「生乳廃棄危機の回避」に思う「日本人に宿る心」

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昨日確認された、国内の新型コロナウイルス新規感染者は1万3244人。
 
新規感染者が1万人を超えるのは「第5波」の昨年9月9日以来、約4ヶ月ぶりとのこと。
 
ここ福井県は44人で3日連続の40人台、敦賀市では4人が確認されているほか、11日の再開直後に臨時休校となった学校もあるなど、社会生活にも影響が出始めている状況にあります。
 
新規感染者数ばかりが取り沙汰されている一方、「重症者」に関しては、11日の厚生労働省データによると前日から「5人」増えて105人。
 
一昨日(1月12日0時データ)の新規陽性者6239人に対し、重症者5人の割合は「0.0008%」となる訳ですが、この数字をどう捉えれば良いのか。
 
この数字を見ればやはり、疫学的見地や確率論の観点からどこまでの医療対応をすべきなのか考えてしまいます。
 
素人が軽々に言うのは控えますが、「新規感染者数増のみをもって煽られてはいてはいけない」ことだけは、自身の認識として持っておきたいと思います。
 
さて、ここ最近のブログの話題を振り返ってみると、新型コロナ、エネルギー、寒波の繰り返しになっており、心配ごとばかり押し付けていたように思え、若干反省をしているところですが、昨日は久々に「心あたたまる」気持ちになることがありました。
 
それは、Jミルクが「生乳廃棄危機の回避」を正式発表したとのニュースであります。
 
この「生乳廃棄危機」とは、年末年始は牛乳国内消費量の約1割を占める学校給食向けがなくなるなど業務用需要がしぼむことや、家庭向けも正月料理との相性やスーパー休業などで牛乳・乳製品の販売数量が低下することから、酪農家が出荷する「生乳5千トン」が加工処理できずに廃棄される可能性が示唆されていたもの。
 
こうした危機に対し、農林水産省は昨年12月17日、年末年始に牛乳・乳製品の消費拡大を呼びかける「乳(New)プラスワンプロジェクト」を立ち上げ、具体的には、廃棄の恐れがある5千トンの生乳量は、2500万人がコップ1杯(200ミリリットル)の牛乳を消費すれば賄える量だとし、年末年始の消費拡大への協力をSNSなどを通じて呼び掛けました。
 
また、生乳生産者などでつくる業界団体「Jミルク」は、酪農乳業関係者に向け消費拡大が必要とし、12月25日~1月3日の10日間は毎日1リットルの牛乳を購入する「#1日1L(リットル)」運動を呼び掛けるなどの自助努力、さらにこの生乳需給の状況を知った消費者による協力、小売りや流通関係の支援の輪の広がりの結果、11日には「回避することができた」と発表しました。
 

【年末年始の生乳廃棄を回避したことに対し、御礼を掲載するJミルク(同社ホームページより)】
 
ピンチを乗り越えたこの先は、学校給食が再開し、需要減が解消するとし、Jミルクはコメント文で「改めて、深く感謝申し上げます」と述べられていました。
 
他の製品、商品でも同じことができるかと問われれば、確かに頷けない部分もある訳ですが、何を置いても「生命あるものからの恵み」が無駄にならなかったこと、こうして生産者、製造者、消費者が協力し、助け合って回避できたことを本当に良かったと思う次第です。
 
先ほど「心あたたまる」気持ちになったと書きましたが、それは、このような行動の根底にある「もったいない精神」、「困難の時は皆で助け合う精神」、「他人を思うやさしさ」など、日本人に宿る心を感じたからであります。
 
昨今は、日本人が日本人を貶めるような行動や発言があったりもしますが、私は日本人に生まれたことを誇りに思っています。
 
「生乳廃棄危機」とは次元の違う話しかもしれませんが、こうして日本人に宿る精神や心を皆で大切にし、いま目の前にある危機「コロナ」も乗り越えていかねばと改めて思う次第です。