バッハ会長の真意、東京オリンピック・パラリンピックの真の成功とは

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東京オリンピックまで2ヶ月を切り、本来国を挙げて開催ムードが高まる時期であるところ、未だ開催可否双方の声のある国内世論。
 
私は、国際的な日本のコロナ感染状況に対する客観的な見方や選手、大会関係者が懸命に「開催」に向けて万全の準備を進めていること、さらには、開催の判断権限がIOC側にあるとすれば、あれほど一丸となって誘致した日本が行うべきは、自らギブアップしてタオルを投げ込むことではなく、最後まで開催を前提とした努力を続けることしかないと考えるところです。
 
そうした中、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が22日の国際ホッケー連盟(FIH)のオンライン総会に寄せた連盟関係者向けのビデオメッセージで、「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない。(そうすれば)選手は夢を間違いなく叶えることができる」との発言が日本国内で報じられると、この「犠牲」を巡り、「(国民が)犠牲を払ってまで開催するなどとはけしからん」と一部野党やメディアが取り上げています。
 
一方、会議に出席した関係者は「犠牲」について「参加する方も今までと違った形なのでいろいろな制約があるけど、それは我慢してやるべきだというニュアンスと受け止めた」と述べているともあります。
 
バッハ会長は海外からの一般観客受け入れを断念した3月にも、日本側の意見を尊重するとしたうえで「誰もが犠牲を払わないといけない」と声明を出した際の「犠牲」の意味は、来日する関係者の削減や、選手村と競技会場など移動できる範囲の限定、コロナの影響による予選中止や渡航制限によって起きる選手選考の変更などを挙げていたことから、この22日の発言の意図も「日本国民に」ではないと受け止めるべきと思いところであり、ここでもやはり、発言の背景や全文を通して理解すること、「切り取り報道」に乗せられてはいけないものと、改めて勉強するところであります。
 
また、海外から見たオリンピックに関しては、先日、開会式にマクロン大統領が出席することを明らかにした、次期開催国フランスでは、公共放送を手掛ける企業「フランス・テレビジョン」で使用される、2021年東京オリンピック中継用のプロモーション動画(CM)が動画配信サイトで公開されました。
 
ここで登場したのは何と力士で、この力士はまわし姿、浮世絵調の世界の中でサーフィンや短距離走をしたりと軽快に動き回り、棒高跳びをして鳥居を超えるシーンもあり、最後には会場と思わしきスタジアムに着地をするとの映像となることに加え、画面両端に出るキャプションは開催地日本や選手に対するエールにも映ります。
(是非、以下の動画をご覧ください。時間は1分程度です。)
 

【フランス・テレビジョン「東京オリンピック中継用プロモーション動画」のワンシーン】
 
 →→→フランスで流れている東京リンピックのCMはこちらから(YouTube動画より)
 
この動画を作成した趣旨は、同社の公式Facebookページにて「日本の版画のイメージと、夏のオリンピックでの新しい種目が融合した『日出ずる国』への旅の招待状です」と投稿しており、東京オリンピック開催を巡っては、海外メディアから中止を提案する声も聞かれる一方、開催が予定されている以上、参加する自国の選手たちを盛り上げるべく、海外のクリエイターたちが趣向を凝らしているのも事実であります。
 
さて、改めて国内に目を向ければ、全国各地で開催されているオリンピック聖火リレーが、いよいよ今週末には福井県に。
 
敦賀市では29日の15時頃から16時10分頃まで、名勝「気比の松原」を舞台にランナーが走ります。
 

 
 →→→敦賀市HP「聖火リレー実施に伴う交通規制のお知らせ」はこちらから
 
また、オリンピック開催に際しては、ホストとして「人道の港」でつながりのあるポーランド選手団を受け入れる予定としており、そうなれば「やさしい日本人がいたまち」の思いを持って、最大限の歓迎をしたいと思うところです。
 
先に記載しましたバッハ会長のビデオメッセージでは、選手村に入る70%以上のアスリートや大会関係者がワクチン接種を受けたなどと報告したうえでこうも述べられています。
 
「東京大会がようやく間近に迫り、最後のカウントダウンに突入した。現在の厳しい状況を受け、我々は団結や多様性、粘り強さを強いメッセージとして発信する必要がある。東京はトンネルの終わりの光になる」
 
コロナ禍であっても開催する東京オリンピックの意義、その会場が「日本」であるからこそ、世界から期待されていることを今一度噛み締め、「トーキョー」のフリップで誘致を決めた時の感動やワールドカップラグビーでは「ONE TEAM」で選手を後押ししたあの大きな力を思い返し、ここは東京オリンピック・パラリンピックの真の成功に向け、私たち日本人の思いをひとつに、一致団結することを願って止みません。

