「躍進」の「期待」乗せ飛ぶドローン 〜愛発地区で「買い物代行サービス」実証フライト実施〜

ブログ まちづくり

この第6波により、予定していたほとんどの行事ごとは中止や延期、或いはオンラインへの切り替えとなっていますが、昨晩開催された連合福井嶺南地域協議会の「2022新春議会報告会」もそのひとつ。
 
新春の顔合わせの意味も込め、当初は若狭町レピアのホールにて集合形式で開催の予定でしたが、福井県内の感染拡大状況も踏まえ、急遽オンライン形式に変更し開催となったもの。
 
それでもこうして、議員側も参加者も何の違和感なく切り替えられるところがコロナで生まれたプラスの産物と思う次第ですが、30名弱の参加者のもと、各議員のニュースレターを画面共有のうえ、北川博規福井県議会議員、今川博敦賀市議会議員、小幡憲仁高浜町議会議員(現在議長をお務め)、そして私の4名の連合推薦議員より報告をさせていただきました。
 
「活動の原点は、職場と地域の声にあり」をモットーとする私にとって、このような場は非常に貴重なものであり、「コロナ禍でもできること」と取り組む連合福井嶺南地域協議会の各加盟産別労組の皆さんとは引き続き、緊密な連携を図っていくことをお約束させていただきたく存じます。
 
さて、この話題については既に福井新聞でも取り上げられていましたので、ご存じの方も多いかと思いますが、敦賀市の愛発地区で1月20日から行われている「ドローンを活用した配送の実証実験」について、議員各位にもご案内を頂戴したことから、昨日現地にて拝見させていただきました。
 
簡単に申し上げますと、ドローンを用いた「買い物サービス」ということですが、実証実験は昨年11月、市と包括連携協定を締結した物流大手セイノーホールディングスと機体開発会社エアロネクストが実施するもので、愛発公民館をトラックなどで運んだ荷物を一時保管する倉庫「ドローンデポ」に設定のうえ、0・7キロ~1・3キロ離れた疋田や奥野地区の集会所を仮の「ドローンスタンド」とし運搬、地区住民の理解向上や定期飛行に向けた課題を洗い出すというもの。
 
愛発地区は、市街地から離れ、唯一のコンビニの廃業などで買い物が困難で、医療機関へも距離があるという地理的課題があることに加え、全体的な高齢化率の高まりなどを踏まえれば、平時はもとより、災害時などにおいてもこうした地域に物資を配送することは重要なこと。
 
そうして実際にフライトの状況を見るに、やや吹雪混じりの天候の中、買い物支援を想定し注文された物品(段ボール梱包)を機体に収め、安定且つ正確なルーティングで目的地の「ドローンスタンド」まで飛行する姿は、大変頼もしくもあると同時にどこか近未来的な感覚に陥った次第です。
 

【物資を格納し空に飛び立つドローン】
 
現場にいらしたセイノーホールディングスの担当者に伺うに、この後はまず陸送での買い物サービスを行いながら、今回の実証フライトの結果も踏まえ、新年度中にも地区内でのドローン配送の実用化をめざしたいとのことでした。
 
報道では、実際に疋田第一会館前の広場で、注文した食料品を受け取った女性(73)からは「地区には運転免許を返納した人もいる。注文して配達してもらえるとすごく便利だと思う。実用化されたら利用したい」との感想を述べられたそう。
 
セイノーホールディングスが関係する同取組みは現在、敦賀市を含め全国で4ヶ所とのこと。
 
過疎化や高齢化が進む社会にあっても、足を運んでの対面が最も大事なことは言うまでもありませんが、そうした取り組みと並行し、このドローンやデジタルを活かしたサービスを導入し、充実させていくということが今後ますます重要になると、愛発の地で改めて実感した次第。
 
最後に、ドローンデポに設定したここ愛発公民館は、旧愛発小中学校校舎を利用しているもの。
 
グラウンドを見下ろす旧校舎の前には、足を踏ん張り体を反らす力強い銅像があり、そこには「躍進」の言葉が刻まれています。
 
「田舎だから」と諦めるのではなく、「田舎だからこそ」できることがあるとの思いのもと、ここ愛発地区を皮切りに、めざすはまさに「躍進」であります。
(渕上市長のキャッチフレーズ「敦賀躍進」と被りますが、その点ご容赦を)
 
(追伸)
気温が0度台、時折吹雪の天候はとにかく寒かったです。。。
そんな中、2日間に亘り対応されましたセイノーホールディングス並びにエアロネクストの皆さん、そして市のご担当の方、大変お疲れ様でした!
 

【「躍進」が刻まれた力強い銅像】

次代を担う高校生に「市議会の役割やしくみ」を伝える

ブログ 敦賀市議会

国会のほうは衆議院での代表質問を終了し、首相施政方針演説に対する各党の考えが示されました。
 
私が特に注視する外交防衛、エネルギー政策に関しては、まず外交防衛について、台湾情勢や敵基地攻撃能力など安全保障の重要課題が取り上げられましたが、国民の命に直結する問題でありながら、扱いに差があったのが安全保障。
 
最も熱心に安全保障の課題を取り上げたのは日本維新の会で、馬場共同代表は、中国が「力」による台湾統一の野心をあらわにしているとし、「台湾有事は日本有事、日米同盟の有事に直結する」と指摘したうえで、「台湾有事」は焦眉の急の課題だと述べました。
 
また、敵基地攻撃能力の保有に関しては、馬場氏が賛成し、国民民主党の玉木代表は検討が必要、立憲民主党の泉代表と共産党の志位委員長は反対と、各党の考えの違いが色濃く出る結果となりました。
 
