「敦賀市総合計画審議会」市民参画と多角的視点が重要

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これからの敦賀市をどのようなまちにしていくのかを示す、将来に向けたまちづくりの指針となるのが「総合計画」。
 
敦賀市においては、この「総合計画」について、現行の「第6次総合計画」の計画期間が令和2年度末となっていることを踏まえ、現在「第7次」の策定に向けた検討が進められているところであり、本日はその内容をご紹介したいと思います。
 
まず「総合計画」についてですが、市のホームページを引用させてもらうと、将来を見通す期間や内容によって、基本構想、基本計画、実施計画の三本立てとなっており、それぞれ以下の意味合いを持ちます。
 
(1)基本構想
 基本構想は、10年後といった長期のまちづくりのビジョンを定めるものです。
(2)基本計画
 基本計画は、基本構想のまちづくりのビジョンを実現していくためには、5年間という中期的な視点に立って、政策分野ごとにどういった方向に進めば良いかといったことを定めるものです。
(3)実施計画
 実施計画は、基本計画で定めた政策分野ごとの中期的な方向性に沿って、具体的な取組を定めるものです。
 
このような構成のもと、「第7次総合計画」の策定にあたっては、2月10日に市議会全員協議会の場にて基本構想(案)の説明を受けた後、広く市民の皆さんからの意見を集約し、反映するため、4月21日には「敦賀市総合計画審議会」を設置、以降これまで3回の審議を行ってきています。
 
この審議会は、産業、学識経験者、金融、労働、言論、住民、まちづくり、若者の各分野から選出された全21名の委員で構成。
とりわけ若者の分野においては、福井大学大学院(2名)、敦賀高校(4名)、敦賀気比高校(2名)の計8名が参画されているのが特徴的かと受け止めるところ。
 
昨日は、基本構想(案)の取り纏めがされる第4回審議会が開催されるということで、ここは「肝」になる機会かと傍聴してきた次第です。
 
この第4回では、これまでの審議会で挙げられた委員からの意見を踏まえ、5つに分類された「戦略(政策分野ごとの施策の方向性)」に反映した内容を確認のうえ自由に議論がされました。
 

【見えづらいと思うのですが、基本構想(案)はこのような内容です】
 
私が勝手にイメージする「審議会」は、進行役がリードする中で、委員からの発言もあまり無く、いわゆる「シャンシャン」で終わるんだろうなぁと思っておりましたが、何のその。
出席されたほぼ全委員から積極的に発言があったのと同時に、高校生も臆することなく意見提起、質問されるなど、良い意味で予想を裏切られました。
 
挙げられた意見の中で印象に残ったのは、次の通り。
(◉マークは一般、□マークは大学院生、高校生の意見となります)
 
【健康福祉分野】
◉介護をされる側だけでなく、介護する側の視点も必要。
□減少する労働力人口を生かすためには健康寿命を延ばしていく(介護人材を減らす)ことが重要。
 
【教育文化分野】
□歴史を今とつないで考える教育が必要。校外学習も継続性を持って、小学生も課題解決型の授業が出来ると思う。
◉50年前、小中学生だった頃は、原子力発電所が敦賀に建設されることで「夢のまちになる」と教えられた思い出があるが、それ以外に自慢できるものがなかった。そういう意味では、小中学校時代に「敦賀の良さ」や「敦賀を愛する気持ち」を持ってもらえるような取り組みが重要。
◉人道の港のエピソードは現代と適していない(内向航路のみ)が、保存なのかこの先に発展させるのか。
 
【産業観光分野】
◉観光分野は「集める」ではなく「集まる」との視点が大事。
◉相対価値ではなく、敦賀にしかない「絶対価値」をアピールしていくべき。
◉今ある資源の掘り起こし、活用と発信が苦手な敦賀の地域性を打破。
□ショッピングモールについては、必要と不要の両論あり←←←以前に市の方で検討したことがあるが、先方の経営戦略により誘致の可能性はゼロ
□若者が興味があるのはショッピングモールの中にある流行の店であり、モールでなく商店街でもその役割は果たせるのでは。
 
【都市基盤分野】
◉公共交通機関の整備、ICT予約タクシーなどにより、マイカーありきの社会を変えていく(高齢化による事故や若年層の自動車保有低を見込み)
 
こういった意見・質問に対し、市の担当部署である「ふるさと創生課」より、行政側の受け止めや意見の取扱い(具体的施策への反映など)が示され、互いに理解し合った後、提示された基本構想(案)について採決が行われ、拍手により確認されました。
 
私感でありますが、コロナ禍の中での審議会で、止むを得ず書面での確認もあったようですが、第3回ではグループ討議、また敦賀高校の約230名の生徒に対しても基本構想(案)を説明する講演会を開催するなど、行政側の「市民の多様な意見を汲み取る」姿勢が感じられた次第です。
 
当たり前かも知れませんが、今も将来に向けても「良いまちづくり」のためには、市民の皆さんの「参画」と「多角的な視点」が欠かせません。
 
「総合計画」はこの先、確認された基本構想のもと、方向性を踏まえた施策について下期の審議会で確認していく流れとなっていますが、パブリックコメントもされるとのことですので、市民の皆さんにおかれましては、そういった場などを通じ積極的な意見提起をお願いしたいと思います。
 
私は私で、本計画を最終的に確認していく立場として、昨日傍聴した生の声も念頭に、しかと思考を張り巡らせていきます。