、その事実が明らかとなったものであり、内容は以下の通り。
(◉は、澁谷医師のFacebookより引用)
 
◉取材で、PCR検査に関しては「これから検査数をどんどん増やすべきだ」というコメントが欲しかったようで繰り返しコメントを求められましたが、私(澁谷医師)は、「今の段階でPCR検査をいたずらに増やそうとするのは得策ではない」とその都度コメントさせていただきました。
◉確かに潤沢な検査をこなせる体制というのは本当に必要な方に対してはもちろん必要です。
ただ、無作為な大規模検査は現場としては全く必要としていない事をコメントさせていただきましたが完全にカットされていました。
(※大規模検査が必要ない理由に関しては、調べていただければ感染症や公衆衛生の専門家の方々の意見などたくさん出てきます)
◉カットだけならまだいいのですが、僕がヨーロッパ帰りということで、欧州でのPCR検査は日本よりかなり多い(日本はかなり遅れている)といった論調のなかで僕のインタビュー映像が使用されて、次のコメンテーターの方の映像に変わっていき、「だからPCR検査を大至急増やすべきだ!」というメッセージの一部として僕の映像が編集され「真逆の意見」として見えるように放送されてしまいとても悲しくなりました。
 
◉メディアの強い論調は視聴者に強く響き不安を煽ります。
情報が過剰な現在で、どうか正しい知識と情報がみなさんに行き渡って欲しいと切に思いました。
正しく伝えるって難しいですね…。
 
これが、取材から編集、放送に至るまでの実情であり、最後は澁谷氏の医師としての切実な思いで結ばれています。
 
澁谷医師は、この後、上記のように「取材内容とはかなり異なった報道をされた」とSNS上で事実を公表し、波紋が広がったことを受け、同番組は12日の放送で医師の意見を改めて紹介し、「医療現場の声を放送につなげることをおろそかにした」として謝罪するに至りました。
 
しかしながら、番組で流してしまった事実は消えませんし、そもそも直面する国家的危機である新型コロナ感染拡大に対し、偏向を通り越して恣意的・確信犯的な編集によって公共の電波で無用の不安を煽ることは、正直、番組のキャスターが謝罪して済む問題ではありませんし、断じて許されるものではないと思うところであります。
 
医療現場の実態を知ってか知らずか、「全数PCR検査せよ」と国会で声を荒げて叫んでいる政党と重ね合わせれば、コロナ対応に対する安倍政権批判でマイナスの印象操作を狙っている、いわゆる「コロナが政治利用されている」ことが見え隠れする訳であります。
 
今回のテレビ朝日に留まらず、大なり小なり報道各局にもこういった部分が散見される今、テレビ報道やコメンテーターの言葉、インタビューの声までも鵜呑みにせず、SNSやyoutubeなど、他の媒体での発信と照らし合わせ、「何が真実なのか」を探ることが視聴者にも求められる時代なのかもしれません。
 
とにかく誤った情報をもとに行動することには要注意ですね。
 
そういう見方をすれば、検察庁法改正の論議はどのようにお感じでしょうか?
私には、今回の構図が同じような気がしてなりません。
 
本件についてもまた、そのそもの法案趣旨や審議プロセス、他社の意見などを把握したうえで、自身の考えとして整理しておきたいと思います。