3度目の県独自「緊急事態宣言」が発出される

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23日10時に原子炉を起動した関西電力美浜発電所3号機は、翌24日1時37分に原子炉臨界に達し、29日からの調整運転開始に向け、順調に諸試験などが実施されている模様。
 
原子炉起動した日に、関西電力労働組合美浜支部に労いと激励の電話を入れさせていただいたところ、現場は、約10年ぶりの起動による高揚感というよりも、「ここからだ」と一層気を引き締めている雰囲気が強いとのお話しを伺い、これぞ「プロ意識」と改めて感じた次第。
 
29日の調整運転開始とは即ち、系統への送電を開始するということであり、緊張感続く運転操作、点検が続くことになりますが、訓練の成果と経験をフルに生かし、順調に工程を進められる姿を見守りたいと思います。
 
さて、福井県内の大きな話題と言えばやはり、福井市内の飲食店を中心とした新型コロナウイルス感染の拡大。
 
昨日は、新たに25人が感染したとの発表の後、福井県は新規感染者と入院患者が急増しているとして、発令中の「感染拡大警報」を2段階引き上げ、県独自の「緊急事態宣言」を発出しました。
 
 →→→6/24 福井県コロナ対策本部会議「今後の対応について」はこちらから
 
言うまでもなく、緊急事態宣言は県の警戒度としては最高レベルで、発出は昨年4月と今年4月に続き3回目。
 

【福井県の啓発ポスター】
 
期間は7月8日までとのことですが、県の公表データを見ると、昨日も546人のPCR検査を実施しており、20名規模の感染者が続けば一気に病床使用率が跳ね上がってくることからすれば、医療体制の危機感はさらに募るもの。
 
杉本知事は21日の会見で、「飲食店従業員らの飲み会が複数行われ、一気に(感染が)広がっている」と危機感をあらわにしたとありましたが、福井新聞のネット記事では、福井市内の感染対策特別地域に指定されたエリアの飲食店を対象に一斉PCR検査を決めたことに対して、市内でバーを経営する50代男性がこうも語っていました。
 
自分の店は、従業員を含め検査を受けるつもりだ。「陰性と分かった方がすっきりした気持ちで営業できる」とした上で、「ほとんどの店が真面目に感染対策をする中で、一部の店にずさんな対応があったことに腹が立つ。ここでげんこつを落としてもらった方が次の感染防止につながるのではないか」と県や市の対応に理解を示した。
 
真面目に対策を講じている店からすれば、従業員同士の飲食での感染が目に付く状況に、同業者としてやり場のない怒りが込み上げてくるのも理解するところ。
 
リスクマネジメントの世界から言えば、気を緩めたり、油断することは勿論のこと、「自分は大丈夫」との「正常化バイアス」が最もいけないことと位置付けられている訳であり、冒頭の原子力とは分野が違えど、事が起きた際の社会的影響を考えれば、やはり必要なのは「プロ意識」を持った対応ではないかと考えるところです。
 
「やむを得ない」とは決して言い難い、この福井市内でのクラスターですが、非難していても何の解決にもなりません。
 
行うべきは、起きてしまったクラスターを早期に収束すること、新たなクラスターを発生させないということであり、医療機関の負担増、飲食業を中心とする産業への影響をこれ以上深刻化させないためにも、県民の皆さんが今一度協力し合うことと認識します。
 
これに加え、我慢だけを強いるのではなく、実効性ある支援策なければ成り立たないのも現実。
 
ここ敦賀市においては、今定例会に上程されている中小・個人事業主企業に対する給付金(中小40万円、個人事業主20万円)やデリバリーなどに対する各種支援策が議決された暁には、可及的速やかに事業を実施いただき、厳しい環境の中で奮闘されている店舗が、今暫し踏ん張ることの出来る気力、体力の糧になればと切に願うところです。