オミクロン株はあれど科学的根拠に基づき冷静な対応を

ブログ 新型コロナウイルス


 
昨朝は令和4年最初の辻立ちからスタート。
 
時折雪が降る中でしたが、年頭のご挨拶の意味も込め、普段以上に元気に活動させていただきました。
 
このような不安定な天候でも「へっちゃらです」と一緒に立ってくれる仲間には本当に感謝しかない訳ですが、そうした彼への花向けか、開始時点では鉛色だった空が徐々に変化をし、8時過ぎの終了時点では一面青空に。
 
この天気のように、苦しい時を耐えた後には必ずや明るい社会がある、いやそうせねばならぬとの思いを重ね合わせた次第です。
 
西浦道路での辻立ちは基本毎週水曜日の朝としておりますが、今年も思いを込めて、コツコツ続けていく所存です。
 

【一変、辻立ち終了時点では見事な青空が広がりました。】
 
さて、徐々に国内でも感染が再拡大しつつある新型コロナウイルスに関しては、昨日、新たに2638人の感染者が確認され、1日当たりの感染者が2千人を上回るのは昨年9月26日以来とのこと。
 
ここ福井県では、5日に新型コロナウイルス感染が判明したと発表した男女4人は、検査の結果、いずれもデルタ株ではないとのことであり、県はオミクロン株の可能性が高いとみて、ゲノム解析を進めています(結果は週内にも判明する見通し)。
 
このオミクロン株については、既に世界の多くの国で確認され、疫学的見地からの対応がされているところであり、先月から新変異株オミクロン株が急拡大した英国では4日、新型コロナウイルスの新規感染者数が21万8000人に達しましたが、ジョンソン首相は同日夕に記者会見し、オミクロンが重症化しにくいとみられることや、ブースター接種が順調に進んでいることなどから「再び都市封鎖をせずにオミクロンの波を乗り切れる見込みがある」と強調。
 
イングランドで新たな規制強化は行わないと明言しました。
 
これはあくまでも英国の例でありますが、増加する新規感染者数に怯むことなく、疫学的・科学的視点をもって対応の判断をし、国民に明確に意思を伝えるという点において、見習うべき点多きと感じた次第です。
 
一方、日本国内はどうかと言えば、相変わらず新規感染者数にクローズアップ、オミクロン株とも相まって、不安を煽るばかりの報道に辟易とするところです。
 
ですので、私の場合、その手のニュースはほとんど見ることなく、自ら真実を把握することとしており、昨日も国立感染症研究所のホームページにて確認をした次第です。
 
同研究所では、ちょうど昨日「SARS-CoV-2 B.1.1.529系統(オミクロン株)感染による新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査(第1報):感染性持続期間の検討」と題した調査結果を報告されていました。
 
この調査は、現在の退院基準では入院期間が長期化し、患者及び医療機関等の負担となる可能性があることから、オミクロン株症例のウイルス排出期間等について明らかにする必要があるとして行われたものでありましたが、まず興味深いのは「対象症例の属性」でした。
 
【対象症例の属性】以下、報告書抜粋
 
◉2021年12月22日までに登録された対象症例は、21例のべ83検体であった。
◉年齢中央値33歳(四分位範囲 29-47歳)、男性19例(90%)、女性2例(10%)であった。
◉ワクチン3回接種は2例(10%)で、その内訳はファイザー社製のワクチン3回の1例とジョンソンエンドジョンソン社製のワクチンの後にファイザー社製のワクチン2回接種した1例であった。
◉そのほかはファイザー社製のワクチン2回が8例(38%)、武田/モデルナ社製のワクチン2回が9例(43%)、未接種者はいずれも未成年で2例(10%)であった。
◉ワクチン2回接種から2週間以内の経過の者はいなかった。
◉退院までの全経過における重症度は、無症状が4例(19%)、軽症が17例(81%)であった。
◉中等症以上・ICU入室・人工呼吸器管理・死亡例はいなかった。
 
また、「考察」では、オミクロン株症例において、※Cq値は診断日および発症日から3~6日の群で最低値となり、その後日数が経過するにつれて上昇傾向であった。診断または発症10日目以降でもRNAが検出される検体は認められたが、ウイルス分離可能な検体は認めなかった。これらの知見から、2回のワクチン接種から14日以上経過している者で無症状者および軽症者においては、発症または診断10日後以降に感染性ウイルスを排出している可能性は低いことが示唆されました。
 
※cq値:値が高いほどウイルス量は少ない
 
以下、試験結果の記載(国立感染症研究所HPより引用)

【3〜6日をピークにcq値が高くなっている(ウイルス量が減っている)ことが分かる】
 
考察の結びでは、ワクチン接種歴のある者が大多数であったこと、無症状者及び軽症者が調査対象であったことなどの制限があったことを挙げつつ、ウイルス分離試験の結果は検体の採取方法・保管期間・保管状態等に大きく依存することから、陰性の結果が検体採取時の感染者体内に感染性ウイルスが存在しないことを必ずしも保証するものではないことに注意が必要であるとしている。
 
このように、検体数は少ないとは言え、現段階での調査結果から見えることは「重症化リスクは低そうだ」「潜伏期間は従来株より短そうだ」ということかと。
 
素人がこれ以上推察するのは控えますが、既に国内で割合を高めるオミクロン株に対しては、今後検体数を増やしての疫学的調査が進めばさらに明らかになること、真実性も高まることから、引き続き同研究所の調査結果には注視していきたいと思います。
 
先の英国の対応に話しを戻しますと、イングランドでは現在、交通機関や公共施設でのマスク着用、在宅勤務の推奨、大型イベント入場時などのワクチン接種証明か陰性証明の提示といった緩い規制に留まっており、ジョンソン首相は「学校や店の営業を続け、ウイルスと共存する方法を見つけることはできる」と決意を述べ、国民に自主的な感染予防の徹底を要請するなど、医療現場が持ちこたえられるよう、体制の強化も約束したともありました。
 
決して楽観的に言うのではないことをお断りしたうえで、20万人を越えてこの対応の英国を見るに、2千人に達したとはいえ今後日本はどういった対応を採るのか。
 
マスコミの煽りやそれに同調する勢力など、いわゆる「空気感」に左右されることなく、あくまでも疫学的見地、科学的根拠を踏まえた考えに基づき対応いただくことを切に望むところです。
 
なお、令和3年第2回(9月)定例会の一般質問で私自身、敦賀市に対し「科学的見地からのコロナ対応」を求めた立場として、感染症対策で特に重要な「未然防止」のため、然るべきタイミングで情報発信するなど、危機管理力を高めた対応がされることを、こちらは私の責任・役割の範囲として確認していきたいと考えます。