次にエネルギー政策について、まず立憲民主党の泉代表は、「日本が脱炭素化など気候危機対応の分野において世界を主導するとともに、国内では再生可能エネルギーの導入で地域の自立を図るべきだ」と訴え、自治体、住民および地元企業が、再生可能エネルギーを生み出すことは、地域に雇用も生み、域内経済の活性化にもつながると主張し、住宅用太陽光発電のさらなる普及の後押しや全国の公共施設の改修や新築において、省エネ再エネ導入を義務化することを提案しました。
 
これに対し、国民民主党の玉木代表は、「特に、給料が上がる経済の実現のためには、エネルギーの安定供給は不可欠な要素です。折りしも、EUの欧州委員会は、原子力発電をグリーンな投資先として認める方針を打ち出しました。2050年カーボンニュートラルを達成するための現実的な対応だと考えます。日本としても、特に、小型モジュール炉(SMR)や高速炉の実証研究には積極的に取り組むべきだと考えます。」と述べ、岸田総理の方針を問いました。
 
残念ながら、喫緊の課題である電力需給ひっ迫に対する対応策や既存原子力発電に対しての意見はなかったものの、同じ気候変動、脱炭素の問題であっても、再エネを軸とする立憲民主党と原子力を重視する国民民主党とで、こちらも違いが鮮明となった訳ですが、言い換えれば「絵空事」と「現実路線」の違いということであり、言わずもがな私が国民民主党を支持する理由もお分かりいただけるのではと思う次第です。
 
今日から舞台を参議院に移しての代表質問となりますが、引き続き国会論戦を注視していきたいと思います。
 
さて、一昨日は、敦賀市議会の「議会報告会」開催に向けた収録を行いましたが、昨日の福井新聞や日刊県民福井ではそのことを取り上げていただき嬉しい限り。
 
また、昨日は同じく敦賀市議会の取組みである「高校生との意見交換会」を開催。
 
「意見交換会」とはあるものの、趣旨はこれから参政権を得る皆さんに「市議会の役割やしくみ」を知っていただくことであり、今年度は私が所属する広報広聴委員会のメンバーにて対応させていただいていたもの。
 
本来であれば、学校にお伺いしての開催としておりましたが、このコロナ感染拡大により対面からオンラインに切り替えたうえで、昨日は敦賀高校(1年生2クラス)の皆さんと4限目の授業時間をお借りし開催しました。
 

【第1委員会室での開催風景】
 
広報広聴委員会からは、趣旨説明ののち、パワーポイント資料にて、市議会の役割やしくみ、会議の種類など基本的事項の説明に加え、最後は衆議院選挙の投票率推移や年代別投票率を紹介し、若年層の政治参画の必要性、とりわけ今後与えられる権利「投票権」を決して無駄にすることのないよう呼び掛けました。
 
説明後の質問時間では、間髪入れずに次々と生徒の皆さんから質問が寄せられるなど、活発な時間となり、こちらも大変嬉しい限りでした。
 
投票権の18歳引き下げなどを踏まえ、学校では「主権者教育」がされているところですが、こうしてリアルに政治の場に身を置くものから話しを聞くということは、彼ら彼女らにとって、政治や議員を身近に感じるきっかけにもなると思う次第であり、やはり非常に大切な取組みであると改めて感じたところです。
 
この後は、28日に敦賀工業高校、31日には敦賀気比高校で開催予定ですので、引き続き両校においても議会広報の役割のもと、生徒さんに少しでも多くのことが伝えられるよう努めていきます。

新規感染者数ばかりの報道に煽られることなかれ

ブログ 新型コロナウイルス

昨日は、2月に嶺南ケーブルネットワークで放映予定の敦賀市議会「議会報告会」に向けた収録を実施。
 
事前に全議員で確認したパワーポイント資料をベースにしたナレーションの吹き込み、報告会の冒頭と最後に挨拶する議長、広報広聴委員会の動画撮影まで、約2時間の収録を終え、あとはRCNさんでの編集作業を待つのみの状態となりました。
 
敦賀市議会基本条例に基づき、市民の皆さんに「年1回以上」行うと定めている「議会報告会」であり、コロナ禍を理由に簡単に止めるのではなく、「どうやったらお伝えできるか」の認識に立ち、昨年開始したこのテレビ放映スタイル(&YouTube配信)。
 
昨年放映した後のご意見なども踏まえ、今年はさらに改良された形となっておりますので、市民の皆さまにおかれましてはぜひご覧いただければと思います。
 
また近くなりましたらお声掛けさせていただきますが、放映日時は以下のとおりとしていますので。
◉1回目:2月20日(日)10時00分〜10時20分
◉2回目:2月21日(月)19時00分〜19時20分
 
さて、話題を新型コロナウイルスに切り替えますが、昨日、福井県内の新規感染者は79人。
 
県独自の「感染状況の評価指標」3項目を見ると、①直近1週間の新規感染者数は456人(緊急事態レベルの192人超)となっているものの、②病床使用数は50床(確保病床に占める割合11.8%)、③ICU病床使用数はゼロとなっています。
 
全国各地での感染を見ても、「新規感染者は多いが、重症化率は低い」という傾向を示しているのは明らかであることに加え、実効再生産数は既にピークアウトしており、全国では5.75から2.49、福井県では18.4から1.86まで下がってきています。
 
※実効再生産数とは、ある時点において1人の感染者が全感染期間に感染させる人数の平均値のことを意味し、「1以上で増加傾向」、「1未満で減少傾向」を表します。実効再生産数が低下する要因には、人々が免疫を持つこと、行動変容(手洗いやマスク、接触を減らす)などが挙げられます。
 
