「感染は止める、社会は止めない」

ブログ 新型コロナウイルス

冬型の気圧配置と上空の強い寒気の影響で、日本海側では局地的に荒天となっており、ここ敦賀も昨日から横殴りの吹雪が続いています。
 
本日4時29分の福井地方気象台発表では、敦賀市においても「波浪警報」、大雪、風雪、雷、着雪の「注意報」が発令されており、引き続き吹雪による視界不良や積雪の急増に要警戒となっています。
 
皆さまにおかれましても、通勤の際など、時間に余裕を持った行動で安全運転に努めていただければと思います。
 
さて、この荒天と波長を合わせるかのように、波が高くなっている新型コロナ「第6波」。
 
福井県では昨日、新規感染者がそれまでの約倍にあたる82人確認され、直近1週間での新規感染者数もこれで291人となったことを踏まえ、県独自基準などに照らし、「注意報」から一段階引き上げた「福井県感染拡大警報」が発令されました。
 
こうした状況も踏まえ開催された県の「コロナ対策本部会議」での資料を確認すると、県内での感染状況や傾向、対策のポイントなどが良く分かるため、新聞情報だけでなく、是非皆さんにもご覧いただきたく、以下にリンクさせていただきます。
 
 →→→福井県コロナ対策本部会議(1月13日)資料はこちらから
 
こちらをご覧になって、まず分かるのは、オミクロン株に置き換わったことによる「感染拡大スピードの速さ」(1週間の新規感染者は第5波の約10倍)と「病床使用率が低い」ことであります。
 

【福井県コロナ対策本部会議(1月13日)資料より抜粋】
 
このうち「病床使用率が低い」ことを裏付けるものとして、「感染者の症状内訳」では、感染者の8割が軽症、約2割が無症状、重症・中等症は今のところ「ゼロ」との実態があります。
 

【福井県コロナ対策本部会議(1月13日)資料より抜粋】
 
このような症状の程度分類を踏まえつつ、可能な限り低く抑えるべき医療負担との兼ね合いも睨みながら、県においては、軽症・無症状者の「自宅経過観察」を開始するとしています。
 
「自宅経過観察」といっても、もちろん放置される訳でなく、テレビ電話を活用した看護師等による経過観察など、必要なサポート体制を構築したうえで実施するということであり、資料には「医師会連携福井モデル」とあることから、多くの関係者の方々の協力あって成し得たことに敬意を表する次第であります。
 

【福井県コロナ対策本部会議(1月13日)資料より抜粋】
 
限られた資源である医療体制を維持するため、さらにはエッセンシャルワーカなど社会生活が停滞し兼ねないことも念頭に、症状の程度に応じた対応とすることは、私自身は大賛成な訳ですが、このことをさらに拡大して見ればどうか。
 
昨日も全国の新規感染者数に対する重症者の割合を書きましたが、同じく厚生労働省発表の12日データ(13日0時時点のもの)では、新規感染者数13052人(新聞掲載の値とは異なるが、確定数値はこれかと)に対し、重症者は20人。
 
計算すると当日あたりの重症化率は「0.0015%」となります(ちなみに、一昨日の同割合は「0.0008%」)。
 
僅かな違いはあれど、このような数字で推移していること、つまりは「第6波の感染は重症化しにくい」という科学的根拠を背景に、東京都の小池知事は昨日の会見で、「(感染症法の)5類への適用類型への変更も含めて科学的な知見を集めていただくようにお願いを申し上げたい」と、国に対し、これまで強く求めてきたワクチンと経口薬の供給とともに、新型コロナウイルスの感染法上での分類を現在の「2類相当」からインフルエンザと同じ「5類」に変更することも含め、知見を示すよう求めました。
 
また、国民民主党の玉木代表も自身のTwitterで、「感染は止める、社会は止めない」とする小池都知事の考えに同調し、「病床をひっ迫させず、経済社会を止めない新しいアプローチが必要だ」と「5類への適用類型変更」を示唆しています。
 
私自身、自分の判断基準としての「コロナの終息」とは、「未知の新感染症でなくなること」、つまりは「感染症法における適用類型が変更」される時点が「真のゴール」とのスタンスであり、小池都知事や玉木代表を始め、他の有識者からも声が挙がっているこの件についても、変更する指標をどう考えるのか、具体的にシュミレーションする時期にあるのではと考えるところです。
 
物事は(特に政治の世界)「空気」で決まると言われるほど、日本が不得手とする「科学的判断」ですが、ここからの状況判断は、それを払拭するのか、この先も続くのかの分岐点にもなると思う次第です。
 
もちろん慎重には慎重を期しての判断であることは言うまでもありませんが、今後の国の対応を注視しつつ、自分自身でもデータを把握のうえ思考していく所存です。