「敦賀と原子力」について大学生と大いに語り合う

ブログ 原子力

県内の新型コロナウイルス感染について、杉本福井県知事は20日、当初5月28日までとしていた感染拡大に伴う独自の「特別警報」を、21日から「警報」に引き下げると発表。
 
ここ1週間の新規感染者数や病床使用率などを勘案しての判断ということですが、こうした数字をもとに適宜判断されることは、県民の皆さんの感染対策意識や安心といった面に対してもプラスになると考えるところです。
 
警報の期間は6月4日までとしておりますが、一段一段階段を降りていけるよう、引き続きご協力をお願いいたします。
 
さて、実は先日、私にとって大変嬉しいオファーがあり、昨日それが実現しましたので若干ご報告をさせていただきたく。
 
5月12日に、ホームページに掲載しているアドレスにメールが届き確認すると、首都圏にある某有名大学の学生さんより、私にお願いしたいことがあるとの切り出し。
 
その学生さんは、長女と同じ大学4年生で、「敦賀市の子どもたちは原子力発電とどう向き合い、考えながら成長していったのか」というテーマで卒業論文を執筆中ながら、敦賀市の子どもたちの原子力発電との向き合い方が分かる資料が少なく、執筆に困難を抱えているとのこと。
 
そうした矢先、インターネットにて題材を探していたところ、敦賀で育ち、地元の日本原電に就職をしたうえで市議会議員を努めている経歴の私がヒットし、敦賀市議会議員として、敦賀市民の代表として活動している立場から、敦賀市民の原子力発電との向き合い方についてインタビューをさせて欲しいとの趣旨でありました。
 
正直、この時点で彼が原子力推進の考えなのか、慎重な考えなのかまでは分かりませんでしたが、そうしたことは抜きにして、私を頼って依頼してきてくれた彼のためにと、即座にお引き受けする返信をしました。
 
とはいえ、いきなりインタビューという訳にもいきませんので、一度顔合わせ、ご挨拶代わりのZoomミーティングを開き、簡単な趣旨確認などをした後、私の方から、質問のやり取りだけでは限られた範囲となるため、敦賀のまちのことや原子力との関りについてバックボーンとなるようなパワーポイントを作成し、説明したうえでインタビューを行うことを提案。
 
彼からは「是非!」ということで、そうした資料準備を行ったうえで、昨日インタビュー本番を迎えました。
 
くれぐれも誤解なきよう申し上げておきますが、このテーマに真摯に向き合う彼のためにも、私が原子力産業に努めているからと無理やり知識を押し込むということは決してせず、公平且つ客観的視点、事実をお伝えすることに重きを置き、資料構成、そしてお話しをさせていただきました。
 

【Zoom会議のひとコマ。敦賀と原子力の半世紀の歴史もお話ししました。】
 
冒頭に私からプレゼンを行いましたが、敦賀が交通の要衝であることなどの歴史や文化といった部分にも大変興味を持っていただけたのか、彼からの積極的な質問などもあり、気づけばそこで1時間経過。
 
その後、彼からの質問にお答えしたり、発電所勤務時代の思い出、高いマイプラント意識、原子力発電で社会に貢献するという誇りを持って仕事をしていたことなど、少し横道議論などもしながらインタビューは進み、気づけば4時間、真剣にお話しをさせていただきました。
 
中身を詳細に述べることはすべきでないと思うので控えますが、なぜ原子力の分野に勤めようと考えたのか、もんじゅや美浜3号、福島第一原子力の事故のときにどんな感想を抱いたのか、また、敦賀の学校で行われている原子力教育の現状についてどのように考えているのか、さらには日本におけるエネルギー政策、「原子力」と「原発」の言葉の意味など、幅広い内容について話すことが出来、私にとっても大変有意義な時間となりました。
 
聞けば、彼のほうは、2年前に「青春18切符」で単独で敦賀を訪れ、もんじゅを見ておられることや、この論文執筆にあたっては、県内の自治体に情報開示請求をし、教育関係資料を取り寄せたり、慎重派の敦賀市議さんにも同じようにインタビューをしたりと丁寧にご自身の足で材料を積み上げきているとのことで敬意を表するところ。
 
Zoomミーティングの最後には、彼から過分なる感謝の言葉を頂戴しました。
 
私からは、逆にこうした機会をいただけたことへの感謝、そして卒業論文の無事の完成、さらには今後の就職活動へのエールを送らせていただきました。
 
こうして熱心に学び、自ら考える学生と直接接し、私自身大いに刺激とヒントをいただけたとともに、原子力発電を「賛成、反対」の二項対立ではなく、両者のメリット・デメリットを正確に捉えつつ、俯瞰的にフラットに考えることの出来る彼ら世代こそ、よほど成熟していると受け止めましたので、そうした彼らと一緒に、今後も大極的、俯瞰的視点のもと、わが国の国情に見合ったエネルギー・原子力を考えていきたいと思います。
 
貴重な機会をいただいたSさん、本当にありがとうございました。