実効再生産数1.0を切るまではもう少しといったところでありますので、こうした数字から見えることも把握しながら、従前と同様「正しく恐れる」との認識をもった対応が必要と考える次第です。
 
参考まで、こうしたデータがまとめて掲載されている、福井県新型コロナウイルス情報「コロナビ」のサイトをリンクしますので、関心のある方はご覧いただければと存じます。
 
 →→→「コロナビ」はこちらから
 
こうした状況も踏まえつつ、何をおいても「自分自身の身は自分で守る」、「人にうつさない」というのは、新型コロナであれ、風邪であれ、感染症においては鉄則とも言えること。
 
普段の生活やお仕事、経済活動と両立していかねばならないことを考えると、特にこの認識が重要である訳ですが、例えば「県外に行ったけど感染していないか」、「会合に出る前に感染していないか確認したい」という場合においては、福井県が実施しているコロナ感染に関わる「無料検査」(PCR検査&抗原検査)を受けることができます。
 
 
県では「福井県PCR検査無料化特設サイト」を立ち上げ、周知をしておりますので、詳しくは以下をご覧いただきたく存じます(各市町の実施事業所も掲載されています)。
 

 
 →→→福井県「無症状の県民を対象としたPCR等検査の無料化」特設サイトはこちらから
 
敦賀市においては、当初の4事業者に加え、「竹内内科クリニック」(砂流)も実施事業者に加わっており、県に確認したところ、現在も複数の事業者に応募いただいているとのことであり、今後も徐々に実施箇所は増加する見込みとのことでした。
 
ついては、皆さまにおかれましては、先に述べたようなご心配、ご懸念等生じた際には、ご案内をご一読のうえご利用いただければと思います
 
なお、敦賀市においては、昨日も関連情報をホームページ更新するなど、情報周知に努めていますので、併せてご覧いただければと思います。
 
 →→→敦賀市HP「新型コロナウイルス感染に不安を感じる方は、無料でPCR等検査を受けられます」はこちらから
 
テレビ番組では日々の新規感染者数ばかりをおどろおどろしく報道するところですが、これに決して煽られることなく、真実を表す「数字」をしかと見定めた冷静な対応と基本対策の徹底により、この第6波を乗り越えていきましょう。

「革新的」の前に「既存原子力」のフル活用を

ブログ 原子力

17日に行われた岸田首相の施政方針演説では、気候変動問題を「克服すべき最大の課題」として、その対応を前面に掲げられました。
 
課題解決に向けた取り組みとしては、2050カーボンニュートラルも視野に革新原子力や核融合などの非炭素電源に触れ「方向性を見いだしていく」と述べたこと、エネルギー供給構造の変革だけでなく「産業構造、国民の暮らし、地域の在り方全般にわたる経済社会全体の大変革に取り組む」と強調したこと、水素・アンモニアの海外展開にも言及し、技術標準や国際インフラ整備をアジア各国と進める「アジア・ゼロエミッション共同体」を構築すると表明しています。
 
「将来」に向けた選択肢を総花的に挙げられたとの印象は拭えない訳ですが、「最大の課題」は足下の電力需給ひっ迫にあると考える私としては、これを回避するための現実的で具体的な取組みが述べらなかったことは、どこか問題のすり替えがされているようにも受け止めた次第です。
 
結論から申し上げれば、「革新原子力」や「核融合」を挙げたとて実用までの道のりの長さを考えれば、「既設原子力発電」をフル活用するほか、今ある「軽水炉」の技術を生かして新増設を進めなければ、経済成長を後押しする「エネルギー源」は生まれないと考えるものです。
 
施政方針演説のこの部分に対しては、私がウォッチしている範囲だけでも、複数の有識者が私と同様の考えを示している訳ですが、絵空事を言っていては世界から取り残されるということだけは申し上げておきたいと思います。
 
そのことを裏付けるよう世界の動きを見てみますと(原子力産業新聞記事を基に)、まず先進的な側面としては、今年に入ってからだけでも、カナダではダーリントン発電所内で建設するSMR(小型モジュール炉)としてGE日立社の「BWRXー300」を選定したほか、英国では政府が2030年代初頭の実証に向けた先進的原子炉プログラムにHTGR(高温ガス炉)を選択するなど、既に明確な方向として進んでいます。
 
また、既存の軽水炉に関しては、1月1日に中国福建省で建設していた福清原子力発電所6号機(PWR、115万kW)が初併入。
 
同炉は中国が知的財産権を保有する第3世代の100万kW級PWR設計「華龍一号」を採用しており、「華龍一号」の完成は福清5号機に次いで中国国内2基目、世界全体ではパキスタンのカラチ原子力発電所2号機(110万kW)を含めて3基目となるとのこと。
 

【運転を開始した福清原子力発電所6号機(原子力産業新聞より)】
 
また、エジプト初の原子力発電設備となるエルダバ発電所の建設工事を請け負ったロシアのロスアトム社は1月12日、同発電所3、4号機(各120万kWのロシア型PWR:VVER)の建設許可を、エジプト原子力発電庁が昨年12月30日付で同国の原子力規制・放射線当局に申請したことを明らかにしました。
 
エジプトでは急速な人口の増加と産業活動の活発化により、電力需要が急増しており、停電のリスクを避けつつ需要の増加に対応するため、エジプト政府は発電設備の多様化を含めた意欲的なエネルギー計画を策定。
 
