東京電力柏崎刈羽原子力発電所6、7号機「特重施設」の申請を許可

ブログ 原子力

8月5日の記録的な大雨以降、このブログのカテゴリーも「防災」に分類することが多くなっておりますが、天気を心配する日が続いています。
 
今朝も慌ただしく届く敦賀市緊急情報(トンボメール)ですが、3時23分には福井県竜巻注意情報、4時16分には大雨(土砂災害)警報及び雷、高潮注意報が発表され、土砂災害や低い土地の浸水に警戒としています。
 
雨はやや小降りにはなってきたものの、先の国道365号線での土砂流出などを鑑みれば、一度緩んだ地盤には十分な警戒が必要であり、今後の気象情報、市からの防災情報を把握のうえ、必要な対応をお願いする次第です。
 
さて、話しを防災から原子力に変えますが、こちらはひとつ、私にとって朗報がありました。
  
それは、昨日開催された原子力規制委員会(規制委)の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の※特定重大事故等対処施設(特重施設)に関する原子炉設置変更許可について審議がされ、同日許可されたこと。
 
※特定重大事故等対処施設
発電所への意図的な航空機衝突等による大規模な損壊で広範囲に設備が使えない事態において、原子炉格納容器の破損を防止するために必要な原子炉圧力容器の減圧、注水機能や原子炉格納容器の減圧・冷却機能等を備えた施設のこと
 
これで、BWR(沸騰水型軽水炉)プラントでは日本原子力発電の東海第二発電所に続き2例目の正式合格となりました。
 
規制委は7月に柏崎刈羽6、7号機の特重施設について、技術的能力が新規制基準に適合している「審査書案」を取りまとめた後、技術的能力以外の要件である平和的利用や経理的基礎も確認。
 
許可交付に向けた手続きとして原子力委員会、経済産業相への意見聴取を実施してきたものですが、東京電力が本設置変更許可申請書を提出したのは2014年12月15日ということで、途中4度の補正書提出を含め、足掛け8年近く、審査に時間を要したということになります。
 
東京電力ホールディングスのプレスリリースを見るに、「引き続き、同委員会による審査に真摯かつ丁寧に対応するとともに、福島第一原子力発電所の事故から得られた教訓を踏まえ、更なる安全性、信頼性の向上に努めてまいります。」と結んでいましたが、この柏崎刈羽6,7号機は、建設中に半年間、私も研修でお世話になった愛着のあるプラント。
 
東日本の電力需給改善はもとより、「原子力発電の最大限活用」に向けては東海第ニや女川2と同様、BWRの柏崎刈羽6,7号(改良型のABWRですが)の再稼働は必要不可欠であり、ともに歩みを進める思いであります。
 
今朝の福井新聞を見ますと新閣僚の西村明宏環境大臣が発した「再エネ主力電源に」との見出しがありましたが、冒頭にあるよう、不安定な天候続きでも安定した電力供給が欠かせないことを考えれば、私は天候に左右される「再エネ」を「主力化とすべきでない」と明言しておきたいと思います。
 
何を置いても、「一歩前進」した柏崎刈羽6,7号機の特重審査合格を祝うとともに、再稼働に向け尽力される職場の皆さんとは「同志」として今後も連携をし、わが国の国力の源である「電力の安定供給」に一日も早く貢献できるよう努力を重ねる所存です。
 

【柏崎刈羽原子力発電所全景。中央の小山の右側が1〜4号機、左側が5〜7号機。(東京電力ホールディングスHPより)】