2026年5月23日
政治的活動を禁じた「教育基本法」に違反
教育基本法
(政治教育)
第十四条
良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上これを尊重しなければならない。
2 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
また、文部科学省ホームページの「教育基本法ってどんな法律?」にある本条趣旨には、
第1項は、民主主義を実現するためには、国民の政治的教養と政治道徳の向上が必要であることを踏まえ、政治教育において最も尊重されるべき事項を規定するもの。
第2項は、学校教育における政治教育の限界を示し、特定の党派的政治教育を禁止することにより、教育の政治的中立を確保しようとするもの。
とあります。
3月16日、沖縄県名護市辺野古沖で同志社国際高(京都府)が実施した平和学習で同行の女子生徒(17)ら2人が死亡した事故を巡り、調査を続けていた文部科学省は昨日、政治的活動を禁じた上記の教育基本法に違反するとの見解を示しました。
文科省が問題視したのは、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する「ヘリ基地反対協議会」の活動と密接に関わりながら、研修旅行が行われていたという事実。
報告書で、同志社国際以外の各学校の平和学習についても、政治的な中立性や学習指導要領が求める多面的・多角的な視点を確保するよう求めていることは、同種の平和学習を実施している私立高校に対しても警鐘を鳴らしたものと受け止めたところです。

【辺野古漁港に引き揚げられた、転覆した船「平和丸」(2026年3月16日付 産経ニュースより引用)】
教育基本法に対する違反と併せて、文科省は「学校法人および学校の責任は極めて重い」とし、同校を運営する学校法人同志社(同)に対し、安全管理も「著しく不適切」だと指摘しており、亡くなった女子生徒の父親が「(娘の)死が無駄にならないよう」全国の学校関係者に安全確保の徹底を求めたことは当然の思いと考える次第です。
本件に関しては、文科省の報告書公表を受けて、各政党からも声が聞かれるところ、国民民主党の榛葉賀津也幹事長は22日の定例会見で「「当然だ。知華さんのお父さまやご家族が勇気を振り絞って発信され、その言動に文科省が動かされた。文科省の官僚の皆さんに深く敬意を表したい。心ある対応を取った」。
また、教育現場における政治的中立性の確保の在り方に関しては「難しい議論だ」とした上で、「特定の結論ありきで生徒の考えを導くのは明らかに間違っている。教師自らの思想信条を学生に押し付けることもあってはならない。いろいろな考えを共有し、学生が自分の頭で考えることが大事だ」と述べました。
一方、中道改革連合の小川淳也代表は、同じく22日の記者会見で「あまり政治問題化し過ぎることは教育当局の最終責任者として控えた方がいい。現場を委縮させかねない」と、教育基本法違反だとする調査結果を、松本洋平文部科学相が閣議後会見で明らかにしたことへの違和感を口にしました。
加えて、転覆事故に関する基本的な立場として「いたずらに政治問題化することは必ずしも望ましくない。安全運航の面で、原因究明が行われ、再発防止策がとられるべきだ」と指摘した上で、「海岸を埋め立てて、米軍基地を作ることの良しあしは賛否両論あっていい」と述べた上で、松本氏が文科相として調査結果を公表したことは「実地で体感する教育を頭ごなしに否定しかねない」と疑問視したことには、「そういうことではなかろう」と驚きを覚えた次第。
やはり、こうした考えの党とは相容れないと認識したところ。
なお、「基地を作ることの良しあしは賛否両論あっていい」との言葉を受ければ、榛葉幹事長は同じく会見で「きれいごとを言えば、どこの世界だって基地がゼロの方がいい。しかし、普天間飛行場の危険性を除去し、抑止力を維持するという難しい方程式を解くように、あらゆる方々が努力している。ただ『反対反対』『平和平和』と叫んでいるだけで平和が来るなら、結構だが、そうではない」と米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設に対する反対運動について違和感を唱えています。
これ以上、基地問題に触れることはやめておきますが、いずれにしろ、尊い女子生徒1人の命が失われ、教育と政治の関わりに関わる法にも違反したこの重大問題。
今後発生することが二度となきよう、監督行政庁をはじめ、社会が目を光らせなければと思う次第です。






