福井県独自の緊急事態宣言は延長。そして新たな侵入者「ラムダ株」。

ブログ 新型コロナウイルス

昨日の甲子園は、第一試合開始が遅れながらも予定の4試合を実施。
 
開始が遅れたこともあり、第4試合に登場の敦賀気比の試合を途中から観戦することができました。
 
初回から単打を集め、中盤までで敦賀気比が大きくリードしたこともあって、「これは楽勝」と思いきや、そこはさすが「終盤追い上げ」がチームカラーの日本文理。
 
9回最後までの追い上げられたものの、終わってみれば8-6で敦賀気比が辛勝。
 
北信越勢同士の対決を制したこの日の勝利で波に乗り、この試合の解説をしていた元横浜高校監督の渡辺氏が「マシンガン打線」と評した通り、切れ目のない打線で快進撃を続けて欲しいと思います。
 
さて、話題はどうしても新型コロナウイルスの話しになってしまうのですが、ここ数日、30人前後の新規感染者が続く福井県では、昨日新たに男女37人が感染と発表。
 
これは、過去3番目に多い人数となります。
 
福井市14人、越前市9人、敦賀市、小浜市各3人、坂井市、鯖江市、永平寺町各2人、東京都と調査中が各1人と県内に広く分布しているのも相変わらずの状態となっています。
 
こうして県内で感染拡大に歯止めがかからない現状を受け、福井県は、8月24日を期限としている県独自の緊急事態宣言を9月12日まで3週間延長、営業時間を20時までとする県内全域の飲食店に対する時短要請も併せて延長することを決めました。
 
お盆期間中の県外往来などの影響が今後もじわじわと出てくることも踏まえた判断かと思いますが、先日病院関係者の皆さんからお話しを聞くに、医療機関の病床使用率上昇と共に従事者のマンパワー不足、長期間に及ぶ労働などによる疲弊などが顕著になってきていることから、単に医療従事者への感謝の言葉だけで終わらせるのではなく、普通医療、救急医療を守るため、さらにはこうした従事者の心身の負担を軽減するためにも、何とか今の波を一旦落ち着かせたいと心から願うところです。
 
一方、相手のコロナウイルスですが、アルファ株からデルタ株へと、まさに世界各地で変異を続けている訳ですが、今度は「ラムダ株」が国内で初確認されたとのニュース。
 
南米で割合を占めるこの「ラムダ株」ですが、厚労省によると、感染した女性はペルーに滞在歴があり、7月20日に羽田空港に到着、検疫が実施した検査でコロナ陽性が判明したとのこと。
 
その後、国立感染症研究所が詳しく調べたところ、「ラムダ株」と確認されたものの、日本で初確認された「ラムダ株」についは、感染が確認された東京五輪関係者の女性に関し、航空機の席順から把握した濃厚接触候補者の情報を大会組織委員会や自治体などに伝えていなかったと厚生労働省が8月18日に発表。
 
同省は同日、「未送付が発生しないようダブルチェックを行う体制を整え、再発防止に努める」とのコメントを出したものの、こんな大事なことを失念するのかとの思いと、新たな変異株の持ち込みと東京五輪を関連づけないよう、どこか力が作用したのではないかと勘繰ってしまうところです。
 
こうして新たな変異株の名前を聞き、少し調べてみようと国立感染症研究所のホームページで検索してみると、7月10日発表の「感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株について(第10報)」の題目の中で、「ラムダ株」について説明がされていました。
 
内容を見てみると、
 
【C.37系統の変異株(ラムダ株)】
2021年6月14日、C.37系統の変異株がWHOによってVOIに位置付けられ「ラムダ」と呼ばれることとされた
◉C.37系統(ラムダ株)は、ペルーで2020年8月に初めて報告された。
◉GISAID(www.gisiaid.org/hcov19-variants)に2021年6月15日時点で1,730以上のウイルス遺伝子配列が29カ国から登録されている(7月4日時点での登録数:2,213)。
◉Outbreak.infoによれば、南米で、過去60日間の検出割合の増加が見られており、チリ(30%)、ペルー(50%)、エクアドル(11%)である(2021年7月4日時点)。
◉C.37系統(ラムダ株)のSタンパクの特徴的な変異としては、G75V、T76I、del247/253、L452Q, F490S, D614G, T859Nがある。感染・伝播性の増加と中和抗体能への抵抗性と関連している可能性があるが、実験的データは限られている
◉英国PHEは調査中の変異株(VUI: Variant Under Investigation)、欧州CDCは監視下の変異株(variants under monitoring)に位置付けている。
国内では報告がないため、現時点ではVOCs/VOIsへの位置付けは行わず、ゲノムサーベイランスで発生動向を注視していく。
 
と、正直、素人である私には、「Sタンパクの特徴的な変異としては…」と言われても、記号の意味すら解読が難しい訳ですが、何せアルファからデルタ、そしてさらにラムダに置き換わっていくようなことがあればまた、ワクチン効果にも影響するやも知れず、一旦見えかけたコロナ収束の道が遠くなるリスクを秘めるものと認識するものです。
 

【参考までに、国立感染症研究所HPに掲載されていたCOVID-19変異株の分類と呼称。今更ながら、10種類以上もあることに驚きました。】
 
この表を見るに、人の体に宿り、自らが生きるため変異をし続けるのがウイルスであることをつくづくと感じる訳ですが、人間はどうか。
 
ウイルスと違い、急に体は変われませんので、こうした新たなものについてはより警戒(特性を正確に把握するとの意)をしながら、目に見えぬ感染症に対しては、「正しく怖がる」ということを基本に置いて過ごすしかないのかなと、改めて思うところです。
 
こうして、コロナ初期の1年前と同じようなことを書いていることに気づき、自身の成長の無さを感じるところでありますが、変化を遂げるウイルスに対しては、戦と同じで「相手を知らねば勝てぬ」いうことかと思いますので、引き続き知見を得ながら、正確なことをお伝えしていければと思います。