CO2を排出せずに低価格な電力を供給可能なエルダバ原子力発電所は、同国のエネルギー計画の要になると見られているとのこと。
 
ここで紹介したことは、世界で起きているほんの一端に過ぎない訳ですが、国家の至上命題である、「いま」そして「将来」に亘り自国のエネルギーを低廉且つ安定的に確保していくことに必死であることがお分かりいただけるものと思います。
 
これに照らして、我が日本はどうか。
 
政治の場で発せられる言葉は「革新的」ばかりで、今ある軽水炉の技術を用いた新増設・リプレースは、あたかも「禁句」にしているかのようです。
 
これまでも自身の考えとして述べてきているよう、先の大戦に至る過程で日本が思い知ったことは今も変わっていません。
 
つまり、世界は熾烈な「エネルギー資源獲得競争」環境にあり続けるということであり、「脱炭素化」により一層激化していると認識せねばなりません。
 
こうして世界で激化する環境の中で、まずは「今ある資源(人的技術を含む)」である軽水炉を最大限活用していくと考えることを「禁句」にしていてはいけないと強く思う次第です。
 
今日から国会は施政方針演説に対する代表質問が始まります。
 
岸田首相の考える「気候変動対策」や「エネルギー政策」に対して、「現実路線」で考えを述べる政党があるのか否か。
 
「絵空事ばかりでは日本は沈む」との認識をもって、この岐路に立つ国会を注視する所存です。

水島新司先生死すとも、作品は我が心の中で生き続ける

ブログ 社会

昨日、第208通常国会が召集され、岸田首相の施政方針演説を始め、外相、財務相、経済財政政策担当相からの各演説が行われたました。
 
首相の施政方針演説については、私も全文拝見させていただきました。
 
国のトップリーダーが考える課題認識とは何かに焦点を当てて拝見するに、最優先課題は新型コロナ対応としつつ、「資本主義の負の側面が凝縮しているのが気候変動問題であり、新しい資本主義の実現によって克服すべき最大の課題でもあります。」と述べられた点に、「そこが最大の課題か」と若干の違和感を感じた次第。
 
また、既に野党各党党首からは受け止めの声が挙げられていますが、私が支持する国民民主党の玉木雄一郎代表は自身のTwitterで「岸田総理の施政方針演説は手堅い印象です。また『賃上げ』や『人への投資』を重視する政策は、国民民主党の政策そのもの。しかし、不十分な点が多々あるので、そこはまさに『対決より解決』の姿勢で、具体的な政策、解決策をどんどん示していきます。今国会を『給料が上がる国会』にしたいと思います。」と述べています。
 
政府与党は、令和4年度予算案の今年度内成立を期すとしており、19日から始まる各党代表質問を皮切りに、この国難とも言える時期に開かれる国会が真に与野党の政策論戦の場となることを期待するとともに、私自身、今後の状況把握に努めたいと思います。
 
さて、話題をガラリと変え、私にとって昨日の一番の出来事は、漫画家の水島新司先生がお亡くなりになったこと。
 
享年82歳。
 
私世代では知らない人はいないであろう代表作「ドカベン」を始め、数々の代表作は多くの国民に長年愛され、「野球漫画の世界に革新」をもたらしたとも称される水島先生の、これまでのご活躍とご功績に敬意を表するとともに、ファンの一人として、心よりご冥福をお祈りいたします。
 
この訃報を受け、一時はTwitteのトレンドでトップ、Yahooニュースではコメントが多過ぎて閲覧できなくなったほか、「平成の怪物」松坂大輔さんなど、水島漫画に登場した実在の選手なども多くコメントを発するなど、魅力的なキャラクターが登場する全く新しいタイプのリアル野球漫画に魅了された人々への影響の大きさは計り知れないものがあったことを実感した次第です。
 
私自身、「ドカベン」や「球道くん」などはもちろん、永久保存版として全巻保管しているほか、あぶさん、野球教の詩、男どアホウ甲子園、一球さん、ダントツ、そして水島作品に登場する高校球児が甲子園に結集し戦う「大甲子園」など、読みふけった漫画は数知れず。
 
大人になってからも、これだけ夢中になって読んだというのは、単に野球漫画というだけでなく、それぞれの登場人物の人間模様、ライバル関係の中にもどこか清い優しさがあふれる作品であったことが一番大きな理由としてあったのかと思う訳ですが、「ドカベン」の「明訓高校」は、水島先生が希望していた新潟明訓高等学校への進学の思いから名付けられたことなど、水島さん自身の分身が漫画の世界の中に生きているようにも映るものであります。
 
数ある作品に優劣をつけるつもりは毛頭ありませんが、一番好きな作品はと聞かれれば、私は「球道くん」と答えます。
 
詳細は割愛しますが、小さい頃に親と別れ(南海ホークスの選手であった実父は死去)、胸に「球けがれなく道けわし」のボールをお守りのようにぶら下げた「中西球道」くんは、その後プロ野球選手となる父に育てられ、数々の野球仲間と切磋琢磨しつつ、高校進学では甲子園常連校ではなく、自らの剛腕で全国一をめざすと弱小「青田高校」(千葉県)に入学。
 
球道くんを慕うメンバーの加入により、戦力を増した青田高校は、150キロを誇る豪速球を引っ提げて甲子園に出場、決勝戦では、小学生時代のチームメイトらがいる「博多どんたく高校」をノーヒットノーランで破り、見事優勝を果たすとともに、全国的に有名になった球道くんを我が子と知り、実母と感動の再会を果たすというストーリー。
 

【雄叫びとともに豪速球を投げる中西球道くん】
 
何を置いても、球道くんの「男気あふれる」考え方や生き方がカッコ良く大好きな訳ですが、もうひとつこの漫画が好きなのは、死に別れた元プロ野球選手の実父が残した「球けがれなく道けわし」の言葉。
 
