さらに深刻な来夏の電力需給。電事法改正で誤魔化さず根幹にあるエネ政策の見直しを。

エネルギー ブログ

私ごとで恐縮ながら、ふと昨日「やればできるやん」と思ったこと。
 
議員になってからは毎日続けている本ブログですが、昨日、画面右端の“カテゴリー”にある”ブログ”の回数を見るとちょうど「1000」の数字となっていました。
 
元来3日坊主型の私ですが、約2年9ヶ月続いたということになります。
 
敦賀市議会の先輩議員の中には、もう何十年と続けていらっしゃる方もおられますので、まだまだヒヨッコの域を出ませんが、市政や議会の状況をリアルに届け、議員や政治を身近な存在に感じていただきたいとの思いで始めたことを忘るることなく、今後も継続していきたいと思います。
 
また、こうして拙いブログを読んでいただいている皆さんへは感謝しかありません。
 
ありがたいことに、時折ご激励の声なども頂戴するところではありますが、「やまたけ、それは違うんじゃないか」とのご意見などございましたら是非ご遠慮なく連絡いただきたく存じます。
 
多様なご意見を集約し、反映していくことこそ、政治に求められることと考えますし、私も「聞く力」はあるほうだと思っていますので。
 
さて、節目の1001回目となる今日のテーマは、どうしても気になるエネルギーのこと。
 
経済産業省は27日、電力供給を安定させるため火力発電所の過度の廃止を食い止める方針を明らかにし、“廃止の事前届け出を義務づける”電気事業法改正案を2022年の通常国会に提出することを明らかにしました。
 
火力発電所の維持を促す支援策も講じるとしつつ、同日、2022年夏は北海道、四国、沖縄を除く7地域で、安定供給に最低限必要な供給余力を確保できない見通しを示しました。
 
法改正の具体的内容は、発電所を廃止する電力会社に対して数ヶ月前に経産相への届出を義務づけ、電力供給不足が予想されるときは廃止を踏みとどまってもらうため維持費を補塡する措置も講じるほか一旦休止した発電所の再稼働も促すとあります。
 
また、電力需給の調整機関である「電力広域的運営推進機関」の法的な権限を拡大し、経産相に対して“供給力の確保に向けた措置”をとるよう意見できるようにすることや、経産相は意見を踏まえ、必要に応じて電力各社の供給計画の見直しなどを勧告するとありますが、正直違和感を感じざるを得ません。
 
それは、根本的な問題が、再生可能エネルギー(再エネ)に押されて収益性の下がった火力発電所の休廃止が相次いでいることが、電力需給の逼迫を招いていることにあるからであり、裏を返せば、再エネ導入拡大と電力市場の自由化を無理くりに進めてきた、国の政策に起因するからであります。
 
簡単に申し上げれば、他の産業においても“市場を自由化”することの狙いは、「企業間の価格競争を高め」、「コストを低減する」ことにあると理解するところであり、企業にとってみれば、採算が合わない事業があれば撤退するのは市場の原理として至極当然のこと。
 
しかしながら電力の場合は、市場を自由化したとは言え、例えば旧電力会社が長期間使用した発電所を停止するなどの判断をする場合において国が関与することとなる訳であり、さらに需給が厳しいとなれば「それは困る」とばかりに「停止せぬよう」要請することを意味します。
 
そう考えれば「何のための自由化か」という問いに行き着く訳であり、これでは旧電力会社狙い打ちで経営に縛りや足枷をかけているのと同じことではないかと考える次第です。
 
一方、今冬の需給ひっ迫以上に深刻となる、2022年夏の電力供給の余裕を示す予備率は7月に東京と中部でそれぞれ1.1%となり、最低限必要な3%を確保できない見通しであることに加え、8月は東京と中部が0.9%に下がり、東北、北陸、関西、中国、九州も1~2%台に低下する見込みとあります。
 
これまでの繰り返しになりますが、電力需給ひっ迫に怯え、毎年節電要請ばかりしていては、豊かで安心な国民生活や経済活動が担保されないばかりか、国益を失することにつながるものであります。
 
この最強寒波でも明らかなよう、この需給ひっ迫を救うのは、雪に埋もれた太陽光パネルではなく、再エネの元祖である水力発電や長期間使用した実績ある火力(もちろん最新鋭機も含む)、原子力発電であり、やはり「現実的なエネルギーミックス」を進めることしか日本の生き残る道はないと確信するところであります。
 
こうしたエネルギー事情は、国民ひとり一人に密接に関係ある問題であることから、引き続き少しでも関心をもってご覧いただければ幸いに存じます。
 
なお、超重要な問題であるにも関わらず、再エネ導入拡大に水を刺すようなこの手の話題はあまり報道で取り上げられないのは何故か。
 
そのことを考えれば、公正で公平な政策論議を阻害する要因がどこにあるのかについても答えが見つかる次第です。
 

【写真は、今冬の電力需給ひっ迫を救うため年明けに再起動する姉崎火力発電所(千葉県)。ピンチを救うのは40年超選手だ。】