「エネルギーについて真剣に考える仲間によるオンライン意見交換会」を開催

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早いもので今日から6月。
 
時節柄から入りたいところですが、本日1日をもって、電力大手7社が家庭向け電気料金(規制料金)の値上げを実施。
 
背景は以前に述べた通りですが、ロシアのウクライナ侵略を発端とするエネルギー資源高騰は表層的な要因であり、根本的には、国がこれまで進めてきた電力システム改革や電力の全面自由化が問題としてあることを改めて指摘しておきたいと思います。
 
また、帝国データバンクによると、この6月には3575品目の食品が値上げする予定との調査結果。
 
電気代や人件費の上昇を背景に値上げは少なくとも今秋まで続く見通しで、消費者の値上げ疲れ、生活防衛志向が強くなっているとあります。
 
ガソリン値上げ時、原油高の際も価格転嫁がされたよう、電気代も然りであり、低廉で安定したエネルギーの確保は国民生活と経済活動に直結していることを痛感する次第です。
 
さらには、今政府が行なっているガソリン、電気料金値下げへの補助金も当然、税金で賄っているもの。
 
これに捻出する分があれば、例えば昨日の少子化対策など、もっと他の予算に配分できる訳であり、やはり構造的な見直しを行わねば、この状態はいつまでも続くものと推察する次第です。
 
さて、そうしたなか、昨日はエネルギー安全保障と脱炭素社会に向けて重要な法案が国会で可決。
 
本年2月に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」に基づき、原子力利用に係る原則の明確化、安全確保を前提とした既設炉の最大限活用に向けた運転期間に係る規律の整備、円滑かつ着実な廃止措置の推進、再エネ導入に向けた系統整備や事業規律の強化等を盛り込んだ「GX脱炭素電源法案」(衆議院で原案一部修正)が、本日31日午前の参議院本会議で、自民・公明両党や国民民主党、日本維新の会等の賛成多数により可決成立しました。
 
法案審議の過程では、参議院経済産業委員会・環境委員会の連合審査(5月23日)で質問に立った浜野よしふみ議員(電力総連組織内国会議員)が、運転期間に係る新たな規律における停止期間の扱いや新制度への移行に際した課題への対応、60年超プラントの安全性に係る科学的・技術的評価の可能性の確認、競争環境下における原子力事業環境整備の必要性等について、政府から重要な答弁を引き出すとともに、円滑で着実な廃止措置のための環境整備や再エネ導入に向けた系統整備費用負担の在り方等が盛り込まれた附帯決議が採択されました。
 
とりわけ、附帯決議にある「競争環境下における原子力事業環境整備」に関しては、「安全確保を大前提とした原子力施設の研究や運営・保守管理、廃止措置等、原子力の安全の ための施策が長期にわたって必要となることを踏まえ、原子力事業者を取り巻く経営環境にかかわらず、施設の安全性の向上やバックエンド事業の着実な実施等に事業者が確実に取り組むことができるよう、必要な人材の確保及び技術の維持・強化等に向けた事業環境の整備を進めること」としており、政府においては、今後この認識に立って、各種施策を進めていただきたいと期待するところです。
 
たまたま、このような法案が成立した日と重なった訳ですが、昨日19時からは、原子力ユニオン(日本原子力研究開発労組)・明日の東海村を創る会(吉田充宏・東海村議会議員の後援会)共催による「エネルギーについて真剣に考える仲間によるオンライン意見交換会」が開催されました。
 
この会はこれで2回目となるもので、水戸市議会の佐藤昭雄議員、東海村議会の寺門定範議員と吉田充宏議員、そして敦賀からは私の4名の議員、並びにそれぞれの労組関係者が参加のもと、「我々が今やるべきこと」について語り合う場として設定されたもの。
 

【オンライン意見交換会の開催チラシ】
 
昨日のテーマはまさに「GX実現に向けた基本方針」について、さらには地元の東海第二発電所、敦賀発電所2号機の再稼働に向けて等々、まず議員それぞれから考えを述べた後、参加者から議員に対して「やってほしいこと」等のご意見を頂戴し、最後は双方向の意見交換会の流れで約1時間半、大変有意義な時間となりました。
 
ここで感じたのはやはり、原子力だけ進めれば良いというのでは決してなく、あらゆる電源を活用していくことが必要不可欠であり、そのための情報発信や関係各所との対話に、私たち自身が本気になって汗をかいていくとの思い。
 
つまりは、会のタイトルにある「エネルギーについて真剣に考える仲間」であるということでした。
 
「GX脱炭素電源法案」成立と電気料金値上げ実施直前のタイミングで開催されたことに大きな意味合いを感じつつ、この場で頂戴したご意見、共有した事項、そしてこうした「同志」の存在を念頭に、「自分のできること」を今日からまた取り組んでいく所存です。