球道くんが、何か壁にぶつかり悩んだ時、感情が抑えられず激昂した時に、この言葉が書かれたボールを見て落ち着きを取り戻す訳ですが、それほど球道くんが大切にしている、亡き父が残した言葉。
 
野球を人生に置き換えれば、この言葉の意味とは、「人生という道は険しいけれど、白球を無我夢中で追った直向きな努力と信念があれば乗り越えられる」ではないかと。
 

【「球けがれなく道けわし」と書かれたボールとともに(「球道くん」の表紙より)】
 
この言葉と出会って以降、私も球道くんばりに大事にしているのですが、話しを戻し、こうして人生訓まで示唆してくれた水島先生には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
 
大げさかも知れませんが、かの吉田松陰の残した詩に、「身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬともとどめおかまし大和魂」があります。
 
死に際に詠んだ詩で「自分の身は死んでなくなっても、その魂(大和魂)は生き続ける」との意味ですが、この詩は水島さんにも通ずるのではと思うところです。
 
水島先生が描いた作品、登場人物は皆、ファンの心の中に生き続け、その魂は今後も「野球界の宝」として語り継がれる。
 
改めて、数えきれないくらいの感動や教えをいただいた水島先生に心から感謝申し上げ、今日はどこかで時間を見つけ、「球道くん」のページをめくってみたいと思います。

阪神・淡路大震災から27年

ブログ 防犯/防災

8000キロ以上離れた日本にも潮位変化をもたらしたトンガ沖の海底噴火。
 
驚くことにこの潮位変化は、火山の噴火による空気の振動「空振」が影響したとのこと。
 
火山の大規模な噴火で空気が一瞬で押され(気圧高に)、海上で気圧が高くなると海水面を押し下げるため、押された海水面が元に戻ることで盛り上がり、津波をもたらしたのではないかと専門家は分析しているそう。
 
当初、気象庁からの情報が混乱したのもこの関係のようですが、こうした発生メカニズムを知るに、とてつもない自然エネルギーの大きさを感じたところです。
 
そして何より、噴火から一夜経って以降も被害の詳細が把握されていないトンガの状況が心配であり、被害が最小限に留まっていることを願うばかりです。
 
さて、この週末はこうして、自然の脅威を感じつつ過ごした訳ですが、今日は阪神・淡路大震災からちょうど27年の日となります。
 
1995年1月17日に発生したこの地震は、ここ敦賀でも突き上げるような揺れを感じたことや阪神高速の倒壊シーンなど現地の衝撃的な映像は、四半世紀を経ても未だ記憶に新しく、恐らくこの後も忘れることのできない、いや忘れてはならない出来事なのだと思うところです。
 

【地震により倒壊した阪神高速。この光景を決して忘れてはならない。】
 
改めて被災状況を振り返るに、6434人の犠牲者、全半壊家屋約25万棟、10兆円を超える甚大な被害であった訳ですが、一方この震災は「負の遺産」だけでなく「正の遺産」も残しています。
 
「正の遺産」で最も大きいのは、1995年は「ボランティア元年」と呼ばれているよう、阪神・淡路大震災では延人数で167万人ものボランティアが参加されたとあり、これをきっかけに災害ボランティアが定着。
 
東日本大震災では550万人のボランティアがあったなど、大きな復興の助けとなりました。
 
また、阪神・淡路大震災を教訓とし大規模災害に対応するため、高度な救出救助能力を有する隊員と装備で編成される消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)が1996年12月に東京消防庁に発足し、その後は国内の大規模災害だけでなく海外の地震・森林火災・噴火災害・豪雨被害などへも派遣されていることなど、救急活動を行う組織的な対応にも反映されたことも「正の遺産」と言えるかと思います。
 
こうして、甚大な被害をもたらした大震災という大きな負の出来事に直面しつつも、日本人はこうして正の力に変えるとともに、何よりも秩序を守り、災害ボランティアに行けずとも、現地の方々を気遣う気持ちをカンパやメッセージに変え、助け合い、支え合って乗り越えてきたことを誇りにも思うところであります。
 
この後、阪神・淡路大震災発生時刻の午前5時46分を迎えます。
 
発生時刻に合わせ、兵庫県内各地では鎮魂の祈りが捧げられるとのことであり、私も黙祷により、犠牲になられた方々へ哀悼の意を捧げるとともに、今なお深い心の傷や後遺症を抱えて暮らす方々に対し、深くお見舞いを申し上げたいと存じます。
 
そして、大震災から27年となる今日。
 
この出来事を決して風化させることのなきよう、今一度、防災意識を高める日とすることは言うまでもありません。。

あまりに「身勝手過ぎる」東大受験生を巻き込んだ事件

ブログ 社会

「3.11」の記憶が蘇る「津波」の二文字。
 
南太平洋の島国トンガ沖で15日午後5時10分(日本時間午後1時10分)ごろ発生した海底火山の大規模噴火により、首都ヌクアロファのあるトンガタプ島では海岸に津波が到達し、沿岸部の道路や建物が浸水したとのこと。
 
ヌクアロファでは高さ80センチの津波が観測されたほか、米領サモアで60センチなど近隣諸国にも津波が到達したとあり、在留邦人を含め、現地住民の皆さんのご無事を願うところです。
 
そして、遠く離れた場所でのこの噴火の影響は日本にも及ぶとされ、気象庁は日本時間の16日未明、日本列島南部の奄美群島やトカラ列島などに津波警報を発令、太平洋岸の北海道から沖縄までの広い範囲に津波注意報を発令しました。
 
