政治家の説明責任と引き際 〜山際経済再生相が辞任〜

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アメリカ・カナダへは「人道の港」の関係で、パリへは「食文化ストーリー」と敦賀の歴史、文化を発信することを目的に派遣された敦賀市長、市議会議長を始めとする使節団ですが、新聞でも報道の通り、渕上市長が帰国後コロナ感染とのこと。
 
パリ滞在中の19日に体調不良を感じ、行事参加を取りやめホテル待機、21日に日本へ帰国、22日に自宅で抗原検査「陽性」、23日に医療機関で検査し「陽性」というのが一連の流れですが、感染したこと自体はさて置き、体調不良を感じられてからの対応に市民から疑問の声が挙がっています。
 
疑問の論点はご想像の通りと思いますので、ここで多くを述べることは控えますが、感染拡大防止、危機管理の観点から適切な対応であったのか、公費を使って派遣した、しかも市長の採った行動ですので、こうした市民の疑問に応える責務があるのではと考える次第です(声が市に届いていないのであれば、知る由もないのかもしれませんが)。
 
(投稿後追記)
この米加仏使節訪問に関して私は、6月定例会で「大いに胸を張って行っていただきたい」との討論をし、賛成した立場です。よって、多くの成果があったであろうこの訪問をコロナ対応ひとつで「負」のものにしてしまってはいけない。そうした思いでの記載ですので、誤解なきようお願いいたします。
 
さて、昨日午後は鯖江市文化センターで開催された「福井県市町議会議員合同研修会」に出席。
 
市議会としてバスに乗車し研修に行くのは久々のことでしたが、2部構成の研修の1部では「福井県を挙げたDX推進に向けて」、2部では「政局展望 旧統一教会国会スタ-ト 与野党攻防激化で岸田政権の苦境続く」をテーマに、それぞれ講演を拝聴しました。
 

【鯖江市文化センターで開催された「市町議会議員合同研修会」の様子】
 
このうち、政局展望の講演をされた政治ジャーナリストの方からは「今後の政治日程を把握しておくことが重要」として述べられたうえで、資料では、旧統一協会の対応に追われる岸田政権、とりわけ山際経済再生担当大臣の去就に関しては、「11月末の第二次補正予算案提出、衆院予算委員会で審議入りした後、統一教会で審議ストップのタイミングで辞任することになるのでは?」とのことでした。
 
その後、研修を終え帰敦して間もない18時前だったでしょうか、「山際大志郎経済再生相が辞任へ 旧統一教会の問題、事実上の更迭」との速報メール。
 
24日夜、山際大臣は岸田総理に対し、政権運営に迷惑をかけたくないとして、辞表を提出し辞任。
 
総理は経済対策や補正予算案、それに旧統一教会の被害者救済などに優先して取り組みたいとして、辞表を受理したとし、事実上の更迭とみられるとありました。
 
講演で聞いた直後のことに思わず「読み間違えてるやん」と呟いてしまいましたが、政局はそれほど水ものということでしょうか。
 
そう思えば、地方議員の研修で政局展望を聞く意味合いはあるのかとも感じた次第ですが、さて置き、これを受け、国民民主党の玉木雄一郎代表はTwitterでこう発信しています。
 
「自分のことで精一杯で、担当の経済再生、コロナ対策に全力を傾けられない以上、大臣辞任は当然だ。後任選定を含め政策に停滞が生じないようにしてもらいたい。円安、物価高をはじめ国内外の情勢が緊迫する中、とにかく判断が遅すぎる。」
 
国難とも言えるいま、辞任に追い込んだことを「成果」と喜んでいる場合ではなく、待ったなしの経済対策などに国会空転、政治空白を生まずにどうあたるかが、真に国民のための政治であり、国会の機能と受け止めるところ。
 
なお、留任すべき(させるべき)か、辞任すべき(されるべき)か、政治家の判断ひとつで局面が変わる、大変重い物であることは言うまでもなく、今回の引き金となったような対応に関しては、政治に携わる立場の自身に置き換え、発言・行動には厳に留意するとともに、その良し悪しの責任を負うのはすべて自分であることを肝に銘じる所存。
 
お支えいただいている地域の皆さん、職場の皆さんへの感謝を忘るることなく、引き続き活動にあたってまいります。