出来ない言い訳、他人へ責任を求め安心しても残るものは何も無い

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「人は出来なかった、しなかったことの言い訳をしたがる、他人に責任を求め安心したがる。そんなことしても何も残らないのに。僕らはどんな時も言い訳をせず、ひたむきに自分の世界と向き合って、小さな成功のために努力し、それを積み重ねて成功に近づいていくしか無い。」
 
これは、東京オリンピック男子マラソン代表の大迫傑選手が、自身のinstagramに綴った言葉。
 
オリンピック開催に関し、出場選手に対し浴びせられる心許ない批判の声を踏まえての「大迫節」といったところですが、佐久長聖高校(長野)から早稲田大学、日清食品へと陸上長距離界のエリートコースを歩んでいた矢先、世界と渡り合うため単独で米オレゴンに渡って武者修行を積み、マラソン日本記録更新、オリンピック代表の座を掴んだ男の言葉だけに、込められた思いに共感するばかりです。
 
先般、競泳女子の池江璃花子選手の言葉も掲載しましたが、私たちに出来ることは、一番戸惑っている選手をあたたかく見守ることであり、お門違いの言葉を浴びせる「輩」にはお灸を据えたいぐらいであります。
 
さて、そのオリンピックに関しては、昨今のコロナ感染状況を踏まえ、確かに世論も別れるところです。
 
「こんな時にやるべきじゃない」とお考えの方にはお叱りを受けるかもしれませんが、世界ではこれから全仏・全英テニス、サッカーでは欧州や南米選手権など大型スポーツイベントが目白押しであることや、感染者数では1桁も2桁も少ない日本は、「感染抑制がされている」と評価されていて、オリンピックを自ら返上するなら世界は仰天、絶句するだろうとの見方もあります。
 
一方、費用の面に関しては、オリンピック開催権限はIOCだけにあることから、日本の事情で中止するなら数千億円の賠償金を日本が払うことになるとも言われています。
 
お金のことを絡めると「賠償金を払ってでも止めろ」との意見にもなりますが、そもそも論に立ち帰れば、オリンピック開催国に自ら手を挙げたのは日本な訳であり、IOCや世界各国から「中止せよ」と言われない限り、開催に向け最善の努力をするというのが現時点のスタンスではないでしょうか。
 
ここでも冷静に見て欲しいのですが、「この状況で本当にオリンピックをやるのか」と罵るかのように首相に迫る蓮舫議員や声高らかに中止を主張する著名人や一部マスコミの報道を見るに、そうした勢力は、現時点で自ら開催を放棄させることにより日本の信頼を失墜させ、国益を貶めるがために行動しているような勢力にも感じます。
 
先の心許ない言葉を選手に浴びせる「輩」もけしからんのですが、後に控える衆議院選挙も念頭に、オリンピックが失敗することを政権への打撃(支持率低下)に、まさに政局のネタにしようとしているのであれば、それは「輩」レベルではない許されないこと。
 
そうした勢力にまんまと乗せられないよう、やはりここでも冷静且つ科学的に感染状況を捉え、もちろん開催に向け徹底される対策などを国民全体で共有することが肝要と考えるところです。
 
これまでのオリンピックやサッカーワールドカップ、そして記憶に新しい「ワンチーム」のラグビーがそうであったように「国民も選手とともに戦う」のは試合だけではなく、その過程に置いてもそうなのだと思うところ。
 
スポーツが与える感動や勇気の力はとてつもなく大きく、世界中にコロナ禍を乗り越える力、人々が将来に光を見いだす場、それがこのオリンピックを開催する意義であり、世界各国から信頼と期待をされ、今その役割を果たすのが日本であると、私は思います。
 
そう思えばなお、大迫選手の言葉にあるよう、「他人に責任を求め安心する」のでなく、「成功のために努力し、それを積み重ねて成功に近づいていくしか無い」との思いを共有し、オリンピック開催に向け、私たち一人ひとりが自覚して行動することが「選手とともに戦う」ことになると思って止みません。
 

【アリゾナの大地をひた走る大迫選手。決して諦めず、目標に向かってひたすらに努力を続ける選手のために、私たちが出来ることとは。】

オリンピック開催に向けて出来ることは、選手をあたたかく見守ること

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全国各地を「聖火リレー」が巡り、本来であれば徐々にボルテージが上がるはずの東京オリンピック・パラリンピックですが、続くコロナ禍とあって、開催自体に対する疑問の声のボルテージも高まりつつあるところ。
 