併せて気象庁は、「(津波は)繰り返し襲ってくる。警報発表地域の沿岸部、川沿いにいる人は高台や安全な場所に直ちに避難してください」と呼び掛けており、日本海側に住む私としては、注意報対象地域に大きな被害が出ないことを願うばかりです。
 
さて、自然現象に関しては、昨日午前中に若狭湾沖を震源とする地震が発生するなど、どこか「油断するなよ」と忠告されているような気持ちになった訳ですが、こちらは、何とも胸を締め付けられるような、東大の受験会場で起きた事件。
 
その事件とは、東京大学農学部正門前で15日朝、大学入学共通テストの受験生ら3人が切り付けられた事件のことですが、殺人未遂容疑の現行犯で逮捕された少年(17)は名古屋市の私立高校に通い、医者になるために東大を目指していたものの「成績が振るわず自信をなくした」といい、事件を起こして死のうとしたと話しているとのこと。
 

【事件のあった現場の様子(ネットニュースより引用)】
 
また、逮捕された少年の家族は愛知県警に対し、「成績不振に悩んでいた」などと説明していたことが捜査関係者への取材で分かっているそう。
 
本人の苦悩はどうあれ、将来を左右する受験に臨む高校生らを巻き込んだ行為は「身勝手過ぎる」としか言えず、少年といえど断じて許されざるべきものと受け止めるところです。
 
そして何より、突如被害に遭った受験生2人の容体はいずれも重くはないとの報に安堵した訳ですが、早期の回復を願うと同時に、不可抗力で負った心の傷や不利益(受験できなかったこと)を最善の方法をもって取り除くことに努めねばと思うところですが、その対応はしかとされるよう。
 
今回、共通テストの本試験は15、16日で実施されますが、けがや疾病(コロナ含む)の影響で受験できなかった場合、29、30日に追試験が予定されており、被害者の受験生にも適用される見通しとのことですが、これに留まることなく、末松信介文科相は「被害者2人の意向を踏まえて今後の対応を検討する」と述べ、特例措置の適用も「選択肢の一つ」としており安堵したところ。
 
仮に、この2人に特例措置が適用されたとて、これを「ずるい」という人はいないかとも思う次第です。
 
文科省によると、過去の共通1次試験と大学入試センター試験も含めて受験生を狙った刺傷事件は初めてとのことであり、16日以降も共通テストや個別試験が続くため、文科省は国家公安委員会と警察庁に全国の試験会場周辺の安全確保を要請したとありました。
 
受験生の心理的負担などにも配慮しての対応は大変難しいものと察するところでありますが、当局の方々には、若者の将来を左右する場の安全が保たれるよう警備や監視をお願いする次第です。
 
今回の事件も然り、ここ最近発生している事件の傾向をみると、明らかに「自分勝手」なものが多い気がしてなりません。
 
犯罪とは元々そういうものかも知れませんが、その要因に「社会背景」というものがあるのだとすれば、少しでもそれを良き方向に改善していくことが政治の役割と思うところ。
 
自分自身無力なのに大きなことを申し上げるのは「口だけ」と言われても仕方ありませんが、地方議員も政治に携わるものの一人。
 
すべて「自分ごと」として捉え、思考することだけはお許しいただきたく。

危機管理意識を高めた敦賀市のコロナ感染対応について

ブログ 新型コロナウイルス

敦賀市議会では、今年度の「議会報告会」を2月にケーブルテレビで番組放映(放映後はYouTube配信)することとしており、一昨日は議員全員が集っての内容確認、昨日は広報広聴委員として中道議員とともに同テレビ行政チャンネルでの事前告知収録に臨んだ次第。
 
また、議会では、市内3校(敦賀高校、敦賀工業高校、敦賀気比高校)を対象とした「高校生との意見交換」も予定しており、こちらは当初の「対面」から、このコロナ感染拡大を受け「オンライン」に切り替えたものの、同じく昨日は、各校とZoomを接続しての通信テストを実施しました。
 
私自身、広報広聴委員長を仰せつかっていることもあり、各校の先生方とはこれまで数回打ち合わせもさせていただいているところですが、本企画を非常に前向きに捉え、積極的に協力いただいていることに感謝する次第です。
 
「意見交換」とありますが、これから参政権を与えられる彼ら彼女らが、議会のしくみや役割を認識するとともに政治を身近に感じることによって、若者の政治参画を促すとの趣旨を持って、1月20日を皮切りにスタートするこの場が有意義なものとなるよう尽力していく所存です。
 

【僭越ながら、滅多にないシーンにつき、行政チャンネル収録時の模様を。事前告知のほうは、中道議員のおかげで息の合った番組になったかと。。。】
 
さて、この高校生との企画もオンラインになったことを始め、福井県内でのコロナ感染拡大に警戒をし、個人的な面でも、この週末予定していた笙の川河川改修工事事業現場説明会(県土木主催)や母体労組の行事などがすべて延期となったところ。
 
昨日のブログでも述べましたよう、重症化率は低いとはいえ、感染力の強さは第5波の比ではないことから、こうした主催者の延期判断は賢明なものと考えを尊重するものであります。
 
また、ここ敦賀市においては、年明けから13日までで市内でも15名の新規感染者が確認されていることや「県感染拡大警報」が発令されたことなどを踏まえ、昨日午前中には「新型コロナウイルス感染症対策本部会議」が開催され、情報共有と対策について協議されました。
 
