将来を見据えて育てる「新感覚の二刀流タイプ」

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少し前の話題になりますが、人事労務分野の情報機関である産労総合研究所が毎年発表する「新入社員のタイプ」が3月28日に発表され、今年度は「新感覚の二刀流タイプ」と称されました。
 
ちなみに昨年は「仲間が恋しいソロキャンプタイプ」でしたが、「新感覚の二刀流」とした理由としては、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、大学・後半期にさまざまな活動制限を受けた今年の新入社員は、インターンシップや就職活動を、対面とオンラインの2つのスタイルで二刀流のようにこなして入社式を迎えたということにあるとのこと。
 
また、育成のポイントとしては、就活中に職場の雰囲気や仕事に関する情報が得にくかったこともあり、入社後は、思い描いていたイメージと実際とのギャップに戸惑う可能性を指摘し、先輩社員は、これまでの新入社員とは異なる新感覚(オンライン慣れ、対面コミュニケーションの不慣れ、タイムパフォーマンス志向等)や未熟にみえる言動を受け止めたうえで温かく交流し、一人ひとりを見詰めた育成支援をして欲しい。
 
そうすれば、才能が開花し、環境変化にも適応できる「リアル二刀流」、さらに、これまでにない「シン・二刀流」として、新たな才能を開花する可能性は高い。
 
受け入れ側も、教育・働き方・コミュニケーション等のあり方について、彼らの「新感覚」に学ぶこともあるだろう。
 
とありました。
 
私ごとですが、今春就職した長女もこの「新感覚の二刀流タイプ」に該当する訳ですが、昨日は当社に入社され、敦賀発電所に配属された新入社員を前に歓迎のご挨拶をする機会を頂戴しました。
 
日本原子力発電労働組合の組織内議員との立場でのご挨拶となりましたが、まさに自分の子どもと同世代の彼ら彼女らが、まっすぐに顔を上げ、真剣な視線で話しを聞いてくれる姿についつい熱が入り、自分自身この敦賀発電所をマイプラントとし情熱を持って仕事に取り組んできたことなどを紹介したうえで、これからの皆さんの活躍へのエール、そして何か困ったことがあれば一人で悩まず相談をと声掛けした次第です。
 
さて、「リアル二刀流」といえば、思い浮かべるのはエンゼルスの大谷翔平選手であり、高校時代から世界一の野球選手になるとの目標を掲げ、一歩づつ階段を昇ってきたことは誰もが知るところ。
 
一方、その才能や可能性を信じ見守ってきたのが花巻東高の佐々木監督であり、プロに入ってからは日本ハムの栗山監督になろうかと思います。
 
その恩師・佐々木監督に対し、かつて大谷選手はこう語ったことがあるそう。
 
「佐々木監督はチームの勝利を目指すなかで『今じゃない』『早熟する必要はない』と、そんな話もしながら個人として最後はどこまで伸びていけるかということを常に考えてくれました。」
 
こうした指導者の姿勢から学ぶべきかと思うのですが、将来を見据えて育成された結果、今の大谷選手があると改めて納得した次第です。
 
翻って、選手を社員に置き換えれば、職場の先輩や上司は佐々木監督や栗山監督のように振る舞えるのか。
 
多忙の職場ではついつい、即戦力を求めがちになろうかと思いますが、そこはグッと我慢をし、冒頭の産労総合研究所の言葉にあったよう、「未熟にみえる言動を受け止めたうえで温かく交流し、一人ひとりを見詰めた育成支援をして欲しい」と思うところであります。
 
そんな先輩、上司に囲まれながら、とにかくアットホームな職場環境の中で、敦賀発電所に配属された9名の皆さんはもとより、「新感覚の二刀流」世代が今後、その可能性を広げ、大きく飛躍されることを願ってやみません。
 

【才能に甘んじず、直向きに「努力」を続ける大谷選手の姿は、新入社員に言うが及ばず、私自身にとっても尊敬する存在です(写真はAP通信)】