一方、国家を挙げた一大イベントの万全の開催に向けて、各方面では粛々と準備が進められており、警備という重要な任務を担う警察もそのひとつ。
 
ちょうど、ある新聞記事にて、警視庁オリンピック・パラリンピック競技大会総合対策本部の上野良夫副本部長の安全実施に向けた種々の対応や自身の決意を語る記事を拝見しましたが、さすが、平成31年3月から元号をまたいで令和2年2月までの約1年、皇居や首相官邸、靖国神社など管内に重要箇所を数多く抱える麹町署の署長を務め、皇位継承に伴う一連の儀式を警備する中において、警備上の難易度が最高レベルとされた「祝賀御列(おんれつ)の儀」の陣頭指揮をされた方とあって、想像を絶する「想像と準備」のもと臨む姿勢には、ただ敬服あるのみという印象を受けた次第です。
 
上野副本部長は、「起こりうる事案を最大限イメージし、具体的な準備につなげること。現在に至るまで、常に心に留めている教えです」と述べ、この大会を、警察を含む治安機関の総力戦と捉えていると語られました。
 
本番を2ヶ月半後に控え、「万全を期すのは当然として、一方で、我々の力だけで乗り切れるものでもない」と、世界中の注目が集まる一大イベントの完遂へ、都民、国民一人一人に理解と力添えを呼び掛け、自身を含む全関係者のゴールは、“何も起こらない大会”だと記事は締め括られていました。
 
賛否両論はある中ではありますが、こうして「開催と成功のために」奮闘されている方々を思えば、軽々にオリンピック開催に対しての意見を述べるべきではないと考えるところであります。
 
さて、万全の準備といえば、当然その際たるは、大会の主人公であるべきアスリートな訳ですが、こうした選手に対して、心許ない言葉をぶつけてくる「輩」はいるようで、実は大変憤りを感じています。
 
それは、これまでもエールを送り続けてきている、競泳の池江璃花子選手に対してのものであるから尚のこと。
 
Twitterを始めとするSNS上では、池江選手に対して「五輪辞退を求める」、「開催反対に声を挙げて欲しい」といった趣旨の投稿や、さらに許せないのは「悲劇のヒロインを装うのは止めろ」とまで書かれたりもしていること。
 
ここまで来ると、とても人の気持ちを持った、同じ人間とは思えません。
 
こう書いていても、沸々と怒りが込み上げてくる訳ですが、当の池江選手は投稿を受けてのコメントを以下のようにTwitte上で述べています。
 
(Twitterは1投稿100文字以下の制限があるため、池江選手は4つに分けて投稿。以下、全文掲載します)
 
いつも応援ありがとうございます。
Instagramのダイレクトメッセージ、Twitterのリプライに「辞退してほしい」「反対に声をあげてほしい」などのコメントが寄せられている事を知りました。もちろん、私たちアスリートはオリンピックに出るため、ずっと頑張ってきました。ですが、↓
 
今このコロナ禍でオリンピックの中止を求める声が多いことは仕方なく、当然の事だと思っています。私も、他の選手もきっとオリンピックがあってもなくても、決まったことは受け入れ、やるならもちろん全力で、ないなら次に向けて、頑張るだけだと思っています。1年延期されたオリンピックは↓
 
私のような選手であれば、ラッキーでもあり、逆に絶望してしまう選手もいます。持病を持ってる私も、開催され無くても今、目の前にある重症化リスクに日々不安な生活も送っています。私に反対の声を求めても、私は何も変えることができません。ただ今やるべき事を全うし、応援していただいてる方達の↓
 
期待に応えたい一心で日々の練習をしています。オリンピックについて、良いメッセージもあれば、正直、今日は非常に心を痛めたメッセージもありました。この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです。↓
 
長くなってしまいましたが、わたしに限らず、頑張っている選手をどんな状況になっても暖かく見守っていてほしいなと思います。
 
この池江選手のコメントを見て、涙が浮かびました。
 
病を克服し、ようやく出場権を得た池江選手は、心痛めているに違いないところ、自身のことのみならず、全てのアスリートの気持ちを代弁しているかのような姿、この言葉を聞き、さらに開催可否を軽々に語ることはすべきでないこと、出来ることは「あたたかく見守ること」であることと強く心に留めた次第です。
 
オリンピック開催可否について意見があれば、決定権のあるIOCや開催国である日本政府や東京都に向けて言うべきであり、アスリートに矛先を向けるのは一番やってはいけないこと。
 
