2026年7月30日
新潟県三条市の空き家対策事業について
昨日、今日の2日間は、所属する産経建設常任委員会の行政視察。
行政視察とは、自分たちのまちの課題等と照らし、他の自治体等の先進的な取り組みや地域の実情を調査・研究することで、自らの地域政策や議会活動に活かすための公務活動であり、敦賀市議会の各常任委員会では、おおよそ年に一回、視察しているもの。
第1日目の昨日は、新潟県三条市にお伺いし、「空き家対策」について調査してまいりました。
新潟県のちょうど真ん中あたりに位置する三条市は、三条地域、栄地域、下田地域から成り、人口は89,078人(7月1日現在)。
三条鍛治の伝統を受け継ぐ、包丁や利器工匠具などの作業工具を始めとし、測定工具、アウトドア用品など金属加工を中心とする産業の集積地であり、伝統の技と最先端技術が調和する新技術、新商品開発が盛んな金属産業都市として知られています。
なお、アウトドア用品に関しては、スノーピーク(Snow Peak)やキャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)、ベルモント(Belmont)が三条市に本社を置いていると知り、驚いたところです。
その三条市においては、全国的な課題と同じく、令和5年時点の空き家は、住宅総数38,410戸に対し、4,590戸(11.9%)。
今後控える空き家予備群にも対応すべく、危険空き家の解体促進とともに、1年以上放置される「空き家を発生させない」こと、「流通に乗せる」ことが空き家の抑制につながるとし、とりわけ、行政と民間空き家活用促進団体が連携のもと、あらゆる取り組みが展開されているということで、それらを中心に視察した次第です。
三条市役所では、三条市市民部環境課ならびに一般社団法人燕三条空き家活用プロジェクトのご担当者様より、
1.三条市の概要
2.空き家を巡る現況
3.「段階に応じた総合的な空き家対策」実施概要
4.これまでの主な取組内容
5.民間空き家活用促進団体の設立
6.空家等管理活用支援法人の指定
7.一般社団法人燕三条空き家活用プロジェクトへの委託事業
8.空き家対策の成果
の項目に沿って説明いただきました。

【分かりやすい資料を提供いただきありがとうございました】
すべてを記載できないものの、3.「段階に応じた総合的な空き家対策」実施概要では、①空き家になる前(発生抑制)、②空き家になった直後(流通促進)、③その住宅になった時(公的財源を投入した危険回避)の3ステージに応じた「段階に応じた総合的な空き家対策」を展開。
「特命空き家仕事人」(市長が命名)を配置し、PRすることで、まずは「空き家の発生抑制」として、空き家の流通を促進する「空き家バンク」の登録を増やし、すぐに解体の見積もりや解体方法を提示できる体制整備などに取り組み、令和5年に624件であった相談件数は、令和7年では倍の1,268件まで増加しているとありました。
4.これまでの主な取組内容に関しては以下。
・令和4年に外部人材を配置し、「特命空き家仕事人」(株式会社ジェクトワンとの協定締結)着任。
・空き家相談BOX(公民館など計12箇所)設置 ← 存在を知ってもらうことを目的に町中にアイコンを設置
・空き家対策啓発イベント開催やポスター掲示
・空き家自治会ローラー作成(222自治会すべてを職員等が回って情報収集) ← 確認した約1,500件の空き家について、税情報から所有者に連絡し、空き家バンクに登録してもらう→結果、その1割程度が空き家バンクに登録
・自治会による空き家管理(モデル自治会を募集)
なお、自治会ローラーは、空き家放置の問題を啓発してからやらないと門前払いになる可能性があることや、空き家整理にあたり直面する残置物も回収し、「REYOO」と称する古物再生事業により、必要としている方の元を巡るような活動も展開しているとのこと。
5.民間空き家活用促進団体の設立では、
・「特命空き家仕事人」として着任し、最初の1年目(令和4年10月)に民間団体「一般社団法人燕三条空き家活用プロジェクト」を設立し、官民連携
・専門知識が必要な空き家対策は民間で、官はルール整備等を対応することで役割を線引き
・令和7年には、運営を市から委託(委託料は年間500万円)
・市役所の人的リソースを割かず、外を走り回る業務はすべて委託に
・国土交通省の取り組みも視野に、一昨年あたりから二地域居住施策(TWIN GATE)も実施(昨年1800万、今年600万円は国からの補助金)
・事業承継して欲しい案件なども把握し、首都圏でニーズのマッチング ← 移住施策としてツアー化
なお、質疑時間を含めて、これら以外にも、様々な取り組みやお考えを聞くことができました。
・空き家活用プロジェクトには、地域おこし協力隊、集落支援員それぞれ2名が体制に加わっている
・プロジェクトはこの先「自走」を目指す
・空き家流通に関しては、家としての利用が7割、店舗3割
・三条市は、移住施策と絡めた取り組みとしても実施している
・更地にすることを求めるのではなく、建物があるうちにさばいた方が良い
・不動産屋ではない中間組織が仲介役になった方が上手くいくと考えている
・儲けを考えると空き家物件を選り好みしてしまうので、すべての物件を受けることにしている
・空き家総合窓口は「最後の砦」
・労力はかかるが、市内全域をカバーする方が、一元的に把握・トータル的な対策ができる
結びに、取り組みの成果は以下スライド。

【資料中の「空き家対策の成果」】
すべて右肩上がりの成果に対し、燕三条空き家活用プロジェクトご担当者様の「空き家の流通を150件/年できたとしても、2,000戸をなくすには10年以上を要し、予備群が追っかけてくるので、どんどん新しい取り組みを展開していく」との言葉が印象に残りました。
こうして新たな知見や気づき、取り組む皆さんの“熱量”と“実践力”に感嘆の域となる視察になったものであり、敦賀市にとっても大いに参考になる内容でした。
ここまでを書き留め、本日2日目は佐渡市の「学校蔵」を視察します。
調査したことはまた、明日のブログでご報告いたします。






