菅首相、総裁選に立候補せず

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「【号外】菅首相、総裁選に立候補しない意向を表明」
 
昨日のお昼前、スマホに届いたニュース速報には驚きましたが、その後行われた官邸での記者団の取材に対し、総裁選に費やすエネルギーを考えるとコロナ対策と両立できないとして、「コロナ感染防止に専念したいと判断した」と不出馬の理由を語りました。
 
自民党の二階幹事長は、「(この日の)朝聞いた。総裁として熟慮を重ねた結果」と述べられましたが、裏事情はどうあれ、この一連の流れからトップリーダーは孤独であると感じた次第です。
 

【街角でも、ニュースは菅首相退任表明(インターネット記事より写真抜粋)】
 
首相の働きぶりを評価する立場には決してないものの、一番は、国難である新型コロナウイルス禍への対応を巡って、国民からの厳しい視線にさらされてる状況、これに加えて迫る衆議院選挙を睨んでの判断はやむを得ないと思いつつ、「国民のために働く内閣」の看板を掲げ、デジタル庁創設や携帯電話料金値下げを実行、長年の懸案であった東京電力福島第一原子力発電所の処理済水の問題に関しては、海洋放出の方針を決め、外交安全保障政策では、バイデン米大統領と「台湾海峡の平和と安定」の重要性を確認、日米同盟や先進7カ国(G7)、日米豪印の枠組み「クアッド」で対中抑止強化を戦略的に進めるなど手堅く対応されたことは、評価されて良いのではないかと考えるところです。
 
なお、気候変動対策で脱炭素へ舵を切った「2050カーボンニュートラル」に関しては、世界の潮流を見て、目指すことは理解するにせよ、達成に向けた現実的な道筋として、国として将来に向けた原子力発電の活用(新増設・リプレースなど)を明確にすることを、「究極のリアリスト」と呼ばれる菅首相に期待していただけに、現時点においては大変残念な状況であるとの思いであります。
 
いずれにしても、この不出馬の判断により、自民党総裁選が混沌とした様相となってきました。
 
昨日書きました「KK両大臣」においては、河野大臣は総裁選に手を挙げ、小泉大臣は「選択肢として、総理には不出馬を進言した」と、一国の総理に対して失礼極まりないと思えることを涙ながらに話す姿に言葉を失った次第。
 
私は自民党員でも何でもないので、こちらも口を挟む立場にありませんが、国民受けやパフォーマーではなく、保守政党に相応しい、日本の歴史と伝統を重んじ、国家感を持った真のリーダーを選出願いたいと心から願うところです。
 
さて、一方野党と言えば、ある新聞の切り貼りですが、各政党党首は以下のようにコメントを述べています。
 
【立憲民主党】
枝野幸男代表「国民生活への喫緊の対応が政治に求められている中で、こうした事態に至り、怒りを持って受け止めている。首相は無責任で、こうした状況を作った自民党全体に政権を運営する資格はない」
 
※安住淳国対委員長「新型コロナ感染者が全国で増え、重症者が増え、亡くなる人が増えている中、大丈夫なのか。自民は今から、選挙で人気のある総裁を選ぼうと血道を上げるのだから、本当に信じられない」
 
【共産党】
志位和夫委員長「首相の政権投げ出しという事態となった。こんな政治はもう我慢ならない、という国民の世論と運動に追い詰められた結果だ」
 
【日本維新の会】
松井一郎代表(大阪市長)「実務派だから、政局の騒動に嫌気がさしたのではないかと思う。不出馬となって、落ち着いて新型コロナ対策ができるのではないか」
 
【国民民主党】
玉木雄一郎代表「突然のことで驚いた。緊急事態宣言の真っただ中にコロナ対策の最高責任者が辞意を表明したことは異常事態だ。事実上、コロナ対策の失敗の責任を取った形だ」
 
(後の玉木代表Twitterでは)
国民民主党が主張してきた孤独担当大臣を設置し、また孤独対策や妊孕性保存への助成を骨太方針に書いてくれたことには感謝していますし、菅総理のリーダーシップがなければ出来なかったとこだと思っています。残りの任期はわずかですが、臨時国会を開き国民のための建設的な議論をさせていただきたい。
 
【社民党】
福島瑞穂党首「驚いている。現在、コロナ感染が広がっている。山火事が燃え盛っている中、『ちょっと僕、辞めます』と逃げるのは本当に無責任だ」
 
批判するのが野党の仕事とはいえ、このコメントを見ると、傷口にこれでもかと塩を塗る政党もあれば、対峙する相手に敬意や感謝の意を示す政党もあります。
 
昨日学んだ「責難は成事にあらず」の考えからすれば、何をしても批判にしかつなげないのでは「成事」に至るはずがありません。
 
相手に対する敬意や尊敬の念を持ちつつ、意見すべきは意見し、その代わり評価もするというのが是々非々の関係であり、それ以前に、日本人の根底に流れる他者への優しさや配慮を有していなければ、国民から信頼される政党にはなり得ないのではとも思うところです。
 
総裁選、次期首相が誰になるのかに注目が集まるところですが、来る衆議院選挙では、当然のことながら、与党か野党か、どの候補を選択するのかを見極めなくてはなりません。
 
敵対する相手は徹底的に叩きのめすといった文化を持つ某国と日本は違う訳ですので、そうした各政党の根底にある考えや文化も大いに判断材料とし、自分の目で、今後の国政の動きを確認していきたいと思います。