海上自衛隊ミサイル艇「はやぶさ」を見学

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ゼレンスキー大統領が広島空港に到着し、さらに注目が増すG7広島サミット。
 
昨日発表した首脳声明では、ウクライナ侵略を続けるロシアを「可能な限り最も強い言葉で非難」し、不法な侵略が続く限り、ウクライナを支援することが明記されました。
 
また、中国が海洋進出を強める東・南シナ海情勢に深刻な懸念を示し、力や威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みに強く反対することも表明しました。
 
尖閣諸島を始め、わが国領域内への侵入行為を繰り返す中国に対しては、毅然とした態度で牽制しておくことが重要であり、こうしたG7での表明には大きな意義があると受け止める次第です。
 
さて、こうして国防について考えるなか、ベストタイミングで機会を得たのが、海上自衛隊のミサイル艇「はやぶさ」の見学会。
 
以前に、会員として所属する敦賀防衛懇話会より、敦賀港桜岸壁に入港する「はやぶさ」の見学会についてご案内いただいていたところ、ちょうど午後は時間があったため、是非ともと岸壁まで車を走らせた次第。
 
見学に際し予習するなかで、「はやぶさ」は1999年に発生した、能登半島沖での北朝鮮不審船逃走に後押しされる形で建造されたミサイル艇。
 
海自護衛艦艇群にあって独特の存在感を放ち、沿岸の基地・港から発進、高速航行し、搭載した艦対艦ミサイルで敵艦を制圧する高速戦闘艇だとありました。
 
軍用航空機の世界でいう「迎撃機」の存在と似ているとも。
 
きらめきみなと館裏手の桜岸壁に到着し、海上自衛隊の方のご案内で艦艇に上がらせていただき説明を受けるとまず、76ミリ速射砲や後方に備えた4基の艦対艦ミサイルシステム、また警告射撃などに使用するため12.7ミリ重機関銃、レーダーを撹乱するランチャー砲などの火力を装備しているとありました。
 
また、能登半島沖での経験を踏まえ、高速で逃げ回る船舶を追尾できるよう、強力なガスタービンエンジンを3基も搭載しており、海上自衛隊初のウォータージェット推進により最高44ノット(約時速80キロ)もの速力を発揮でき、これはこれまでの海上自衛隊保有の艦艇で最高のスピードであるともありました。
 

【「はやぶさ」を後方より見る。日章旗の奥に斜め置きされているのが艦対艦ミサイル。後方下部の黒い部分がウォータージェット推進機構。】
 
なお、砲塔やレーダー、手摺りや梯子の構造物に至るまで、ステルス性に配慮された形状(レーダー波が放射状に反射するよう)になっていることにも驚きました。
 
CIC(Combat Information Center=戦闘指揮所)は6畳程度の広さでコンパクト、アルミボディにて軽量化された船体は風と波の影響をもろに受ける(船体が80度ほど傾くこともあるそう)ことから立ち席はなく、すべてショックアブソーバー及び5点式シートベルト付きのシートを配備しているとのことで、三半規管が決して強くない私としては、考えただけでも船酔いしそうになった次第です。
 

【ご配慮にて操舵席にも座らせていただきました】
 
こうして、大変丁寧なご説明をいただき艦を降りた訳ですが、いかなる状況であろうとも有事の際にはいち早く現地に向かい、最前線で制圧する役割を果たす「はやぶさ」、そして乗組員の皆様には心より敬意を表するとともに、この日の対応に感謝した次第であります。
 
このような「リアル」を体感すればやはり、国防は理想論では決して成り立たないことは言うまでもありません。
 
取り巻く脅威に対して、抑止力が働くのは均衡する軍事(防衛力)あってのことであり、防衛費の問題などに関しても現実的に考えるべきと、さらに認識を強めたところです。
 
「自分の国は自分で守る」
 
至極当たり前のことですが、私自身は国民民主党も掲げるこの理念に沿って、引き続き思考していきたいと思います。
 

【艦艇の前で。国防は極めて現実的に。】