勇気ある撤退は、次へのチャレンジの証

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福井県内は7日ぶりの新型コロナ感染者ゼロ。
 
敦賀市5例目の方の濃厚接触者は「同居」のお二人と公表されていただけに、新たな発症者も覚悟していた訳ですが、結果「陰性」ということで安堵したところです。
 
明日からのお盆週間にあたり、敦賀市においては、各公共施設の利用について市外者に自粛要請をしたということもあって、以前から最も気にしている気比の松原に状況を見にいくと、いつの間に立てたのか「敦賀市民のみの利用とする」旨の赤い帯のついた看板に加え、何と停車する車はまばらな状態。
 
入口にいらっしゃった警備員(2名体制)の方にお話しを伺うに、県外ナンバーの方には事情を説明すると、ほぼ素直に聞き入れていただきUターンしていただけるとのこと。
 
急遽の要請でトラブルに成りかねやしないか心配をした訳ですが、大きな混乱は無いようで、こちらもやや安堵した次第です。
 
市のホームページを見ると、8日付けで渕上市長のメッセージも更新されていました。
 
4月6日以降、これで9回を数えるメッセージでありますが、ここ最近は感染対策に加え、誹謗中傷の防止も呼び掛けられています。
 
特に誹謗中傷や偏見に対しては、より多くの市民の皆さんに理解されることにつなげるためにはやはり、リーダーである市長から気持ちや思いを伝えていただくことが効果的と考えますので、今後も引き続き、機を捉えての発信をお願いしたいと思います。
 
さて、若干前置きが長くなりましたが、本来であれば、今日は25回目となる「敦賀港カッターレース」の開催日。
 
既に公式ホームページでも発表をしている通り、市内の新型コロナ感染状況に鑑み、苦渋の判断をもって「中止」としており、昨日はカッターの引き上げ、清掃作業など後片付けを行い、レースで走ることなく艇を元の場所に戻しました。
 

【レースでの出番が無かったカッターは元の位置へ】

【引き上げられるカッター】
 
実行委員会に置かれては、コロナ禍における本イベントのあり方について検討に検討を重ねつつ、参加チームへの説明、7月25日にはカッター(船)下ろし、以降出場チームの練習助勢などの対応を重ねてまいりましたが、市内で感染者が相次ぐ状況の中、最終的には先週5日に開催した実行委員会の中で話し合いをし、「中止」の決定をしたものであります。
 
私も5日の実行委員会に出席し発言もさせていただいた訳ですが、さすが皆さんで作り上げているイベントだけあって、誰かのトップダウンで決めるのでなく、公平に皆の意見を聞き、総合的に合意形成を図りながら判断をする手法は、まさに民主主義のお手本であると密かに感じた次第です。
 
「こんなコロナ禍なのに最初から止めれば良かったやん」の言葉に対しては、これまで私は自身の考えも踏まえ、少し反論もしてきたところですが、「コロナとの共存」、「withコロナ」の時代にあって、極端に感染防止対策にウエイトを置き、何事も最初から諦めていては、人生をゆたかにする生きがいや楽しみを失うこととなり、個人としての過ごし方やまちづくりの観点からも著しくバランス感を欠いたものとなります。
 
「やれない理由は言うな。どうしたら実現出来るかを考えよ」
 
会社に入った際に上司や先輩から良く言われた言葉ですが、これは皆さんも同じご経験があるのではと。
 
つまり、コロナに関しても、リスクを可能な限り低減させる感染対策を考え、「実現出来る方法」を考えるべきであると言うのが私の考えであります。
 
このカッターレースにおいては、以前にも述べた通りのきめ細やかな感染対策に加え、実行委員を含む参加者の皆さんに「抗体検査」まで行いました。
 
事前に検査しても意味ないだろとのご意見も受けましたが、準備段階から徹底して感染対策を講じていると考えれば、そこまでの対応を図るイベントはあまり無いのでは無いでしょうか。
 
こうした中での中止判断は、実行委員の皆さんにとって落胆を隠せないものでありましたが、既に気持ちを切り替え、見据えるは来年。
 
海に関わる人のハートの強さは、さすがです。
 
「勇気ある撤退は、次へのチャレンジの証」
 
コロナとの共存の中で、今年の中止判断をバネに、来年はさらに進化し、今年の分まで盛り上がる「敦賀港カッターレース」が開催されることを切に願うとともに、微力ながら私も参画していきたいと思います。