会議結果に関しては、議員に対しても情報提供があることから、知り得た情報のポイントだけご紹介させていただきます。
 
【感染状況】
◉二州管内において連日数名の感染者が発生しているが、県全体からみると比較的少なく、各家庭、職場、学校等での感染対策がうまくいっている。
◉敦賀市では大きな系統が2つあり、いずれも若い方の帰省が要因。
◉オミクロン株の特徴で同じ空間での感染が強い。1人の感染者から5人に感染させると言われている。家庭内は非常に感染しやすく気をつけていただきたい。
※県内で年末以降確認されているうち「93%」がオミクロン株
 
【今後の対策】
<小中学校等>
◉市内小中学校、幼稚園へマスク着用、手洗いの励行、家族が検査する場合には連絡いただくなど感染対策の注意喚起を徹底。
◉敦賀南小学校において感染者が発生し、本日14日臨時休校とした。
 
<施設の対応について>
◉1月15日から1月31日まで、利用者を原則市民に制限する。
◉スポーツ施設における予選会等の開催は除く。
 
<敦賀うまいもん割(宿泊割)>
◉1月15日から1月31日まで、県外からの受付を停止する。
     
<おうちでお店ごはん>
◉再開する予定。
 
以上が、概要となります。
 
特に私が注目したのは「施設の利用者を原則市民に制限する」としたこと。
 
子ども関連施設やスポーツ施設などを対象にこうした対応を図ることは、公共の施設内にウイルスを持ち込ませないとする未然防止の意識を高めた市の考えの表れであるとともに、市民の皆さんの安心、さらにはそこで従事されている皆さんの感染リスク低減につながることから、私自身、この対応を大いに評価するところであります。
 
実はこの点に関しては私自身、夏場の第5波の際に市外利用者を制限しなかったことに対し、市民の皆さんから直接不安の声を頂戴していたことを踏まえ、9月定例会の一般質問で指摘させていただいたことでもある訳ですが、私が申し上げたことを思い返していただいたからかどうかは置いておいて、こうしてオミクロン株の特性を踏まえつつ、危機意識高く対策を講じられたものと認識する次第です。
 
なお、渕上市長からは、基本的な感染対策の呼び掛けはもとより、市内施設の利用者限定に関しては、今後感染状況をみながら対応していくこと、市内経済面でも支援となる「おうちでお店ごはん」の再開など、バランスをとりながら対応したいとの考えも述べられていました。
 
まさに「感染は止める、社会は止めない」との認識に立つものと理解したところです。
 
最後に、この週末は、大学入学共通テストが行われます。
 
私たちひとり一人が感染対策を徹底することは、回り回って、将来を懸けてチャレンジする受験生をコロナから守ることにつながります。
 
そうした思いも込めながら、まずは自分自身が危機管理意識高く、そして行政対応についてもそうあるべきとの観点を持って、引き続き確認していきたいと考えます。

「感染は止める、社会は止めない」

ブログ 新型コロナウイルス

冬型の気圧配置と上空の強い寒気の影響で、日本海側では局地的に荒天となっており、ここ敦賀も昨日から横殴りの吹雪が続いています。
 
本日4時29分の福井地方気象台発表では、敦賀市においても「波浪警報」、大雪、風雪、雷、着雪の「注意報」が発令されており、引き続き吹雪による視界不良や積雪の急増に要警戒となっています。
 
皆さまにおかれましても、通勤の際など、時間に余裕を持った行動で安全運転に努めていただければと思います。
 
さて、この荒天と波長を合わせるかのように、波が高くなっている新型コロナ「第6波」。
 
福井県では昨日、新規感染者がそれまでの約倍にあたる82人確認され、直近1週間での新規感染者数もこれで291人となったことを踏まえ、県独自基準などに照らし、「注意報」から一段階引き上げた「福井県感染拡大警報」が発令されました。
 
こうした状況も踏まえ開催された県の「コロナ対策本部会議」での資料を確認すると、県内での感染状況や傾向、対策のポイントなどが良く分かるため、新聞情報だけでなく、是非皆さんにもご覧いただきたく、以下にリンクさせていただきます。
 
 →→→福井県コロナ対策本部会議(1月13日)資料はこちらから
 
こちらをご覧になって、まず分かるのは、オミクロン株に置き換わったことによる「感染拡大スピードの速さ」(1週間の新規感染者は第5波の約10倍)と「病床使用率が低い」ことであります。
 

【福井県コロナ対策本部会議(1月13日)資料より抜粋】
 
このうち「病床使用率が低い」ことを裏付けるものとして、「感染者の症状内訳」では、感染者の8割が軽症、約2割が無症状、重症・中等症は今のところ「ゼロ」との実態があります。
 

【福井県コロナ対策本部会議(1月13日)資料より抜粋】
 
このような症状の程度分類を踏まえつつ、可能な限り低く抑えるべき医療負担との兼ね合いも睨みながら、県においては、軽症・無症状者の「自宅経過観察」を開始するとしています。
 
「自宅経過観察」といっても、もちろん放置される訳でなく、テレビ電話を活用した看護師等による経過観察など、必要なサポート体制を構築したうえで実施するということであり、資料には「医師会連携福井モデル」とあることから、多くの関係者の方々の協力あって成し得たことに敬意を表する次第であります。
 

【福井県コロナ対策本部会議(1月13日)資料より抜粋】
 
限られた資源である医療体制を維持するため、さらにはエッセンシャルワーカなど社会生活が停滞し兼ねないことも念頭に、症状の程度に応じた対応とすることは、私自身は大賛成な訳ですが、このことをさらに拡大して見ればどうか。
 
昨日も全国の新規感染者数に対する重症者の割合を書きましたが、同じく厚生労働省発表の12日データ(13日0時時点のもの)では、新規感染者数13052人(新聞掲載の値とは異なるが、確定数値はこれかと)に対し、重症者は20人。
 