もし、身近でそういうことを仰る方がいるのなら、怒りは抑え、そうして諭すことが、アスリートを守ることにつながると思い、私自身も行動したいと思います。
 
最後に、互いに責任逃れをしているように映っては、先に挙げたような心許ない言葉は増長されるばかりと思うところであり、日本政府や東京都に対しては、コロナ禍での開催となることを踏まえ、通り一遍の言葉でなし崩し的に時間を経過させるのではなく、こうした中にあっても「東京オリンピックを開催することの意義」を明確に国民、いや全世界に向けて発信する責務があると考えます。
 
でなければ、「お・も・て・な・し」と湧いた開催決定の瞬間も台無しどころか、全て逆効果に終わる可能性すらあり、そのことが最もアスリートを苦しめることになると考えるところであり、最もやってはならないことと思う次第であります。
 

【昨夕の風景。妙な色合いの空は、私の気持ちとオリンピック開催への複雑な国民感情を表しているように感じました。】

池江選手から教わるNever give up!

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今日はまず「番宣」から。
 
敦賀市議会初の「議会報告会RCN放映」が2月14日(日)、15日(月)に迫ってきているところですが、本日はその番組紹介のため、広報広聴委員である川端耕一議員と私で「FMハーバーステーション」に出演します。
 
自身初のラジオ番組出演ということで、いささか不安もありますが、せっかく与えられた機会ですのでしっかりPRしてきたいと思います。
 
時間は12時15分から12時30分の15分間となりますので、お時間許す方は是非、FM「77.9MHz」にてお聞きいただけると嬉しく思います。
 
さて、話しは変わり、この週末も様々なジャンルで感動がありましたが、個人的に最も胸にグッときたのは水泳の池江璃花子選手。
 
池江選手は、高校生時代から日本のトップスイマーとして活躍していた矢先に発症した白血病に挫けることなく、再復帰を目指し闘病を続けていた姿は知らない人がいないことかと存じますが、実は福井国体の際に水泳会場となった敦賀市総合運動公園のプールでも泳いだこともあってか、どこか身近に感じる存在として見守っていたところ。
 
これまでも病を克服しつつ、リハビリ、そして競技復帰とプロセスを踏んできていることが嬉しく、正直成績は二の次で見ていましたが、何と7日(日)に行われたジャパン・オープン女子50メートル自由形決勝にて、トップと0秒16差の24秒91で2位に入りました。
 
惜しくも優勝は逃したものの、昨年8月の実戦復帰後、国内のトップ選手と競う中での初めての表彰台。
 
しかも、同種目で池江選手自身が持つ日本記録24秒21も視野に入るまでに復活したことを心から嬉しく思った次第です。
 
また、表彰台から一夜明けた8日は、白血病判明からちょうど2年だったそうで、自身のSNSで「2年前の自分に、2年後はもっと笑顔になれてるよって伝えてあげたい。よくここまで頑張った」と心境をつづったうえで、診断を受けて号泣した後のベッドに横たわり笑顔を見せる写真を添え、「2年前の今日。人生のどん底に突き落とされた日。あの日を一生忘れることはできません」と記しました。
 
別の投稿では、右肘を骨折した2016年リオデジャネイロ五輪金メダリストでライバルでもあるサラ・ショーストロム選手(スウェーデン)への思いを、自身の闘病中に盟友から受けた激励をお返しする形で、手のひらに「Never give up」と書いた画像を公開。
 
「今度は私が彼女にパワーを与えたい」という内容の英語のメッセージも添えたとあります。
 

【サラ選手に送ったNever give up。池江選手のインスタグラムより】
 
苦しく悔しくとも絶対に諦めることなく、競技完全復帰、叶わなかったはずの東京オリンピック出場を目指す姿は、同じ病で闘う方々だけでなく、私たちにも勇気や元気を与えてくれていることは間違い無いでしょう。
 
さらに今度は、さらりと周りの人を励ます側に回れる池江選手には教わることばかりです。
 
そう思えば、池江選手のようにオリンピックを目指すことが克服する力、生きる目標にもなっていたのだとすれば、「コロナで東京オリンピック開催なんてとんでもない」との言葉は軽々に口にしてはなりませんね。
 
女子50メートル自由形の東京オリンピック出場に必要な派遣標準記録は「24秒46」。
 
4月の日本選手権で、派遣標準記録を突破したうえで2位以内に入れば代表に選出される条件となっています。
 
熾烈な代表争いを突破し、再び池江選手が世界を相手にプールで大活躍する姿を期待し、これからも応援していきたいと思います。

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