元旦社説から読み解く2020年

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年明け2日目も雨模様の敦賀。
北陸日和とあきらめ、気持ちは晴れやかに過ごすこととしたい。
 
さて、労働組合役員時代に、とある教育機関の理事長さんに掛けられた印象に残っている言葉がある。
「組織のリーダーたるもの、元旦には新聞各社の社説を5紙以上は読め」
 
これは、この年を迎えるにあたって、新聞各社の論点や論調が表れる社説を多角的に読み解き、国家観を持って活動せよとの意味であり、「井の中の蛙になるな」、「大局を見よ」との思いが込められた言葉と理解している。
そんな言葉を述べられた理事長さんは、功績を惜しまれつつ既に他界されている訳ですが、この言葉を残してくれたことに今でも感謝している。
 
それ以来、教えを守り、毎年続けている。
コンビニで新聞を買いあさっていたアナログ時代が懐かしいが、最近はもっぱらデジタル配信。
 
昨日の大手5社の社説タイトルを見ると、やはり思想や理念の相違が如実に出ていて興味深い。
産経 「政権長きゆえに尊からず」
読売 「平和と繁栄をどう引き継ぐか…「変革」に挑む気概を失うまい」
日経 「次世代に持続可能な国を引き継ごう」
朝日 「2020年代の世界 「人類普遍」を手放さずに」
毎日 「民主政治の再構築 あきらめない心が必要だ」
 
今さら言うまでもないが、産経・読売は、長期政権の緩みを指摘しつつも、混沌とする国際情勢の中、改憲や靖国参拝なども現政権のもとで進めるべきとの主張に対し、朝日は「SDGsの理念」と掛けて、毎日は「民主主義の危機」と掛け、改憲に進む現政権批判を主張している。
この違いを客観的に読み解き、国民の一人として、自身の考えを導き出しておくことが肝要なのだと考える次第。
 
ただ、毎日新聞の「国家単位で答えを出すことが困難な問題がうねりを増す中で、ポピュリスト政治家は国際秩序に大きな価値を認めない」との記事に対しては、原子力や安全保障などの国の重要課題でポピュリズムを生み出しておいて「良く言うな」というのが率直な思い。
そうした文面の表と裏を嗅ぎ取ることも訓練といったところか。
 
また、海外に目を向けると隣国の「朝鮮日報」。
社説ではないが、「韓国過去57年で初めて日本に負けた成長率、OECDでビリになった韓国経済」とある。
新年にまで、我が国を気にしてくれている敵対心は、私には「構ってちゃん」、いわゆる「カマチョ」にしか思ず笑えてしまう。
 
冗談さて置き、調整役不在で自国第一主義、混迷を極める国際情勢の中、我が国が進むべき道はいかなるものか。
確かに東京オリンピックは最大の関心ごとであるにせよ、これに浮き足立ってばかりはいられないと思う2020年である。
 

静かに参拝客を待つ今朝の気比神宮大鳥居