計算すると当日あたりの重症化率は「0.0015%」となります(ちなみに、一昨日の同割合は「0.0008%」)。
 
僅かな違いはあれど、このような数字で推移していること、つまりは「第6波の感染は重症化しにくい」という科学的根拠を背景に、東京都の小池知事は昨日の会見で、「(感染症法の)5類への適用類型への変更も含めて科学的な知見を集めていただくようにお願いを申し上げたい」と、国に対し、これまで強く求めてきたワクチンと経口薬の供給とともに、新型コロナウイルスの感染法上での分類を現在の「2類相当」からインフルエンザと同じ「5類」に変更することも含め、知見を示すよう求めました。
 
また、国民民主党の玉木代表も自身のTwitterで、「感染は止める、社会は止めない」とする小池都知事の考えに同調し、「病床をひっ迫させず、経済社会を止めない新しいアプローチが必要だ」と「5類への適用類型変更」を示唆しています。
 
私自身、自分の判断基準としての「コロナの終息」とは、「未知の新感染症でなくなること」、つまりは「感染症法における適用類型が変更」される時点が「真のゴール」とのスタンスであり、小池都知事や玉木代表を始め、他の有識者からも声が挙がっているこの件についても、変更する指標をどう考えるのか、具体的にシュミレーションする時期にあるのではと考えるところです。
 
物事は(特に政治の世界)「空気」で決まると言われるほど、日本が不得手とする「科学的判断」ですが、ここからの状況判断は、それを払拭するのか、この先も続くのかの分岐点にもなると思う次第です。
 
もちろん慎重には慎重を期しての判断であることは言うまでもありませんが、今後の国の対応を注視しつつ、自分自身でもデータを把握のうえ思考していく所存です。

「生乳廃棄危機の回避」に思う「日本人に宿る心」

ブログ 社会

昨日確認された、国内の新型コロナウイルス新規感染者は1万3244人。
 
新規感染者が1万人を超えるのは「第5波」の昨年9月9日以来、約4ヶ月ぶりとのこと。
 
ここ福井県は44人で3日連続の40人台、敦賀市では4人が確認されているほか、11日の再開直後に臨時休校となった学校もあるなど、社会生活にも影響が出始めている状況にあります。
 
新規感染者数ばかりが取り沙汰されている一方、「重症者」に関しては、11日の厚生労働省データによると前日から「5人」増えて105人。
 
一昨日(1月12日0時データ)の新規陽性者6239人に対し、重症者5人の割合は「0.0008%」となる訳ですが、この数字をどう捉えれば良いのか。
 
この数字を見ればやはり、疫学的見地や確率論の観点からどこまでの医療対応をすべきなのか考えてしまいます。
 
素人が軽々に言うのは控えますが、「新規感染者数増のみをもって煽られてはいてはいけない」ことだけは、自身の認識として持っておきたいと思います。
 
さて、ここ最近のブログの話題を振り返ってみると、新型コロナ、エネルギー、寒波の繰り返しになっており、心配ごとばかり押し付けていたように思え、若干反省をしているところですが、昨日は久々に「心あたたまる」気持ちになることがありました。
 
それは、Jミルクが「生乳廃棄危機の回避」を正式発表したとのニュースであります。
 
この「生乳廃棄危機」とは、年末年始は牛乳国内消費量の約1割を占める学校給食向けがなくなるなど業務用需要がしぼむことや、家庭向けも正月料理との相性やスーパー休業などで牛乳・乳製品の販売数量が低下することから、酪農家が出荷する「生乳5千トン」が加工処理できずに廃棄される可能性が示唆されていたもの。
 
こうした危機に対し、農林水産省は昨年12月17日、年末年始に牛乳・乳製品の消費拡大を呼びかける「乳(New)プラスワンプロジェクト」を立ち上げ、具体的には、廃棄の恐れがある5千トンの生乳量は、2500万人がコップ1杯(200ミリリットル)の牛乳を消費すれば賄える量だとし、年末年始の消費拡大への協力をSNSなどを通じて呼び掛けました。
 
また、生乳生産者などでつくる業界団体「Jミルク」は、酪農乳業関係者に向け消費拡大が必要とし、12月25日~1月3日の10日間は毎日1リットルの牛乳を購入する「#1日1L(リットル)」運動を呼び掛けるなどの自助努力、さらにこの生乳需給の状況を知った消費者による協力、小売りや流通関係の支援の輪の広がりの結果、11日には「回避することができた」と発表しました。
 

【年末年始の生乳廃棄を回避したことに対し、御礼を掲載するJミルク(同社ホームページより)】
 
ピンチを乗り越えたこの先は、学校給食が再開し、需要減が解消するとし、Jミルクはコメント文で「改めて、深く感謝申し上げます」と述べられていました。
 
他の製品、商品でも同じことができるかと問われれば、確かに頷けない部分もある訳ですが、何を置いても「生命あるものからの恵み」が無駄にならなかったこと、こうして生産者、製造者、消費者が協力し、助け合って回避できたことを本当に良かったと思う次第です。
 
先ほど「心あたたまる」気持ちになったと書きましたが、それは、このような行動の根底にある「もったいない精神」、「困難の時は皆で助け合う精神」、「他人を思うやさしさ」など、日本人に宿る心を感じたからであります。
 
昨今は、日本人が日本人を貶めるような行動や発言があったりもしますが、私は日本人に生まれたことを誇りに思っています。
 
「生乳廃棄危機」とは次元の違う話しかもしれませんが、こうして日本人に宿る精神や心を皆で大切にし、いま目の前にある危機「コロナ」も乗り越えていかねばと改めて思う次第です。

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