「水素基本戦略」改定と「ハーモニアスポリス構想」         

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新たな年度を迎え、初の出勤日となった昨日、多くの企業や省庁で行われた「対面」や「マスクを外しての」入社式や入庁式のニュースを拝見し、フレッシュで若い皆さんの門出を祝うとともに今後の活躍を祈念する次第です。
 
また、政府の子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」の発足式も行われましたが、こちらは縦割り行政を打破し、各省庁間が連携のもと、真に「異次元」の少子化対策に進むことを期待いたします。
 
さて、桜咲く4月の雰囲気と相まって、こうした明るいニュースに触れるなかではありますが、やはり気になるのはエネルギー関連の話題。
 
同じく昨日は、脱炭素化を加速させるため、政府は水素のエネルギー化に向けた「水素基本戦略」を改定する方針の骨子を固めたとの報道がありました。
 
これによれば、2040年の水素供給量の目標を、現在の約6倍となる「年1200万トン程度」に設定し、官民で今後15兆円を投資する計画を示すことが柱。
 
2030年頃に水素の商用化を実現させるため、大規模なサプライチェーン(供給網)やコンビナートの拠点を構築する必要性も指摘し、財政的な支援や官民の投資で後押しすることも明記したとのこと。
 
さらには、企業の負担を軽減して供給網を構築するため、石炭や天然ガスの市場価格との差額を補助する制度を創設する方向で調整を進めているともありました。
 
以前に聴講した有識者のセミナーで、「水素は今後20兆円規模の市場になる」とありましたが、まさにその通りとなったことに加え、政府が本腰を入れて技術開発や市場の整備に取組む意思の表れと理解したところです。
 
さて、こうした国の動きを踏まえ、頭に浮かぶのは、従前から水素の取り組みを進める敦賀市のこと。
 
敦賀市においては、産業構造の複軸化とエネルギーの多元化を目的とした「ハーモニアスポリス構想」とその基本計画である「産業間連携推進計画」、「調和型水素社会形成計画」、「道路網整備計画」を策定のうえ、それぞれ取り組むところですが、今般の基本戦略改定を受け、戦略を見直す必要は無いのか。
 

【「ハーモニアスポリス構想」概要版の表紙】
 
とりわけ「調和型水素社会形成計画」に関しては、水素エネルギーの活用とサプライチェーンの構築を目指すものであり、渕上市長が掲げた目玉政策であったと認識しますが、市議選と同時に行われる市長選で誕生する新市長におかれては、これをどう取り扱うのか、大変高い関心を持つところであります。
 
昨年度は、全国初となる「原子力由来水素」の実証試験を行なった敦賀ですが、集積する原子力関連施設や火力などと合わせ、水素の利用拡大で、あらゆる電源を活用する真の「エネルギー都市」を目指せる。
 
そんなポテンシャルがあるまちは、全国、いや世界広しといえど、ここ敦賀にしか出来ないことと考えるため、この点に関しては、私自身も思考を重ね、今後もその任を与えていただけるのであれば引き続き、建設的に意見していく所存です。