敦賀の悠久の歴史をつなぐ「気比史学会」

ブログ 敦賀の歴史・文化

「過去に学び 未来に期待し 今を生きる」
 
昭和52(1977)年の設立以来、この言葉を会是とする敦賀の市民歴史団体「気比史学会」。
 
設立から45年を数えるこの「気比史学会」ですが、昨日は市立図書館3階会議室にて「第47回定期総会」を開催し、これまで理事を務めていた私は事務局長を拝命いたしました。
 
史学会との出会いを振り返ると、「歴史を生かしたまちづくり」の考えを持っていた私は、議員になったばかりの令和元年10月に同会の糀谷会長をお伺いし、会の生い立ちや取り組み内容、歴史に対する思いなどについてお話しを聞かせていただいたところから始まります。
 
※当時の様子をブログに留めてありましたので、詳しくは以下リンクよりご覧ください。
 →敦賀「気比史学会」に学ぶ(2019年10月24日ブログ)
 
そこにも記載したよう、45年の歴史を有する「気比史学会」は、「歴史の大衆化」や「楽しみながら地域史を学ぶ」との考えのもと、敦賀の歴史再発掘に向けた調査や研修の内容を学び合う「市民歴史講座」を35年以上継続するほか、出版活動、疋田舟川や向出山古墳などの文化財保護、北陸最古とされる深坂古道の整備復元など幅広い活動を展開してきた市民歴史団体であり、今では全国の市民歴史団体のなかでも稀有な存在となっているところ。
 
一方で、近年では切実な問題として、役員の高齢化や会員数の減少、これに伴う財政面の懸念など、会の存続に関わる課題が生じてきていたことから、2年前の総会では、「令和4年度末(2023年3月31日)をもって会の幕を閉じる」との方向性が確認されたところでしたが、一言で言えば「もったいない」、歴史を学ぶ団体が継承なく消滅してしまって良いのかとの思いのもと、「何とか継承の道筋を探らせてもらえないか」と懇願した私。
 
昨年の総会では、改めてそのことを申し上げたことに加え、自分自身も理事として会の運営に携わることで、一助を果たすべく取り組んでまいりました。
 
その後、約1年を掛け、継承に向けた組織体制、財政、活動内容の主に3点についてロードマップを示しつつ、役員会の中で検討を進めてきましたが、一番大きかったのは体制面。
 
同じく若手理事として名を連ねておられた方1名を始め、結果、私を入れて7名(30〜50代)の思いを共有するメンバーが揃ったことから、継承が現実のものとなり、昨日の総会では、これまでの検討経過、そして会を存続させることについて確認を得た次第です。
 
糀谷会長には、我々に過去の取り組みやご経験をご教授いただくなど、会の円滑な継承に寄するため、引き続きの会長職を担っていただく訳ですが、副会長以下は新たな役員体制のもと活動を進めることとなりました。
 
なお、役員改選の後、私から提案しました今年度事業計画(案)の冒頭に記載したのは以下の文章。
 
「これまで『地域史の再発掘と歴史を活かしたまちづくり』のため、45年に亘り取り組んできた市民歴史団体としての理念、活動を継承しつつ、ここ敦賀の豊富で悠久の歴史を楽しみながら次代へ継承するとの思いのもと、新たな発想も取り込みながら、以下の事業を実施することとしたい。」
 
地域史を学ぶことは、単に面白いということのみならず、学べば学ぶほど郷土への誇りや愛着が増すことから、こうした史実を今度は私たちが、そしてさらに次代へとつないでいくことは、敦賀の持続的発展のためにも極めて重要なことと考える次第です。
 
つまりは、気比史学会の会是「過去に学び、未来に期待し、今を生きる」はまさに、こうした意味合いを込めたものであるとともに、現代を生きる私たちに必要なのは、これまた糀谷会長が以前に会の機関紙の中で述べられた「歴史に学び、歴史をつくる志」の心意気。
 
こうした思いを込めながら、今期は第39期目となる市民歴史講座を始め、「ミニ歴史講座」の定期開催、次代を担う若者(小中高生)との連携事業などにも取り組む計画としています。
 
なお、市民歴史講座はどなたでも参加できますし、会の一般会員も広く募集しておりますので、関心のある方はぜひお気軽に参画いただければ嬉しく思います。
 
「歴史や組織をつなぐ」ことは重いことと、肌で感じるところではありますが、設立当初がそうであったよう、肩肘張らず、私自身は新たな役員の皆さんと思いを共有しながら、とにかく「楽しく」地域史を学んでいきたいと思います。
 

【昨日の定期総会の様子。長年に亘り、会を支えていただいた役員の皆様に心からの敬意と感謝を申し上げます。】