北海道寿都町長選、現職片岡氏が勝利

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議会というと、本会議場で一般質問などを行う定例会をイメージされるかと思いますが、それ以外の期間も会議や委員会を開き、継続協議や調査などを行なっています。
 
昨日午前も各会派代表者会議、午後は産経建設常任委員会に出席(代表者会議は代理出席)し、代表者会議では、コロナ感染の状況を踏まえた委員会視察等の取扱いや市役所新庁舎の議場の関係について、産経建設常任委員会では、継続して行なっている「敦賀きらめき温泉リラ・ポートならびに敦賀市グラウンドゴルフ場の指定管理」に関する所管事務調査の内容について協議を行いました。
 
とりわけ、産経建設常任委員会での所管事務調査に関しては、以前に敦賀市議会として議決した「敦賀きらめき温泉リラ・ポートの指定管理に係る調査特別委員会(いわゆる百条委員会)調査報告書」で、報告書議決以降の議会の対応について、「議会の監視権に基づき、敦賀きらめき温泉リラ・ポートの指定管理に係る調査特別委員会が解散したのちも、当調査報告書に記した事項について、常任委員会による所管事務調査又は、全員協議会等により、市の行政事務の改善や、その後の施設運営等の管理監督について監視を行う。」とあることを踏まえ継続調査しているもの。
 
これを受け、同委員会としては、市が令和4年4月とする運営再開に向けた指定管理者の公募、選定、運営開始までに至るまでの各段階にて、調査報告書にて指摘された事項が適切に対応されるとともに、再発防止対策としての改善がされているかについて確認を行うこととし、7月15日には、①指定管理者の募集に関する事項、②指定管理者の選定に関する事項、③管理運営業務の引継ぎの3点を調査項目に挙げ確認を行ってきているところ。
 
昨日の協議においては、次なるステップとして、現在選定委員会で進められている指定管理者選定における選定基準(どの会社を選定したのかではなく、あくまでも適切に選定されたかのプロセスを追うもの)や運営再開に向けたスケジュール等を調査項目に挙げることを確認しました。
 
私は同委員会の委員長の任を努める立場もあり、先の百条委員会調査報告書の趣旨、所管事務調査の重みを十分認識のうえ、過去の苦い経験を決して繰り返すことのなきよう確認のうえ、市民の皆さんが期待する適切な形でのリラ・ポートの運営再開に進むよう役割を果たしていきたいと考えます。
 
さて、話しは変わり、衆議院選挙は後半戦に入ったところですが、昨日投開票が行われた注目の選挙といえば、北海道寿都町長選挙。
 
20年ぶりとなった町長選挙は、即日開票の結果、無所属で現職の片岡春雄氏が無所属新人の元町議越前谷由樹氏を破り、6選を果たしました。
 

【花束を掲げて当選を喜ぶ片岡氏(インターネットニュースより引用)】
 
なぜ注目かと言えば、既にご承知の通り、この寿都町は、原子力発電環境整備機構(NUMO)が進めている原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定をめぐる第1段階「文献調査」に手を挙げ、現在進めている訳ですが、この「文献調査」を継続するかの是非を最大の争点としていたもの。
 
投票率は、平成13年に行われた選挙より2.79ポイント下回ったものの「84.07%」の高投票率。
 
開票の結果、得票数は片岡氏1135票、越前谷氏900票で、わずか235票という僅差ながら、現職の片岡氏が勝利を納めたことに、私としては胸をなで下ろした次第です。
 
この結果を受け片岡氏は、「非常に複雑な思い。町民の理解が得られるよう勉強会などを開いていきたい」などと表情を引き締めたほか、選挙戦について「核のごみ(高レベル放射性廃棄物)という案件は大変厳しいものと感じた。5期20年、町の発展のために『稼ぐ行政』をしてきた。稼いだものは地域に返すという循環の中でやってきて、町民に支持していただけると思っていたが、自信過剰になっていたかもしれない。この結果に責任の重さを感じている。改めて原点から勉強しながら、(第2段階の)概要調査前には住民投票で皆さんの意見を聞いて判断させていただきたい」などと述べられました。
 
「文献調査」に関しては、トータル20億円の交付金を「金欲しさ」と揶揄する声もありますが、片岡町長は以前のインタビュー記事で、「やはりお金がないと町民の要求には応えられません。安全・安心のためにも、財源は必要です。特に寿都の場合は財源が非常にぜい弱であるため、他の町以上に、独自でこの地を生かした収入を確保していかなければならない。それが風力発電であり、ふるさと納税である訳です。さらに3つ目の収入源があれば最高なのですが、なかなか見つかりません。3つ目となる産業をしっかり成長させて、税収を伸ばすためには相当な資金がいります。町独自では限界がありますから、国の有利な補助金などを霞が関に通ってゲットするトップランナーになることも、首長の重要な役割です。その際、スピーディーな判断も大切になってきます。そして首長にとって大切な仕事は、できないことを住民のみなさんに納得していただけるように説明することだと考えています。つまりは、説明責任を尽くすということです。」との考えを示され、実際、寿都町には新たな産業進出の動きも出てきていると聞いています。
 
調査に手を挙げるとの考えを示した当初は、反対意見が殺到し、自宅には火炎瓶まで投げ込まれても怯まず、それでも調査推進の姿勢を崩さない片岡町長は、寿都町役場に就職するとき、父親から「お前の死に場所は寿都だ。(生まれ故郷の)旭川には帰ってくるところはないぞ」と言われて送り出されたとのこと。
 
地元の人以上に頑張らないと申し訳ないとの思いのもと、この町で非常に楽しく過ごすことができた、この恩をどう返していけばいいのか常に考え、行政経験のそれぞれの立場で最善を尽くしてきたとし、さらに「私の感謝の気持を職員を通じて発揮したいというのが、一番の原点です。」と語る片岡町長、そしてこうして国家が抱える重要問題に真正面から向き合う寿都町民の皆さんに最大限の敬意を表するとともに、今後も粛々と調査が進むことを期待する次第です。
 
次は、年明けに行われる、同じく文献調査を進める北海道神恵内村長選。
 
ここでも同じく、調査継続の民意が示されることを願うと同時に、こうして調査に名乗りを挙げる道筋が全国の他自治体にも広がることにつながることを切に期待いたします。