法規制整備や組織対応に「防災」の横串を

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熱海市伊豆山の大規模土石流に関し、敦賀市内においても大規模盛り土などの開発行為がされた場所があるのかについて、昨日市の方に確認すると、結果として3地区6箇所にて該当する区域があるとのこと。
 
当該区域においては宅地開発業者からの説明などにより、現在お住まいの方も、そうした区域であることを認識されているということであり、まずは今回の災害を受けて、同様の事象が発生するリスクの高いエリアが把握されていることは確認することが出来ました。
 
また、私自身は以前より、太陽光発電事業者の乱開発による無秩序な森林伐採や設置不備による台風時などの飛散被害などを未然に防ぐ観点から、「敦賀市太陽光発電の適正な設置に関する条例」なるものを制定すべきとの考えにより、他自治体の状況や制定事例などの調査を行ってきていたところ。
 
これに関しては、メガソーラーまでは行かずとも、山間区域に小規模施設が設置されている実態があるということも聞きましたので、詳細な実態調査を進めたうえで、ここ敦賀市においても条例制定など実効的な策により、「抑止力」を高めることが出来ないか、しかと検討のうえ取り組みたいと考えます。
 
それにしても、先の開発行為などの確認に関しては、土砂や宅地の関係など法律との兼ね合いもあり、最初は危機管理対策課、次に道路河川課、そして都市政策課と3つの部署の課長さんとお話しし全容が掴めたほど、所管する部署も多岐に跨ることも分かった次第。
 
突然の電話でのヒヤリングにも関わらず、丁寧に対応、ご説明いただいた課長さん方には感謝を申し上げます。
 
一方、防災と都市開発、森林管理のそれぞれを所管事項としてだけではなく、今回の事例の対応として横串を刺す指揮命令系、部署はどこなのかなど、やや疑問にも感じましたので、行政組織として盲点や抜け道が出来てしまうことのなきよう、その点に関しては改めてもう少しヒヤリングをさせていただきたく存じます。
 
さて、発生から4日目を迎える熱海市伊豆山の大規模土石流に関しては、6日新たに3人の死亡を確認したと発表、死者は計7人となりました。
 
また静岡県と熱海市は、5日に所在がつかめていなかった64人の氏名や性別を公表後、親族や知人の連絡を受けて本人に確認するなどしたところ、安否不明者は27人になったと明らかにしており、被災者の生存率が著しく下がるとされる「発生後72時間」を過ぎ、今日も行われる県警や消防、自衛隊による約1700人態勢での捜索活動により、安否不明者が一人でも減ることを切に願うところであります。
 
さらに、関係省庁では、原因究明や被災地支援、他地域での同種災害防止などの対応策を打ち出し、小泉環境相は、土石流の起点付近に太陽光発電設備が設置されていることから、山林開発などを伴い災害を引き起こす恐れのある太陽光発電所の立地規制を検討すると表明。
 
「急傾斜地への設置を懸念する地域もあり、ここに建てるべきではないとの対応も必要ならやるべきだ」と発言したそうですが、それを言うなら併せて、この狭い国土の日本に太陽光パネルを敷き詰めれば再エネ100%は実現するという妄想、夢物語からも早く醒めていただきたいと強く思うところです。
 

【熱海市伊豆山で発生した大規模土石流の起点付近(手前中央)。土砂は奥に向かって流れた。6日13時17分(共同通信社ヘリより)】
 
併せて、梶山経済産業相は、現場付近にある太陽光発電設備が、国が進める固定価格買い取り制度(FIT)の認定を受けていることを踏まえ、政府による原因究明の一環として、当該設置事業者に対し聞き取りを実施する方針を明かにしました。
 
さらに、赤羽国土交通相は、全国で同様の危険な場所があるかどうか「盛り土(造成地)の総点検」を実施する方針を示すとともに、関係省庁と連携し、調査事項や対象箇所など基準を策定する作業を進めていく考えとのことであり、こうした事例を契機とし、各関係省庁が所管する様々な法律や規制に「防災」という横串を通していただき、早急な対応、法整備をお願いするところです。
 
こうしている間にも、7日4時26分には福井気象台が、敦賀市に大雨(土砂災害)警報を発令。
 
七夕気分はあきらめ、注意警戒です。