カンクレスの音色に思うリトアニアとの連帯

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先日開催された「第4回 地域共生社会推進全国サミットinつるが」のオープニングアトラクションで披露された、ジェミーナ・トリンクナイテさん並びに前駐リトアニア日本国大使夫人の山崎さんによるリトアニア楽器「カンクレス」の演奏は、何とも心落ち着く音色であったことを思い出します。
 
昨日は、そのお二方の演奏が「人道の港敦賀ムゼウム」で行われ、カンクレスの素敵な音色、華やかな二重奏が計10曲ご披露されたとのことであり、再び敦賀市民の皆さんに届けられたということを嬉しく思う次第です。
 
バルト三国のひとつリトアニアは、杉原千畝氏が「命のビザ」を発給したカウナスが有名ですが、そう思えば、敦賀、そして日本とも歴史的な結び付きがある国であることは言うまでもありません。
 

【2019年6月に東京八重洲にある「杉原千畝 SEMPO Museum」を訪れた際、大変感銘を受けたことを思い出しました】
 
その関係を表すよう、先月は、来日したリトアニアのシモニテ首相と岸田首相が会談し、両国の外交・防衛当局が参加する安全保障対話の創設で一致。
 
両首脳は、台湾海峡の平和と安定の重要性も確認しており、リトアニアは日本にとって心強いパートナーであるとも言えます。
 
なお、リトアニアは、中国の脅威に晒されている台湾を支援するが如く具体的な行動を採っており、民主主義の連帯を象徴する新たな拠点を正式に開設。
 
拠点とは「リトアニア貿易代表処」で同国の駐台代表機関となるとあり、台湾の外交部は「台湾とリトアニアは権威主義に最前線で立ち向かうパートナーだ」と正式開設を歓迎するメッセージを発表しています。
 
台湾が「明日のウクライナ」になれば、日本の平和も脅かされることは周知の事実であり、日本は米国を始め、リトアニアを含む欧州の友好国とともに、台湾の自由と民主主義を支えることが、安全保障上、最も重要視すべきことかと考える次第です。
 
中国は既に、リトアニアとの外交関係を格下げしたほか、「小国」と呼び、「大国との関係を悪化させる行動をとるのは度し難い」と反発していますが、わが日本も中国にとって最早や「小国」扱いされているのか。
 
今の日本人にとって必要なのは、杉原千畝氏が「人道」で貫いた「揺らぎなき信念」と同様、「自分の国は自分たちで守る」との信念、そして気概を思い起こすことではないかと考えます。
 
カンクレスの優しき音色は「平和」をイメージします。
 
奏でられた音色が育まれたリトアニアの姿勢に敬意を表するとともに、尊い平和を守り抜くために必要なことを私たち自身が「我がこと」として真剣に考えねばなりません。