民信なくば立たず

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あけましておめでとうございます。
 
皆様方におかれましては、新春を晴々しい気持ちでお迎えのこととお慶び申し上げます。
 
卯年の本年が、皆様にとって穏やかで、より一層飛躍の年となりますようご祈念いたします。
 
さて、私はといえば、議員生活もこれで3年8ヶ月が経過し、残り任期も4ヶ月となりました。
 
この間、自分なりの精一杯を心掛けて活動してまいりましたが、これまでの様々な出来事を思い返すに、市政であっても国政であっても、今の政治(家)に必要なのは市民(国民)からの「信頼」にあると感じるところです。
 
この場合の「信頼」とは、「この人に任せておけば間違いない」と仕事を任せてもらえるとの意であり、本来は普段の活動を通じて自然に構築されるべきと考えますが、私自身はどうなのか。
 
そんなことを考えていた矢先、年末に読んだ「ローマ人の物語」で有名な塩野七生さんの著書「誰が国家を殺すのか 〜日本人へⅣ〜」の中にヒントがありました。
 
以下、著書より引用いたします。
 
「勝てる男」とは、既に輝かしい実績があるというよりも、あの男に任せておけば上手く行くと思わせる男である。
その他大勢とどこが違うのかといえば「勝つのに怖れを抱かない人」。
全員が立ち止まったままの時に一人が敢然と言う。「勝てる」と。
これで安心した全員が前に進み始めることになり、その結果、事態も眼に見えて改善の方向に向かう。
プラスアルファの存在意義はこれにある。
 
それで、イタリアの「勝てる男」二人※に共通している点を列記してみよう。
 
※元首相マリオ・ドラーギ氏とサッカーナショナルチーム監督のロベルト・マンチーニ氏
 
第一は、話が短い。ゆえに簡潔で明快だから、聴いている側にも正確に伝達される。
第二、自分が全責任を持つ、なんて勇ましい言葉は一言も口にしないが、他者に責任を転嫁しないことははっきりさせている。
第三、日本の女性たちの好むイケメンではないが、静かな凄みは常に漂う。おかげで、信用の置ける人、に思えてくる。
 
一私人であれば、貧相でも卑しい心情の持ち主でも構わない。しかし、公的な立場に立つ人になると、この種の条件は重要になる。その他大勢が気分良く、あの人に従いていったら上手く行く、と思うようになるためにも。リーダーには、素質だけでなく、その位置に立つのにふさわしい肉体的条件も重要なのだ。
 
首相ドラーギは、最初の信任を乞うに際しての国会での演説の最後を、次の言葉で締めくくった。「我々全員は、それぞれ違う考えを持っている。しかし、イタリアを愛する心ならば共有していることは期待したい」。
これは脅しである。
しかし、品位はまったく落とさないでやる脅しである。
勝てる男とは、これくらいの度胸がないとやれない生き方なのである。(2021年6月20日記)
 
私にとっては、第一の資質「話が短い」からして大いに改善の余地がある訳ですが、「公的な立場」にいる者として、今後はこの3要素も念頭に活動にあたりたいと思います。
 
「民信なくば立たず」
 
これは、信頼関係が社会の基盤であり、他者を信じる心を持つのと同時に、他者から信頼を得られるような人間となるよう、努力し続ける必要があると説いた孔子の言葉。
 
議員である前に、2月で51歳を迎える一人の男として、令和5年も日々精進あるのみです。
 

【道を切り拓く鍵は自分自身の心にあり(写真は昨日撮影したもの)】