「今どき」でない尼崎市のUSBメモリー紛失問題

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「今時、まだこんなことが」と、思わず呟いてしまったのが、尼崎市でのUSBメモリー紛失問題。
 
尼崎市の発表によれば、6月21日に臨時特別給付金を支給する業務の一部を委託されている業者が、データを移し替える作業のためUSBメモリーを持ち出し(及びデータ消去忘れ)、その後飲酒、酔って路上で寝ている間にカバンごと盗まれたとのこと。
 
驚くことに、このメモリーには全市民46万人分の住民基本台帳の情報のほか、生活保護受給世帯や児童手当受給世帯の口座情報などが含まれていたということであり、委託業者担当者の個人情報を取り扱う意識の低さもさることながら、重要なデータがこうした方法で庁外に持ち出し可能になってること自体に首を傾げた次第。
 

【NHK WEBより引用】
 
尼崎市長の会見からは、どこか「業者の責任」との印象を受けましたが、情報管理の責任は一元的に自治体にあり、情報セキュリティやリテラシーを維持するうえにおいては、重要データをUSBメモリーなどの可搬可能な媒体で情報搬送などしないはず。
 
マイナンバーの普及に対しては、一部、こうした住民データの漏洩や金融データとの紐付けに、一部市民から不安の声があるところですが、このような問題が起きれば、その不安はさらに広がり、国が進める施策にも水を差すことになると考えるところです。
 
尼崎市におかれましては、「行政」という一括りで、意識高く取り組んでいる自治体の信頼にまで影響が及ばぬよう、原因の追及と徹底した再発防止対策を講じたうえで、広く説明責任を果たしていただきたいと思います。